西山太吉
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西山 太吉(にしやま たきち、1931年 - )は、日本のジャーナリスト。毎日新聞社在籍時の1972年、日米間の密約について秘密漏洩をそそのかしたとして逮捕された(西山事件)。
略歴
山口県下関市出身。山口県立下関西高等学校、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修了後、毎日新聞社に入社。毎日新聞で政治部記者などとして活動した。
1972年、沖縄返還時の日米間の密約について、“外務省の女性事務官と密かに情を通じ、秘密漏洩を唆した”として、東京地検特捜部に逮捕・起訴される(西山事件)。1974年の一審判決では無罪判決、1976年に控訴審で有罪判決が下り、上告するも1978年に棄却され確定。
一審判決直後に退社。以後、家業の西山青果株式会社に勤務し、1991年に退職。現在は在野のジャーナリストとして活動している。
2000年になって、密約を裏付ける米国の公文書が発見された。2005年、西山は起訴されたことを不服とし、国家賠償訴訟を起こした。2006年、対米交渉を担当した吉野文六外務省アメリカ局長(当時)は密約の存在を北海道新聞、共同通信、朝日新聞の取材に対し認めた(吉野は1999年、政策研究大学院大学の「吉野文六オーラルヒストリー」においても同等の証言をしている)。2007年3月27日、東京地裁は、20年の除斥期間を経過しているとして、密約の存否に触れず、請求を棄却する判決を下した。これに対しては2009年3月18日に取り消しと開示決定及び賠償を求めて提訴(沖縄密約情報公開訴訟)。
主な著書
- 『情報は誰のものか』(筑紫哲也・細野豪志・田島泰彦共著、岩波書店、2003年)
- 『沖縄密約―「情報犯罪」と日米同盟』(岩波新書、2007年 ISBN 4004310733)
関連項目
外部リンク
- 「沖縄密約情報公開訴訟」記者会見(JanJanニュース)
- 沖縄密約事件 西山太吉の妻 37年目の初告白(講談社G2)