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機動戦士ガンダム00シリーズの登場兵器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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機動戦士ガンダム00 > 機動戦士ガンダム00シリーズの登場兵器

機動戦士ガンダム00シリーズの登場兵器(きどうせんしガンダムダブルオーシリーズのとうじょうへいき)では、日本のテレビアニメ機動戦士ガンダム00』、及び関連メディアミックス作品『機動戦士ガンダム00外伝』など、同作と世界設定を共有する一連の作品に登場するモビルスーツ(MS)、モビルアーマー(MA)などの架空の兵器について解説する。

当記事では以下のような略称を使用する。

機体の登場作品名は原則として1機ごと、あるいは系列ごとの解説文冒頭に記しているが、本編メインで登場する機体、特に『1st』から登場する機体に関してはこの限りではない。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ソレスタルビーイング

ガンダム

本作におけるガンダムとは、ソレスタルビーイング(CB)が「武力による戦争根絶」という目的を達成するための手段として開発したMSの総称である。主機関として「GNドライヴ(太陽炉)」を搭載していることが大きな特徴となっている。GNドライヴは稼動時に「GN粒子」と呼ばれる特殊粒子を発生させ、搭載したMSにほぼ無尽蔵にエネルギーを供給し、強力なビーム兵器の使用を可能にする。また、GN粒子によって制御された機体は高い運動性を持ち、装甲表面にGN粒子の防護幕を形成することで高い防御力を得ることができる。さらに、空間に放出されたGN粒子は既存のレーダーシステムや通信機器の使用を不可能にする。これにより、ガンダムは既存の兵器に対して圧倒的な優位に立つことが可能となっている。

オリジナルのGNドライヴは5基しか存在しないとされる[1]。 再生産も事実上不可能なオーバーテクノロジーの結晶であり、万一他国の手に渡った場合、軍事的均衡が崩れ、世界に更なる混乱をもたらす恐れがある。このため、ガンダムには外部への技術漏洩を防止するために、コックピット内の生体認証システムなど、様々なセキュリティが講じられている。また、戦闘による損傷で飛散した部品からデータを解析されないよう、装甲等には既存のMSも使用している素材を使用するなど、可能な限り既存技術によって構成されている。

メカニックデザインは複数のデザイナーによって手がけられ、0ガンダムは長年ガンダムを描いてきた大河原邦男。アストレア・ダブルオー系列とその支援機、母艦プトレマイオスは海老川兼武。その他のガンダムと支援機は柳瀬敬之によるものである。

第1世代ガンダム

GN-000 0ガンダム(オーガンダム)
CBによって最初に開発されたガンダムであり、後に開発される全ての太陽炉搭載型MSの基となった機体である。しかしこの時点では太陽炉を覆うコーン型のメインスラスター部の技術が成熟しておらず、次世代機などと比べ大型化しているのが特徴となっている。本機で得られたデータを基に第2世代ガンダムが開発された。主な武装であるビームガンやビームサーベルは、GN粒子を使用した兵器のプロトタイプであるため、名称に「GN」という文字は冠されていない。
パイロットはガンダムマイスター候補として生み出されたマイスタータイプのイノベイド(人造人間)の1人で、後にイノベイターと称してCBと敵対するリボンズ・アルマークである。リボンズの搭乗する本機は、2301年に試験的な武力介入として中東クルジスの紛争に参加している。その際、少年兵であった刹那・F・セイエイが本機を目撃し、ガンダムを神のごとく見つめる姿がリボンズの目に留まり、ヴェーダにガンダムマイスターとして推薦される一因となった。
第2、第3世代機の開発時はその演習パートナーやアグレッサーを務め、運用データの収集に貢献した。第3世代機による武力介入開始後は、支援組織「フェレシュテ」に一時保管され、太陽炉はフェレシュテ管理下の各第2世代機に使い回された。国連軍との決戦後、機体はCBに戻され、その太陽炉は開発中であった第4世代機ダブルオーの左肩に搭載された。
デザインモチーフは『機動戦士ガンダム』に登場するRX-78-2 ガンダム(ファーストガンダム)。
  • ビームガン - GN粒子を圧縮して発射する手持ち型ビーム砲。銃自体にはGNコンデンサーを搭載していないため、粒子供給は太陽炉から直接行なわれる。
  • ビームサーベル - GNビームサーベルのプロトタイプ。性能は後の機体に装備されたものと遜色無いが、発振器は背部にマウントされた1本のみとなっている。
  • ガンダムシールド - GNシールドのプロトタイプ。表面にGN粒子の防護膜を形成するという技術自体は既に完成しているが、試作段階であるため内蔵された粒子発生装置が大型で、取り回しにやや難がある。
  • GNフェザー - 背部スラスターから放出した大量のGN粒子を巨大な光の翼のように展開し、機体の防御や姿勢制御、電波撹乱に使用する。加えて敵への視覚的な威圧手段としての側面も持っている。しかし得られる効果に対して粒子消費量が大きいという欠点も持つため、以降に開発されたガンダムには不採用となった。しかし0ガンダムの後継機である1ガンダムのみ搭載されている。
GN-000 0ガンダム(実戦配備型)
『2nd』に登場。イノベイターとの最終決戦を前に、改修を施された上で予備戦力としてプトレマイオス2に配備された。太陽炉の代わりに超大型GNコンデンサー(GN粒子貯蔵タンク)を搭載し、機体色はそれまでのグレー基調からトリコロールに変更されている。武装は改修前と同じものである。
イノベイターの本拠地への突入後、予備マイスターのラッセ・アイオンが搭乗してプトレマイオス2の防衛を行ったが、貯蔵粒子が尽きたため、機体はそのまま放棄された。その後、リボンズによって発見され、ダブルオーライザーの左肩から奪取した太陽炉を搭載されて再稼動。刹那のエクシアRIIと最後の戦いを繰り広げた。激しい格闘戦の末、GNソード改で胴体を貫かれ、機体は爆散。太陽炉も破壊された。
GN-000FA フルアーマー0ガンダム
『00V』に登場。CBのサポート組織フェレシュテに所属するシェリリン・ハイドによって設計された装備。フェレシュテによって管理されていた0ガンダムは、第2世代機と同じく実戦運用が想定されていたため、専用装備の開発も並行して行われていた。全身の追加装甲には、第2世代機プルトーネからの流用技術である「GN複合装甲」を採用している。これは複層装甲の合間にGNフィールドを展開するというシステムで、開放式のフィールドに比べ防御力は劣るが、粒子制御が容易で信頼性に優れる。また、GN粒子の慣性制御効果によって追加された装備の重量を相殺することで、機動性の低下は最小限に抑えられている。火力面も増強され、頭部にガンダムバルカン2門、右前腕装甲に固定式2連装ビームガン、背部に太陽炉直結の固定式ビームバズーカが装備されている。
最終決戦を前に、0ガンダムと共に本装備もCBに引き渡されたが、超大型GNコンデンサーを搭載しての出撃となった為、粒子消費の激しいこの装備の使用は見送られた。ちなみにシェリリンは設計段階で性能検証のため、ダブルオーライザーとの戦闘を想定した対戦シミュレーションを企画したが、採用したパイロットのデータが不公平だとされ没になった[注 1]
デザインモチーフはFA-78-1 フルアーマーガンダム

