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イタリア国鉄ETR500電車

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田園の中を走り抜けるETR500

ETR 500 (ElettroTreno 500)は1993年に導入されたイタリア動力集中方式の高速鉄道車両である。フェッロヴィーエ・デッロ・スタートが開発を進め、現在運行はトレニタリアが行っている。軌道の整備はRFIが行っている。

歴史

1930年代、イタリアは高速鉄道の先駆者であったにもかかわらず、1960年代に最初の高速列車が登場するまで着手してこなかった。1978年から1991年までの間はヨーロッパでも最速の列車を運行していた。しかし、依然として高速鉄道網の整備は他のヨーロッパ諸国と比べて立ち遅れている。

1990年代、FSは巻き返しを図るべく300km/hでの走行を前提とした高速鉄道網の整備に取り掛かった。それに伴い、それまでのETR450,460,480シリーズでは250km/h以上の速度は出せない為、それらに代わる振り子式ではない高速新線上で主に使用することを目的とした列車が開発された。

試作車

試作車であるETR.500-X
ETR.500-Xの運転席

1988年に最初の試作車である"ETR.500-X"と呼ばれる車両が登場した。ニックネームはRemoであった。Direttissimaで試験され、319km/hの速度を記録した。

1990年には2台の"ETR.500-Y"と呼ばれる第一次量産車が納車され、1995年まで試験が行われた。商業運行は1995年から1997年にかけてETR500で開始された。

編成

2つのプロトタイプの成功を元にFSはピニンファリーナがデザインを担当した単電源の30編成を発注した。1992年から1996年にかけて受領した編成は2両の機関車(E.404 100~159)と4両の1等車、食堂車、6両の2等車から構成されている。300km/hでの営業運転を目指して開発された編成であるがディレッティシマの電化方式は直流3kVのため300km/h運転に必要な十分な電力が得られず250km/hでの走行に制限されていた。将来的にTAV区間では交流電化25kV化が計画されている為、第二世代の編成ではこれらの理由から2電源に対応した編成が発注されている。

第一世代の編成に組まれていた機関車は2006年から2008年にかけて順次編成から外され、第二世代の機関車に取って代わられている。第一世代の車両はE414機関車として、通常のインターシティの普通客車の前後に挟んで200km/hでユーロスター・シティ等の列車で運行されている。中間部の客車は新製された2電源対応の機関車と組まれユーロスター・イタリアとしてTAVなどの高速新線に投入されており、キウージ-ミラノミラノ-ローマサレルノヴェネツィア、ヴェネツィア-ローマなどで運行されている。

諸元(第一世代の編成)

E414機関車に転用される前の第一世代ETR 500に組まれていた機関車
  • 運行期間 1992-2007
  • 製造会社 Trevi (アルストム, ボンバルディア・トランスポーテーション, AnsaldoBreda)
  • 製造編成 30編成
  • 転用 2006-2008年に第一世代の機関車はE.414に転用
  • 編成構成 M+11T+M
  • 運行 トレニタリア
  • 編成長 327.6m
  • 最高運転速度 300km/h (ディレッティシマでは250km/h)
  • 編成重量 598t
  • 旅客定員 187名(1等車)・469名(2等車)
  • 編成出力 8,800kW
  • 対応電源 直流3,000V 二電源の場合は交流25kVにも対応
  • 軌間 1,435mm
  • 保安装置 RS4

関連項目

外部リンク