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東武野田線

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野田線(のだせん)は、埼玉県さいたま市大宮区の大宮駅から、埼玉県春日部市千葉県柏市を経て、千葉県船橋市の船橋駅に至る、東武鉄道鉄道路線である。

路線データ

  • 路線距離:62.7km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:34駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:大宮駅~春日部駅、運河駅~柏駅、柏駅~逆井駅、六実駅~船橋駅
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 最高速度:2004年10月19日のダイヤ改正より100km/h
  • 車両基地所在駅:七光台駅

歴史

野田市~柏間は千葉県営鉄道によって、柏~大宮間は北総鉄道(初代。後に総武鉄道(2代)に改称。総武本線を開業させた総武鉄道(初代)や北総線を営業している北総鉄道(2代)とは無関係)によって建設された。

千葉県では、赤字が続いていた県営鉄道を民間に譲渡する方針を決め、野田の資本家を中心として設立したのが北総鉄道である。柏~船橋間と柏~大宮間は元々別の路線であったため柏駅での路線の接続が考慮されておらず、スイッチバック形の配線となった。

総武鉄道は元々京成電気軌道(現:京成電鉄)系列の会社であったが、徐々に京成との関係は弱くなって行き、代わりに野田醤油(現:キッコーマン)の関連会社となっていた。そして陸上交通事業調整法によって東武鉄道に合併された。

  • 1911年(明治44年)5月9日 千葉県営鉄道野田線 柏~野田町(現:野田市)間を開業
  • 1923年(大正12年)8月1日 千葉県営鉄道野田線を北総鉄道に譲渡
  • 1923年(大正12年)12月27日 北総鉄道船橋線 船橋~柏間を開業
  • 1929年(昭和4年)9月1日 北総鉄道が野田町~清水公園間を開業
  • 1929年(昭和4年)11月17日 北総鉄道が粕壁(現:春日部)~大宮(仮駅)間を開業
  • 1929年(昭和4年)11月22日 北総鉄道が総武鉄道に改称
  • 1929年(昭和4年)12月11日 総武鉄道が大宮(仮駅)~大宮間を開業
  • 1929年(昭和4年)12月25日 総武鉄道が清水公園~粕壁間、船橋~海神間を開業
  • 1929年(昭和4年)12月30日 柏~清水公園間電化
  • 1934年(昭和9年)4月1日 船橋~海神間を廃止
  • 1944年(昭和19年)3月1日 陸上交通事業調整法に基づき、東武鉄道が総武鉄道を吸収合併
  • 1947年(昭和22年)3月1日 柏~船橋間電化(野田線の電化完了)
  • 1957年(昭和32年)9月26日 北大宮~大宮公園間複線化
  • 1960年(昭和35年)10月1日 運河~初石間複線化
  • 1964年(昭和39年)3月12日 塚田~新船橋間複線化
  • 1968年(昭和43年)4月6日 大宮~北大宮間複線化
  • 1969年(昭和44年)7月29日 七里~岩槻間複線化
  • 1971年(昭和46年)8月6日 大和田~七里間複線化
  • 1974年(昭和49年)2月22日 大宮公園~大和田間複線化
  • 1978年(昭和53年)11月14日 初石~柏間複線化
  • 1980年(昭和55年)12月17日 塚田~船橋間高架化
  • 1982年(昭和57年)10月26日 新船橋~船橋間複線化
  • 1982年(昭和57年)11月10日 馬込沢~塚田間複線化
  • 1983年(昭和58年)7月21日 柏~増尾間に新柏駅開業・新柏~増尾間複線化
  • 1985年(昭和60年)11月19日 増尾~逆井間複線化
  • 1989年(平成元年)11月28日 六実~新鎌ヶ谷信号所(現在の新鎌ヶ谷駅とは位置が異なる)間複線化
  • 1991年(平成3年)11月26日 柏~新柏間複線化
  • 1992年(平成4年)12月1日3000系全廃により野田線の全車両が大型冷房車化完了
  • 1999年(平成11年)11月25日 六実~鎌ヶ谷間に新鎌ヶ谷駅開業・岩槻~東岩槻間・鎌ヶ谷~馬込沢間複線化
  • 2004年(平成16年)10月19日 東岩槻~春日部間と鎌ヶ谷~新鎌ヶ谷間複線化・5000系電車全廃
  • 2005年(平成17年)8月24日 流山おおたかの森駅開業予定