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第2世代ガンダム

『00P』『00F』『00I』に登場。第3世代機開発のための実働データ収集を目的に開発された実験機。それぞれの機体がタロットカードにちなんだ名称と機能を持っている[2]。 背中のメインスラスターには、三つの粒子噴射口を持つスリースラスター型を採用している。この構造は、高推力を得られ太陽炉の換装が容易だが、太陽炉への負担が大きく安定制御が困難という欠点も併せ持っている。テスト終了後は0ガンダムと共にフェレシュテに配備され、プルトーネ以外の3機は、より実戦に適したTYPE-F(タイプ・エフ)仕様に改修された。

後にイノベイターによって4機全てが複製された。擬似太陽炉を搭載し、黒を基調としたカラーリングに変更されている以外は、オリジナルとなった機体と同一のものである。また、プルトーネ以外はTYPE-F仕様となっている。戦闘で全機が撃破されたが、フェレシュテを離脱したフォン・スパークによって回収され、修復が施された。

GNY-001 ガンダムアストレア
第2世代ガンダム1号機。機体名は「正義」のカードに描かれる「正義の女神(アストレア)」に由来する[3]。0ガンダムの汎用性を強く受け継いだ機体で、フレームは4機の中で最も複雑化しており、人間と同様の可動範囲を実現するための機体構成が施されている。また、他のガンダムよりも機体外部に多くのコードが展開されているため、機体制御をしやすい構造になっている。基本武装のGNビームライフルとGNシールド、GNビームサーベル2基に加え、様々な試作装備をテストメニューに応じて使用する。
  • プロトGNソード - 折り畳み式の大型実体剣。刀身にGN粒子を定着させることで、切断力が強化されている。通常右腕に装着されるが、左腕に装着することも出来る。第3世代機エクシアのGNソードを始め、ガンダムが装備する実体剣武装の原型となった。
  • プロトGNランチャー - 高濃度圧縮したGN粒子を撃ち出す大型火器。肩のクラビカルアンテナを外して太陽炉に直結させる構造のため、粒子制御能力が低下し出力が安定せず、銃身の隙間から粒子が漏れてしまう欠点を持つ。通常は1基のみだが、2基を同時使用(ダブルランチャーモード)することも可能。後の第3世代機ヴァーチェのGNバズーカの原型となった。後にGNコンデンサーの改良によって、アンテナに直結せずとも使用できるようになったため、アンテナ直結分2基と両手持ち2基の計4基(クアッドキャノン)での射撃実験も行われた。この実験によって、同時に撃ち出された粒子が一つに収束して高威力のビームとなる現象が確認され、後の武装開発(特にセラヴィーのGNキャノン)に大きく役立つこととなった。
GNY-001B ガンダムアストレアTYPE-B(アストレア改)
背部スラスターを改良型のコーン型に換装した「試験型」[4]。スラスター自体のテストは良好だったが、アストレアの機体バランスが崩れてしまったため、元のスリースラスター型に戻された。
GNY-001F ガンダムアストレアTYPE-F
『00F』に登場。第3世代機の技術を用いた改良が行なわれているほか、機体色がトリコロールから深紅へと変更されている。第3世代機以外のガンダムの存在を外部に悟られぬよう、任務の際は仮面型センサーマスクを装着して特徴的なツインアイを隠している。
GNY-001F2 ガンダムアストレアTYPE-F2(TYPE-F改)
『00F』2ndに登場。建造から15年以上を経て、老朽化した箇所をエクシアの予備パーツに交換した姿。頭部アンテナの改良やGNコンデンサーの交換、腰部など一部装甲形状の変更などの処置が施され、全体的な性能が向上している。なお、頭部の仮面はフォンの嗜好で取り外されることが多い。
シェリリンの手により、トランザムの粒子開放時に機体周囲のGN粒子をコントロールすることができる新機能「GNリフレクション」が追加されている。 これにより、敵からのビーム攻撃を曲げる事が可能になったが、使用するタイミングがきわめて難しい上に、機体への直撃を回避する事が限界で、ある程度のダメージは免れない。そのため、使用する場合は「肉を切らせて骨を絶つ」ような戦法を強いられることとなる。
フェレシュテがCBに合流し、第4世代ガンダムの運用が開始された後は、GNドライヴに代わってGNコンデンサーを搭載して運用されている。
GNY-001FB ガンダムアストレアTYPE-Fブラック(ブラックアストレア)
『00F』に登場。月面にあるヴェーダを狙うフォンを迎撃するために出撃したが、トランザムを起動したアストレアTYPE-F改によって一撃で撃破された。戦闘後、フォンによって回収された。
GNY-001F ガンダムアストレアTYPE-F フォン・スパーク専用機
『00I』に登場。フォンが回収し、修復したブラックアストレアを自分専用に改修した機体。カラーリングがオリジナルと同じ深紅に戻されており、同じく頭部には仮面型センサーマスクを装備している。さらにフォンは各地に存在するCBに関係した施設から様々な武装を手に入れており、また連邦の機体からも奪った武装を本機に取り付けた「重武装タイプ」で出撃する事が多い。擬似太陽炉搭載機であるため活動時間の制限や、トランザムの使用不可といった欠点はあるが、フォンは何の問題もなく本機を運用している。
  • GNハンマー - ハナヨの頼みによりシェリリンがアストレア用に開発した新武装。モーニングスターの様な形状の質量兵器で、ワイヤーで繋がれた金属球を敵機に投げ放って叩きつける。金属球内部にはGNコンデンサーが内蔵されており、GN粒子による慣性制御によってインパクト時の質量をコントロールできる。先端のスパイク部分はGNソードIIIやGNカタールと同じ新素材で形成されており[注 2]、このスパイクから粒子を放出する事も可能。テストをアストレアTYPE-F改で行った後でフォンの下へと届けられた。ちなみにフォンはこの武装を「敵に屈辱を与える」という理由でかなり気に入っている。
  • NGNバズーカ - 連邦から奪ったアヘッド用の実弾式バズーカ砲。対ビーム兵器用に用いられる。
  • GNビームピストル - デュナメスと同様の装備。
  • GNハンドミサイルユニット - キュリオスと同様の装備。
GNY-001F/hs-A01D ガンダム アヴァランチアストレアTYPE-Fダッシュ
