第2次スーパーロボット大戦
ジャンル | シミュレーションRPG |
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対応機種 |
ファミリーコンピュータ プレイステーション |
開発元 | ウィンキーソフト |
発売元 | バンプレスト |
人数 | 1人 |
メディア |
ROM(FC) CD-ROM(PS) |
発売日 |
1991年12月29日(FC) 1999年12月2日(PS) |
売上本数 | 10万本[1] |
その他 | コンプリートボックスに収録 |
『第2次スーパーロボット大戦』(以後『第2次』)は、バンプレストから発売された『スーパーロボット大戦シリーズ』の一つ。
概要
第2次と銘打ってあるが、ストーリー的には第○次シリーズの第1作となる。後のシリーズではDC戦争と呼ばれる。前作『スーパーロボット大戦』から大幅に改良された内容となっており、システムの原点はこの作品で作られたと言える。ルート分岐は無く全26話構成となっている。
ハードが前作のゲームボーイからファミコンになったことでグラフィックは大幅にパワーアップした。特にゲッターロボの合体デモはファミコンの限界の機能でゲットマシンの動きを再現し、当時はまだユーザーであった寺田貴信を驚かせた[1]。
本作からサイバスター・グランゾンなどのバンプレストオリジナルが登場したが、この時点では顔見せ程度の出演だった。また、本作オリジナルメカとして、『グレートマジンガー対ゲッターロボ』に登場するギルギルガンのパワーアップ形態メカギルギルガンが登場している。
原作の設定を取り込みストーリー性は大幅に増したが、内容がマニア向けになってしまい対象年齢が一気に上昇。また、擬人化をやめたことでスーパーロボットとリアルロボットが競演することに対する違和感が増してしまった。さらに、当時はファミコンからスーパーファミコンへの移行期でありメディアでの露出が減っていた事や、年末商戦に間に合わない年末ギリギリの発売であったなど、さまざまな理由から売上が前作の半分以下まで落ち込んでしまう。この結果を見てバンプレストはシリーズ打ち切りを予定していたが、ウィンキーソフトが何とか食らいついて結論は次回作(『第3次』)の売上で出すことになった。なお、ウィンキーソフトはシリーズが打ち切られた場合他社へ企画を持ち込むつもりだったという[1]。
第2次と付いた理由
『スーパーロボット大戦』の第2作目であるということから、本作は『第2次スーパーロボット大戦』というタイトルになっている[1]。但し前作は「パイロットが存在しない・ロボットが意思を持っている」という世界であることから、直接の続編というわけではない。
作中ハマーン・カーンがギルギルガンを復活させたというエピソードがあるが、これは前作に登場したギルギルガンを復活させたと見る事が出来るが、その一方でかつてギルギルガンとの戦い(つまり、時系列的に前作にあたる戦い)があったが、それは前作とは(直接は)関係ない出来事、とも見る事も出来る。
移植版
- 1995年には『第2次スーパーロボット大戦G』と題し、ゲームボーイにリメイク移植された。詳細は後述。
- 1999年には『第3次スーパーロボット大戦』(以後『第3次』)や『スーパーロボット大戦EX』(以後『EX』)と3作セットで『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』としてプレイステーションにリメイク移植された。また各作品は2000年に単品でも発売された。
- 2004年には非売品のゲームボーイアドバンス版(ファミコンミニ版)が『スーパーロボット大戦GC』の購入者特典として、抽選で2000名にプレゼントされた。ちなみに後の『スーパーロボット大戦W』、『スーパーロボット大戦K』のダブルスロットシステムにも対応し、限定品ということもあってか対応しているソフトの中では一番特典が大きい。
登場作品
一覧
- 機動戦士ガンダム
- 機動戦士Ζガンダム
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- 機動戦士ガンダムF91
- マジンガーZ
- グレートマジンガー
- UFOロボ グレンダイザー
- グレートマジンガー対ゲッターロボ
- ゲッターロボ
- ゲッターロボG
- 魔装機神サイバスター
解説
初登場作品は『UFOロボ グレンダイザー』と『魔装機神サイバスター』の2作品。
本作では『グレートマジンガー』の主人公である剣鉄也は登場せず、グレートマジンガーは兜甲児がマジンガーZから乗り換える。また、『ゲッターロボG』の主人公の一人である車弁慶も登場せず、ゲッターポセイドンは巴武蔵がゲッター3から乗り換える。二人は次回作から登場する。機動戦士Zガンダムのレコア・ロンドと機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのクェス・パラヤはFC版のみ登場となっており、PS版では削除された。なお、レコア・ロンドが削除された理由は第3次の序盤で味方として登場するためであるから[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。
