トヨタ・カローラ
カローラ (COROLLA) は、トヨタ自動車が1966年より製造・販売している乗用車。
概要
当初1100cc級、以後モデルチェンジ毎にサイズ拡大され、1200-1600cc、のち1300・1500-2000cc級の小型乗用車として、長らく生産が続けられてきた。日本において最も普及した大衆乗用車シリーズの一つである。
その時代毎の基準から見て常に手堅く中庸な設計を用いつつ、ユーザーの上位志向に応えた装備類の充実、派生モデルの開発などで、日本国内市場、輸出市場の両面で成功を収めた。
基本となるセダンに加え、多くの派生車を擁し、1969年から2001年までの33年間、連続して車名別国内販売台数第1位を維持。2005年には累計生産台数3000万台を達成し、2008年現在でも世界140ヶ国以上の国で販売されている。
なおこの車種の車名である「カローラ」の由来はラテン語で「花冠」を意味し、先行した「クラウン」「コロナ」に続いて「冠」を象徴する車名を与えられたものである。
歴史
初代 E10型(1966-1970年)
トヨタ・カローラ(E10型) | |
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2ドアセダン1100デラックス(前期型) 1966年11月-1968年4月 | |
2ドアバン1200デラックス | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 2・4ドアセダン/2ドアバン |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン | 直4 1.2/1.1Lガソリン |
変速機 | 2速AT/4速MT/3速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット(横置きリーフ) 後:リジット(縦置き半楕円リーフ) |
後 |
前:マクファーソンストラット(横置きリーフ) 後:リジット(縦置き半楕円リーフ) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,285mm |
全長 | 3,845mm |
全幅 | 1,485mm |
全高 | 1,380mm |
車両重量 | 710kg |
その他 | |
ブレーキ | 4輪ドラム |
データモデル | 2ドアセダン1100DX 4速MT(前期型) |
800cc級エントリーモデルのパブリカと、1500cc級乗用車であるコロナの中間の車種として企画された。
開発陣のトップである主査の長谷川龍雄は、機能主義に徹したパブリカが商業的に成功を収められなかったことへの反省から、大衆ユーザーの上位志向に応じた「デラックス感」のある内外装を備えつつ、高速道路の整備進展に伴う、十分な高速巡航性能を備える小型大衆車の開発を目論んだ。この開発で、様々な面での評価において一定以上の水準を満たし、トータルでの高い完成度を追求する「80点主義」が標榜されたことは有名である。
当初は1000cc車として企画されたが、開発後期に至って日産自動車がやはり1000ccの競合モデル(のちの初代サニー)を開発中である情報が伝わり、その営業施策における辣腕で「販売の神様」と呼ばれたトヨタ自動車販売(当時)社長・神谷正太郎の強い要請で、排気量を急遽1100cc級に拡大して、性能強化を図った。これによって打ち出された広告フレーズ「プラス100ccの余裕」も後世まで長く知られるコピーとなった。
当初から輸出も含めた大量生産を企図し、トヨタの本拠である豊田市内に、カローラ専用の大規模新工場である高岡工場を建設したことも重要であった。これによって効率の良い量産体制が整えられ、需要に応えることができたのである。
発売されたカローラは、市場において競合モデルのサニーを凌駕する人気を得、意図したとおりの商業的成功を収めた。
- 1966年10月、東京モーターショーで発表され、同年11月発売。発売当初は2ドアセダンのみ。
- エンジンは新開発の水冷直列4気筒、ハイカムシャフト方式で5ベアリングのクランクシャフトを用いた1077ccOHV K型エンジン。5ベアリング式として高回転に備え、またエンジンの重心を低くすることを前提にボンネット内にコンパクトに収める目的で、最初からシリンダーヘッド部を正面から見て約20°傾斜させた格好で設計されている。
- 日本国内では同クラス初のフロアシフトによる4速マニュアルトランスミッション、日本製乗用車としては初のマクファーソン・ストラット式の前輪独立懸架などの新機構が取り入れられた。当時3速式主流の中での4速化は高速化時代への対応、フロアシフトは操作性向上とコストダウンが目的である。ストラット懸架はコンパクトなサスペンションで、以後日本メーカーの多くが小型車分野で追随して採用した。
- 1967年5月に4ドアセダンとバン(KE16V型)が追加され、同時にトヨグライドと呼ばれる、2速AT車も設定。
- 1968年4月にマイナーチェンジ。
- 同年から北米と欧州へ輸出開始。
- 1969年9月の一部改良では、排気量を100ccアップした3K型エンジンを全車に搭載。
