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ミニカー (車両)

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ミニカー(光岡自動車製)

ミニカーとは、道路交通法令において総排気量50cc以下又は定格出力0.6kW以下の原動機を有する普通自動車をいう。ただし、道路運送車両法では原動機付自転車扱いとなる。一部のメーカーでは玩具ミニチュアカーと区別するため、「マイクロカー」と呼んでいる。

概要

単純に言えば「屋根をつけた、また車室を持つ三~四輪の原動機付自転車」。駐車スペースが一般車の三分の一程度であること、燃費の良さ、ランニングコストの安さ(自動車取得税自動車重量税自動車税車検・車庫不要 軽自動車税の課税基準は原付と小型二輪の中間になる)などから、ちょっとした買い物の足としてや、ピザ・新聞・郵便などの配達業務など、あるいは趣味車として、一部に根強い人気を誇る車である。

エンジンは50cc以下の小型ガソリンエンジンであり出力も低いことから、あまりスピードは出せず、また乗車定員が一名で積載量も手荷物程度しかなく(トランクを備えた車種など例外もある)、加えてボディは繊維強化プラスチックなど軽量で簡素な作りとなる。このため、乗用車一般と比較して快適な車内は望むべくも無く、運転中の車内は振動や騒音が大きい。ただ軽便であり、風雨に晒されない車内とスクーターなどの軽快さを併せ持つともいえる。

日本では1980年代前半から原付スクーターを流用する形で製作されるようになり、1985年(昭和60年)2月14日(経過措置適用者は同年8月14日)まで原動機付自転車運転免許により公道走行が可能であったが、同日以降は普通自動車免許ないし上位免許(大型自動車免許含む)が必要となった(1985年2月13日以前の自動二輪免許でも不可)。この制度変更により簡便な交通手段としての魅力が失われ、一時は販売台数が激減したが、現在は環境的な観点や、車椅子(車椅子に乗ったまま搭乗することができるミニカーもある)やシニアカー以上の機動力を望む障害者や高齢者の足としてなど、交通手段の毛細血管的役割としての存在が見直されつつある。

ただ普通自動車免許が必要になったことで普及の敷居が高くなり、社会的弱者の交通手段の選択範囲を狭めてしまったと言う課題が依然として残っている。

普通自動車扱いのため法定速度は時速60kmで二段階右折の義務はない。ヘルメットシートベルト着用義務もなく(もちろん着用した方が安全である。四輪モデルであれば装備されている)、原動機付自転車と同様に車検もない。

道路交通法令上の定義

「総排気量〇・〇五〇リツトル以下又は定格出力〇・六〇キロワツト以下の原動機を有する普通自動車」(道路交通法施行規則別表第2)

具体的には総排気量が20ccを超え50cc以下(出力0.25kWを超え0.6kW以下)の原動機を有するで、以下のいずれかを満たすものを言う。

  • 左右の車輪の距離が0.5メートルを超える三輪以上の車 左右の車輪の距離が0.5メートル以下で、車室を備えた(=屋根、支柱が最低一対ある)四輪以上の車
  • 左右の車輪の距離が0.5メートル以下で、側面が構造上開放されていない車室を備えた(=オープンルーフでドアを持つ)三輪車

制度改正前は原動機付自転車として扱われていたが、1985年2月15日の道路交通法施行規則改正で普通自動車として扱われるようになったため運転には大型自動車免許か普通自動車免許が必要となった。(その移行時にミニカー限定免許の試験が、運転免許試験場において6か月間だけ行われた。)

高速自動車国道自動車専用道路の通行は禁止されている。これは原動機の排気量・出力により、道路運送車両法では原動機付自転車扱いとなるためである。

備考

普通自動車免許が必要な割に、軽自動車ないし原付自転車から乗り換えるほどの利便性がないとして、一度は衰退した同車格の市場ではあるが、電気自動車の車体サイズとしては、普通乗用車の場合に車体を駆動させるための大出力モーターを必要とする部分で、軽量小型の同車格に対応した電気自動車というコンセプトもみられる。世界的にも中小を含め様々なメーカーがこの大きさの電動車を開発・販売しているほか、日本でもCQモーターズなどが製品を提供した。

日本国内での運用に関しては、輸入車の中にはモーター出力の面でミニカーの規格からは外れてしまうものもあり、また本体価格は普通乗用車一般に匹敵するなど問題もあるが、太陽光発電風力発電と組み合わせるなどして、環境にやさしい運用が可能であると注目を集めている。

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主なメーカー

外部リンク