『00P SPECIAL EDITION』に登場。フォン専用機にエクシアのアヴァランチダッシュユニットを装着した姿。機体カラーに合わせユニットも深紅に再塗装されている。背部のオプションアームや腰部GNバーニアなど、接合部の形状の違いから一部装着不可能なパーツも存在するが、GNコンデンサーの性能向上により機動性の強化・限界稼働時間の延長等、総合性能はむしろ向上している。
  • GNソード - カラーリング以外はエクシアと同一の装備。プロトGNソードでは腕部追加ユニットと接続部が干渉するため、本装備が選択された。
  • GNビームサーベル - 両肩ユニットに2基を装備。エクシアと違いGNビームダガーは装備されない。
GNY-002 ガンダムサダルスード
第2世代ガンダム2号機。機体名は「」のカードに描かれた水を汲む女神に由来する[3]。サダルスードとはみずがめ座β星の名。索敵・情報戦に特化したMSで、全身各所に高精度Eセンサーを設置している。あらゆる状況下におけるセンサーの動作試験を目的としているため直接的な戦闘力は非常に低く、装甲はセンサーが正常に機能しうる最低限の厚さしか施されていない。唯一有効な防御力を発揮するのは左肩の大型センサーシールドのみ。武装は6連の回転式弾倉を持つリボルバーバズーカと、腰のGNバーニア両側面にマウントされたGNビームサーベル。バズーカの弾頭は複数の種類が用意されており、異なる弾頭を混在して装填することもできる。この機体のテストで得られたデータは、第3世代機デュナメスの照準システムにフィードバックされることとなった。
GNY-002F ガンダムサダルスードTYPE-F
『00F』に登場。大型センサーシールドが右肩にも装備され、防御力が強化されている。センサーシールドはスラスターとしても機能する。アストレアTYPE-Fと同じく、任務の際は複眼型センサーマスクを装着する。CB壊滅後はフェレシュテによって更なる改修が加えられ、局所的ながらGNフィールドの展開機能が追加された。パイロットの技量次第では、敵の攻撃タイミングに合わせ展開位置を移動させることで、全面展開時とほぼ同等の効果を得ることができる。回収したデュナメスのGNスナイパーライフルも使用する。ヒクサー・フェルミによって一時奪取されたが、ヒクサー自身がフェレシュテ所属となり機体も戻っている。
GNY-002FB ガンダムサダルスードTYPE-Fブラック(ブラックサダルスード)
『00F』に登場。ブラックアストレアと同じくフォンに破壊された後に回収された。
GNY-002F ガンダムサダルスードTYPE-F フォン・スパーク専用機
『00I』に登場。フォンが回収し、修復したブラックサダルスードを自分専用に改修した機体。カラーリングがオリジナル仕様に戻されている。エウクレイデスに保管されていたが、ビサイドとの戦いでラジエルを失ったヒクサーに貸与され再戦を挑むものの、リジェネの能力で太陽炉を強制停止させられ、1.5ガンダムのアルヴァアロンキャノンの直撃を受けて爆散した。
GNY-003 ガンダムアブルホール
第2世代ガンダム3号機[注 3]。機体名は戦車のカードに描かれたスフィンクスのアラビア語エジプト方言での呼び名。ユニオン、AEUの航空可変MSへの対抗兵器として開発された可変MSで、GN粒子を推進剤とするGNバーニアと従来の水素プラズマジェットの二つの機関を任意に切り替えて飛行することができる。GN粒子の効果により円滑な空中変形が可能だが、可変システム自体がまだ未熟なため、MS形態は航空機にそのまま頭部と脚を生やしたような奇妙な姿となる。腰アーマーには作業アームが内蔵されているが、貧弱な物で格闘戦能力は非常に低い。ただし、脚部は姿勢制御用のAMBAC作動肢として必要充分な機能を持ち、運動性自体は悪くない。通常見られる頭部は実はダミーであり、機首内に本来のガンダムヘッドが隠されている。基本武装は主翼パイロンに懸架されるGNミサイルポッド、機首部ガンダムヘッドに内蔵されたGNバルカン。
GNY-003F ガンダムアブルホールTYPE-F
『00F』に登場。機体色を白から視認性の低い黒に変更。その異様からガンダムと認識されづらいため、比較的外界への露出が多い任務に重宝される。アストレアTYPE-Fの次にフォンがよく搭乗した機体でもある。
GNY-003FB ガンダムアブルホールTYPE-Fブラック(ブラックアブルホール)
『00F』に登場。ブラックアストレアと同じくフォンに破壊された後に回収された。
GNY-003F ガンダムアブルホールTYPE-F フォン・スパーク専用機
『00I』に登場。フォンが回収し、修復したブラックアブルホールを自分専用に改修した機体。カラーリングがオリジナル仕様に戻されている。
GNY-004 ガンダムプルトーネ
第2世代ガンダム4号機。機体名は「審判」のカードに西洋占星術上で結びつけられる冥王星に由来する[3]。GNフィールドの制御テストを目的に製造されたが、当時の技術レベルでは粒子の制御に難航したため、装甲内部の中空スペースに粒子を展開する代替案を採用している。太陽炉とパイロットを回収するため、胴体部が分離し、自力航行能力を持つ脱出ポッド「コア・ファイター」に変形する機能を持っている。当初はトライアルシステムの搭載テストも予定されていたが、マイスターの適性を含む様々な問題があったため、実際のテストは第3世代機ナドレに持ち越された。
人革連の軌道エレベーターに対するテロ阻止のために出撃し、GNコンデンサーを自爆させることでテロリストのMS部隊を行動不能に追い込むことに成功したが、コア・ファイターの分離をビサイド・ペインに妨害され、マイスター2名が死亡した(プルトーネの惨劇)。その後、運用プランから外れた事で、第2世代機では唯一TYPE-Fへの改修が行われなかった。
「プルトーネの惨劇」後はフェレシュテにて修復・保管されていたが、0ガンダムの引渡し要請にやってきたトリニティに反抗し、フォンが独断で出撃。スローネツヴァイの集中攻撃で大破するが、ハナヨの判断でコア・ファイターが分離され、太陽炉とフォンは無事に戦域を離脱。それと同時に自爆システムが作動したため、本機は失われた。
GNY-004B ガンダムプルトーネブラック(ブラックプルトーネ)
『00F』に登場。後にイノベイターによって開発されるガルムガンダムの試作機にあたる機体である。ヴェーダ内の最新技術により、オリジナル機では未完成であったGNフィールドが使用可能になっている。2機建造され、いずれの機体もブリング・スタビティが搭乗している。2機目の機体はフォンに破壊された後に回収された。
GNY-004 ガンダムプルトーネ フォン・スパーク専用機
『00I』に登場。フォンが回収し、修復したブラックプルトーネを自分専用に改修した機体。カラーリングがオリジナル仕様に戻されている。

