コンテンツにスキップ

トール油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Thirdmap (会話 | 投稿記録) による 2009年11月18日 (水) 09:50個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

トール油(トールゆ、tall oil)は、材を原料にクラフトパルプを作るとき、副成する樹脂脂肪酸を主成分とする油である。

松材チップを薬品で煮溶かし(蒸解)、木材繊維(パルプ)を取り出す。その木材繊維を固めていたリグニン・樹脂成分と薬品が混じった液体を濃縮したものを黒液と呼ぶ。黒液を中和すると、樹脂成分が粗トール油として分離される。

粗トール油は蒸留操作により、トールロジンとトール脂肪酸が精製され、それぞれ工業的に利用される。トールロジンはアビエチン酸などの炭素数20のジテルペノイド化合物を主成分とする。トール脂肪酸はオレイン酸リノール酸を主成分とする。