ジョン・ドウ起訴
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ジョン・ドウ起訴(ジョン・ドウきそ)とは、犯罪の被疑者を不詳のまま起訴する手法の一つ。
概要
2000年代に入ると、犯罪捜査におけるDNA型鑑定の精度が著しく向上し、他人を犯人と誤る確率は天文学的な確率となった。こうした状況を踏まえアメリカ合衆国では、性犯罪の犯行現場などで採取された体液から採取したDNAに人格があると見立てて、被疑者不詳のまま起訴する手法が取り入れられるようになった。
これは起訴をすることにより時効が停止するため、将来、偶発的に犯人が判明した場合、すぐさま逮捕できるメリットがある。
日本国内での適用
2008年現在、アメリカ以外の国では行われていないが、各国では適用を視野に入れた検討が行われている。日本では、2009年1月、森英介法務大臣と法務省幹部らが、時効の延長を取り扱う勉強会の中で、ジョン・ドウ起訴の導入を検討されたが、「現実に導入するには相当のハードルがある」などを理由として、採用に向けた議論が進められることはなかった。
由来
ジョン・ドウとは、日本でいうところの名無しの権兵衛という意味である。女性名の名無しの権兵衛に相当するものとして、ジェーン・ドウという名があるが、この起訴手法の対象は男性の性犯罪者がほとんどであるため、ジェーン・ドウ起訴という表現は用いられない。