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第3世代ガンダム

『1st』『00P』『00F』に登場。『1st』のテレビアニメ本編で主要なガンダムとして活躍したエクシア、デュナメス、キュリオス、ヴァーチェ、ナドレはここに含まれる。第2世代機のデータを基に開発され、CBによる本格的な武力介入に投入された実戦機。ユニオン、AEU、人類革新連盟といった超国家の最新鋭機を遥かに凌ぐ圧倒的な性能をみせつけ、CBの存在と意思そして「ガンダム」の名を世界に知らしめた。 背部のメインスラスターにはアストレアで試験された高推力と安定性を併せ持つ新型のコーン型スラスターが採用されている。物語終盤までCBのガンダムは全てヴェーダによる操縦支援を受けていたが、ヴェーダとのリンクが断たれた後はプトレマイオスクルーが独自に開発した操縦支援システムに切り替えられている。

各国家群にとってガンダムは大きな脅威であると同時に、是が非でも手に入れたいオーバーテクノロジーの固まりでもあり、当初の各軍の目的はガンダムの撃破ではなく鹵獲であった。しかしCB内の裏切り者の手によって各国家群にガンダムと同じ技術で作られた擬似太陽炉搭載型MS「ジンクス」が提供されたことでガンダムの優位性は失われ、それに伴いガンダムは殲滅の対象となる。激しい戦いの末武力介入に使用された4機の第3世代ガンダムは全機撃破され、CBは一時壊滅した。

この第3世代機の運用時に初めて明らかになったシステムが「トランザムシステム」である。CBの創設者イオリア・シュヘンベルグがオリジナルのGNドライヴのブラックボックスに隠していたシステムで、「機体に蓄積した高濃度圧縮粒子を全面開放し、一定時間スペックの3倍に相当する性能を得られる」というものである。システム使用中は機体が赤く発光するのが特徴で、驚異的な性能を得られる反面システム終了後はGN粒子の再チャージまで機体性能が極端に低下してしまうという欠点を持つ。

GN-001 ガンダムエクシア
TV本編の主人公、刹那・F・セイエイが搭乗する機体。第2世代機アストレアでテストされた柔軟性の高いフレームが採用されている。「セブンソード」と呼ばれる7本もの剣を装備しており、きわめて高い近接戦闘能力を誇る。本機が装備している「GNソード」等の実体剣は、GNフィールドを使用する敵機との戦闘を想定した武装でもある。名前の由来は能天使から[要出典]
機体デザインは海老川兼武。初期段階では無数の粒子供給コードが筋肉のように全身に巻き付けられている[5]など、格闘家を思わせる筋肉質で重量感のあるイメージでデザインされていた。
  • GNソード - 右腕に装備される長大な刀身を持つ実体剣。小型のビームライフルが内蔵されており、刀身を畳むことで射撃を行なうことも出来る。その大きさゆえ、他の武装に比べやや取り回しに難がある。ライフル部分は格納できるため、GNソードを装着した状態でも他の武装は使用可能である。
  • GNロングブレイド・GNショートブレイド - 腰の左右のラッチにマウントされる2本の実体剣。手持ち型であるため取り回しに優れている。「セブンソード」の中では最も開発に時間が掛かった装備で、モラリア共和国への武力介入を前に配備された。
  • GNビームサーベル - 粒子ビームによって形成される刃で対象を切断する、ガンダムに共通する接近戦用装備。両肩後部に2本装備されている。
  • GNビームダガー - 腰に2本装備されている投擲に適した刃渡りの短いビームサーベル。出力の調整が施されているだけで、武器本体の構造は通常のサーベルと全く同じものである。
  • GNバルカン - 両腕に内蔵された小型ビーム機関砲。威力は低く基本的に威嚇・牽制などに用いられるが、GNドライヴを搭載していない旧世代の機体には十分通用する武装である。
  • GNシールド - Eカーボン製の盾。表面にGN粒子の防護幕を形成することでビーム・実体弾の両方に対し高い防御力を発揮する。鋭い先端部は打突武器としても使用できる。
GN-001/hs-A01 ガンダム アヴァランチエクシア
『00V』『00V戦記』に登場。高機動オプション「アヴァランチ」を装着した姿。機体各部に大容量GNコンデンサーが追加されており、チャージされたGN粒子を一気に放出することでユニオンやAEUの飛行型MSでさえ追撃が不可能なほどの爆発的な高速戦闘を行なうことが出来る。そのため粒子消費量が激しく、再チャージに1時間を要するため短時間での連続使用が不可能。GNソードを除く実体剣やビームサーベルは、背部に集約してマウントされている。
「アヴァランチ(雪崩)」という名称は、進路上の敵を雪崩の如く一瞬で蹴散らす姿になぞらえて付けられた。また型式番号の「hs」は「ハイスピード」、「A01」は「アヴァランチ型の1号機」を意味する。
『00V』に登場するロベール・スペイシーはこの機体を目撃したことがきっかけとなり、MS開発史研究者としての道を歩むこととなった。
GN-001/hs-A01D ガンダム アヴァランチエクシアダッシュ
『00V戦記』に登場。アヴァランチユニットに脚部用推進ユニット「ダッシュユニット」を追加した宇宙戦仕様。ふくらはぎのGNバーニアユニットをスキー板のように足裏に配置した高機動モードに変形することで格闘戦時の運動性を向上させる。また、ユニット先端にはGNクローと内蔵式のGNビームサーベルが装備され、蹴打と連動した攻撃が可能となっている。大気圏内仕様の高速移動モードでは空気抵抗による高負荷に備え両肩ユニットを関節ごと固定する必要があったが、ダッシュ仕様の場合は真空の宇宙で運用されるためその必要がない。
GN-001RE ガンダムエクシアリペア(エクシア改)
『2nd』に登場。GNフラッグとの戦闘で損傷したエクシアを刹那が自ら修理した姿。CBと接触できない状態に陥っていたため物資不足で、装甲などの欠損部分はほとんどそのままにされている。ビームサーベルで抉られた右カメラアイをティエレンのパーツで代用し、切断された左腕部分にカモフラージュ用のマントを被せている。武装は刃先が折れたGNソードとGNバルカン。
コロニー「プラウド」に侵攻したアロウズ部隊を迎え撃つべく出撃したが、最新鋭機アヘッドとの性能差の前に敗北した。プトレマイオス2への収容後、太陽炉はダブルオーの右肩に搭載され機体は修復のためCBのラボへと送られた。
GN-001REII ガンダムエクシアリペアII(エクシアRII)
『2nd』に登場。大破したエクシアが第4世代機の技術を用いて修復・改良された姿。機体の粒子経路が見直され、露出していた各部の粒子供給コードが内蔵化されたほか、肩や腰、脹脛部にスラスターが増設され、機動力の向上も図られている。GNソードも新技術による強化型が装備されており、改修機ながら最新鋭機に勝るとも劣らない総合性能を獲得している。最大出力時には背部コーン型スラスターの安全装置が解除され、内部のフライホイールを大きく露出した「オーバーブーストモード」に移行する。この機体において初めて使用されたが、機能自体は改修前のエクシアに当初から搭載されていたものである。
イノベイターとの最終決戦を前に、予備機としてプトレマイオス2に配備された。リボーンズガンダムとの戦いで大破したダブルオーライザーの右肩から太陽炉を移設し、リボンズの0ガンダムと最後の戦いを繰り広げた。