『魔装機神サイバスター』は他の登場作品と異なり、原作が存在しないスーパーロボット大戦オリジナルの作品である。主人公ロボットであるサイバスター、およびライバルロボットであるグランゾンが登場した。開発当初は『聖戦士ダンバイン』を登場させる予定であったがNGが出てしまったため、オマージュ的な設定のオリジナル作品『魔装機神』を製作した(詳細は魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL#成り立ちを参照)。『魔装機神』は以降のシリーズで一部を除いて『スーパーロボット大戦α外伝』までレギュラーとして出演するほど人気を博した。なお『聖戦士ダンバイン』は『スーパーロボット大戦EX』などにおいて『魔装機神』と競演している。
また、登場作品には表記されてないが『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のズゴックE及びハイゴッグが登場している。
パッケージ登場機体
- FC版
- グレートマジンガー
- ゲッタードラゴン
- νガンダム
- GB版G
- V2ガンダム
- ゲッター1
- サイバスター
- νガンダム
- マジンガーZ
システム
- パイロット
- 前作ではロボットは擬人化されていたが、本作では以降のシリーズでお馴染みのパイロットが初採用された。これにより原作での人間関係が再現され、深みのある物語が展開されるようになる。特に前作からある説得は、人間関係が再現された事により原作で救えなかったキャラクターを仲間に出来るようになり、スパロボを盛り上げるのに一役買った。
- ユニット
- ユニットの改造というシステムは無く、パイロットのレベル上昇に合わせてパワーアップしていく形式となっている。武器は1ユニットあたり2つ。本作ではエネルギーや気力といったパラメータもないため、2つの武器は「低威力で高命中/高威力で低命中」または「接近攻撃(射程1の武器)/間接攻撃(射程2以上の武器)」の組み合わせになっている場合がほとんどで、ユニットの運用に関して自由度は殆ど無い。シナリオの進行によってより強力な武器が使えるようになる場合はあるが、その場合は以前の武器と入れ替わりとなり、常に1ユニットあたりの武器数は2つである。なおボスキャラの中には間接攻撃を無効にする能力を持った者が居り、その場合前述の「接近攻撃/間接攻撃」の組み合わせの武器を持つユニットは、選べる武器が1つしかない事になる。
- 速度
- 以後のシリーズのシステムにはない、速度というパラメータがユニットにあり(レベルアップに応じて上昇する)、速度に一定以上の差があると攻撃・反撃・再攻撃(又は再反撃)と一回の戦闘で2回攻撃がおこる。
- ショップ
- MAP上の特定地点に移動するとショップで買い物ができる。前述の通り改造がまだないため獲得した資金はこのショップで使う事になる。ショップの位置のヒントなどはゲーム中で提示されない。『機動戦士ガンダム』のミライ・ヤシマが店員をしており、ブライトで訪れると専用の挨拶で迎えてくれる。
※PS版では『スーパーロボット大戦F』のシステムを用いている関係で、上記のシステムのほとんどが変更・改善されている。
スタッフ
- プロデューサー
- じっぱ ひとからげ
- ゲームデザイン
- さかた まさひこ
- グラフィック
- ちけん ひろゆき
- さかた まさひこ
- ミュージック
- たなか しんいち
- プログラム
- しょう まさひろ
- スペシャルサンクス
- みずしま けいたろう
※ゲーム内の表記が平仮名のためそのまま記載。
第2次スーパーロボット大戦G
ジャンル | シミュレーションRPG |
---|---|
対応機種 |
ゲームボーイ スーパーゲームボーイ |
開発元 | ウィンキーソフト |
発売元 | バンプレスト |
人数 | 1人 |
メディア | ROMカセット |
発売日 | 1995年6月30日 |
概要
FC版の『第2次』は続編の『第4次スーパーロボット大戦』(以後『第4次』)発売時には入手困難であった。その為GBへのリメイク移植が行われた。その際『第2次』と『第3次』の間にある矛盾点がいくつか解消されている。最終ボス戦が1ターンで終了させられる等、難易度は低い部類に入る。
当時は「『第2次』は国連によって改ざんされた偽りの記録であり、本当のDC戦争を記したものが『第2次G』」という位置づけだったが[2]、『F』に『Gガンダム』が登場した事でつじつまが合わなくなり、現在では『第2次』のパラレルワールドの様な扱いとなっている[3]。