- 前輪サスは全車、マクファーソン・ストラット式となる。
-
2ドアセダン(前期型リア)
-
2ドアバン1200デラックス
2代目 E20型(1970-1974年、バン-1977年)
トヨタ・カローラ(E20型) | |
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4ドアセダン(前期型) 1970年5月-1971年8月 | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 2・4ドアセダン/2ドアクーペ/バン |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン | 直4 1.6/1.4/1.2Lガソリン |
変速機 | 2速AT/5速MT/4速MT |
前 |
前:マクファーソンストラットコイル 後:縦置き半楕円リーフリジット |
後 |
前:マクファーソンストラットコイル 後:縦置き半楕円リーフリジット |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,335mm |
全長 | 3,995mm |
全幅 | 1,505mm |
全高 | 1,375mm |
車両重量 | 750kg |
その他 | |
ブレーキ | 4輪ドラム |
データモデル | 2ドア1200DX 4速MT(前期型) |
- 1970年5月、モデルチェンジ。
- ステアリングギアボックスはボール・ナット(リサーキュレーティング・ボール)式。
- 前輪サスペンションは、マクファーソン・ストラットコイルとなる。
- 1970年9月 1400シリーズ追加。
- 1971年4月、T-B型OHV・ツインキャブエンジンと5速MTフロアシフトを搭載する「1400SL」、「1400SR」が追加。
- 1971年8月 最初のマイナーチェンジ。
- 1972年3月、2T-G型DOHCエンジン(有鉛ハイオクガソリン仕様・115馬力)および2T-GR型DOHCエンジン(無鉛ガソリン仕様・110馬力)を搭載する「レビン」(TE27型)が登場。
- 1972年8月 2度目のマイナーチェンジで再度フェイスリフト。ターンシグナルランプの位置がラジエターグリル側面の両端から、フロントフェンダー側面の前方に移動。これに伴いクーペに1200SRを追加。
- 1973年4月、2T-B型OHV・ツインキャブエンジン(105馬力。有鉛ハイオク仕様)を搭載したクーペに「レビンJ」、「1600SR」、「1600SL」(TE27型)、セダンに「1600SL」(TE21型)が追加。既存モデルは昭和48年排出ガス規制を実施。
- 1973年6月 ハイデラックスにオーバードライブ付き5速MTを追加。
- 1974年3月 セダン、クーペ販売終了。
- 1977年12月 バン販売終了。
3代目 E30型(1974-1979年)
トヨタ・カローラ(E30型) | |
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ファイル:3rdcorolla.jpg 4ドアセダン1400(前期型) 1974年4月-1977年1月 | |
2ドアセダン1200 | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
2・4ドアセダン/ワゴン/2・4ドアバン 2ドアハードトップ/3ドアリフトバック |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン | 直4 1.6/1.4/1.2Lガソリン |
変速機 | 3速AT/2速AT/5速MT/4速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット 後:リーフリジット |
後 |
前:マクファーソンストラット 後:リーフリジット |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,370mm |
全長 | 3,995mm |
全幅 | 1,570mm |
全高 | 1,375mm |
車両重量 | 880kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ディスク 後:ドラム |
データモデル | 2ドアセダン 1400Hi-DX 4速MT(前期型) |
- 1974年4月、E30系にモデルチェンジ。生産台数は歴代最多。
- ボディは従来の2・4ドアセダン、ワゴン、2・4ドアバンに加え、2ドアハードトップが加わる。
- エンジンは1200が3K-H(STD,DX,HI-DX)/ツインキャブレギュラー仕様の3K-B型(SL,SR)。1400がT型(DX,HI-DX)/T-BR型(SL)、1600が2T型(HI-DX)/2T-BR型(GSL)、そして2T-GR型(レビン)及び2T-G型(同有鉛ハイオク仕様)である。
- 安全対策では全車インストゥルメントパネルはフルパッドで覆われ、腰部と肩部が分割ではない(一本ベルトの)自動巻取り式フロント3点式シートベルトを採用。DX以上は衝撃吸収ステアリングコラムが、HI-DX以上はフロントディスクブレーキが標準採用。
