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耳嚢

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耳嚢(みみぶくろ)は、江戸時代中期から後期にかけての旗本南町奉行根岸鎮衛が、天明から文化にかけて30余年間に書きついだ随筆。同僚や古老から聞き取った珍談、奇談などが記録され、全10巻1000編に及ぶ。カリフォルニア大学バークレー校の東アジア図書館が所蔵する旧三井文庫本に10巻本が存在する。耳袋の表記もある。

概要

話者には姓名または姓を記した者が約120名おり、高級旗本、同僚、下僚、医師、剣術者の名が見られる。その他に、ある人の話としたものや、又聞きの話も収められている。話の内容には、将軍の賛美、奉行の逸話、怪異譚、信心や仏縁にまつわる話、治療法や治療薬の紹介、実際の事件を脚色したものなどがあり、飾らない文体で綴られている。

内容

語られている主な人物、事物


刊行本

本版はカリフォルニア大学バークレー校の10巻本を翻刻。なお文庫旧版は柳田國男らが担当、一穗社に復刻版がある。
文庫解説は、「柳田國男集 幽冥談」(ちくま文庫、2007年)で読める。

出典・脚注

  • 長谷川強 『耳嚢』解説