スーパーゲームボーイに対応しており専用のピクチャーフレームが用意されている。
『第2次』からの変更点
登場作品に『機動戦士Vガンダム』、『機動武闘伝Gガンダム』が追加。それぞれスパロボ初登場であり、序盤は『Vガンダム』が、後半は『Gガンダム』がストーリーをメインで引っ張っていく。『Vガンダム』のテレビシリーズの次回予告ナレーションを踏襲してシャクティ・カリンが第1話開始前やエンディングのモノローグを行うなどしており、「シャクティがDC戦争の経験を回想している」とも取れる形となっている。また、それに伴い一部シナリオの変更、ステージ数の増加、ルート分岐追加が行われた。逆に一部ステージの削除もある(「対決!ラインX1」など)。
システムを当時最新の『第4次』のものへ変更(但し運動性、遠近攻撃は未採用)。
- ユニット改造、武器改造が可能に。
- ユニットの乗り換えが可能に。
- ショップの廃止。
- 反撃設定が可能に。
- シリーズにおける強化パーツシステムは導入されていないが、フル改造ボーナスで装備(後述)。
- 武器数が2→4へ。
サイコガンダム系の機体が手に入らなくなったが、フォウがシナリオ後半に復帰するようになった。また、プルツーが未登場となり、プル死亡イベント及び生存時のクインマンサ乗り換えイベントが無くなった。レコア、ロザミア、セシリーも登場しなくなったが、剣鉄也、リューネ・ゾルダークが登場する。
上記で述べた、ギルギルガン登場のエピソードは本作では削除されている。
終盤でラストバタリオンと戦うシナリオが、デビルガンダム及び東方不敗と決着をつけるシナリオに変更されている。このため中盤のシナリオでラストバタリオンから逃げる選択をすると、最後まで戦う機会の無いまま終わってしまう。
ストーリーに4箇所のルート分岐が加えられた。大別すると『第2次』の再現をしたルートと、『Vガンダム』・『Gガンダム』をメインにした新規ルートとなるのだが、『第2次』では地上で登場したエルメスが新規の宇宙ルートに登場するなどの変更もある。
BGM
- V、Gを除くガンダム作品すべて - 颯爽たるシャア
- 機動戦士Vガンダム - Don't Stop! Carry On!
- 機動武闘伝Gガンダム - FLYING IN THE SKY
- マジンガーZ - マジンガーZ
- グレートマジンガー - おれはグレートマジンガー
- UFOロボ グレンダイザー - とべ!グレンダイザー
- ゲッターロボ - ゲッターロボ!
- ゲッターロボG -ゲッターロボ!
- 魔装機神サイバスター - 熱風!疾風!サイバスター
その他
『第2次』から削除されたキャラ&ユニットは、ほとんどが『第2次』に登場していながら『第3次』や『第4次』との間に矛盾を起こしていたためである(例:レコアは『第2次』でシロッコの配下として登場しているのに、『第3次』で味方サイドとして登場→シロッコに捕らわれるという原作再現の展開を行っていた)。しかし『第3次』で初登場となるはずの剣鉄也やリューネ・ゾルダークも登場しているため、辻褄が合わなくなる部分も発生した。
シリーズで初めてフル改造ボーナスが登場。本作では各ユニット固定の強化パーツを装備するという扱いになっている。プレイヤーが選択できないため、自由度は皆無だった。また、シリーズでも珍しい、性能をフル改造することで別のユニットに変化する機体も存在する(本作以外では『64』に登場)。
ララァ、ボスの両名は乗り換え可能な作品群のキャラクターながら、乗り換え不可能。そのためエルメス、ボスボロットは両名の専用機となり、他キャラクターは乗り換えできない。またエルメスは宇宙でしか出撃出来ないため、終盤にララァは一切出撃できなくなる。ボスボロットはその逆で地上専用だが、終盤で宇宙から地上へ帰還した後も出撃不可能状態が続き、最終面でようやく再出撃可能となっている。
グレンダイザーは当初スペイザーに変形することができるが、ダブル・マリン・ドリルの各スペイザーを入手した後は、スペイザーに変形できなくなる。三種のスペイザーへ変形すると、外見は他シリーズでのグレンダイザーと各種スペイザーとの合体形態のものとなるが、武装は各種スペイザーの物のみしか使用できない。
ララァ、ボス、オリファーの三名は精神コマンドが5つしか設定されていない。
本作では気力の上限が200まであり、最大まで上昇させたゴッドガンダムであれば、最強技でなくとも最終ボスを一撃で倒すことが可能である。
イベントユニット扱いながら、シリーズで初めての人間ユニットが登場(「Gガンダム」の東方不敗)。
本作が寺田貴信がプロデュースした初の作品であり、そのため初心を忘れないために本作のパッケージを自身の机の見えるところに飾っているという[4]。
寺田が本作に『Gガンダム』を登場させようと、当時スパロボを製作していたウィンキーソフトに相談に行ったところ、「Gガンダム? 嫌です。あれは今までのガンダムとは違う」と、予想通りの否定的な答えを返されたという[1]。