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黒バイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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パトロール用小型自動二輪車
  1. 和歌山県警察本部が導入した、暴走族取締り用オートバイ。→以下に詳述
  2. 交番駐在所で使用されるパトロール用小型自動二輪車の俗称。別の俗称として、『ゴキバイ』(ゴキブリバイクの略)などがある。採用されている車種は主にK90など。2005年頃からはホンダ・スーパーカブの様な“黒でない”、また白く塗られたオートバイも使用され始めている。
  3. 皇宮警察本部や警視庁に配備されている要人警護用のサイドカー
  4. 80年代に福岡県警察機動捜査隊が覆面パトカーよりも機動力を増す目的で導入した刑事捜査用の大型バイク。(現在の稼動状況は不明)
  5. 警視庁でも初日の出暴走等の対策用に導入している

和歌山県警「黒豹」

黒豹(くろひょう)とは、暴走族の取り締まりに向け、2002年2月和歌山県警察本部暴走族対策室が全国で初めて導入した、黒塗りの暴走族対策専用覆面オートバイ(私用概態警邏車)の名称。導入翌月のゴールデンウィーク中には和歌山県警管轄下で58人の暴走族構成員を検挙しているが、検挙者数を2001年実績の2倍強とした裏には黒バイの活躍が大きく影響したともいわれている。これを受け警視庁をはじめとする一部の府県警察にも黒バイ隊が編成された。取り締まりは隊長の覆面パトカーと3台の黒バイで行う。覆面パトカーに乗る隊長が全ての指示を行う。

特種装備

  • 採証用カメラ類
車両の前部分には夜間、雨天でも撮影が可能な超小型の全天候型高性能ビデオカメラと、証拠を収めるためのスチルカメラを搭載。撮影された映像は、後日の検挙に役立てられる。
  • 採証液発射装置アトラス
防犯カラーボールに充填されているのと同じ特殊な染料液を飛ばすことができる。飛距離は15~20メートルほど。

また、一緒に活動する覆面車両には、マーキングをするための小さなライフル銃のような着色球発射機(アメリカのペイントボールガン相当か)を搭載している。またペイント弾だと思われる。

  • 警棒
ハンドル上部に木製の警棒を取り付けている。取り付けは専用のマウントにマジックテープで着けており、有事には速やかに使用できるように配慮してある。
  • 乗車服
上半身は通常の二輪乗車服とは違い黒色系の目立たない二輪用ジャケット(南海部品製品若しくは私物ジャンパー)を着用している。下半身は黒色系のスラックスもしくはジーンズ、冬季には(灰色の側線つきの)二輪乗車服を着用する場合もある。靴は通常の二輪乗車靴を着用している。ヘルメットは通常のオープンフェイスではなく、顎の部分から開閉するフルフェイスを着用、なお無線用のマイク・スピーカは通常と同様に装備されている。

「銀虎」

和歌山県警では、ホンダ・ホーネットの黒バイ(実際はシルバー色)を追加配備。通称『銀虎』。 250ccの機動力を活かして、活動している。大型二輪車では、追跡が難しい狭い路地などの追跡を行っている。

ヘッドライト横に、四つの発射口を持つインパクトトレーサー(マーキングボール発射装置)を備える。

使用車種

この本田技研工業製のオートバイは、1986年に初代モデルが登場して以来、全国で白バイに最も多く採用されている機種である(車種についての詳細はリンク先を参照)。普通の白バイには、ヤマハの「FZ750P」やスズキの「GSF1200P」を採用しているところもある。白バイに多く採用される理由の一つとして、高速性能はもちろんだがマラソン先導でもわかるように、極低速領域でのパワーを非常にコントロールしやすい機構が特徴だと言われ、ジムカーナというバランスや技術を競う競技に向いているとも言われている。なお現在は従来のVFR 750にかわりVFR 800が後継機として配備が進められ、黒バイ仕様も存在する。


最近、和歌山県警の黒豹を手本に、警視庁、青森県警察、群馬県警察、茨城県警察等、他の都県でも「暴走族取締用黒バイ」の配備が進められている。

警視庁ではFZ750P、GSF1200Pの黒バイ仕様も存在する。

主な車体構成の違い

VFR750Pベースの黒バイは通常のVFR750P(白バイ)と違い、追跡時の障害になる車幅を抑える為に、ミラーをハンドルミラーからアッパーカウルへと移動してある。また、元々白バイの車体を改造しているため、ペイントも元は白の車体の上から行っており、タンクラインなどは細かなマスキングにより、元のホワイトペイントがラインとして覗く。バンパーに設置された赤色回転灯も白バイのようにサイレン一体のバンパー上では無く、バンパーの中央部付近にステーを介して設置される。また後部ボックスに後方警告用の赤色回転灯を設置している。しかし、白バイとほぼ車体構成を同じくした黒バイも存在する。