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山下達郎のサンデー・ソングブック

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山下達郎の
JACCS CARDサンデーソングブック
ジャンル 音楽・トーク
放送方式 録音放送
放送期間 1992年10月3日~
放送時間 日曜日 14:00-14:55(55分)
放送局 TOKYO FM
ネットワーク JFN
パーソナリティ 山下達郎
出演 大瀧詠一(毎年1月に2回-)
竹内まりや(年4回-)
提供 ジャックス
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山下達郎のJACCS CARDサンデーソングブック(やましたたつろうのジャックスカードサンデーソングブック)は、TOKYO FMをキーステーションとして、JFN系列で展開されているラジオ番組シンガーソングライター山下達郎唯一の出演ラジオ番組である。略称は「サンソン」。

キャッチフレーズ

  • オールディーズ・バット・グッディーズ(温故知新のこと。「古きを温ねて新しきを知る」という意味)
  • 『日曜日の午後のひと時、最高の選曲と最高の音質』
    • 珍盤奇盤特集の時は「最低の選曲と最高の音質」と冗談交じりに語っていた。

概要

  • 「音の職人」とも称されるシンガー・ソングライター山下達郎は、無類のレコード・コレクターでもある。この番組は山下自身が所蔵する音源から、山下の音楽のルーツである1960-70年代のオールディーズを中心とした曲をオンエアし、軽快なトークとリスナーからのリクエスト、質問での構成となっている。

沿革

こだわり

  • 「職人」とも言われる山下らしく、放送時の音質にもこだわり、所有のレコードやCDを単にかけるのではなく、事前に自宅でPro Toolsを使ってラジオに適した音質にミックスし直したWAV形式の音源を、USB-RAMに落としてTOKYO-FMのスタジオに持っていってオンエアしている。
  • 雑誌『BRUTUS』2009年3月1日号のラジオ特集に寄せた達郎の文章によれば、番組開始直後は前番組が木村拓哉番組であり、後番組がDREAMS COME TRUE番組だったのだが、オールディーズの音源をそのままオンエアすると前後に放送されるポップスやドリカムの音源などとは音圧でまったくかなわないため、リマスタリングを行って音圧を上げたDATテープを作ったものをオンエアするようになったとのことである。
  • TOKYO FMにあるライブラリーからの音源は一切使用しない。また関係者、番組企画のものを除いて、邦楽や最近の曲は原則オンエアされないが、山下自身や竹内まりやの新曲、またスマイルカンパニー所属のアーティスト、山下夫妻が関わっている楽曲はどこよりも早く紹介され、フルサイズでの楽曲編集が間に合わなかった場合は、エディット版に編集したトラックをいち早くかける等、リスナーへの気配りは忘れない。
  • ライブ感覚でやりたいという意図で、きっちり55分間の生放送進行(同時パッケージ)で収録している。(途中噛んだり、詰まったりすることもある為、その箇所は不自然にならないよう、再録、編集している)その為、曲はもちろん、OA間のジングルや、ジャックスのCMも流しながら収録している。その為、山下本人はジャックスのCMもしっかり聞いている。ある回のOAで『今シーズンのジャックスのCMはいいなぁ』と語っていたことがある。
  • リスナーからのリクエスト、質問等は本名で書かれたハガキでしか一切受付はしていない。
    • 過去に時代の流れということで、本人は一度Eメールなどでの投稿も受け付けようかと発言したところ、予想以上の反対意見にみまわれ、実現はしていない)。
    • 一枚一枚本人が自宅で読み、収録日には番組で読み上げるハガキを紙袋に入れて持ってくるという。
    • ほぼ毎週読まれる人もいれば、何度投稿しても読まれない人もいる。
  • 毎週投稿してくるような人に対しては、必ず「超常連」、「常連」という言葉を名前の前に読み上げている。
    • リスナーと竹内まりやから「この番組の『超常連』の基準って何ですか?」と問われた際に山下は「文章の書き方や文字にはそれぞれ葉書を書く人の癖があって、それだけで誰が書いたかわかるようになったら『超常連』」と述べている(2008年12月28日の放送より)。
  • 番組のエンディングには、リスナーから寄せられた、その放送日近辺で誕生日や記念日を迎えた人へのメッセージを読み上げる(例「○○市の××さんから、▲▲さんへ、12月15日ハッピーバースデイ」
    • 但し、「新春放談」放送時は、郵便事情と大瀧詠一への配慮で休止となる。
  • エンディングの口上は毎週決まって「来週もセイムタイム・セイムチャンネル(同じ時間・同じチャンネル(周波数))で皆さんごきげんよう…さよなら」と締めくくる。
    • 但し、クリスマスイブおよびクリスマス当日、あるいはその直前の放送のみ最後が「メリークリスマス」になる場合がある。また、北海道マラソンのローカル中継の前週と当日はAIR-G'に配慮して「来週もお楽しみに、さよなら」と締める。
  • CM前のジングルは、山下本人による一人アカペラである。

