コンテンツにスキップ

ハイドライドシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。子パンダ (会話 | 投稿記録) による 2010年6月22日 (火) 12:12個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ハイドライド』 (HYDLIDE) とは、T&E SOFTが開発・発売したコンピュータゲームソフト、および同作品から始まった一連のシリーズ全般の総称である。ゲーム内での正式名称である『THE LEGEND OF HYDLIDE』の略称。

日本におけるコンピュータRPGの基礎を作った作品であり、ゲームジャンルとしてはアクションロールプレイングゲームに当たるが、開発元のT&E SOFTは「アクティブロールプレイングゲーム」と表記、1980年代後半のパソコン雑誌で山下章などが中心となって使用したジャンル表記である。

特に『ハイドライド』はそれまでのコンピュータRPGで当たり前だった自由度の高さを捨てて、物語にそって進めるタイプのRPG(俗称「一本道RPG」)を初めて提示したコンピュータRPGである。[1]

また、日本ファルコムの『ドラゴンスレイヤーシリーズ』、クリスタルソフトの『夢幻の心臓シリーズ』と並び、日本の三大パソコンRPGと評される。

ハイドライド

1984年12月13日PC-8800シリーズ用『ハイドライド』が発売されて以来、当時としては美しいグラフィックと幻想的な世界観、また適度なゲームバランスで、派生作も含めて多くの機種に移植された。ゲームデザインとプログラミングは内藤時浩

1984年に発売されたBPSの『ザ・ブラックオニキス』、ナムコの『ドルアーガの塔』などの影響を受けつつも、レベルによって得られる経験値が異なるシステムを採用して、絶妙なゲームバランスを実現していたり、LIFE(HP)が0になったら最大まで回復する『生き返りの薬』は同ジャンルの標準アイテムとなるなど、独自のゲームシステムが好評を博した。

『ハイドライド』は1984年12月13日の発売以来パソコンゲーム雑誌のランキングに2年間載り続け、当時の雑誌はその現象を「ハイドライド・シンドローム」と呼んでいる。

世界観

『ハイドライドシリーズ』の舞台となる世界は、フェアリーランドと呼ばれる我々が住んでいる世界とは別のパラレルワールドとされている。これは1984年3月17日公開の『ドラえもん のび太の魔界大冒険』や『ネバーエンディング・ストーリー』(日本公開は1985年3月16日だが原作の『はてしない物語』は1982年に邦訳されている)などからの影響だと思われるが、ハイドライドではこの考えをさらに推し進めて、移植機種間や『ハイドライド』、『ハイドライドII』、『ハイドライド3』といったシリーズ間もパラレルワールドとしている。その理由は、当時の移植機種間での性能に違いがありすぎ、完全移植を目指すよりはその機種の特色を生かす方が良いという考えがあったこと。さらに、ハイドライドは一作完結で作られたため、会社の意向で続編を作ることが決定したとき、ハイドライドとの間で矛盾が生じないようにフェアリーランドという世界の名称やバラリスとドラゴンと言った一部のモンスター以外はすべて入れ替えられている。

ストーリー

妖精が共存する異世界の王国フェアリーランド。この国では3つの宝石賢者の石)の力によって平和が保たれていたが、悪い心を持ってしまった一人の人間により宝石(賢者の石)の1つが奪われ、力の均衡を失ったことで、封印されていた悪魔バラリスが覚醒してしまう。 王国はバラリスの魔力により崩壊し、国中には怪物がはびこり、王国のアン王女も呪いにより妖精の姿にされていずこかへ連れ去られてしまう。そんな中、ジムと名乗る勇敢な若者が立ち上がった。

