コンテンツにスキップ

H氏賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Kurejulian (会話 | 投稿記録) による 2008年8月4日 (月) 12:06個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

H氏賞(エイチししょう)は日本現代詩人会が主催する、新人のすぐれた現代詩詩人詩集を広く社会に推奨することを目的とした文学賞詩壇の芥川賞とも呼ばれる。

富岡多恵子吉岡実黒田喜夫入沢康夫白石かずこなど多くの逸材を輩出。協栄産業の創業者・平澤貞二郎1904年1月5日 - 1991年8月20日)の基金により1950年(昭和25年)に創設。当初の呼称は「H賞」。プロレタリア詩人でもあった平澤が匿名を強く希望したため、賞の名はHirasawaの頭文字だけを冠する。

選考は毎春、前年1月1日から12月31日の間に発行された新人(会員であるか否かを問わない)の全詩集を対象に行なわれ、会員投票と選考委員の推薦により決定。受賞者には記念品と賞金50万円が贈られる。同様の性質と価値をもった賞に、日本詩人クラブ主催の「日本詩人クラブ新人賞」がある。2007年、「詩集発行3冊目まで」という条件が明示された。

授賞記録

授賞回次 授賞年度 受賞者名 受賞作品名または業蹟
第1回 昭和26年 殿内芳樹 断層
第2回 昭和27年 長島三芳 黒い果実
第3回 昭和28年 上林猷夫 都市幻想
第4回 昭和29年 桜井勝美 ボタンについて
第5回 昭和30年 黒田三郎 ひとりの女に
第6回 昭和31年 鳥見迅彦 けものみち
第7回 昭和32年 井上俊夫 野にかかる虹
第7回 昭和32年 金井直 飢渇
第8回 昭和33年 富岡多恵子 返礼
第9回 昭和34年 吉岡実 僧侶
第10回 昭和35年 黒田喜夫 不安と遊撃
第11回 昭和36年 石川逸子 狼・私たち
第12回 昭和37年 風山瑕生 大地の一隅
第13回 昭和38年 高良留美子 場所
第14回 昭和39年 石原吉郎 サンチョ・パンサの帰郷
第15回 昭和40年 沢村光博 火の分析
第16回 昭和41年 入沢康夫 季節についての試論
第17回 昭和42年 三木卓 東京午前三時
第18回 昭和43年 鈴木志郎康 罐製同棲又は陥穽への逃亡
第18回 昭和43年 村上昭夫 動物哀歌
第19回 昭和44年 石垣りん 表札など
第19回 昭和44年 犬塚堯 南極
第20回 昭和45年 知念栄喜 みやらび
第21回 昭和46年 白石かずこ 聖なる淫者の季節
第22回 昭和47年 粒来哲蔵 孤島記
第23回 昭和48年 一丸章 天鼓
第24回 昭和49年 郷原宏 カナンまで
第25回 昭和50年 清水哲男 水甕座の水
第26回 昭和51年 荒川洋治 水駅
第27回 昭和52年 小長谷清実 小航海26
第28回 昭和53年 大野新
第29回 昭和54年 松下育男
第30回 昭和55年 一色真理 純粋病
第31回 昭和56年 小松弘愛 狂泉物語
第31回 昭和56年 ねじめ正一
第32回 昭和57年 青木はるみ 鯨のアタマが立っていた
第33回 昭和58年 井坂洋子 GIGI
第33回 昭和58年 高柳誠 卵宇宙水晶宮博物誌
第34回 昭和59年 水野るり子 ヘンゼルとグレーテルの島
第35回 昭和60年 崔華国 猫談義
第36回 昭和61年 鈴木ユリイカ Mobile・愛
第37回 昭和62年 佐々木安美 さるやんまだ
第37回 昭和62年 永塚幸司 梁塵
第38回 昭和63年 真下章 神サマの夜
第39回 平成元年 藤本直規 別れの準備
第40回 平成2年 高階杞一 キリンの洗濯
第41回 平成3年 杉谷昭人 人間の生活
第42回 平成4年 本多寿 果樹園
第43回 平成5年 以倉紘平 地球の水辺
第44回 平成6年 高塚かず子 生きる水
第45回 平成7年 岩佐なを 霊岸
第46回 平成8年 片岡直子 産後思春期症候群
第47回 平成9年 山田隆昭 うしろめた屋
第48回 平成10年 貞久秀紀 空気集め
第49回 平成11年 鍋島幹夫 七月の鏡
第50回 平成12年 龍秀美 TAIWAN
第51回 平成13年 森哲弥 幻想思考理科室
第52回 平成14年 松尾真由美 密約-オブリガート
第53回 平成15年 河津聖恵 アリア、この夜の裸体のために
第54回 平成16年 松岡政則 金田君の宝物
第55回 平成17年 山本純子 あまのがわ
第56回 平成18年 相沢正一郎 パルナッソスへの旅
第57回 平成19年 野木京子 ヒムル、割れた野原
第58回 平成20年 杉本真維子 袖口の動物