勝利したもののGNドライヴが大破してしまった。

  • GNソード改 - ダブルオーライザーのGNソードIIIと同様の新素材を用いた刀身に変更されている。
  • GNビームサーベル - 腰のGNブレイド用ラッチに2基マウントされている。戦闘中でも刀身長の調整を行なうことが可能となっており、GNビームダガーとして使用することも出来る。
GN-002 ガンダムデュナメス
ロックオン・ストラトス(ニール・ディランディ)が搭乗する機体。第2世代機サダルスードの強力なセンサー機能が受け継がれており、射撃戦に特化している。機体に標準で装備されている武装の他にも、各種任務に適した様々な専用銃器が存在する。格闘戦用の装備としてビームサーベルも装備しているが積極的に使用されることはなく、パイロットは撤廃まで進言していた。精密射撃時は頭部アンテナがツインアイを覆うように下降し、額の高精度ガンカメラが露出する。その際パイロットは、生身に近い感覚での射撃を行うため、専用のライフル型コントローラーを用いて射撃操作を行う。コックピットには「ハロ」が搭載され、姿勢制御や防御などの操縦支援を行っている。名前の由来は力天使から[要出典]
アニメ本編ではトランザムを使用する場面が一度もなかったが、アニメ本編を再構成したスペシャルエディション版ではGNアーマーTYPE-D形態でのトランザム使用が新規カットとして追加されている[6]
機体デザインは柳瀬敬之
  • GNスナイパーライフル - 遠距離からの狙撃に用いられる長銃身のビームライフル。不使用時は肩部アタッチメントに固定される。
  • GNビームピストル - 両ふくらはぎのホルスターに格納されるビーム拳銃。連射性能が高く、スナイパーライフルには向かない比較的近距離での戦闘に用いられる。
  • GNビームサーベル - 腰のGNバーニア両側面に計2本マウントされている。
  • GNミサイル - 腰部フロントアーマー内に計16基、両膝部に計8基格納されている小型ミサイル。通常のミサイルのように炸裂することはなく、着弾すると対象に圧縮GN粒子を注入し、内部から破壊する。
  • GNシールド - 右肩に装備されるシールド。作戦によっては両肩に装備される。ハロによって制御され、自在に向きを変えて機体を防御する。
  • GNフルシールド - 両肩に装備される超大型のGNシールド。展開することで、機体前面をほぼ完全に覆うことが出来る。モラリア共和国への武力介入を前に配備された。
  • 高高度狙撃銃 - 高高度狙撃用大型ビーム砲。腰のGNバーニアに安定脚代わりのテールユニットを装着し、スコープを頭部ガンカメラに直結。大型GNコンデンサーにGN粒子をチャージし、高濃度圧縮・加速させることで驚異的な射程距離と威力を発揮する。『1st』の第5話において使用され、大気圏に落下寸前の軌道エレベーターの重力ブロックを地上から狙撃し、無人ブロックを切り離すことで質量を減らし、落下を阻止した。
GN-002/DG014 ガンダムデュナメストルペード
『00V』『00F』に登場。デュナメスが水中狙撃用銃を装備した姿。DG014とは「デュナメスの14番目の専用銃」という意味を持っている。左肩と頭部にセンサーを追加、専用の大型ランチャーで地上からGN魚雷を高速で発射し、デュナメス自体は水中に入らずに水中の敵を撃破することができる。トルペードとはドイツ語で「魚雷」を意味する。
GN-003 ガンダムキュリオス
アレルヤ・ハプティズムが搭乗する機体。第2世代機アブルホールの流れを汲む可変MSだが、完全な人型への変形が可能であり構造上の共通点もほぼ皆無である。加速力に優れた飛行形態による一撃離脱戦法を得意とするが、MS形態でも他のガンダムに引けを取らない攻撃力を有する。また、『1st』で重力ブロックが漂流した際には上半身のみをMS形態に変形させて救助に当たった。名前は聖書に登場する主天使から[要出典]
飛行形態時の機首に当たるユニットにはGNフィールド発生器が内蔵されており、単独で大気圏に突入する際などに展開される。防御にも使用できるが、発生器の規模や機体に内蔵されたGNコンデンサーの容量の差から、ヴァーチェのGNフィールドには大きく劣る。人革連からは「羽付き」と呼ばれた。機体デザインは柳瀬敬之。
  • GNビームサブマシンガン - 高い連射性を持つ2連装ビーム砲。飛行形態時はマニピュレーターで把持されたグリップ部を残して銃身が分離し、右翼部にマウントされる。
  • GNハンドミサイルユニット[注 4] - 両腕に装備される大型ミサイルランチャー。発射管は左右3門ずつで、合計18基のミサイルが装填されている。弾頭は通常の炸薬で、GNミサイルではない。『1st』の第11話で使用され、人革連の超人機関施設を完全に破壊した。
  • GNビームサーベル - リアスカートアーマー裏面にマウントされている。
  • GNシールド - 高速戦闘に対応した専用シールド。先端部は開閉構造となっており、打突や捕獲用のクローとしても使用される。また、隠し武器として中央部には伸縮式の短剣が内蔵されている[注 5]
  • テールユニット - 戦闘機形態時の脚部間に装着される武装コンテナユニット。対空用ミサイルや対地用爆雷など、ミッションに応じた様々な装備を選択可能。使用後デッドウェイトとなったユニットは速やかに切り離される。
    • テールブースター - 大型GNビームキャノン2門と大推力GNバーニアを備えたテールユニット。戦闘機形態における加速力と火力が向上している。国連軍との戦闘で使用された。
GN-003/af-G02 ガンダムキュリオス ガスト
『00V』『00V戦記』に登場。脚部に大型GNバーニアユニットを追加した成層圏離脱用仕様で、型式番号の「af-G02」は「atmospace fighter(大気圏用戦闘機)-Gust(突風)2型」を意味する。アビオニクスを強化した大型機首ユニット、超遠距離射撃に主眼を置いたGNロングバレルキャノンなど、機体や装備の一部が換装され、単独での大気圏離脱が可能となっている。主に地球規模のテロ災害に使用された。
GN-005 ガンダムヴァーチェ
ティエリア・アーデが搭乗する機体。大出力ビーム兵器を主体とし、艦隊戦や要塞攻略戦を想定した重砲撃型MS。4機の中では最も強固な装甲を持ち、他のガンダムに比べ二回り以上はある重厚なフォルムが特徴。そのため機動性はやや劣るものの、GN粒子の重量軽減効果により重量自体は空戦型のユニオンフラッグよりも軽量となっている。その巨躯から、人革連からは「デカブツ」と呼ばれた。デュナメス同様、聖書に出てくる力天使が名前の由来となっている[要出典]
この機体は全身各所に大型のGNコンデンサーを内蔵し、両肩と両脚部に大型のGNフィールド発生器を備えているため他の機体よりも強力で広範囲のGNフィールドを展開することが可能となっている。劇中では通常兵器に対してはきわめて強固な防御力を発揮し、三大陣営によるガンダム鹵獲作戦では、展開したGNフィールド内にエクシアを匿い、長時間の猛攻を耐え凌ぐといった場面も見られた。
この機体の最大の特徴は、「ガンダムナドレ」というもう一つの姿が外装の下に隠されていることである。
機体デザインは柳瀬敬之。
  • GNバズーカ - 主武装の大型ビーム砲。両手で構え発射する。胸部のGNコンデンサーと直結することで、戦艦をも破壊可能な威力を発揮する。さらにこの状態でGNバズーカを変形させ、バーストモードに移行することで、より強力な砲撃を行うことが出来る。ただしコンデンサーに貯蔵されたGN粒子を大量に消費するため、短時間での連射は不可能。
  • GNキャノン - 背部に2基装備された可動式2連装ビーム砲塔。グリップが備えられており、外装パージ後のナドレでも使用可能。GNフィールド発生器と一体化した構造になっている。
  • GNビームサーベル - 両膝アーマー内に格納されている。パージする外装ではなくナドレのボディに格納されている為、ナドレ時も使用可能。
GN-005/PH ガンダムヴァーチェ フィジカル
『00P』に登場。実戦投入前のヴァーチェの外装には二つのプランが提示されており、最終的に採用され劇中に登場したのはビーム砲による砲撃に特化した「パーティクル(粒子)」と呼ばれるタイプである。この「フィジカル(物理的)」は採用されなかったもう一つの外装プランであり、実体弾による砲撃に特化している。後方からの砲撃というコンセプトは「パーティクル」と同様だが「フィジカル」は攻撃に消費するGN粒子が少ないため、より強固なGNフィールドを展開することが可能となっている。