パッケージイラストについて

パッケージイラストの背景が『ネバーエンディング・ストーリー』のワンシーンと酷似している為、Windows95/98版ではパッケージイラストを使わなかった。

対応ハードウェア

PC-8801以降
1984年12月13日発売。他機種版の基本となったものだが、音楽がビープ音のみで構成されている。
X1シリーズ
1985年1月発売。他の機種ではフィールドマップが切替式(画面端に移動すると切り替わる)であったが、唯一全方向フルスクロールを実現していた。またそれに伴ってゲームシステムが多少異なる。登場する敵キャラクターも増減があった。カセットテープ版とフロッピーディスク版が発売された。
PC-6001MkII以降
1985年2月発売。画面解像度は低いものの、BGM再生、ジョイスティック対応、画面高速切り替えなど、PC-8801版より完成度が高かった。PC-6001MkII以降用のカセットテープ版とPC-6601以降用のフロッピーディスク版、フロッピーディスクのPC-6601SR専用版が発売された。
MSX
1985年3月発売。カセットテープ版の半年後、8月にROMカセット版が発売された。この作品から「画面切り替えスクロール」が搭載され、ROMカセット版にはパスワードを利用した画期的な記録方式と5段階の速度調整機能がある。
FM-7シリーズ
1985年4月発売。難易度が多少簡単になっている(FM-7のキー割り込み処理の関係で、操作がしにくかったため)。また、プログラマーのお遊びにより、他機種にはない隠れキャラクターが存在する(人魚、ラドン)。
MSX2
1985年7月発売。グラフィック性能に合わせてVRAM64K用(16色)、VRAM128K用(256色)からの選択式。カセットテープ版とフロッピーディスク版が発売された。
PC-9801U/F以降
1985年9月発売。PC-8801版を完全に再現することを目指して移植されている。10段階の速度調整機能があった。
MZ-2000/2200/2500用
キャリーラボによる移植、販売版。カセットテープ版で発売。テープのA面にMZ-2500、2200用のカラー版を、B面にMZ-2000用の「グリーンディスプレイ」版を収録している。カラーディスプレイ版は、テキストVRAMをワークエリアとして利用している。MZ-2500ではMZ-2000モードでの実行が必要。

アレンジ版

『ハイドライド 異次元バージョン』 X1turbo1987年3月発売ブラザー工業
PCG機能のアクセスが垂直帰線期間にしかできなかったのを水平帰線期間にもできるようになったX1turbo専用にマップを総入れ替えした高速バージョン。
『ハイドライド・スペシャル』 ファミリーコンピュータ1986年3月18日発売 東芝EMI
ドラゴンクエスト』発売の2ヶ月前に発売された、ファミコン初のRPGである。「スペシャル」という名称は、既に発売されていた『ハイドライド2』の要素である魔法などを取り入れたことによる。BGMも『ハイドライド2』のBGMが使われている。通常版と基本的には大差ないが迷宮シーンなどが簡単になり、登場する敵キャラクターにやや違いがある。またある条件を満たすと出現する隠しキャラクターは、雑誌の読者公募によるアイデアが採用されているのと、ちわきまゆみが歌うハイドライド・スペシャル公式イメージソング『エンジェル・ブルー』もシングルレコードで発売されている[2]
なお、1999年3月にT&E SOFTから発売されたプレイステーション用の恋愛パラレルRPG『ソナタ』ではある一定の条件をクリアするとプレイ可能となるおまけゲームとしてこの『ハイドライド・スペシャル』が収録されている。
『ハイドライド』 Windows95/98(1999年4月23日
『ハイドライド』のオリジナルバージョンと『ハイドライド』のアレンジバージョンが収録され、ゲーム中にも切替が可能である。
また、資料集『ハイドライドミュージアム』があり、『ハイドライド』発売当時の雑誌記事、発売全機種データ、開発者などのインタビューなどを見る事が可能で、さらにリメイク版の全楽曲と、当時『ハイドライド3』初回版の特典だった「T&E SOFT創立5周年記念ゲームミュージックライブラリー」の楽曲の一部を収録している。
『ハイドライドEv』 ソフトバンクモバイル/S!アプリAU/Ezアプリ2003年12月17日配信開始 ボーステック
ほぼ原作どおりのオリジナルモードと、グラフィック、サウンドなどを強化したアレンジモードを収録。攻略のヒントや登場するモンスターのリストが閲覧できるなど、ライトユーザー向けの調整がされている。なお2001年9月3日よりデータ容量50KBのJAVAアプリバージョンが配信されており、こちらは簡易版といえる作りとなっている。なお「Ev」とは「Evolution」(進化)の略。
『ヴァーチャルハイドライド』 セガサターン1995年4月28日発売 セガ
セガサターン初のRPG。3D版ハイドライドだが、世界観以外はほとんど共通点が無い。背景がポリゴンで描かれ、キャラクターは2Dの実写風になっている。毎回自動生成される箱庭的世界を探検していくものだが、セガサターン最初期ということもあり、実験的要素が強い。