タイムテーブル

  • 14時の時報の後、各局ごとに「JFN共通ジングル」または「オリジナルジングル」を流した後、「アトムの子」のイントロが流れ、シャーリー富岡によるタイトルコール。「Tatsuro Yamashita Presents JACCS CARD Sunday Song Book」(タツロウ・ヤマシタ・プレゼンツ・ジャックスカード・サンデーソングブック)と英語でコメント。歌が始まる寸前でBGMが消え、別の女性ナレーターが「この番組はあなたの信用ナンバーワンを目指すクレジットのジャックスがお送りします」と提供クレジットを出す。
  • 90秒CM。
  • オープニング。オープニングテーマ曲「ONLY WITH YOU」のインストが流れ、出だしから4小節終わったところで、挨拶。(口上は『皆さんこんにちは、ご機嫌いかがですか、山下達郎です。毎週日曜日(午後)2時からの55分間は私、山下達郎がお送りしているジャックスカード・サンデーソングブックの時間であります。TOKYO FMをキーステーションと致しまして、全国JFN38局(放送時のネット局数)ネットでお送りしております。』)そして最近の近況報告などを簡単に語り、おなじみのフレーズ「今週も素敵なオールディーズ・プログラムでお楽しみ頂きたいと思います。最高の選曲、最高の音質でお送りします。」。リクエストハガキを読み上げつつ、まず1曲(山下達郎竹内まりやのリクエスト曲、又は新譜)を流す。
  • 90秒CM(内容によっては60秒CM)
  • CM明け、間髪入れずいきなり曲でスタート。リスナーからのはがきを読む。さらにハガキ読み、トークを挟みながら曲2~3曲程度かける。お決まりのパターンとして、CMに入る前振りに『お知らせの前に、もう1曲』と言ってリクエストのハガキを読み曲をかける。本人の一人アカペラのジングルが流れてCM。
  • 90秒CM(内容によっては60秒CM)
  • CM明けの口上『山下達郎がお送りしております、サンデーソングブック』。ここで「業務連絡」と称して、山下夫妻や関係者のリリース、ライブ、オンエア、インタビュー情報を伝えたり、来週以降の番組プログラムスケジュールを伝える。その後再び曲のオンエア、リスナーからのはがきを読む。14:40頃になると「今日はこのへんで」という言葉。それから2枚程度ハガキを読んだりする。時々、『一番おもしろかったもの』と称して本人が大うけした内容のハガキを読むことがある。最後に山下達郎竹内まりやのリクエスト曲、又は新譜を流す。
  • 90秒CM
  • エンディング。CM明けの口上は『山下達郎がお送りして参りました、サンデーソングブック』。簡単なトークの後、エンディングテーマ曲「Groovin'」かかり、ここで時間の許す限りお祝いメッセージを読む。時間がきたら「山下達郎サンデーソングブック、来週もsame time,same channelで、皆さん御機嫌よう、さようなら。」で締め、女性ナレーターが「ジャックスカード・サンデーソングブック。この番組はあなたの信用ナンバーワンを目指すクレジットのジャックスがお送りしました」と提供クレジットを出し、BGMがフェードアウトしながら終わる。