- 1975年1月 ハイオク仕様車廃止。
- 1975年11月 一部改良。
- 2T-GR型エンジン廃止に伴い、レビンシリーズ一時生産中止。同時にデザイン小変更。
- 1976年1月 一部改良。
- リフトバックシリーズ追加。
- 1977年1月 マイナーチェンジ。
- 1977年10月 一部改良。
- 1200ccMT車の排気量を1300ccに拡大し、4K-U型エンジン(TTC-C 触媒方式)で昭和53年排出ガス規制適合。
- 1978年5月 一部改良。
- セダン・ハードトップは、排気量別のフロントデザインを統一、セダン用、ハードトップ用となる。クーペ、リフトバック用も意匠変更。
-
リフトバック1200
-
リフトバック1400
-
海外向けワゴン
4代目 E70型(1979-1983年、バン-1987年、ワゴン1982-1987年)
トヨタ・カローラ(E70型) | |
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ファイル:E70.jpg 4ドアセダン(前期型) 1979年3月-1981年8月 | |
ワゴン(北米仕様) | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
2ドア/4ドアセダン 5ドアステーションワゴン/ライトバン 2ドアハードトップ 3ドアリフトバック |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.8/1.6/1.5/1.3Lガソリン 直4 1.8Lディーゼル |
変速機 |
4速AT/3速AT/2速AT 5速MT/4速MT |
前 |
前:マクファーソンストラットコイル 後:4リンクコイル |
後 |
前:マクファーソンストラットコイル 後:4リンクコイル |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,400mm |
全長 | 4,050mm |
全幅 | 1,610mm |
全高 | 1,385mm |
車両重量 | 855kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ディスク 後:ドラム |
データモデル | 4ドアセダン 1.5SE 5速MT(前期型) |
- 1979年3月、4代目にモデルチェンジ。歴代最後の後輪駆動車。
- 1982年5月にワゴンを追加。
- 1979年8月には、13T-U型エンジン搭載の1800シリーズ(TE73)が登場するが、前期型で廃止。
- 1981年8月にマイナーチェンジ。1300/1500のエンジンを改良。フェイスリフトを行う。これに伴いバンを除く全車にラジアルタイヤを標準装備。
- 1982年2月には、日本の小型大衆車クラス初の1800cc、1C型ディーゼル搭載車を追加。4速AT採用(カローラとしては史上初)。
- 4ドアセダン・3ドアリフトバック・2ドアハードトップモデルに、2T-GEU搭載の「GT」を設定。セダン1600GTはラリーフィールドで用いられた。
- 1983年5月、セダン販売終了。バン/ワゴンでセミハイルーフ化およびフェイスリフトを実施。
- 1985年8月、バン/ワゴンフェイスリフト。
- 1987年8月、バン/ワゴン販売終了。
-
2ドアセダン(北米仕様)
-
4ドアセダン1600GT
(後期型) -
ワゴン(北米仕様)
5代目 E80型(1983-1987年)
トヨタ・カローラ(E80型) | |
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4ドアセダン(後期型) 1985年5月-1987年5月 | |
5ドアリフトバック(欧州仕様・前期型) | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン/5ドアリフトバック |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.6/1.5/1.3Lガソリン 直4 1.8Lディーゼル |
変速機 | 4速AT/3速AT/5速MT/4速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット 後:パラレルリンクストラット |
後 |
前:マクファーソンストラット 後:パラレルリンクストラット |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,430mm |
全長 | 4,135mm |
全幅 | 1,635mm |
全高 | 1,385mm |
車両重量 | 870kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ディスク 後:ドラム |
データモデル | 4ドアセダン1.5SE 5速MT(前期型) |
- 1983年5月、5代目にモデルチェンジ。
