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ノート:アポロドーロス

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これはこのページの過去の版です。Goregore (会話 | 投稿記録) による 2008年11月25日 (火) 06:46個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (微修正(区切りをつけないと、でした))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

改名提案

現在のアポロドーロスプセウド・アポロドーロスまたは偽アポロドーロスまたは(11/24 04:08追加>)アポロドーロス (ビブリオテーケー)または(11/25追加>)アポロドーロス (ギリシア神話)へ改名。現在のアポロドーロス (曖昧さ回避)アポロドーロスへ改名提案します。

(理由)本項のアポロドーロスがウィキペディア日本語版の「アポロドーロス」を代表しているのは、フリー百科事典として、ちょっと問題に思えてきました。海外にはどこにもこの人物の独立した記事が立項されておりません(ギリシア版にさえ)。逆に英語版では、「アポロドーロス」は「アポロドーロス (アテナイ)」のリダイレクトになっています。リンクの修正が大変なことは承知しておりますが、今後なお関連記事が増えてからより、早い時期にやっておいたほうがいいと思い、提案させていただきます。--Goregore 2008年11月23日 (日) 21:06 (UTC)[返信]
(訂正)調べたら海外版に5つありました。--Goregore 2008年11月23日 (日) 21:19 (UTC)[返信]
Goregoreさんへ。精力的な翻訳ご苦労様です。改名自体はされるのであれば別に反対はしませんが、普通日本人にとってアポロドーロスといえば『ビブリオテーケー』のアポロドーロスだと思いますので、個人的な意見としては今のままでも特に問題ないと思います。ただ、現状に問題があるとすれば『ビブリオテーケー』の著者の名前は不明ですがアポロドーロスではないと思われ、ましてやアテーナイのアポロドーロスでもないだろうということですね。改名されるのであれば偽アポロドーロスがいいと思います。特に理由はありませんが。--月下薄氷 2008年11月24日 (月) 01:23 (UTC)[返信]
初版執筆者のみっちです。ギリシア神話の記事で頻繁に出てくる(偽)アポロドーロスの記事がないのは不便だと思って書いたものです。記事名は参考書籍にしたがったというだけのことで、改名については特段の意見はありません。--みっち 2008年11月24日 (月) 02:07 (UTC)[返信]
賛成 「偽アポロドーロス」が定訳として存在するなら、そちらに改名した方が曖昧さ回避の必要がなくなりますので望ましいかと思います。参考:Wikipedia:曖昧さ回避#曖昧さ回避後の項目名 --Kurz 2008年11月24日 (月) 02:14 (UTC)[返信]
(追加)早速ご意見いただきながらありがとうございます。ですが、すいません、もう1つ改名候補を追加させてください。「偽〜」はなんだか人格を貶めるようで、他にいい表現がないか悩んだ末、ようやく思い付きました。<<アポロドーロス (ビブリオテーケー)|>>と書けば「アポロドーロス」と表示でき、執筆の手間も若干楽になるかと。あと、記事は現状世界一充実しています。全アポロドーロスの中でこの人物が群を抜いているのはひとえに高津春繁氏の功績ですね。--Goregore 2008年11月24日 (月) 04:09 (UTC)[返信]
コメント カッコ付きは百科事典の項目名としてはあまりこなれていないので、可能なら避けたいです(他に方法がなければ反対しません)。キリスト教関係では確か、「偽~」というのは単にそれ以前の同名人物のふりをして執筆した人間を指して呼ぶ用語ですよね?人格を貶めているような点はさほどないように感じるので、偽アポロドロスでも問題ないと素人考えでは思いますが、実際どうなんでしょうか。--Kurz 2008年11月24日 (月) 05:37 (UTC)[返信]
高津氏の邦訳の前書きを読み返していてふと思ったんですが、『ビブリオテーケー』の著者は自ら著作をアテーナイのアポロドーロスのものとして書いたんでしょうか。それとも後代に写本を書き写した人がアポロドーロスといえばアテーナイのあの人物に違いないと勝手に判断したんでしょうか? もし前者なら偽アポロドーロスとすべきだと思いますが、その点がはっきり分からないならば、アポロドーロス (ビブリオテーケー)のほうがよい、と思えてきました。--月下薄氷 2008年11月24日 (月) 08:38 (UTC)[返信]
ご意見ありがとうございます。「人格を貶める」と感じた理由は、月下薄氷さんとまったく同じ理由からです。厳密にするなら、『ガウェイン卿と緑の騎士』のガウェイン詩人/パール詩人(Pearl Poet)のように「ビブリオテーケーの作者 Scriptor Bibliothecae」(英語版『ビブリオテーケー』にもある表現)とすべきなのでしょうが、「ビブリオテーケー」という本をフォティオスも書いていて、結局、英語版の「ビブリオテーケー」の記事名は「Bibliotheca (Pseudo-Apollodorus)(プセウド・アポロドーロスの)ビブリオテーケー」という表現になっています。ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスも『神話集』は別人の作と言われますが、現状英語版では1つにまとめられています。「ホメーロス問題」同様、ギリシア神話らしい謎とロマンに満ちた興味深いテーマではありますが、なにぶん史料が少ないので、(偽)アポロドーロスも(偽)ヒュギヌースも個別の記事が立てにくいのではないかと思われます。個人的に「アポロドーロス (ビブリオテーケー)」でご検討できればと思います。--Goregore 2008年11月24日 (月) 11:35 (UTC)[返信]
コメントWikipediaではあまり一般的ではないですが、最近は「偽」ではなくて「擬」を使うことがあります。「擬アポロドーロス」という表記が見当たらない現状では採用できないですが。--toroia 2008年11月24日 (月) 10:39 (UTC)[返信]
コメント 「擬」という表現が近年キリスト教関係の文献で定着しつつあるのであれば、そのほうがより中立的な表現で望ましいので、(もしウィキペディアであまり一般的でないとしても)そちらを採用することに問題はないでしょう。--Kurz 2008年11月25日 (火) 01:05 (UTC)[返信]

