FN SCAR
ファイル:FN SCAR-H (Standard).jpg SCAR-H Gen3 | |
FN SCAR | |
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種類 | 軍用小銃 |
製造国 |
ベルギー アメリカ合衆国 |
設計・製造 | ファブリックナショナル |
仕様 | |
種別 | カービン |
口径 | 5.56mm(SCAR-Hは7.62mm) |
銃身長 |
SCAH-L:612mm SCAH-H:789mm |
ライフリング | 6条右転 |
使用弾薬 |
5.56mm NATO弾 7.62mm NATO弾 |
装弾数 | 20発/30発(箱型弾倉) |
作動方式 | ガス直圧、ターンロックボルト |
全長 |
SCAH-L:838mm SCAH-H:1021mm |
重量 |
L:3280g H:3510g |
発射速度 | 550~600発/分 |
銃口初速 | 920m/秒 |
有効射程 |
SCAR-L: 300~600m SCAR-H: 300~800m |
歴史 |
FN SCAR(FN Special operations forces Combat Assault Rifle:特殊部隊用戦闘突撃銃)は、ベルギーの銃火器メーカーであるFN社(ファブリックナショナル社)がアメリカ特殊作戦軍(以下SOCOMと表記)向けに開発しているアサルトライフルである。
概要
SCARは2003年に行われたSOCOMのトライアルの為に開発され、ロビンソンアーマメント社のXCRと共に参加していたが、XCRが部品調達の遅れによりトライアルから脱落し、結果SCARが選定された。
その後、2005年にはヘッケラー&コッホがH&K XM8を開発しているが、アメリカ海兵隊やSOCOMが猛反発し白紙となり、SCARを大量に購入してトライアルしている為、現在アメリカ軍が使用しているM16、M4カービンなどの後継の殆どがこのSCARで統一される可能性がある。実際にイラク戦争で投入されている特殊部隊が使用しており、高い評価を得ている。
特徴
基本的には同社のFN FNCをベースに近代的な改良を加えるという設計なのだが、様々な改良を加えられた結果、事実上殆ど別のライフルになっている。辛うじてFNCから継承されたといえるのはアルミ合金の削り出しのロアレシーバーだが、これも最新ロット(後述)では樹脂製に変更されている。
作動機構はガス圧利用法式だが、M16がチャンバー内のボルトキャリアまでガスを流入させる方式を採用したのに対し、SCARはボルトキャリアの前方で発射後のガスを受け止めてボルトを後退させる機構を取っている。そのため、命中精度は若干低下するものの、ボルトキャリアが汚れることはなくなった。これはM1カービンと非常によく似たシステムである。他にも、89式小銃のようなガス調整弁を備えて作動不良に備えるなど、M16で不満とされた信頼性の高さを向上させる工夫が施されている。
また、SCARの特徴の一つとして、高い汎用性が挙げられる。二つのSCARの相違点を少なくした上で共通性を持たせる事で維持コストを下げ、新しい口径の弾丸が開発されたとしても改良で対応している。また、アッパーレシーバー上部とハンドガードにはピカティニー規格の20mmマウントレールが標準装備されており、各種アクセサリの取り付けが可能。加えて、バレルのフリーフローティング化や、全長のみならずチークパッドの調節まで行える折り畳み式ストックによって、狙撃銃からCQBにも対応出来る多様性を持つ。他にも、マガジンキャッチやセレクター、装填ハンドルはアンビ(左右対称)であり、操作性に優れる。
度重なるテストによって年々改良を加えられており、現在のバージョンはGen3となる。変更点は以下の通り。
- グリップをFNCタイプからM16タイプに変更。
- ストックは三段階から六段階まで調節可能に。
- アルミ製だったロアレシーバーを樹脂製に換装。
- マガジンウェルもフレア(開口)に変更。
- フラッシュハイダーをM16タイプより大型のオリジナルに変更。
- 着脱式だったフロントサイトは折り畳み式に変更。
- カラーリングがブラックからFDE(フラットダークアース)と砂漠塗装の2種類に。
- 弾倉をスチールから樹脂製に、塗装もFDEへ変更。
また、M203 グレネードランチャーの後継としてFN F2000用のGL1をベースとした専用のFN40GL(MK13)40mmグレネードランチャー(EGLM)も併せて開発された。このランチャーはM320のように砲身を横に向ける動作を加えたため、より全長の長い弾薬を使用出来るようになった。更にトリガーグループはマガジンを迂回してライフル本体のトリガーの真下に配置されており、右手の人差し指でライフルとランチャー両方の発射が行えるようになっている。
テスト
2007年7月に多量の埃がある環境で6000発発射させる品質テストにおいてM4カービン、H&K XM8、H&K HK416(M4カービンの近代改良型)と共にテストが行われたが、その際にはXM8に敗北(ジャム(排莢不良)を起した回数がXM8の127回に比べ、SCARは226発)している。(尤もこのテストはM4カービンの近代改良化の有用性についての実験である)
バリエーション
- SCAR-L - Lightの意。5.56mmx45mm NATO弾仕様で、M4、M16の後継とされる。通称Mk 16
- SCAR-H - Heavyの意。7.62mmx51mm NATO弾仕様で、スプリングフィールドM14の後継とされる。7.62mmx39mm弾(AK-47シリーズで使用されている弾丸、一説には敵地でこの弾丸を使用する銃を取得した際に対応させる為とも)も使用可能である。通称Mk 17
SCARが登場するメディア作品
ゲーム
- SCAR-L、SCAR-H共に登場。
- 「SCAR-H CQC」という名称だが、装弾数はSCAR-Lと同様の30発。フォアグリップ装備。
- レインボーシックス ベガス2
- 前作同様、装弾数が30発。
- SCAR-Lが登場、ダットサイト付きもあるがただの飾り。
- 拡張パックのスペシャルフォースではSEAL'sの特殊兵がSCAR-L、突撃兵がSCAR-Hが使用できる。SCAR-Hは何故か装弾数が30発になっている。ダットサイト、フォアグリップ装備でプロトモデル。
- 特殊兵でサプレッサーが装着されたモデルが使用可能。
- SCAR-H、SCAR-L共に登場。
- 現在、公開されている動画にSCAR-Lが度々登場している。SCAR-Hを持つ海兵隊の特殊部隊員も確認されている。全て第2世代(Gen.2)モデル。
- 特に終盤に活躍する。
関連項目