ダイ・ハード
ダイ・ハード | |
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Die Hard | |
監督 | ジョン・マクティアナン |
脚本 |
ジェブ・スチュアート スティーヴン・E・デ・スーザ |
製作 |
ローレンス・ゴードン ジョエル・シルヴァー |
製作総指揮 | チャールズ・ゴードン |
出演者 |
ブルース・ウィリス アラン・リックマン ボニー・ベデリア アレクサンダー・ゴドノフ レジナルド・ヴェルジョンソン ポール・グリーソン ウィリアム・アザートン ハート・ボックナー ジェームズ繁田 アル・レオン デヴロー・ホワイト グランド・L・ブッシュ ロバート・ダヴィ |
音楽 | マイケル・ケイメン |
撮影 | ヤン・デ・ボン |
編集 |
フランク・J・ユリオステ ジョン・F・リンク |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 |
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上映時間 | 131分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $28,000,000[1] |
興行収入 | $140,767,956[1] |
次作 | ダイ・ハード2 |
『ダイ・ハード』(Die Hard) はアメリカ映画。1988年の公開だが90年代のアクション映画の先駆的作品とされる。
概要
テレビ映画の「こちらブルームーン探偵社」で得た知名度を武器に映画界へ転進したブルース・ウィリスを不動のスターに押し上げた。他人とうまくいかない意固地な自分自身に呆れながらも、体を張って愛する者の命を守ろうとするキャラクターを主役のウィリスが好演。ボロボロになりながらジョークを交えて相手を挑発する主人公に対し、悪役がサヴィル・ロウ仕立ての背広を着ているのも好対照。
監督のジョン・マクティアナンは、高層ビルという縦の構図をアクションに生かし、夜のビル内部の人工灯や無機質に光り続ける街の明かりで主人公の追い詰められた心理を表現。敵の監視の中、あの手この手を使ってフロアを移動する主人公を撮影したカットも秀逸であり、過去の西部劇や脱走劇へのオマージュとしても捉えられる。
それまでのメジャー系アクション映画では肉体派俳優がM60機関銃と給弾ベルトを持ちながら正面から巨悪と戦うイメージが強かったのに対し、劣勢の主人公が頭脳で挑んでいく、かつての映画に見られた要素を取り入れた。
メジャー系アクション映画の更なる革新は、本作の撮影スタッフであったヤン・デ・ボンが1994年に監督した『スピード』によってなされたとされる。舞台の日系企業はブルッキングス研究員だったロバート・ローレンスによる『The Import of Japan』(1987)など対日貿易赤字に対する感情も見て取れる。
1970年代のロデリック・ソープの小説『Nothing Lasts Forever』を原作としている。主人公の設定や時代背景、作品全体のテイストなどは大きく脚色されているが、ストーリーの展開に関しては原作に忠実に映像化されている。
主人公のキャスティングは順番にアーノルド・シュワルツェネッガー、シルヴェスター・スタローン、バート・レイノルズ、リチャード・ギアが候補として挙げられ、中でもリチャード・ギアが最有力とされていた。交渉中の間でも刷る必要があった一番最初のポスターには舞台のビルのみが映っている。1997年、映画『ジャッカル』ではギアと共演したウィリスは必要以上に突っかかていたとする噂がある。
あらすじ
NY市警のジョン・マクレーンは、別居している妻(ホリー・マクレーン)に会うため、ロサンゼルスの空港に到着する。ホリーは、西海岸に進出した日系企業で認められて成功しており、日系企業が竣工中の超高層ビルで開かれるクリスマス・パーティーに夫を招待したのである。
