2000年アメリカ合衆国大統領選挙
2000年アメリカ合衆国大統領選挙(にせんねんアメリカがっしゅうこくだいとうりょうせんきょ)は、2000年11月7日に行われたアメリカ合衆国大統領選挙。民主党のビル・クリントン大統領の2期の任期満了後のアメリカ大統領を選ぶ選挙となり、共和党のジョージ・W・ブッシュが、民主党の現職副大統領アル・ゴアを破って当選した。
概要
アメリカ合衆国史上で最も接戦となった選挙のうちの1つである。ベトナム戦争以後の「双子の赤字」を解消したクリントン政権後半は、ホワイトハウスの女性スキャンダルに巻き込まれ共和党の支配する保守系メディアの攻撃材料になった。共和党が「思いやりのある保守」を主張し、巻き返しを図ったため2000年の大統領選挙は民主=リベラル、共和=保守層が支持する構図となり稀に見る激戦となった。
選挙は事実上、共和党のテキサス州知事ジョージ・W・ブッシュと民主党の副大統領アル・ゴアによって争われた。集計作業に問題があったフロリダ州の結果が判明するのに非常に長期間を要した。最終的には、一般投票で過半数を獲得できなかったブッシュが接戦だったフロリダ州を制したことで大統領選挙人投票で271対266の僅差で勝利、次期大統領となることが決定された。
一般投票で敗北し、選挙人投票で勝利した候補が大統領となるのは1888年アメリカ合衆国大統領選挙以来であった。
結果
大統領候補 | 副大統領候補 | 政党 | 選挙人投票 (EV) | 一般投票 (PV) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
ジョージ・W・ブッシュ テキサス州 (当選) |
ディック・チェイニー ワイオミング州 |
共和党 | 271 | 50,456,002 | 47.87% | |
アル・ゴア テネシー州 |
ジョー・リーバーマン コネチカット州 |
民主党 | 266 | 50,999,897 | 48.38% | |
ラルフ・ネーダー コネチカット州 |
ウィノナ・ラデューク ミネソタ州 |
アメリカ緑の党 | 0 | 2,882,955 | 2.74% | |
パトリック・ブキャナン バージニア州 |
エゾラ・フォスター カリフォルニア州 |
アメリカ改革党 | 0 | 449,895 | 0.42% | |
ハリー・ブラウン テネシー州 |
アート・オリビエ カリフォルニア州 |
リバタリアン党 | 0 | 384,431 | 0.36 | |
ハワード・フィリップス バージニア州 |
カーティス・フラッツイアー ミズーリ州 |
立憲党 | 0 | 98,020 | 0.09 | |
ジョン・ハグリン アイオワ州 |
ナット・ゴールドヘーバー カリフォルニア州 |
自然法党/ アメリカ改革党 |
0 | 83,714 | 0.08 | |
その他 | 0 | 51,186 | 0.05 | |||
一人の選挙人が白紙投票を行い、結果に集計されなかった。 | ||||||
合計 | 538 | 105,405,100 | 100.00 |
投票結果をめぐる争訟
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この選挙においては、特にフロリダ州での投票結果の集計過程において、投票用紙の不備等に起因する疑惑が指摘された。2000年11月26日、フロリダ州のキャサリン・ハリス州務長官は、同州においてブッシュ候補が537票差でゴア候補に勝利したとする最終確定結果を発表した。同時点では、パームビーチ郡等で手作業による再集計が進められていたが、ハリス長官は締切時期の到来を理由に、追加票を認めなかった。ゴア陣営はこの決定に対し訴訟を提起して争った。しかし2000年12月9日、共和党寄りといわれた連邦最高裁判所は手作業による再集計を中止すべしとの仮処分を言い渡し、ゴア陣営は自らの敗北を認めることを余儀なくされることとなった。
パームビーチ郡は伝統的に民主党支持者が優勢な地域であり、手作業の再集計により投票機械の不具合を捨象すれば、ゴア陣営がフロリダ州の選挙人を自らの手に収め、ブッシュ陣営に勝訴したのではないかと言われている。他にゴアは黒人の間で人気があった。アメリカでは重犯罪者は投票ができなくなるが、フロリダでの犯罪者リストの95%は、実際の重犯罪者のものではなく、その多くは黒人であり、投票権が不正に奪われた[1]。 犯罪者の中には日付が2007年1月30日に行われたとされるものもあった[1]。
当選経緯の不透明さから、ブッシュの当選を怪しむ者たちは、大統領の到着する際に奏でられる栄誉曲の題名「ヘイル・トゥ・ザ・チーフ」(Hail to the Chief、「指導者(大統領)万歳」)をもじった「ヘイル・トゥ・ザ・シーフ」(Hail to the Thief、「泥棒万歳」)をスローガンにブッシュが行く先々で抗議活動を行った。
さらに大統領宣誓式は大規模な抗議のデモ行進デモに見舞われ、「ヘイル・トゥ・ザ・シーフ」のシュプレヒコールが新大統領に浴びせつけられるという、通常なら党派を超えて新政権の船出を祝福するはずのこの日をさんざんなものにされてしまった。デモ行進参加者は主催者発表で2万人。警備の警察官は、通常の3倍の1万人が動員され、さながら戒厳令下の様相だった。ただしゴア本人と民主党の議会関係者の大半は、この抗議デモをむしろ抑え込もうと腐心してたことが伝えられている。
脚注
- ^ a b
Greg Palast (2004). Bush Family Fortunes (NTSC) (DVD). New York: The Disinformation Company Ltd. 該当時間: 14:52 - 24:37.
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関連項目