- 1984年1月、一部改良で「GLサルーン」シリーズが追加。
- 「1500 SEサルーン」と「1500 SE」は4速オートマチックが設定され、カラードバンパーとなる。ドアミラーは可倒式電動リモコンに変更。
- 1984年10月、4ドアセダンに4A-GE型エンジンを搭載した1600GT設定。
- 1985年5月のマイナーチェンジでは、フェイスリフトを行い、1300ccのガソリンエンジンがこれまでの2A-LU型から2E-LU型SOHC12バルブエンジンに改良。「SE系」で後席センターアームレストを装備。
-
4ドアセダン(前期型)
-
5ドアリフトバック(後期型)
6代目 E90型(1987-1991年)
トヨタ・カローラ(E90型) | |
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4ドアセダン(後期型) 1989年5月-1991年6月 | |
ワゴン(北米仕様) | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン/ワゴン/バン |
駆動方式 | 4WD / FF |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.6/1.5/1.3Lガソリン 直4 2.0/1.8Lディーゼル |
変速機 | 4速AT/3速AT/5速MT/4速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット 後: トレーリングリンク車軸式(4WD) パラレルリンクストラット(2WD) |
後 |
前:マクファーソンストラット 後: トレーリングリンク車軸式(4WD) パラレルリンクストラット(2WD) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,430mm |
全長 | 4,195mm |
全幅 | 1,655mm |
全高 | 1,365mm |
車両重量 | 950kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ディスク 後:ドラム |
データモデル | 4ドアセダン1.5SE FF 5速MT(前期型) |
- 1987年5月、モデルチェンジ。
- 5ドアリフトバックは、スプリンターシエロのみとなり、カローラでは廃止された。
- 同年8月にワゴン/バンをモデルチェンジ。同年10月にセダンにフルタイム4WDが追加される。
- ガソリンエンジンのMT車にはメカニカル・デフロック付フルタイム4WD、ガソリンエンジンのAT車には電子制御油圧式ハイマチック4WD搭載。
- 1989年5月にマイナーチェンジ。
- 1300ccを除くガソリンエンジンがすべてEFI(電子制御燃料噴射)化され、1500ccに追加された「SEリミテッドG」に5A-FHE型ハイメカツインカムを搭載。
- 2C-III(2C-LU)型2000ccディーゼルエンジンを搭載する4WDモデルが追加。ビスカスカップリング・センターディファレンシャル式のフルタイム4WD搭載。MT車のみ。
- 1800ccディーゼルエンジン1C-II型を1C-III(1C-LU)型に変更、1300cc2E-LU型ガソリンエンジンは電子制御キャブレターとなる。
-
4ドアセダン(北米仕様)
-
ワゴン(北米仕様)
7代目 E100型(1991-1995年、ツーリングワゴン-2000年、バン/ビジネスワゴン-2002年)
トヨタ・カローラ(E100型) | |
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4ドアセダン(前期型) 1991年6月-1993年5月 | |
ワゴン(中期型) 1995年5月-1997年4月 | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン/ワゴン/バン |
駆動方式 | 4WD / FF |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.6/1.5/1.3Lガソリン 直4 2.2/2.0Lディーゼル |
変速機 |
4速AT/3速AT 6速MT/5速MT/4速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット 後:パラレルリンクストラット |
後 |
前:マクファーソンストラット 後:パラレルリンクストラット |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,465mm |
全長 | 4,270mm |
全幅 | 1,680mm |
全高 | 1,380mm |
車両重量 | 1,050kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ベンチレーテッドディスク 後:ドラム |
データモデル | 4ドアセダン1.5SEリミテッド FF 4速AT(前期型) |
- 1991年6月、7代目にモデルチェンジ(ワゴンは同年9月)。
