ウルリヒ・コッホ

ウルリヒ・コッホ（Ulrich Koch、1921年3月14日 - 1996年6月7日）は、ドイツ・ブラウンシュヴァイク生まれのヴィオラ奏者。

略歴

ブラウンシュヴァイクに生まれる。J.ヴォイク、A.H.ブルイニエール、W.プリムローズらに学ぶ。ブラウンシュヴァイク国立劇場管弦楽団コンサートマスター（ヴァイオリン）を経て、バーデン・バーデン南西放送交響楽団の首席ヴィオラ奏者となり、又フライブルク国立音楽大学弦楽器長を歴任した。亡くなるまで同大学終身教授。ベルリンフィル、パリ管弦楽団、NHK交響楽団等の世界各国の著名なオーケストラのソリストとして、共演。ヨーロッパ、アメリカ各国の主要都市でリサイタルを開催した。室内楽の分野においてもブルイニエール弦楽四重奏団、ベル・アルテアンサンブルのメンバーとして、又カペラコロニエンシスのソリストとしても世界各地で演奏会を行った。

多数のレコード、CDの録音、ビデオディスクの録画（R.シュトラウス「ドンキホーテ」をカラヤン指揮ベルリンフィルのソリストとしてロストロポーヴィチと共演、ブラームスとレーガーのヴィオラとピアノのためのソナタを中村幸子と共演）をしており、又多くのヴィオラ協奏曲を初演している。

その他、ミュンヘン、ジュネーヴ、パリ、フィレンツェ等の国際コンクールの審査員に名をつらね、ヴィオラ・ダ・モーレ、ヴィオラ・ポンポーサなどの研究演奏でも知られている。1981年、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字賞を受賞。晩年1981年、83年〜89年に武蔵野音楽大学の招きにより来日して、客員教授としてレッスン、アンサンブル指導、講座、リサイタルなどを行った。90年〜96年は、武蔵野音楽大学客員教授として年間を通して武蔵野音楽大学で教鞭をとる。その間の90年には、山形交響楽団定期演奏会において、バルトークのヴィオラ協奏曲を演奏、イソ弦楽四重奏団定期演奏会へのゲスト出演の他、毎年中村幸子とのリサイタルを開催するなど勢力的に活動をした。