紀伊 (列車)
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紀伊(きい)とは、日本国有鉄道(国鉄)が1968年から1984年まで東京駅 - 紀伊勝浦駅間を東海道本線・関西本線・紀勢本線経由で運行していた夜行急行列車。
登場時より1975年までは普通急行列車、それ以降は特別急行列車(ブルートレイン)として運行された。本項目の東京対紀伊半島直通列車「紀伊」の節で解説する。
なお、本項目では、本列車廃止に伴い運行を終了している主に東京圏より紀伊半島各地へ結ぶ優等列車群についても記載する。
沿革
戦後の展開
- 1948年(昭和23年)7月1日 - 東京駅 - 名古屋駅間を毎日運行の不定期夜行準急列車として、2035・2036列車が設定される。
- 1949年(昭和24年)9月15日 - 2035・2036列車を定期化し、列車番号を変更、31・32列車とする。
- 1950年(昭和25年)10月1日 - 31・32列車運行区間を関西本線経由湊町駅(現:JR難波駅)まで運行区間を延長。同時に急行列車へ格上げを行う。
- 1953年(昭和28年)11月11日 - 「大和」の鳥羽駅編成を分離する形で東京駅 - 鳥羽駅間を毎日運行する不定期夜行急行列車として、「伊勢」(いせ)を設定する。
- 但し、不定期列車化による「伊勢」の分離は「大和」の利用客の増加によるものであるとされる。
- 1955年(昭和30年)3月1日 - 「伊勢」定期列車化。
- 1958年(昭和33年)10月1日 - 「伊勢」・「大和」の名古屋駅発着編成を分離。それに伴い、「伊勢」・「大和」併結運転を行う。
紀勢本線全通とその後
- 1959年(昭和34年)7月15日 - 紀勢本線全通により、東京駅 - 新宮駅間を運行する毎日運行の不定期急行列車として「那智」(なち)運行を開始。
- 当時は、「伊勢」の一部編成をさらに多気駅で分割を行うことで運行した。
- 1959年(昭和34年)9月22日 - このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
- 1961年(昭和36年)10月1日 - 「那智」・「伊勢」から、「能登」を分離する。
- 1962年(昭和37年)3月10日 - 「大和」に和歌山線経由和歌山市駅直通編成を連結開始[1]。
- 1964年(昭和39年)10月1日 - 東海道新幹線開業に伴うダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
- 1965年(昭和40年)10月1日 - このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
- 「大和」と「能登」の併結運転を再開。
- 「那智」と「伊勢」の併結運転を再開。
東京対紀伊半島直通列車「紀伊」
- 1968年(昭和43年)10月1日 - このときのダイヤ改正により従前の「伊勢」・「那智」・「大和」を統合し、「紀伊」(きい)に統合。同時に寝台専用列車化。
- 1972年(昭和47年)3月15日 - 「紀伊」の内、鳥羽駅・王寺駅乗り入れを終了。同時に「銀河(上り・下りとも)1号」と 東京駅 - 名古屋駅間併結運転を行う。但し廃止まで名古屋駅は運転停車扱いであった。
- 1975年(昭和50年)3月10日 - 「銀河(上り・下りとも)1号」の運行区間を変更する形で山陰本線米子駅発着とし、特急列車に昇格。列車名を「いなば」に変更。これに伴い、「紀伊」も特急列車に格上げ。車両の受持ちは品川客車区(のちの品川運転所、現在の田町車両センター)である。
- 1978年(昭和52年)10月2日 - 東京駅 - 名古屋駅間の併結相手である「いなば」の運行区間を延長し、東京駅 - 出雲市駅間となったことから、列車名を「出雲2・3号」に変更する。但し、「紀伊」については変更はなかった。
- 1980年(昭和55年)9月29日 - 東京駅 - 名古屋駅間の担当機関車をEF58形電気機関車から宮原機関区(現・宮原総合運転所)所属のEF65形電気機関車(1000番台)に変更する。同時に、DF50形ディーゼル機関車の運用がなくなる。
- 1982年(昭和57年)3月15日 - 下り列車が名古屋駅構内において機関車が衝突事故を起こす。→詳細は鉄道事故の項目を参照されたい。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - このときのダイヤ改正により「紀伊」廃止。
廃止時の概況
廃止直前のダイヤは右図のとおりである。
下り | 駅名 | 上り |
---|---|---|
21:00発 | 東京駅 | 6:25着 |
21:26発 | 横浜駅 | 5:58着 |
22:32発 | 熱海駅 | 4:40着 |
22:52発 | 沼津駅 | 4:16着 |
23:36発 | 静岡駅 | ↑ |
(運) | 名古屋駅 | 1:00発 |
↓ | 四日市駅 | 0:04発 |
3:13着 | 亀山駅 | 23:37発 |
3:43着 | 津駅 | 23:08発 |
4:02着 | 松阪駅 | 22:49発 |
4:11着 | 多気駅 | 22:40発 |
5:16着 | 紀伊長島駅 | 21:36発 |
5:45着 | 尾鷲駅 | 21:06発 |
6:24着 | 熊野市駅 | 20:32発 |
6:58着 | 新宮駅 | 20:00発 |
7:17着 | 那智駅 | 19:38発 |
7:22着 | 紀伊勝浦駅 | 19:34発 |
- 車両・編成
- 14系客車を使用した。
←紀伊勝浦駅 | 東京駅→ | ||||||
(名古屋駅 - 亀山駅間逆編成) | |||||||
号車 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
車両 形式 |
スハネフ14形 | オハネ 14形 |
オハネ 14形 |
オハネ 14形 |
オハネ 14形 |
スハネフ14形 | |
座席種別:3段開放式B寝台 |
- 東京駅 - 名古屋駅間は「いなば」(→「出雲2・3号」)と併結する。
- 牽引機関車
- 東京駅 - 名古屋駅間 - EF58形電気機関車[3]
- 名古屋駅 - 亀山駅間 - DD51形ディーゼル機関車
- 亀山駅 - 紀伊勝浦駅間 - DF50形ディーゼル機関車→DD51形ディーゼル機関車