  • GNフィジカルバズーカ - 主武装の実弾バズーカ砲。右腕で把持して使用する。
  • GNパンツァーファウスト - 左腕に2発装備されている大型ロケット弾。
  • GNミサイルコンテナ - 脚部装甲はミサイルコンテナを兼ねており、大量のGNミサイルが搭載されている。
  • GNビームキャノン - 左肩に固定装備されている本機唯一のビーム砲。GNドライヴ直結型となっており、高い威力を誇る。
GN-004 ガンダムナドレ
ヴァーチェが外装を排除することで現れるもう一つの姿。第2世代機プルトーネの発展機であり、CBのメンバーでもごく一部の者しかその存在を知らされていない極秘の機体。女性を思わせる細身の体型のため、パトリック・コーラサワーからはセミヌードなどと呼ばれた。
外装を排除したことで機動性は向上しているが、武装、装甲ともに最低限のものとなりGNフィールドも展開できないため、ヴァーチェに比べ戦闘能力は低い。頭部の赤い髪のようなものは、外装にGN粒子を供給するコードである。
最大の特徴は、トライアルシステムを搭載していることである。ガンダムの鹵獲や組織内の裏切りによる「対ガンダム戦」を想定したシステムの一つで、「有効範囲内に存在するヴェーダとリンクする全ての機体を、強制的に制御下に置く」というものである。劇中ではトリニティのガンダムスローネに対して使用され、その活動を停止させたが、ティエリアより上位のイノベイドであるリボンズによって直後にキャンセルされたため、すぐに効力を失い、以後使用することは不可能となった。
  • GNビームライフル - プルトーネの装備を改良した高出力のビームライフル。銃口から接近戦用のビームサーベルを発生させることもできる。
  • GNシールド - プルトーネの装備を改良した細身のシールド。取り回しに優れている。
  • GNビームサーベル - 両膝装甲内に格納されている。
  • GNキャノン - パージされたヴァーチェのGNキャノン。手持ち火器として使用する。
GN-004/te-A02 ガンダムナドレ アクウオス
『00V』に登場。ナドレがトライアルシステムの有効範囲を拡張するための追加装備を装着した姿。型式番号の「te-A02」は「Trial Enhancing(審判拡張)-AKWOS型2号機」を意味している。両手足に装着されたブレードアンテナと、コントロールユニットを兼ねた巨大な剣「GNマスクソード」が大きな特徴。トライアルシステム使用時は、GNマスクソードをGNシールドに装着した状態で背中に装備し、刀身を展開してガンダムマスクを開放する。これにより、トライアルシステムの有効範囲を通常の数十倍に拡張することが可能となる。ナドレの特徴でもあった頭部の粒子供給コードは取り外され、代わりにクラビカルアンテナが装備されている。
イノベイターによってヴェーダが掌握されたことでトライアルシステムが使用不可能になった為、実戦投入はされることはなかった。ラグランジュ1の補給基地に残されていたそのパーツは、後にフェレシュテによって回収された。
GN-XXX ガンダムラジエル
『00P』『00F』に登場。スカウト担当のグラーベ・ヴィオレントが搭乗する探索活動に特化した特殊な機体。機体名は「秘密と領域と至高の神秘の天使」の称号を持つ7大天使の名に由来する[7]。人間社会に溶け込んだ無数のイノベイドによってヴェーダは情報を得ているが、戦場のような特殊な環境での情報収集はイノベイドには困難であるため、この機体が用いられた。あくまで「戦場の監視者」という目的で開発されたため、武装は最低限のものしかない。その分GN粒子消費量は抑えられており、運用可能時間は長い。他の第3世代機と違い正確な型式番号は伏せられている。最大の特徴は両肩に設置された大型GNバーニアで、個別に推力を偏向することで高い機動性を発揮する。この構造は、後のダブルオー開発の参考となった。太陽炉は0ガンダムに搭載されていたものを使用している。
ビサイド・ペインによる反乱の際には、大型GNコンデンサー[注 6]を搭載し、セファーラジエル第2形態にてアルテミーの救援を行っている。その戦闘で1ガンダムを撃破するものの、グラーベは命尽き、機体も粒子残量が限界を迎えたため、機体は宇宙の深遠へと消えていった。後にイノベイターの手によって、第2世代の4機及びGNセファーと共に複製された。
  • GNビームライフル - ラジエル専用の装備。直接的な戦闘を想定していないため、やや出力が抑えられている。
  • GNシールド - 左腕を覆う様に装備された小型のシールド。左腕のみを覆うだけの大きさのために機体の動きを干渉しない。
  • GNビームサーベル - シールドの裏に収納されている。発振器はデュナメス、キュリオスのものと同形状である。
GN-XXX+GNR-000 セファーラジエル
ラジエルが支援機GNセファーと合体した形態。この形態の名称は「天使の書」の意味を持つ[7]。最大の特徴は、それまでの常識を超えた遠隔攻撃が可能な兵器「GNプロトビット」を装備していることである。
複数のGNセファーがラジエルと合体することも可能で、GNセファー1機のみの状態を第1形態、2機合体した状態を第2形態、3機合体した状態は第3形態と呼ばれる。さらに第3形態のレイアウトを変更することで、本来のセファーラジエルである第4形態となる。また、GNセファー4機と合体する第5形態もテストされていた。GNプロトビットを受け渡したGNセファーのGNポッドは、GN粒子を散布することで通信を広範囲で遮断し、ラジエルの活動の支援を行う。
  • GNプロトビット - GNビット及びGNファングのプロトタイプにあたる遠隔誘導兵器。本機の開発当時は技術が未成熟であったため、端末が大型化している。複数のビットをチャージを行ないながら交替で展開することで、間断なく攻撃を続けることが可能である。
GN-XXXB ガンダムラジエルブラック(ブラックラジエル)
『00F』に登場。擬似太陽炉を搭載し、黒を基調としたカラーリングに変更されている。イノベイターにより複製されたヒクサーが搭乗し、ブラックGNセファーと共にヒクサー(オリジナル)が搭乗するサダルスードTYPE-Fと交戦したが、撃墜された。その後、フェレシュテによって回収されCBが接収した。
GN-XXX ガンダムラジエル ヒクサー・フェルミ専用機
『00I』に登場。フェレシュテによって回収されたブラックラジエルをヒクサー・フェルミ用に改修した機体。カラーリングはオリジナル同様の白系統に変更され、GN粒子貯蔵タンクが搭載されている。グラーベの仇であるビサイドが再び現れた事を知ったヒクサーが仇討ちのため、CBで保管されていた本機を借り受け出撃、ビサイドが駆る1.5ガンダムと交戦するものの機体の特性による性能差、GN粒子貯蔵タンクと擬似太陽炉の出力差で敗北。本機は大破しそのまま遺棄された。
GNY-0042-874 ガンダムアルテミー
『00P』に登場。ガンダムマイスター874の専用機として他の第3世代機と共に開発された。他のガンダムよりも一回り小型で、女性的なシルエットが特徴。背中に翅のように配置された4基のGNビットや、腰に外付けされた楕円状のドライヴユニットによって、蜂の妖精を模したような愛らしいデザインになっており、名称もパイロットである874が蜂と豊穣を象徴する女神「アルテミス」にちなんで命名した。また、トライアルシステムも搭載されている。
874が肉体を持つことを拒否したために正式採用されることはなかったが、ヒクサーによるグラーべ殺害の知らせを受けて急遽組み立てられ、ラジエルの太陽炉を搭載し実戦投入された。後にその素体は、第4世代機アリオスの支援機「GNアーチャー」に転用された。
  • GNビームスプレーガン - 機体サイズに合わせた小型のビーム火器。トライアルシステムの拡張機能を持つ2基のブレードアンテナを持つ。
  • GNビット - 背部に4基マウントされている遠隔誘導兵器。ビーム砲のほか、ビームサーベルを発生させる機能も搭載されている。機体にマウントされた状態ではスラスターとして機能する。
  • トライアルシステム - ナドレに搭載されているものと同様の装備。ただし、マイスターのレベルの差により、優先権ではナドレのものに劣る。

