セゾン美術館
表示
セゾン美術館(せぞんびじゅつかん)とは、1989年から1999年まで、東京の池袋に存在した美術館。前身は、1975年に開館した西武美術館で、1989年にセゾン美術館に改称した。改称の前後で、美術館のコンセプトに大きな変更はなされていない。美術館として独立した建物になっておらず、別の建物の中に入っているが、2階分の構造となっている。
その企画の対象は、他の百貨店系の美術館(美術スペース)とは異なり、20世紀の内外の美術(主として、前衛的なもの)に特化しており(建築、写真、デザイン等を含む)、国立の近代美術館レベルの企画も数多く行った。展示スペースも、20世紀美術(特に、第二次世界大戦後の美術)を意識し、(百貨店系にしては)高めの天井、また、レイアウト的に極めて自由の利く構造を持っていた。(壁の移動のみならず、入り口を1階と2階のいずれにすることもでき(または、1階と2階を完全に仕切って別々の企画を行うこともでき)、企画により使い分けていた)
百貨店の宣伝的機能をはるかに超え、利益を度外視した、いわゆる「メセナ」活動といっていい展開を示した(セゾングループの堤清二の意向を強く反映しているといわれる)。それが理由か、バブル崩壊後の経済状況に持ちこたえられず、閉館した。
この美術館は、各展覧会のポスター、展覧会カタログ、チラシ、チケット等のデザインについても力を入れており、当初は田中一光、のちには松永真を採用して、他の美術館に先駆けて、トータルなイメージ作りを行った点にも、大きな特徴がある。
開催された主たる展覧会
(開催年順)
- 芸術と革命展(1982年)(西武美術館)
- 芸術と革命Ⅱ展(1987年)(西武美術館)
- バウハウス1919-1933展(1995年)
- デ・ステイル展(1997年)
関連項目