番組内容

レギュラープログラム

通常は、下記のうちのどれかが放送される。

  • 棚からひとつかみ(通称「タナツカ」。達郎が自分の所蔵音源から、テーマに沿って選曲したものを流す)
  • リクエスト特集
  • わがままリクエスト(達郎自身のライヴ音源や未発表テイクなどをリスナーからのリクエストを元に放送。)
  • ツアー中などリクエストハガキを読んでいる時間がない時期に、特定の作曲家・作詞家・歌手ごとの特集を組むことが多い。
  • この番組では、他の番組ではまず流さないようなレアな曲・歌手などが多く、この点でも達郎のこだわりが見える。
  • 今までは1960~70年代のロック関係のリクエストがほとんどだったが、竹内まりやのカヴァーアルバム『Longtime Favorites』が発売された前後からフレンチポップスやカンツォーネのリクエストが来るようになった。
  • AC/DCが好きであるように、ハードロックヘヴィメタル系もかけることが多い。しかし「ハードロックはデジタルでは重低音の厚みが薄っぺらい為、ハードロックはアナログ盤で聴くべし」とこだわりを持っている。
  • 1度「ベタなリクエスト特集(ベタリク)」と称してビートルズなどを流したときには「自分の番組じゃないみたいだ」と言っていた。
  • 3月のひな祭り前後には女性シンガー特集が組まれる(立場上当然だが、毎年必ず竹内まりやが入っている)。
  • 2006年6月のFIFAワールドカップ ドイツ大会の時には、TOKYO-FMSPECIAL WEEKの企画に便乗して、「もし日本がブラジルに勝ったら、演歌タナツカをやる!!」と公言した。結果はブラジルに負けてしまったが、気が向いたらやる予定。
  • 2000年3月、4月の2週に渡り「似たもの 盗作 パクリソング」特集を放送した。番組内でかけた演歌に対しても達郎はきちんとリマスターをしていた。1週目は洋楽、2週目は邦楽の特集であり、2週目にはチェキッ娘の曲がかかるなど、通常の放送では考えられない内容であった。この特集の中で、竹内まりやの「ドリーム・オブ・ユー~レモンライムの青い風~」のアルバムバージョンの編曲に至ったいきさつを紹介していた。また、2007年6月17日に放送された「ウェディング・ソング特集 邦楽編」では、高田渡ジブラザ・イエロー・モンキーの楽曲などもオンエアされ、リスナーを驚かせた。
  •  「わがままリクエスト」という言葉は既に他の番組にも言葉としては波及しつつあり、「フルOA前提のレア音源録音コーナー」や「普段絶対に請け負ってくれないであろうリクエスト」と言った意味では音楽と全く関係の無い店頭の宣伝文句にまで広く使われている。しかし、当番組のわがままリクエストは2004年10月31日の「ニューアルバムが完成するまでもう出来ない」の一言を最後に5年以上行われていない。

新春放談と夫婦放談

新春放談

  • 毎年1月の第1週・第2週(トークが盛り上がった場合は第3週もあり)に、大瀧詠一をゲストに迎えて行なわれている。山下と大瀧は1973年からの付き合いである。ベテラン同士ならではの毒舌で現在の日本の音楽シーンを斬っていくこともあるが、大部分では両者ともに好んでいる1950年代~60年代の英米日のポップス、映画、落語に関する話題が扱われる。
  • 初めて新春放談が放送されたのはこの番組でなく、NHK-FMの「サウンドストリート」であった。第一回放送は1984年1月12日で、2009年現在23年目という長寿コーナーである。「サウンドストリート」終了後も評論家の萩原健太佐野元春などのラジオ番組にて続けられた。
  • 新春放談の際には基本的にバースデイメッセージや山下本人の曲は放送しない。
  • 一般リスナーは基本的に大瀧の最近の動向を知ったり、声を聞くことが出来るのはこのコーナーのみで、山下本人ですら大瀧の活動を完全に把握しているわけではなく、「最近はどうしているのか」ということから話はスタートする。
  • 山下、大瀧とも大の「レコードコレクター」であり番組内では大瀧本人がレコードを持参してかける事も多い。
  • タイトルはTBS時事放談に範をとっており、(新春放談初期は、細川隆元の「やっぱりね!」というフレーズをよく真似していた)本当に「放談」である。