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第4世代ガンダム

『2nd』に登場。新生CBが開発した新世代MS。但し第4世代機に相当するのは厳密にはダブルオーのみで、開発期間の制約から、他の3機は第3世代機を順当に発展させた第3.5世代に相当する機体である[8]。 最大の特徴はトランザムシステムの使用を前提として設計されていることで、発動時間を調節することで粒子消費量を制御し、トランザム終了後の性能低下をある程度抑えることが可能となっている。太陽炉はそれぞれ直系の第3世代機の物を引き継いでいるが、構成部品の小型化によって設計構造に余裕が生じたため、機体ごとに最適な位置に搭載されている。また、各機の武装には、新たに開発されたクリスタルセンサーが採用されている。最終決戦を前に、ダブルオー以外の機体には「GNHW(GNヘビーウェポン)」が装備された。

GN-0000 ダブルオーガンダム
刹那・F・セイエイが搭乗するエクシアの後継機。2基の太陽炉を同調稼動させることで、GN粒子の生産量を二乗化するという「ツインドライヴシステム」を初めて搭載した機体である。粒子生産量は、単純に太陽炉を2基搭載した場合を大きく上回る。
ツインドライヴは第2世代機開発の時点で既にその可能性が提示されていたが、各太陽炉ごとの微細な個体差による同調の困難さや、システム自体が大規模なものとなることから一旦、採用を見送られた経緯を持つ。後にトランザムと共にイオリアからもたらされた理論を基に研究が再開されたが、炉の同調問題は依然として解決していなかった。最も同調率の高いエクシアと0ガンダムの太陽炉の組み合わせでも起動には至らなかったが、トランザムによって強制的に同調率を高めることで、一応の起動には成功した。しかし安定稼動にはほど遠く、アロウズとの戦闘で再びトランザムを行った際には、オーバーロードを起こして機体が戦闘不能になる事態も招いた。そのため、後にツインドライヴの安定制御機能を持つ支援戦闘機「オーライザー」が配備されるまで、トランザムの使用は不可能であった。
ドライヴユニットはバックパックと繋がるドライヴアームによって支持され、両肩に配置されている。コーン型スラスターは第2世代機のスリースラスター型の機能を盛り込んだ新型となっており、ドライヴの方向を自由に変えることで高い機動性を発揮する。また、太陽炉を機体前面に向けることで、放出された粒子によってGNフィールド効果を得ることも出来る。外見から太陽炉が2基搭載されていることが一目でわかることもあり、アロウズからは「2個付き」と呼称された。
  • GNソードII - 腰に2本マウントされる手持ち型の実体剣。柄部分で2本を連結できるほか、銃口から大型のビームサーベルを発生させることもできる。二つの銃口を持つライフルモードでは、通常の射撃のほか、バルカンなど、状況に応じて様々な攻撃を行なうことが可能となっている。MSの手持ち型火器としては標準的なサイズだが、ツインドライヴの高出力によって、劇中では大型砲にも匹敵する威力と射程を発揮している。
  • GNビームサーベル - 腰部後方に2基を装備。刀身長の調節機能が追加されており、投擲用のビームダガーとしても使用可能。
  • GNシールド - 先端に伸縮式のブレードを内蔵した専用シールド。2枚を連結した大型シールド、両肩に1枚ずつ装着した形態の他、両腕に1枚ずつ装着して斬撃に使用することもできる。
GN-0000+GNR-010 ダブルオーライザー
単体では安定稼動に至らなかったダブルオーが、支援機オーライザーと合体した形態。ツインドライヴの完全な稼動を果たし、トランザムの使用も可能となっている。合体後のオーライザーの各パーツは、中央ブロックがメインスラスター兼複合センサーユニットとして背中に、両翼のバインダーは各種武装を備えた大型クラビカルアンテナとして両肩のドライヴ部に装着される。合体後のダブルオーはガンダムを超越したMSであるとして、名前にガンダムとは付けず、「ダブルオーライザー」と呼ばれる。合体後のオーライザーはガンダムからの制御が可能だが、ライザーソードを使用する場合はオーライザーにもパイロットが搭乗し、ジェネレーターの微調整を行なう必要がある。
ツインドライヴによって通常時でも膨大な粒子生産量を誇るダブルオーライザーだが、トランザムを起動させた状態では、通常時の7倍以上もの粒子放出量を記録している。その際には、「機体の量子化」や、GN粒子を媒介に人々の意識を感応させるなど、未知の現象も引き起こしている。トランザム状態のダブルオーライザーは全く別次元のMSへと変化することから「トランザムライザー」という別名が与えられている。
元来、GN粒子には脳量子波レベルの拡張を促す力があるが、ツインドライヴが生み出すGN粒子はそれだけに留まらず、パイロットの遺伝子にも影響を及ぼし、人間が遺伝子レベルで眠らせている能力の発現を促す力を持っている。その力によって刹那は毒性のあるGN粒子に対する耐性を獲得し、脳量子波を操り、高い戦闘能力を発揮するなど徐々に変革していった。そして最終的に、高い相互理解能力を持つ進化した人類「純粋種のイノベイター」へと革新を果たした[9]
そしてこの機体には、純粋種のイノベイターが搭乗することで起動するシステム「トランザム・バースト」が搭載されていた。