隙間風のふいた夫婦の仲にやるせなさを感じるマクレーンは、妻と会うなり喧嘩をしてしまう。一方、別のフロアでは10数名の男達がビルに侵入し、警備網を容易く破りビルを占拠、シャッターを下ろし電話線を切断する。
パーティー会場に乱入した男達のリーダーはハンス・グルーバーと名乗り、社員たち全員を人質に取ったと宣言する。マクレーンは強盗グループからは逃れるものの、外部との連絡を遮断され応援も望めない中で、一挺しかない拳銃と刑事として鍛えた頭脳を武器に死闘を繰り広げる。
キャスト
役名 | 俳優 | テレビ朝日※ | フジテレビ※ | DVD※ |
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役柄など | ||||
ジョン・マクレーン | ブルース・ウィリス | 野沢那智 | 村野武範 | 樋浦勉 |
ニューヨーク市警の刑事。階級は警部補。妻のホリーに誘われてナカトミビルにやってくる。長年追いかけている犯人がいるらしく、それを捕まえるまでは家族のいるロサンゼルスに引っ越すことは出来ないらしい(ダイ・ハードの1年後という設定のダイ・ハード2ではすでに引っ越していた)。左利き。自動拳銃ベレッタM92を使用している。偽の身分証明書を見破るなど、ベテラン警官としての実力は高い。 | ||||
ホリー・マクレーン | ボニー・ベデリア | 弥永和子 | 吉田理保子 | 駒塚由衣 |
ジョンの妻。ナカトミ商事の中心的役割を担っている。脅迫に屈せずに敢然と立ち向かう。会社では旧姓の“ジェナロ”を名乗っているが、このことがジョンとの喧嘩の原因になり、またハンスとの駆け引きの上での伏線ともなる。 | ||||
ジョセフ・ヨシノブ・タカギ | ジェームズ・シゲタ | 阪脩 | 藤本譲 | 宮田光 |
ナカトミ商事社長兼ナカトミ投資グループ副会長。1937年京都生まれ。5児の父。ハンスの要求を断ったためにハンスに射殺されてしまう。 | ||||
ハリー・エリス | ハート・ボックナー | 石丸博也 | 山野史人 | 納谷六朗 |
ナカトミ商事のエリート(?)社員。コカイン常習者。ホリーに気があるらしく、夫がいるとわかっていても食事に誘ったりする。朝飯前に大取引を済ませる男と自称し、マクレーンに対して奪った武器を返すように交渉する。 | ||||
ジニー | ダスティン・テイラー | 伊倉一恵 | ||
ホリーの部下。妊娠している。 | ||||
アル・パウエル | レジナルド・ベルジョンソン | 坂口芳貞 | 富田耕生 | 内海賢二 |
偶然ナカトミプラザの付近に居たために、ビルの偵察を頼まれた警察官。その後、無線を通じてジョンのことを知り、ジョンに協力をする数少ない人物。ラストではマクレーン夫妻を救う。 | ||||
ロビンソン市警副本部長 | ポール・グリーソン | 小林修 | 屋良有作 | 嶋俊介 |
FBI到着まで現場の指揮を取る。パウエルの話を聞かず、マクレーンのことも全く信用していない。SWATに突入を命じるが失敗する。 | ||||
ジョンソンFBI捜査官 | ロバート・ダヴィ | 麦人 | ||
FBIの捜査官。白人。ロス市警に変わり指揮を取り、自信満々で対テロリストマニュアルに沿った作戦を展開するが、ハンスにはすべて読まれていた。ベトナム帰還兵らしい。下のジョンソン捜査官と血のつながりはない。 | ||||
ジョンソンFBI捜査官 | グランド・L・ブッシュ | 谷口節 | ||
部下のFBIの捜査官。黒人。上のジョンソン捜査官と血のつながりはない。 | ||||
ハンス・グルーバー | アラン・リックマン | 有川博 | 内海賢二 | 小林勝彦 |
強盗グループのリーダー。テロリストに見せかけ、各国のテロリストの釈放要求や演説なども行い、紳士的な態度を見せるが、真の目的はナカトミ社の債券であった。債券奪取のためナカトミ商事を占拠するが、マクレーンに妨害されてしまう。 | ||||