運行形態

柏駅がスイッチバック方式であるため、運行形態は大宮~柏間・柏~船橋間とに分かれる。少数ながら、船橋~大宮間の全区間を走破する列車もある。また、区間によって輸送量に段差があるため、複線区間を中心に区間列車の設定も多い。そのため、日中でも片道毎時8本の電車が発着する区間もあれば、毎時4本だけの発着の区間もある。

主軸の大宮~柏間・柏~船橋間を柱に、大宮~岩槻・春日部間や、柏~運河・清水公園間の区間列車が加わる。全列車が、8000系電車6両編成による各駅停車だけの運行。

関東近郊の通勤路線では珍しく、吊り掛け駆動方式の車両5000系が活躍する路線であったが、2004年10月19日のダイヤ改正で、最後まで活躍していた5000系グループの5070系電車が引退したことにより、野田線から吊り掛け駆動方式の電車が消滅した。野田線の最高速度引き上げのため、8000系電車に統一するためのものであった。   複線区間と単線区間が入り混じるが、単線区間上にある駅は全て上下列車の交換が可能。

なお、野田線における上り・下りの設定は、大宮から柏・船橋方面に向かう列車を下り、船橋から柏・大宮方面に向かう列車を上りと定めている。

利用状況

東武野田線は首都圏の近郊路線として、また首都圏30km圏内の東半分を半周にに結ぶ環状的な役割を持つ路線である。野田線沿線の全てが、東京近郊のベッドタウンの対象となるため、東武鉄道では本線(伊勢崎線・日光線系列)・東上線に次ぐ基幹路線と位置づけている。

都心から放射状に延びる幹線路線と接続するターミナル駅は、非常に乗降人員が多い関東有数のターミナル駅であることが特徴である。大宮・柏・船橋がその例に当てはまる。

野田線そのものは直接都心へ向かう列車がないことから、野田線沿線から都心へ向かう際は、大宮でJR乗換え・春日部で東武伊勢崎線乗り換え・柏でJR常磐線乗り換え・船橋でJR総武線または京成線乗換えがメインとなる。近年開設された新鎌ヶ谷駅で北総線に乗り換える選択肢もあるが、北総線の高額運賃・頻度の少ない本数が嫌われて、野田線から北総で都心に向かう人は少数である。

また2005年に流山おおたかの森駅とつくばエクスプレスの開業によって、野田線沿線から新たな都心ルートが形成されることになる。特に野田市周辺の人にとっては、都心へのアクセスが大幅に短縮されるものとして、大いに期待されている。

その他の特徴

環状路線としての機能もないとは言えないが、比較的すぐ近くをJR武蔵野線が平行している。こちらの方が線形も良く駅間の距離が長いことにより、所要時間が圧倒的に短い。   複線化が進む野田線ではあるが、単線区間では上下列車の待ち合わせのために停車時間が長く、また駅の密度が多いことで更に所要時間が延びることとなる。それでも、船橋・柏・大宮の大ターミナルに直接アクセスする路線であることから、長い距離を乗車する利用者が比較的多い。  

駅一覧

大宮駅 - 北大宮駅 - 大宮公園駅 - 大和田駅 - 七里駅 - 岩槻駅 - 東岩槻駅 - 豊春駅 - 八木崎駅 - 春日部駅 - 藤の牛島駅 - 南桜井駅 - 川間駅 - 七光台駅 - 清水公園駅 - 愛宕駅 - 野田市駅 - 梅郷駅 - 運河駅 - 江戸川台駅 - 初石駅 - {流山おおたかの森駅2005年8月24日開業予定)}- 豊四季駅 - 柏駅 - 新柏駅 - 増尾駅 - 逆井駅 - 高柳駅 - 六実駅 - 新鎌ヶ谷駅 - 鎌ヶ谷駅 - 馬込沢駅 - 塚田駅 - 新船橋駅 - 船橋駅

接続路線

関連項目