- 1993年5月のマイナーチェンジでは、コスト削減のためSE-Gのデジタルメーターとパワーシートなどのオプション廃止。内外装変更。SEリミテッドは価格が下げられ、1500XEのAT車は4速化された。
- 1996年5月、4A-GE型エンジン搭載のBZツーリングを追加。1997年4月のマイナーチェンジでBZツーリングに6速MTが搭載。この時期のステーションワゴンブームに便乗して「カロゴン」の愛称がつき、グレードによって「ツーリングワゴン」と「ビジネスワゴン」に分かれる。
- 1998年4月、ディーゼルエンジンが3C-E型2200ccに変更。
- ツーリングワゴンは2000年8月まで、バン及びビジネスワゴンは2002年8月まで販売。
-
4ドアセダン(北米仕様)
-
ワゴン(北米仕様・後期型)
-
バン(前期型)
-
ワゴン(中期型)
-
ワゴン(後期型)
-
TECSハイルーフワゴン
8代目 E110型(1995-2000年)
トヨタ・カローラ(E110型) | |
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4ドアセダン(前期型) 1995年5月-1996年5月 | |
4ドアセダン(後期型) 1997年4月-2000年8月 | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
駆動方式 | 4WD / FF |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.6/1.5/1.3Lガソリン 直4 2.2/2.0Lディーゼル |
変速機 |
4速AT/3速AT 6速MT/5速MT/4速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット 後:パラレルリンクストラット |
後 |
前:マクファーソンストラット 後:パラレルリンクストラット |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,465mm |
全長 | 4,285mm |
全幅 | 1,690mm |
全高 | 1,385mm |
車両重量 | 1,010kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ベンチレーテッドディスク 後:ドラム |
データモデル | 4ドアセダン1.5SEサルーン FF 4速AT(前期型) |
- 1995年5月15日、8代目の110系にモデルチェンジ。
- 豪華絢爛な先代から一転し、大衆車としての原点回帰を図る。基本構造は先代と同じで、リベット溶接の採用、防錆鋼板の使用比率を約88%に拡大など、耐久性の向上と内外装のコストダウンを図る。国内向けはセダンのみ。
- 1500cc5A-FEエンジン搭載車は全車4速ATとなる。
- 1996年5月の一部改良では「SEサルーン」等の一部に、無地だったバンパー上部にシルバーメタリックあるいはグレーメタリックの塗装が施され、同時にABS・デュアルエアバッグを標準装備。
- 1997年4月に比較的大規模なマイナーチェンジを行い、内外装改良。
- 車体設計がGOA基準になる。
- 「SEサルーン」に限りオートエアコンが標準装備。同時に後席ヘッドレストを分割式に、ヘッドライトがマルチリフレクター式となる。
- スポーツグレードのGTが6速MTを装備して復活。Dジェトロ方式の採用、各気筒独立のスロットルの口径拡大により最大出力は165psとなる。これに伴い、前期型の「1.6 Sクルーズ」は廃止。
- 1998年4月の一部改良では、ディーゼル車がこれまでの2000ccのメカニカル式燃料噴射ディーゼル(2C-III型、73ps)から2200ccのEFIディーゼル(3C-E型、79ps)に変更され、1300cc4E-FE型エンジン車のマニュアルトランスミッションが5速化される。
-
4ドアセダン
(北米仕様・前期型) -
4ドアセダン
(北米仕様・後期型) -
5ドアリフトバック
(欧州仕様・後期型)
9代目 E120型(2000-2006年)
トヨタ・カローラ(E120型) | |
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4ドアセダン(後期型) 2004年4月-2006年10月 | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
駆動方式 | 4WD / FF |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.8/1.5/1.3Lガソリン 直4 2.2Lディーゼル |
変速機 | 4速AT/5速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット 後: ダブルウィッシュボーン(4WD) トーションビーム(2WD) |
後 |
前:マクファーソンストラット 後: ダブルウィッシュボーン(4WD) トーションビーム(2WD) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,600mm |