調査と提案

「偽アポロドーロス」というのは、昔はよく聞いた・読んだような記憶があります。しかし、高津春繁氏の『古代ギリシア文学史』で見てみると、索引に:

  • アポロドーロス(アテーナイの)→アテーナイのアポロドーロス
  • アポロドーロス(カリュストスの)→カリュストスのアポロドーロス
  • アポロドーロス(「ギリシア神話」の作者)→?
  • アポロドーロス(ペルガモンの)→ペルガモンのアポロドーロス

以上のように四名出てきます。矢印の後ろは、これが「記事名」になるという名前です。ビブリオテーケーのアポロドーロスの場合は、[「ギリシア神話」の作者アポロドーロス]になりますが、さすがにこんな名前で呼んでいるのではないと思います。これは説明のためだと思います。

ところで、わたしはアリアドネーの記事で、たまたま最近に「プセウド・アポロドーロス」と書いたのですが、高津氏の本では「偽アポロドーロス」は使われていません。高津氏が別に万能という訳でもないので、他の本、例えば2003年発行の『ミューズよ、語れ』を見ても、「偽アポロドーロス」は出てきません。固有名詞索引で見ると、アポロドロスがあり、これは四カ所で出てきますが、三カ所がビブリオテーケーの作者のことで、一カ所は、プラトーンの作品に出てくる登場人物の名です。つまり、特に区別はしていないということになります。

Oxford UP の Classical Ditionary で見ると、Apollodorus という人物は、この本では8人出てきますが、ビブリオテーケーの作者は項目にないようです。無論、Pseudo-apollodrus とか、この類の名でも出てきません。しかし、辞典の冒頭にある Authors and Books には、Apollod. の略で出てきて、Apollodorus mythographus という名になっています。元々、偽アポロドーロス(プセウド・アポロドーロス)というのは、紀元前2世紀のアテーナイの修辞学者であった「アテーナイのアポロドーロス」が『ビブリオテーケー』の作者だと見なされていたのが、明らかに違うので、アテーナイのアポロドーロスではない、その「偽者」という意味で、「プセウド」が付いたので、アポロドーロスは他にもたくさんいるのです。『ビブリオテーケー』の作者を何と呼ぶかは、「ビブリオテーケーの作者のアポロドーロス」「ギリシア神話の作者のアポロドーロス」が妥当なところだと思います。しかし、これは長いので、Classical Dictionary に倣って、Apollodorus Mythographus つまり、「神話作家アポロドーロス」か、「神話家アポロドーロス」あたりが適切・妥当と思えます。