カール | アレクサンダー・ゴドノフ | 玄田哲章 | 秋元羊介 | 大塚明夫 |
強盗グループの1人。主にフリッツとフランコと共に行動をする。マクレーンと肉弾戦も行い、殺された弟、トニーの復讐を誓う。 | ||||
エディ | デニス・ヘイデン | 池田勝 | 若本規夫 | |
ビルの入り口でガードマンに変装していた強盗。 | ||||
フリッツ | ハンス・バーリンガー | 曾我部和恭 | ||
カール、フランコと行動を共にする。長髪。 | ||||
フランコ | ブルーノ・ドヨン | 荒川太郎 | ||
カール、フリッツと共に行動を共にする。 | ||||
セオ | クラレンス・ギルヤード・Jr | 田中亮一 | ||
金庫室のロックを解除しに来た、黒人の強盗。外の様子も報告する。本人曰く性格が良い。 | ||||
アレクサンダー | ジョーイ・プルーワ | 田原アルノ | ||
ロケットランチャーで警察を攻撃する。 | ||||
ジェームズ | ウィルヘルム・フォン・ホンブルグ | 郷里大輔 | 笹岡繁蔵 | |
アレクサンダーと共にロケットランチャーで攻撃する。ミサイルを運ぶ際、一つ落としてしまったことが仇となってしまう。 | ||||
マルコ | ロレンツォ・カッチャランツァ | 喜多川拓郎 | ||
会議室でマクレーンと銃撃戦を繰り広げる。テーブルの下にマクレーンを追い詰め、「殺せるときはためらうな」の台詞を残す。 | ||||
ハインリッヒ | ゲイリー・ロバーツ | 沢木郁也 | ||
マルコ、ウリと共に爆弾をセットしていた。彼は爆弾をバッグに入れていた。 | ||||
ウリ | アル・レオン | 広瀬正志 | ||
マルコ、ハインリッヒと共に爆弾をセットしていた。 | ||||
クリストフ | ジェラール・ボン | |||
登場頻度が少ない。台詞もほとんどない。 | ||||
トニー | アンドレアス・ウィスニエフスキー | 牛山茂 | ||
カールの弟で最初に殺されてしまう。彼の死体はマクレーンの手でメッセージボトル代わりとされ、フリッツによって発見される。 | ||||
リチャード・ソーンバーグ | ウィリアム・アザートン | 安原義人 | 村山明 | 江原正士 |
WZDCのTVレポーター。警察無線を傍受し、真っ先に現場に駆けつけ特ダネをものにする。悪意は持っていないようだが、強引な取材姿勢で、ラストにしっぺ返しを食らう。「今の撮った?」が口癖。 | ||||
アーガイル | デヴロー・ホワイト | 江原正士 | 柴本浩行 | 島田敏 |
マクレーンをナカトミプラザまで運んだリムジンの運転手。ビルの地下駐車場でマクレーンを待つが、事件のせいで出られなくなる。 |
ロケ地関係
映画中で「ナカトミ・プラザ」と呼ばれるナカトミコーポレーションの本社ビルは、ロサンゼルス市のセンチュリー・シティーにある20世紀フォックス本社ビル「フォックス・プラザ」を使用したもので、実在する。
スタッフ
- 監督 - ジョン・マクティアナン
- 撮影監督 - ヤン・デ・ボン
- 原作 - ロデリック・ソープ
- 音楽 - マイケル・ケイメン
- VFXスーパーバイザー - リチャード・エドランド
- VFX - ボス・フィルム
劇中で使用された火器
- ベレッタM92F - マクレーンが使用
- H&K P7M13 - ハンスがニッケル・メッキ又はステンレス・スチールのモデルを使用
- ステアーAUG - カールが使用
- H&K MP5A3 - カール、アレクサンダー以外のテロリストが使用
- サコーM60 - アレクサンダーがM60E3を、FBIがM60を使用
- レミントンM700 - ビッグ・ジョンソンが使用
脚注
- ^ a b “Die Hard (1988)”. Box Office Mojo. 2009年11月19日閲覧。
関連項目
外部リンク
- allcinema - ダイ・ハード