全長 | 4,365mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,470mm |
車両重量 | 1,040kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ベンチレーテッドディスク 後:ドラム |
データモデル | 4ドアセダン1.5G FF 4速AT(前期型) |
- 2000年8月28日、9代目にモデルチェンジ。ステーションワゴンのカローラフィールダーも同時に登場。「過去の大衆車枠から脱却した」新時代のカローラを宣言すべくNew Century Valueというコンセプトを掲げた。
- プラットフォームやエンジンが一新される。セダンのGT系グレードおよびカローラレビン等のスポーツモデルは廃止された。
- 特にセダンのエクステリアデザインに関しては、トヨタの欧州デザインスタジオの「ED
4 」(旧・EPOC)案がベースとなっている。[7] - フロントグリルのエンブレムは、それまでのカローラ(花冠)マークからNCVを図案化したものに変更された[8]。
- 前輪駆動車用のリヤサスペンションは軽量化と走行安定性向上のため、トレーリングビームとなる。4輪駆動車用にはバイザッハ・アクスル方式のダブルウィッシュボーン式独立懸架を採用。
- サイズは大型化され、ホイールベースは2,600mmに延長。4ドアセダンのCd値は前期型、中期型、後期型共に0.29を達成している。
- カローラにとっては初の横滑り防止機構やトラクション・コントロールといった安全装備が採用された[9]。
- 車体下部に用いられるアンダーコートに関しては、この代よりボディの軽量化を図る目的でこれまでのアスファルト系ソルから塩ビ系ソルに変更された。また、ボディの塗装に関してもこの代より地球環境問題に配慮する理由で油性系塗料による塗装から水性系塗料による塗装に変更されている[10]。
- 搭載するエンジンに関しては、ガソリンエンジンは全て新開発となっており1300ccの2NZ-FEおよび1500ccの1NZ-FE、1800ccの1ZZ-FEがそれぞれ用意され、いずれもVVT-iに対応したDOHC16バルブ機構を採用する。カム駆動はタイミングチェーンを採用。またディーゼルエンジンは直動式バルブ機構を用いたSOHC8バルブ機構を採用し、吸排気レイアウトが変更された2200ccの3C-Eが用意される。
- 2002年9月19日に行われた最初のマイナーチェンジでは、内外装が若干変更され、中期型になる。これに伴いエンジン改良等を行い、平成12年度排出ガス基準75%を達成した。
- セダン[11]、フィールダー、ランクス全車のリアシートの中央部に新たにヘッドレストが装備される。
- 2004年4月28日に行われた2度目のマイナーチェンジでは、フロントノーズ周辺の造形が若干角ばった造形となる。
- 3C-E型2200ccディーゼルエンジン廃止。オーディオのメーカーオプション廃止。
-
セダン(前期型)
-
セダン(前期型・リア)
-
セダン(後期型・リア)
海外仕様
- 欧州、シンガポールと香港では日本仕様とほぼ同仕様である。
- 欧州向けのカローラは5ドアハッチバック[12]のほか3ドアも販売。一部地域ではセダンやステーションワゴン[13]も販売されていた。
- 北米ではセダンのみが販売され、前後のデザインが日本や欧州向けとは大きく異なる。北米仕様のみ型式はZZE13#系。[14]
- 台湾、東南アジア諸国では北米仕様車のそれに準じ、「アルティス」のサブネームが与えられている。(参考リンク)
- 中国仕様車はE150系が発売後もCOROLLA(花冠)EXとサブネームが付けられ継続生産中。[15]
-
セダン(北米仕様)
-
セダン(欧州仕様)
-
セダン(東南アジア仕様)
10代目 E140型(2006年-)
トヨタ・カローラアクシオ(E140型) | |
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1.8 LUXEL | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
駆動方式 | 4WD / FF |
パワートレイン | |
エンジン | 直4 1.8/1.5Lガソリン |
変速機 | CVT/5速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット 後: ダブルウィッシュボーン(4WD) トーションビーム(2WD) |
後 |
前:マクファーソンストラット 後: ダブルウィッシュボーン(4WD) トーションビーム(2WD) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,600mm |
全長 | 4,410mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,460mm |
車両重量 | 1,150kg |
その他 | |
安全装備 |