他方、みっち氏の述べていることもかなり重要だと思います。日本では、西洋古典文学はそれほど一般ではないのです。岩波書店の文庫で、堂々と作者「アポロドーロス」として、半世紀以上にわたって通用しているのですから、これはかなり重みがあるとも言えます。高津春繁氏は、西洋古典文学の第一級の学者で、例えば、『ギリシア語文法』は日本語での古代ギリシア語文法書では最高峰で、世界的に見てもトップクラスのはずです。アポロドーロスの名前がたくさん出てくるのは、西洋古典文学の領域であることを考えると、「偽アポロドーロス」としていないことは重要な意味があるとも思えます。英語版または欧米の言語版では、ローマやギリシアを彼らの文化的祖先だと見なしているので、西洋古典学が盛んなのですが、日本では、西洋古典学はそれほど盛んでないというのが実情です。

欧米と日本では、西洋古典学の普及に大きな落差があり、百科事典を調べようとする人は、欧米では西欧古典学を前提に調べる人が相当多いと考えられるが、日本語では、専門家か少数の趣味人がそうで、事情が異なっているというのもあるでしょう。

従って、日本語版で、多数いるアポロドーロス、特に有名なアテーナイのアポロドーロスと、ビブリオテーケーの著者のアポロドーロスと、どれぐらい均等性があるかないかという問題になります。私見では、圧倒的にビブリオテーケーの作者が著名性があると思います。欧米版の基準は日本語版では妥当しない(上で述べたように、西洋古典学の周知性が日本、日本語ではほとんどない)。欧米版ではどうなっているかではなく、日本語の書籍などで、特に最近はどうなっているのか、これを調べて、ビブリオテーケーのアポロドーロスの著名性を覆すに足りるほどの例があるなら、上に述べたように、「神話作家アポロドーロス」などに変えるのが妥当ですが、現状、誰も調査していないというのがあります(わたしが調べた結果は、岩波全書『古代ギリシア文学史』で「偽-」は使っていない。『ムーサよ、語れ』でも「偽-」はない。また呉茂一氏の『ギリシア神話』でも「偽-」は使っていないということです。手持ちの本で見てみると、「偽-」というのが見あたらないのです)。改名提案の賛成者は、このあたりを明らかにしてほしいとも思います。--Stella maris 2008年11月24日 (月) 19:05 (UTC)[返信]

追記)「アテーナイのアポロドーロス」が別格なので、現在のアポロドーロスの記事の上に、二つの分岐を造るのが解決かも知れません。「アテーナイのアポロドーロス」と「アポロドーロス (曖昧さ回避)」の二つへの分岐です。おそらく日本語では、この順序で知名度があると思います(アポロドーロス (アテナイ)は不可です)。--Stella maris 2008年11月24日 (月) 19:05 (UTC)[返信]

(補足とコメント)
  • 本稿の内容に補足すると(英語版によりますと)写本に作者が「アポロドーロス」という名前があった、というだけです。それ以外のことは何もわかっていません。
  • 「Pseudo」はギリシア神話関係では「Pseudo-Homer(偽ホメロス)」という表現がありますが、これも「ホメロス作と伝えられていたがそうではないようだ」という意味です。古文書関係の言い習わしでしょうか。クラシック音楽なら一般的に「伝ホメロス」と書くところです。何より「Pseudo」には「いかさま師」という意味があるので(個人の意見として)ニュアンス的に抵抗があります。ただ海外では「Pseudo-Apollodorus」が定着していることは事実です。
  • mythographusなら「神話収集家( mythographer)」が妥当に思えます。「神話作家」だと神話を作った人と誤解されますし、「神話家」も。しかし、他でまったく使われない名称を記事名にしていいかは疑問。ビブリオテーケーの日本語訳も「ギリシア神話」なので「アポロドーロス (ギリシア神話)」も新たに候補に加えます。
  • 著名性よりもアポロドーロスが複数いる以上、「アポロドーロス」からそれぞれに分岐させるのが妥当。誰が一番著名かの議論は不毛。ジャンルも異なる。例:MSNエンカルタ百科事典/一方、ラルース世界文学事典ではアポロドーロスは「カリュストスのアポロドーロス」のみ。
  • アポロドーロス (アテナイ)アテナイのアポロドーロスに移動しました。--Goregore 2008年11月25日 (火) 06:16 (UTC)[返信]