その他

公認のライバル

公式ではないが内藤時浩個人が認めるライバルが存在する。それがコスモスコンピューターの『カレイジアスペルセウス』である。吉川泰生などの当時のスタッフの証言では、『カレイジアスペルセウス』の発表を知った内藤時浩が深刻な顔をして「(プロジェクトとしての)『ハイドライド』は、もう終わった……」、『ハイドライド』発売後も「『カレイジアスペルセウス』のグラフィックがもう少し綺麗だったら、負けていたのは、『ハイドライド』だったかもしれない……」などの発言がある。ただ、内藤時浩以外は、『カレイジアスペルセウス』を知る知らないにかかわらず、そう考えていない。また、2006年発行の雑誌の中の対談でも、『カレイジアスペルセウス』のことを語っている。

ファンの間では日本ファルコムドラゴンスレイヤーシリーズがライバルと目されることが多い。これは両シリーズが国産アクションRPGの草分け的存在として人気を二分したことと、それぞれの続編の発売日が近く、セールス上でも競争相手となったからである。

日本以外での発売

『ハイドライド』は日本の他、MSXを海外に普及させる際にキラーソフトとして(公式か、非公式かは未確認)北米ヨーロッパで発売されている。ただし、T&E SOFTからの発売ではなくMSXを海外に普及させようとしていた企業が本体に付属させる形で販売していた。1989年6月ファミリーコンピュータ版の『ハイドライド・スペシャル』が『HYDLIDE』のタイトルでポニーキャニオンから発売され、さらに1990年メガドライブ版の『スーパーハイドライド』が『SUPER HYDLIDE』のタイトルでT&E SOFT OF AMERICAから発売されている。

ハイドライドII

ハイドライドII』(HYDLIDE II) は『ハイドライド』の続編である。副題は『SHINE OF DARKNESS』。1985年12月13日発売。

前作のおよそ6倍に拡大された広大なフィールドマップに加え、会話や魔法、善悪の概念といった要素が取り入れられている。これらの追加要素は後半ではほぼ意味を成さないものになってしまっている。システムの変更等により、リアルタイム性が下がることで、アクションゲームとしての難易度は低下しているが、不条理ともいえるほどの「謎」がちりばめられており、特定の場所で特定の攻撃魔法を使わないと先には進めない箇所等全体としてのクリアへの難易度は著しく向上している。また、この難易度をもって、雑誌のライターへの挑戦状を送るなどというイベントもあった。 ヒントは、会話、挙動などに含めている旨が公式の解答本には書かれているが、これを読み取るのは著しく困難であり、ヒントは全く無いと思われていることが多い。これらの理由で、ゲーム雑誌で謎解きが公開されるまでは先に進めなくなるプレイヤーが続出した。また、解答本には解説、裏話、ヒントの意図や、演出の意図が語られているが、認定証を貰ったユーザは、通常手にするものではないため、エンディングの意図は知られずに最弱のボスとしてのみ印象付けられていることが多い。

ウィンドウシステムは擬似マルチウィンドウであり、描画のプライオリティーにより実現している。

現在、様々なウェブサイトで述べられている難易度上昇の理由は、前作『ハイドライド』のシステムを単純に拡張する形を採ったためとされている。当時としては、前作『ハイドライド』がまだ売れていたため、『ハイドライド』を初めてシリーズを遊ぶ人の為の作品に、『ハイドライドII』は『ハイドライド』をクリアした上級者向けの作品という位置づけで販売していたと考えられる。

