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ダークナイト

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ダークナイト
The Dark Knight
本作の上映に伴い公開されたバットモービル
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 クリストファー・ノーラン
ジョナサン・ノーラン
原案 クリストファー・ノーラン
デヴィッド・S・ゴイヤー
製作 クリストファー・ノーラン
チャールズ・ローヴェン
エマ・トーマス
出演者 クリスチャン・ベール
マイケル・ケイン
ヒース・レジャー
ゲイリー・オールドマン
アーロン・エッカート
マギー・ギレンホール
モーガン・フリーマン
音楽 ハンス・ジマー
ジェームズ・ニュートン・ハワード
撮影 ウォーリー・フィスター
編集 リー・スミス
配給 ワーナー・ブラザーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2008年7月18日
日本の旗 2008年8月9日
上映時間 152分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
製作費 $185,000,000
興行収入 $1,001,921,825
前作 バットマン ビギンズ
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ダークナイト』(The Dark Knight) は、2008年アメリカイギリス共作映画。ボブ・ケインによるアメリカン・コミックスバットマン』を原作とした、1989年から続く実写映画版の第6作であり、『バットマン ビギンズ』から再スタートした新生バットマンシリーズとしては2作目となる。監督は前作に続きクリストファー・ノーラン

第81回アカデミー賞助演男優賞、撮影賞、美術賞、メイクアップ賞、視覚効果賞、音響編集賞、編集賞ノミネート。うち助演男優賞、音響編集賞受賞。

概要

コミックス版シリーズの連作『バットマン:ダークナイト・リターンズ』から継承されていたシリアスな作風である。

監督のクリストファー・ノーランや主演のクリスチャン・ベールら前作の主要キャストはほぼ続投。レイチェル役のみケイティ・ホームズからマギー・ギレンホールへと変更になった。

今作の主な悪役は、原作シリーズで最凶の敵と言われるジョーカーと、トゥーフェイス。ジョーカーを演じたヒース・レジャー2008年1月22日に本作の完成を待たずに急逝した。今作は彼と撮影中に亡くなった特殊効果技師のコンウェイ・ウィックリフ (Conway Wickliffe) に捧げられている。公開に当たってはジョーカーの登場を中心とした宣伝が行われたため、トゥーフェイスの登場とそのデザインなどは公開まで伏せられた形となった。

映画の冒頭シーンを含む合計約30分の6つのシーンではIMAX用の大型IMAXカメラで撮影された。これは劇映画では初の使用となる[1]。そのためIMAXシアターで公開されたバージョンと、Blu-ray Discの画面サイズはシネマスコープサイズとビスタサイズが混同している。IMAXカメラで撮影されたシーンはビスタサイズになっており、尚且つ最高解像度に切り替わる。DVD版は通常の劇場公開版と同様で、IMAXの映像に上下の黒マスクをつけており全編シネマスコープサイズで統一してある(解像度は変化しない)。通常公開版(及びDVD版)はIMAXの映像を切っているので、IMAX版よりは画面に映る情報量が減っているが、一部のシーンで通常公開版(DVD版)でしか映ってない部位がある。

音楽はメロディック、シンボリックなテーマ曲は拒否され「英雄不在」が聴覚面にも徹底されている。ただしジョーカーについては「誰もが嫌う曲」を目指しテーマ曲が作曲されている。作曲を担当したのは、前作に引き続きハンス・ジマージェームズ・ニュートン・ハワード。オープニングで使われた9分14秒の曲には、1つのテンポと2つの音で構成されている[2]

前作からさらに向上した監督・脚本力、ダークな世界観、リアルな町並みとダイナミックな映像技術、急逝したヒース・レジャーを始めとする実力派俳優たちの演技により観客、批評家達からアメコミの域を越えたと賞賛され、近年稀に見る高評価を獲得している。当初、ジョーカー役については先代のジャック・ニコルソンの怪演ぶりからヒースになることを危惧した意見もあり、実際ジャックは自分でなかったことやヒースの死について怒りのコメントを残したが、いざ映画が公開されるとヒースの主役を食うほどの演技を各界が絶賛。その年の各映画賞の助演男優賞を多数受賞し、最終的にはアカデミー助演男優賞を死後受賞という32年ぶりの快挙となるに至った。