夫婦放談

  • 毎年8月の第3週、第4週と、12月の第3週・第4週に「納涼夫婦放談」「年忘れ夫婦放談」と題して妻の竹内まりやをゲストに迎えて行なわれている。
  • 竹内まりやの唯一のレギュラーの放送出演であり、また夫婦ならではの絶妙な間合いのやり取りが行なわれる他、「竹内まりやによる野原しんのすけの真似」(2008年12月21日放送)のような他の番組では絶対聞けないような内容となるため、毎回楽しみにしているリスナーも多い。
  • この放談の際には竹内まりやが友人・知人のライヴにゲスト出演したときの音源や、山下家のスタジオでこの放送のために録音した、洋楽カヴァーや他人の提供曲のセルフ・カヴァーが流されるため、ファンにとっては聞き逃せないものとなっている。
  • この放談の時には達郎のほうが、ややまりやに押され気味なことが多い。
  • 12月第2週・第3週が「年忘れ夫婦放談」となる場合、あるいは12月に日曜日が5回ある場合などは、収録の関係からかその年最後の放送の時も竹内まりやが継続して出演する(内容は通常のリクエスト特集)ことが多い。また、まりやは自身の新しいアルバムリリース直前に出演することが多く、1曲ずつ夫婦で解説しながら紹介する特集が組まれる。
  • この企画の際には、お決まりの最後の挨拶の「さようなら」の部分だけ、夫婦二人で言うことが多い。
  • 余談だが、達郎は「公だから」ということで「竹内まりやさんをゲストにお迎えして」と毎回必ず言っているが、まりやの方は放送中でも「達郎」、「達っつぁん」と呼んでいることが多い。

その他

  • 音楽とは関係ないことや、素朴な疑問、全くどうでもいい内容のハガキに対して山下は、「そんなこと聞いてどうするんだ!!」という半ば投げやりのコメントを述べる。リスナーもその点は十分承知しており、『「そんなこと聞いてどうするんだ」とおっしゃるかと思いますが。』と書いていたり、さらには「そんなこと聞いてどうするんだのコーナー御中」などと書いてくることがある(最近では、それに対して「だから、そんなのは無いって」と答えるのがお約束のようになっている)。「夫婦放談」の際には竹内まりやがわざとこの手のハガキを持って来ることがある。

テーマソング

  • オープニング「ONLY WITH YOU(Instrumental)」( ファンクラブ通販専売の「山下達郎CM全集 Vol.2』に収録 ボーカル付バージョンはBIG WAVEに収録)
時報後のタイトルコールのバックには『アトムの子』が使用されている。
  • エンディング「GROOVIN'」(ARTISAN収録)

脚注

  1. ^ これはそれまでこの枠が局によって編成が自由にできる枠だったため。当時のJFN33局中、7局で時差ネットが行われたが、このうちFM青森FM秋田FM岩手FM山形の4局ではこの時間に「タケダスポーツスーパーQステーション」(DJ・桑田真紀)を放送していて、「サンデーソングブック」は山形では夜8時、青森、秋田、岩手では夜9時からの放送だった。なお、放送時間統一後は「スーパーQステーション」は4局とも日曜午前9時に移動した。

関連項目

モノマネのレパートリーに「FMラジオで喋っている時の山下達郎」というネタがある。

外部リンク

  • 山下達郎オフィシャルサイト - この中に「サンデーソングブック」のページがあり、次回の予告と前回流した曲のリストを公開している。
  • TFM ON AIR SEARCH - 2001年10月以降のオンエア曲を、このサイトで調べる事ができる。
  • [1] - ジャックスラジオCMのホームページ。

放送枠の移り変わり

TOKYO FM制作JFN系列 日曜14時枠
前番組 番組名 次番組
山下達郎のJACCS CARDサンデーソングブック
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