これは『Dungeons and Dragons』と『Advanced Dungeons and Dragons』の関係と同じであり、『ハイドライドII』のシステムは前作『ハイドライド』のシステムとは異なった思想と構造を持つシステムになっている。

ストーリー

かつて怪物に支配された時代が終わりを告げ、フェアリーランドは平和な日々を取り戻していた。しかし今再びフェアリーランドの地下深くで邪悪に満ちた意識が覚醒し、新たな怪物が創りあげ、死者を蘇生して広大な地下世界を創り上げた。そのことにいち早く気づいた修道僧たちは、人々にこの異変を説いたが、彼らは平和な日々に浸かりきっているため聞き入れてもらえなかった。次第に邪悪な力が地上へ及ぶ中、神は人間の中からまだ心の汚れていない一人の男の子をフェアリーランドへ召喚した。

対応ハードウェア

PC-8801シリーズ
1985年12月13日発売。基本的にBGMは無く、効果音(ビープ音による)のみで進行する。音楽が流れる場面は、タイトル画面、精霊登場時、ラスボス出現、エンディング等のシーンに限られる。
X1シリーズ
PSG音源に対応しており、全シーンにBGMが付いている。また、画面切り替え方式の選択が可能となっている(瞬時切替/スクロール切替)。カセットテープ版とフロッピーディスク版が発売された。PCG書き換えによる、川、マグマが流れる処理が追加されている。
FM-7シリーズ
1986年1月発売。メインテーマ(タイトル画面)とエンディングテーマの二曲がFM音源に対応。他のBGMはX1版等と同様、PSGで演奏される。FM-7/NEW7用のカセットテープ版とフロッピーディスク版(5"2D)、FM-77以降用のフロッピーディスク版(3.5"2D)が発売された。
MZ-2000/2200/2500
MZ-2000/2200用のフロッピーディスク版(5"2D)と、MZ-2500/V2用のフロッピーディスク版(3.5"2DD)が発売された。移植を行ったのはキャリーラボ。スペルミスの放置や挙動などから、PC-88版をベースにI/O周りを書き換えることにより移植していると思われる。MZ-2500版はメディアが3.5インチ2DDである以外は、同一であり、MZ-2000モードでの実行が必要。グリーンディスプレイモードも実装されており、起動時に選択出来る。
MSX
1986年11月発売。PSG音源に対応。解像度の都合上、マップ細部が若干変更されている。ROMカセット(1メガROM+SRAM)で発売。バッテリーバックアップ方式が採用された最初のゲームソフトとなった。PCGを持っているため、X1同様の演出が追加されている。
PC-9801U/F以降
Windows95/98
1999年11月発売。『ハイドライド3 GoldPack』の中にPC-8801版からの完全移植されたオリジナルバージョンが収録されている。

アレンジ版

『ハイドライド2Ev』 ボーダフォン(現ソフトバングモバイル)/Vアプリ(現S!アプリ)2003年12月配信開始 ボーステック
ほぼ原作どおりのオリジナルモードと、グラフィック、サウンドなどを強化したアレンジモードを収録。オリジナルモードではPC-8801版をベースにFM-7版のBGMをつけている。

ハイドライド3

ハイドライド3』(HYDLIDE 3) は『ハイドライドII』の続編であると同時に『ハイドライドII』のリメイク作品である。副題は『THE SPACE MEMORIES』(異次元の思い出)。1987年11月21日発売。

システム的には過去の『ハイドライド』を完全に切り捨てて、グラフィックやサウンド面を大幅に強化し、当時としては革新的な様々な要素が取り入れられた。『ハイドライドII』で取り入れられた要素に加えて、時間、食事・睡眠、重さ、貨幣などの概念などである。リアルではあったものの、ゲームとしては難解かつ複雑になってしまったため、その評価は分かれる。