横滑り防止機構(VSC): 1.8 LUXEL αエディションのみ 標準装備 後部中央席シートベルト: 2点式 後部中央席ヘッドレスト: 全車標準装備 |
データモデル | アクシオ1.5G FF CVT(前期型) |
- 2006年10月10日にモデルチェンジ。セダンにはサブネームが付いた「カローラアクシオ(COROLLA AXIO)」[16]、ワゴンは9代目に続き「カローラフィールダー」の名称で展開される。
- 外観は先代のE120系のイメージを踏襲しつつ、よりスタイリッシュにアレンジしたデザインとなった。
- セダンのアクシオは2007年度のグッドデザイン賞を受賞。
- 国内向けE140系セダンのアクシオは、先代120系カローラのプラットホームを改良の上流用している。
- エンジンは1500ccモデルの1NZ-FE型エンジン[17]が継続され、1800ccモデルには2ZR-FE型(DUAL VVT-i対応、136馬力)エンジン。
- オートマチックトランスミッションは全車CVTが採用され、内、1800cc車には7速のマニュアルモード付きCVTが採用される。また、1500ccモデルの2WD車に5速マニュアルミッションも用意される。4WD仕様はアクシオの最上級グレードの「1.8ラグゼールαエディション」を除く全てのグレードに設定。
- 法人向けの「1.5X ビジネスパッケージ」を除き全車にバックモニター機能付5.8インチ液晶ディスプレイとCDオーディオと前後ドアスピーカー(1.5L車は4スピーカー、1.8L車は6スピーカー)が標準で装備される[18]。また、「ビジネスパッケージ」を除く「1.5X」および「1.5G」は、オーディオレス+4スピーカー仕様を設定。
-
リア
海外向けE140/150型(2006年-)
トヨタ・カローラ(E140/150型) 海外向け | |
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4ドアセダン(北米仕様) | |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 2.4/1.8/1.6/1.5Lガソリン 直4 2.0/1.4Lディーゼル |
変速機 | 5速AT/4速AT/6速MT/5速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット 後:トーションビーム |
後 |
前:マクファーソンストラット 後:トーションビーム |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,600mm |
全長 | 4,540mm |
全幅 | 1,760mm |
全高 | 1,490mm |
車両重量 | 1,315kg |
その他 | |
ブレーキ | 4輪ディスク |
データモデル | Ascent 1.8L FF 4速AT(豪州仕様) |
- 2006年11月、中国・北京で開催されたオートチャイナ(北京国際モーターショー)にて世界初公開された。ボディタイプはセダンのみで、仕向け地や生産設備の都合で140系と150系に分かれている。140系は従来型のプラットフォーム、150系はオーリスのプラットフォームをベースにしている。[19]国内仕様のE140系と比べて全長が130mm、全幅が65mm、全高が30mm拡大された3ナンバーサイズ。中国仕様車は1.8Lは2ZR-FE型DualVVT-iエンジンを搭載。[20]また、中国名が先代の「花冠」から「卡羅拉」に改名された。今後日本・韓国・フランス・イタリア[21]の計4国を除く世界各国で導入される予定。
- フランス・イタリア以外で販売される欧州仕様車は2種類のガソリンエンジンと2種類のディーゼルエンジンを搭載する。
- 北米向けは2008年2月に発売。エンジンは「XRS」を除く一般グレード用に1.8L 2ZR-FE型DUAL VVT-iエンジンが搭載され、他に2.4L 2AZ-FE型VVT-iエンジンがスポーティー系グレード「XRS」専用エンジンとして搭載される。エクステリアデザインは基本的に欧州および中国向け等のE150系カローラセダンとほぼ共通だがフロントグリルやバンパー等のデザインが一部異なる。
- 台湾および東南アジア諸国向けは引き続き「カローラ・アルティス」の名称が使用される。台湾で2007年12月27日に発売開始され、以後各国市場に順次投入されている。エンジンは1.6Lと1.8Lが用意されるが、従来型のZZエンジンが搭載される。
- E140系で導入されているのは北米、香港、台湾、シンガポール、インドネシア、UAE向等である。[22]
モータースポーツでの活動
- 古くはE20系よりラリーに出場。
- 1984年10月登場のカローラFX(ハッチバックモデル)は国内グループAレースで活躍。
シビックと死闘を繰り広げる。
- カローラWRCが世界ラリー選手権で活動した。
1997年のフィンランド・ラリーでデビュー。WRC活動最後の1999年にマニュファクチュアラーズチャンピオンを獲得した。
ダイハツでの生産
