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チベット語のカタカナ表記について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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「チベット語のカタカナ表記について」は、チベットブータン中世史の研究者でゾンカ語(チベット語の南方方言でブータンの国語)テキストの著作もある今枝由郎氏が提案した、チベット語をカタカナ表記するための転写方式。

本転写方式は、今枝氏が訳者となったロラン・デエ(今枝由郎訳) 『チベット史』の巻末付録として最初に発表され、「チベット語の人名、地名、固有名詞などを、できるだけ日本人に抵抗のない形で日本語に定着させることを念頭において(中略)作った」と述べられている。

チベット文字の綴り」を「おおむね現在の中央チベットラサ方言の発音を基準」としてカナ転写するための基準であり、この転写方式を用いるにあたっては、使用者がチベット語とチベット文字の綴り字についての知識を持ち、カナ転写したいチベット語の単語のチベット文字による綴りが判明していることが必須である。

構成

本転写方式では、伝統的な配列の順序に則してチベット文字の綴り字と対応するカナ転写が提示されている(1.を参照)が、添後字・再添後字についてはまとめて2.に、母音で終わる音節に前置字・接頭字を持つ音節が続く場合の音韻変化が3.に、まとめて切り分けられている。

1.語頭子音と母音結合

ka kha ga nga ca cha ja nya
ta tha da na pa pha ba ma
tsa tsha dza wa zha za 'a ya
ra la sha sa ha a - -

2.終止子音およびそれに伴う母音の変化

4.意味上のまとまりをいかに区切るか

収録

ロラン・デエ(今枝由郎訳) 『チベット史』(春秋社,2005年,ISBN 4-393-11803-0)、pp.66-79

  1. ^ 発音されないこともある
  2. ^ 発音されない
事例 発音
1群 -g -ク -gs [1]
用例 gnag ナク g-yag ヤク bdag ダク gcig
gzigs 'jug ジュク tsheg ツェク thog トク
-ng, -ngs -ン - - - - -
dbang ワン snying ニン gzhung シュン steng テン
stong トン rdzong ゾン        
-b, -bs -プ - - - - -
khab カプ skabs カプ zhib シプ nub ヌプ
deb テプ sleb レプ gseb セプ thob トプ  
-m, -ms -ム - - - - -
gnam ナム byams チャム rim リム gsum スム
yum ユム bem ペム khrom トム goms コム  
-r -ル - - - - -
mar マル gcir チル zur スル mgur グル
gter テル sger ゲル khor コル  
2群 -' [2]
dma' mtha' bcu' チュ