「3」の表記はローマ数字ではなくアラビア数字である。「III」にならなかった理由は、IIを制作した際「IIIは作らない」と語っていたことによるとされる。

電波新聞社の『チャレンジ!パソコンRPGAVG IV』にPC-88版とMSX1/2版の開発秘話が掲載されている。それによれば、同時期発売の『イース』と「洞窟でのスポットライト処理」が重なったのは偶然であるとされる。しかし、これもまた内藤時浩個人以外は誰も気にしていない。

補足すると、それまでの『ウルティマ』や『ドラゴンクエスト』での「たいまつ」や「ランプ」などの「スポットライト処理」を完全な円形にしただけであり、ゲームの進化から考えれば当たり前ともいえる。『イース』では、本当に「洞窟でのスポットライト」として使われ、『ハイドライド3』では、「洞窟でのランプの照らす範囲」として使われた。この2つのゲームコンセプトを考えれば、似て非なるものだと言える。

ストーリー

全ての災厄の元であったエビルクリスタルが砕けた後、再びフェアリーランドは平和を取り戻し、長い月日が流れた。歴史を重るうちに王国は発展を遂げ、人々は街を広げ、豊かな生活を謳歌していた。次第に魔法は生活に溶け込み、妖精たちの姿も見られなくなっていき、フェアリーランドも人間の世界のようになっていった。

だが、そんなある夜に、地響きとともに巨大な火柱がフェアリーランドに立ち昇り、その翌日から各地に不思議な現象が起こるようになった。不思議な扉、地割れ、怪物たち……。修道僧たちは、この原因の究明を一人の若者に命じた……。

対応ハードウェア

PC-8801mkIISR以降
1987年11月21日発売。サウンドボード2対応(初対応)。
FDDがインテリジェント型であったため、FDDからのデータの読み込みと、ゲームの処理が同時に行われることによって実現したとされる。このため、CPUがデータをPIO転送する機種への移植は困難になった。
拡張RAMや、アナログパレットへも対応している。PCGを持つ機種のみであった画面のスクロール切り替えも実装された。
BGMは、SSGにメインを割り振り、残りのパートが拡張される形でアレンジされているため、OPNAOPN、SSGと別の音源でありながら大きな違和感を生まないという形になっている。
MSX
1987年12月発売。ROMカートリッジ、データ保存先はテープ・PAC(SRAMカートリッジ)に対応、PSGのみ対応。
副社長の「容量が足りないならしょうがない」という英断で、RPGとしては初の4Mビット大容量ROMが採用された(AVG&RPG IVより)。
ROMカートリッジというデータ転送を伴わず、実メモリ空間にマッピングできる形であるため、実現できたとされる。
MSX1版は画面切り替えスクロールを実装した。
名前入力時、TABやSELECTを押すと「III」や「(ふ)(実際には●に“ふ”)」の字を出すことができる。(ふ)についてはレイドックを参照。
MSX1版でも、その細かなマップパーツにより、比較的奇麗な画面が描画される。MSX1の低解像度で漢字表示を実現したので、読みづらい文字の為に解読表が説明書に添付されていた。
ROMのみではセーブが不可能であり、テープセーブにしても説明書が無いと保存操作が分らない作りとなっている。
MSX2
1987年12月発売。ROMカートリッジ、データ保存先はテープ・PAC(SRAMカートリッジ)に対応、PSGのみ対応。
MSX1と違い、MSX2版はスクロール切り替えではなく単なる画面切替であったが
MSX2ならではの高解像度モードと16色表示により、PC-88版以上に美しいグラフィックを実現している。
オープニングでは2画面切替による擬似32色表示を実現した。
X1
1988年7月発売。FM音源対応。上記の理由により、困難とされた移植であり、当初はDMAの使えるTurbo専用で発表された。しかし、BGMルーチン等の工夫により、若干他機種に比べて処理が重いものの、最終的にX1でも動作するように移植された。
BGMはOPMに対応しているが、音色、パート割りは異なる。PSGを利用せず、FM音源のみで作られた音色は、他の機種よりも丸いイメージを与える。また、FM音源ボードが未搭載の場合、MSXシリーズ同様PSGでBGMが演奏される。

