デブ
デブとは肥満体型、またはそのような体型の人間を指す俗語である。多くの場合は蔑称として用いられる。
語源
江戸時代から「でっぷり」という擬態語が使われており、短縮・繰り返しの「でぶでぶ」という言葉が名詞化されたというのが一般的である。しかし一方で英語で二重あごを示す“Double chin”が「でぶちん」と誤解されでぶになったという説がある。
ロスコー・アーバックルが出演する無声映画の邦題に「デブ君の○○」というものが多かったことから、この語が広く知られるようになったとされる。
概要
一般的には蔑称や差別用語として扱われることが多いが、現在のところ放送禁止用語にはなっていない(ただし一般人においては名誉毀損用語として扱われることがある)。逆に、お笑い芸人などのタレントにはデブであることを売りにしている人もいる(略して「デブタレ」などと呼ばれる)。例えば、テレビ番組『元祖!でぶや』は主な出演者がデブであることを売りにしている。 特にデブタレとして活動をしている伊集院光・石塚英彦・松村邦洋・内山信二の4人を「デブタレ四天王」と呼ぶ事もあり、人気を得ている。
また特に太った人に好感を持つ人間を「デブ専」などと呼び、アダルトビデオの一ジャンルにもなっており、専門のAVメーカーも存在する。
英語では“fat”、“fatty”という単語が日本語の「デブ」と同様の意味を持つため、“stout”、“plump”、“chubby”などと言い換えられることがある(ただし、最近では“stout”も蔑称として使われることがある)。 また女性に対しては"BBW"(Big Beautiful Woman)と表現されることもある。 ポリティカル・コレクトネスの立場では"big"あるいは"horizontally challenged"(水平方向に難があるもの)などと呼ばれる。なお、後者はジョークの類である。
日本では特に女性に対して、“ふくよか”や“豊満”などと言い換えられることもあるが、“ぽっちゃり”と表現されることが多く、肥満女性向けのサイトなどではその肥満の度合いによって“ぷちぽちゃ”、“中ぽちゃ”、“激ぽちゃ”、“3桁ぽちゃ”などと使い分けられている。
1940年代などには、長崎県に投下された原子爆弾が「ファットマン」と名づけられるなど肯定的・積極的な“fat”の使用例もあった。しかし、現代では一般的にタブーとされる。
応用
デブのうちでも肥満の度合いが特に著しい者を「百貫デブ」と呼ぶ。百貫とはおおよそ375キログラムであるが「百貫デブ」の体重基準は特に無く、あたかもそのぐらいはありそうに見える状態をさす。
主な事件
2004年9月30日、山梨県大月市の市議会議員がスナックで客として居合わせた20代の女性に「おいデブデブ」・「そんなに太ってどうするんだ」・「ドラム缶みたいだな」などと声を掛けたとして侮辱罪に問われ、2006年9月に最高裁判所で拘留29日の実刑が確定した。