特殊効果(フィジカル・エフェクト)を指揮したのは前作同様クリス・コーブルド。80年代から007シリーズでも知られる英国の特技監督で、『007 サンダーボール作戦』のラストと同じ航空機によるピックアップをナイトシーンで達成している。

監督のノーランは本作品を監督するにあたってマイケル・マン監督作『ヒート』を参考にしたと語っており、そのことは全編にわたって漂う都市と犯罪の雰囲気や、バットマンとジョーカーという対立する二人が、互いのなかに自分に似た面を感じ取っているという構図などから見て取れる。また、『ヒート』で重要な役を演じたウィリアム・フィクナーが本作の冒頭に出演している。

ストーリー


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ジョーカー」と名乗る正体不明の犯罪者がゴッサム・シティーに現れる。不気味なメイクで傷を隠し、嬉々として犯罪を楽しむジョーカーは、その日も白昼堂々と銀行強盗をやってのけると姿をくらました。

一方、バットマンことブルース・ウェインはゴッサム市民を守るべく、毎夜悪と戦い続けていた。しかし、悪の芽をいくら摘み取っても、ゴッサムに真の平和が訪れることはなかった。バットマンはゴッサム市警のジム・ゴードン警部補と協力して、マフィアの資金洗浄元である銀行を摘発するという手段に出る。市警に潜む内通者の存在で一時は失敗も危ぶまれたが、新任の地方検事ハービー・デントの後押しもあり、ついにマフィアの資金源を断つことに成功する。

バットマンと違い、姿を晒して正々堂々と悪に挑むハービー。そんなハービーの姿に、ブルースは彼こそゴッサムが求める真のヒーローだと確信し、バットマンを引退しようと考え始める。かつての幼なじみである地方検事補レイチェル・ドーズに未だ想いを寄せるブルースは「バットマン引退の瞬間」こそ彼女と結ばれる時であると信じていたが、一方のレイチェルはブルースとハービーとの間で揺れ動いていた。

その頃、資金源を断たれて悩むマフィアたちの前にジョーカーが現れた。ジョーカーは彼らの全資産の半分を条件に、大胆にもバットマン殺害の提案を持ちかける。罪なき市民や警官を次々に殺害し、さらには市長暗殺を企ててバットマンを追い詰めるジョーカー。これまで自身のルールに従って犯罪と戦ってきたバットマンは、「秩序」を一切持たないジョーカーに苦戦を強いられるが、ジョーカーの真の目的は金でもバットマンの命でもなかった。ジョーカーの唯一の目的、それはゴッサムに「恐怖」と「混沌」をもたらし、人間のエゴをさらけ出すことだったのだ。

キャスト

日本語吹替

スタッフ

評価

興行収入

アメリカでは2008年7月18日に4366館で公開され、『スパイダーマン3』の歴代オープニングを越え、1億5830万ドル(約169億円)で初登場1位を記録[3]。また、『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』の公開16日目で3億ドル突破の記録を公開10日間で[4]、『シュレック2』の公開43日で4億ドル突破を18日目で更新した[5]。その後も興行ランキング上位を保ち、6週間で5億ドルを突破[6]。総興行収入は5億3300万ドルを記録し、タイタニックに次ぐ、全米映画史上2位を記録した[7]

日本での興行収入は約17億円[8]。世界興行収入では2009年3月時点で約10億ドルを超えた。

主な受賞

使用された銃器

キャッチコピー

  • 最凶の敵が、来る。
  • あなたは史上最凶のジョーカーを引く。
  • とてつもない悪が笑い始めた。
  • 口が裂けるほど笑わせてやる。
  • Lets put a smile on your face.(口が裂けるほど笑わせてやるよ)
  • Welcome to the world without the rules.(無秩序の世界へようこそ)
  • Why so serious?(そのシケた面は何だ?)
  • 最強。最凶。最狂。 (順にバットマン、ジョーカー、トゥーフェイス)
  • 覚悟せよ。度肝を抜かれる。
  • 最強vs最凶

脚注

外部リンク

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