アレンジ版

『ハイドライド3 闇からの訪問者』 ファミリーコンピュータ1989年2月17日発売 ナムコ
バッテリーバックアップ方式でのセーブ。ゲーム自体の簡便化、および登場キャラクターなどに変更がある。
『ハイドライド3SV』 PC-9801VM以降/X680001989年9月9日発売)
PC-8801版とファミリーコンピュータ版をベースにビジュアルシーンや新マップ、新キャラクターなどを追加したもの。「SV」は「SpecialVersion」の略。
X68K版の開発はシンキングラビット
『スーパーハイドライド』 メガドライブ1989年10月26日発売 アスミック・エースエンタテインメント
グラフィックや登場キャラクターなどに変更があり、全曲中4曲が別の曲と入れ替えられており、残りの曲も「ミュージック フロム ハイドライド3」のアレンジバージョンをベースにしてアレンジされている。さらにパソコン版に盛り込めなかった「銀行」が登場している。
『ハイドライド3 GoldPack』 Windows95/981999年11月26日発売)
『ハイドライドII』、『ハイドライド3』のオリジナルバージョンと、『ハイドライド3』のアレンジバージョンが収録されている。
『ハイドライド3Ev』 ソフトバンクモバイル/S!アプリ2005年3月1日配信開始 ボーステック/NOLIS SOFT)
ほぼ原作どおりのオリジナルモードと、グラフィック、サウンドなどを強化したアレンジモードを収録。

ハイドライドX

1989年発行のあるMSX雑誌(MSX・FAN)にタイトル未定にもかかわらず、『ハイドライドX』と載ってしまったことがある。また、MSX2用の『T&EマガジンディスクスペシャルVol.1』にこれをフォローするようなコーナーが収録されている(吉川泰生内藤時浩を、同社のサイオブレードのパロディの形で尋問する)。正体は『ルーンワース 黒衣の貴公子』だったが、それだけ当時の『ハイドライド』が人気が高かったことの現れであろう。

ハイドライド1・2・3

2001年5月23日デジキューブからコンビニエンスストアを中心としたコンビニ専売で発売され、2001年11月29日にはT&E SOFTから、Windows95/98/Me用として『ハイドライドシリーズ』3作品を全てセットにした『ハイドライド1・2・3』が発売された。シリーズ全3作のオリジナルバージョン(PC-8801版の復刻)以外に『1』と『3』のアレンジバージョンを収録し、ゲーム中にも切替が可能。

また、資料集『ハイドライドミュージアム』があり、ハイドライド発売当時の雑誌記事、発売全機種データ、開発者などのインタビューなどを見る事が可能。さらにリメイク版の全楽曲と、当時『ハイドライド3』に初回特典として添付され、浅倉大介が手がけた事で知られるDAIVAの曲が収録された音楽テープ「T&E SOFT創立5周年記念ゲームミュージックライブラリー」の全楽曲を収録した「HYDLIDE music collection RENEWAL」を同梱している。

デジキューブはその後倒産したため、長い間「HYDLIDE music collection RENEWAL」の入手が不可能となっていたが、2004年12月22日よりアミューズメントセンターから配信されることになった。

脚注

  1. ^ 毎日コミュニケーションズ『NintendoDREAM(ニンドリ)』2008年11月号「All About RPG」にて(72ページ)塩崎剛三が『ハイドライド』のヒット要因としてシナリオが一本道だった事を語っている。
  2. ^ ちなみにジャケットにハイドライド・スペシャルのロゴが印刷されている事が確認されているのと、この曲はゲーム中には扱われてはおらず当時放映されていたテレビCMでサビの部分が使用されていた。

関連項目

外部リンク