パブリカ、スターレットがメインでカローラは意外に少なく、1975年11月から1977年12月までH-KE26V、1984年9月から1987年7月までE70V系、E70G系、1987年6月から1991年9月はE90V系、E90G系、1991年6月から2002年6月までE100V系、E100G系がダイハツで委託生産された。また、カローラベースでシャルマンとして同社より発売されていた。初代シャルマンはE20系セダン/同E20系バンがベースとなっており2代目シャルマンはE70系セダンがベースとなっている。
取扱販売店
当初はパブリカ店扱いであったが、1969年にパブリカ店がカローラ店に改称され現在に至る。なお、ディーゼル店でも併売されていたが、ディーゼル店の他系列への吸収(但し、宮城県ではディーゼル店がカローラ店(現:トヨタカローラ宮城)に、パブリカ店は一時カローラ店で冠していたがオート店(現:ネッツ店・ネッツトヨタ仙台)にそれぞれ社名変更)により販売は終了した。
脚注・出典
- ^ ロッカーアームを用いクロスフローとしたクライスラーのHEMIヘッドエンジンを手本にした[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。
- ^ 道路運送車両の保安基準改正により、1973年12月1日以降に製作された自動車は後方の方向指示器に燈色が義務化された。
- ^ ただし「1500 Gツーリング」を除くワゴン全車およびバン全車は除く。
- ^ ただし、水はけのよいルーフ部や目の触れにくいアンダーフロア部等は除く。
- ^ 吸気側・3バルブ、排気側・2バルブ。
- ^ ただし、バンとビジネスワゴンは後期型より、ガソリンエンジンはDOHC16バルブ化(1300ccモデル:2E型SOHC12バルブから4E-FE型ハイメカツインカム、1500ccモデル:3E型SOHC12バルブから5E-FE型ハイメカツインカム)された。
- ^ 三栄書房「モーターファン別冊・ニューモデル速報 第266弾 新型(9代目)カローラのすべて」 2000年10月14日発行
- ^ セダンのXアシスタパッケージと海外仕様にはトヨタのCIエンブレムがフロントグリルに付けられている。海外仕様は、1990年代から同社のCIエンブレムが採用。
- ^ セダンの1.8ラグゼールのみメーカーオプション。2004年4月以降の後期型ではトラクション・コントロール機構が廃止された。
- ^ 実際は1999年以降に登場した初代ヴィッツ系の同社のコンパクトクラスの車種(2000年当時の車種では初代ヴィッツを含むプラッツ、ファンカーゴ、WiLL Vi、初代bBがこれに該当する)に塩ビ系ソルのアンダーコートと水性系塗料がそれぞれ初採用となっている。
- ^ ただし、セダンのXアシスタパッケージのみこれまで通りリアシート用ヘッドレストは装備されていない。
- ^ 日本国内向けのカローラランクスに相当。
- ^ 日本国内向けのカローラフィールダーに相当。ドイツでの車名はカローラコンビ。後年のWRCのベース車になる。足回りのセッティングが高速寄り。
- ^ ZZE130Lは1ZZ-FE ZZE131Lは2ZZ-GEを搭載 参考文献パーツリスト
- ^ 150系に合わせて、エンジンも最新の1ZR-FE換装されている。ZRE120L系
- ^ このネーミングは「品質」「価値」を意味するギリシア語の「AXIA(アクシア)」に由来する。
- ^ 今回からすべてローラーロッカーアーム式に統一。
- ^ メーカーオプションのHDDナビゲーションシステムはバックモニター機能付6.5インチ液晶ディスプレイとなる。
- ^ 140系と150系はプラットフォームが異なる為、リヤサスの構造が異なる。140系は120系と同様ショックバブソーバーとスプリングと一体型でトーションビームの形状はボデーとの取付部がストレートタイプ。150系はショックアブソーバーとスプリングがそれぞれ独立して取付され、トーションビームの形状はボデーとの取付部は外側に開いているタイプ。
- ^ 中国向型式例PREMIUM A/TはZRE152L-GEPQKC また1ZR-FE1.6L搭載車もあり型式例GL M/TはZRE151L-GEMNKC
- ^ カローラは販売せず、オーリスのみの販売となる。
- ^ USA向型式例2.4XRS M/TはAZE141L-DEMSKA。1.8LE M/TはZRE142L-DEMDKA。香港向型式例1.5STD A/TはNZE141R-AEPEKSD、UAE向例1.8XLI M/TはZZE141L-AEMDKV。
関連項目
- トヨタ自動車
- トヨタカローラ店
- トヨタのエンジン型式一覧
- トヨタ・スプリンター
- トヨタ・カローラレビン
- トヨタ・カローラII
- トヨタ・カローラFX
- トヨタ・カローラWRC
- トヨタ・カローラフィールダー
- トヨタ・カローラランクス
- トヨタ・オーリス
- トヨタ・カローラスパシオ
- トヨタ・カローラルミオン
- ダイハツ・シャルマン
- 光岡・ガリュー204/ヌエラ602セダン(ベース車両としてE140系アクシオが使用されている)
- 長谷川龍雄(初代カローラの開発主査)
外部リンク
- カローラアクシオ(トヨタ自動車)
- カローラ花かんむり!