最終決戦において、刹那がイノベイターとして覚醒したことに伴いシステムが起動し、七色の輝きを放つ膨大なGN粒子が戦場全域に放出された。その力をリジェネは「純粋なるイノベイターの脳量子波がツインドライヴと連動し、純度を増したGN粒子が人々の意識を拡張させる」ものであると語り、イノベイドの脳量子波を乱したほか、MSを吹き飛ばすなど物理的な力も見せた。また、GN粒子を媒介として戦場にいた人々の意識を感応させ、毒性のあるGN粒子によって身体を蝕まれていた者を回復させるなどの現象も起こした。
  • GNソードIII - 最終決戦を前に配備された新装備。エクシアのGNソードに近い形状の実体剣で、GNカタールや、GNハンマーに採用された新素材の刀身によって攻撃力は大きく向上している。刀身を畳むことで3連式のビームライフルとなり、連射性能の高い射撃のほか、3門を収束させることで強力な砲撃を行なうことも出来る。トランザムライザーの膨大な出力を前提に設計されているため、GNソードIIを2基必要としたライザーソードを単基で発動することが可能となっている。
  • ライザーソード - トランザムを起動し、オーライザーの「ライザーシステム」を作動させることで使用可能な超大型ビームサーベル。使用時には、両肩のバインダーとGNソードII2基を機体前方に向け、発動形態をとる必要がある。その刃の長さは数千kmに及び、GNフィールドを展開したエンプラスを両断した上で、はるか彼方に位置するメメントモリの強固な装甲を切り裂いた。ダブルオーライザー最強の武装だが、貯蔵粒子を完全に使い果たしてしまうことや、使用中は無防備になってしまうことなどの欠点もあった。後に装備されたGNソードIIIでは発動形態が不要となったほか、粒子消費量の調整も可能となり、運用面での欠点はほぼ解消されている。
GN-0000/7S ダブルオーガンダム セブンソード
『00V』に登場。ツインドライヴの完全起動以前に検討されたダブルオーの武装強化案の一つ。刹那・F・セイエイが搭乗する事を前提として、エクシアのセブンソードを発展させた7本の剣を装備する。ツインドライヴを安定制御する為にオーライザーの重要性が高まったため、同時運用が不可能なこの装備が実際に製造されることはなかった。製造の為のシミュレーションデータ収集には、エイミー・ジンバリストがそれとは知らずに関わっている。
  • GNソードIIロング - GNソードIIの改良型。刀身が延長されており、ビームライフルとしての機能が高められている。
  • GNソードIIショート - 射撃性能を強化されたロングに対し、近接戦闘における性能が強化されている。刀身は短くなり、先端をアンカーとして射出できるようになっている。
  • GNバスターソードII - ジンクスIIから奪取したGNバスターソードを解析、改良した大型の実体剣。通常は左肩のコーンスラスターにマウントされている。GNフィールド発生機能を備えた大型GNシールドとしても使用できる。
  • GNカタール - インドの刀剣カタール(厳密にはジャマダハル)をモチーフとした短剣。後にGNソードIII等に採用された新素材を刀身に採用した試作兵器で、GN粒子を熱変換することで超高温を生み出し、その熱を瞬間的に対象に伝導させることで高い切断力を発揮する。両脹脛のハードポイントに計2本がマウントされる。
  • GNビームサーベル - 標準装備の2本のビームサーベル。
GN-0000GNHW/7SG ダブルオーガンダム セブンソード/G
『00V戦記』に登場。イノベイターとの最終決戦後、資金・物資の両面で大きく疲弊したCBが、新たなガンダムが完成するまでのダブルオーの延命策として製作した武装強化仕様。一度は採用を見送られたセブンソードに、銃としての機能を強化した新装備「GNソードIIブラスター」が追加されている。機体名の「/G」はこの銃(GUN)を指している。また、GNバスターソードIIにはオーライザーと同等のドライヴ安定制御装置が搭載されている。
イノベイターとの最終決戦において、ダブルオーで運用されていたGNドライヴは両方とも大破したため、他のガンダムから移植されたドライヴとGNコンデンサーで運用される。両肩に2基の超大型GNコンデンサーを搭載してトランザムを行なう実験も行なわれたが、トランザムが起動した時間はわずか0.03秒であった。
イノベイターとなった刹那用の機体として調整されてはいるが、トランザムの使用も事実上不可能となっており、ダブルオー本来の性能を発揮することはできない状態である。
  • GNソードIIブラスター - GNソードIIをベースに、最新の技術を投入して開発された新装備。銃として高い基本性能を持つと共に、イノベイターである刹那の能力次第で性能が大きく上昇する可能性も秘めている。銃身下部の刀身にはGNソードIIIと同じ新素材が使われているほか、腕と固定するためのプロテクター部分にもGNソードIIIのパーツが流用されている。未使用時は右肩にマウントされる。
GN-0000GNHW/7SGD2 ダブルオーガンダム セブンソード/G インスペクション
シミュレーションデータ取得用のプログラムとして仮想空間にのみ存在する機体。担当であるシェリリンの趣味により、実機では青く塗装された部分が朱色に変更されているのが特徴。武装やその他の仕様は実機と同じだが、基本性能が実機の約5%増しに設定されている。
GN-0000+GNR-010/XN ダブルオーザンライザー
『00V』に登場。ザンライザー(ザンユニット装備型オーライザー)と合体した姿。ダブルオーライザーの時点で要求値を大きく上回る能力を獲得できたため、計画のみに終わった幻の究極形態である。オーライザーと違い、パーツを分離することなくそのまま背中に合体するのが特徴。2本のGNバスターソードIIIは、合体させることで巨大な両刃の剣としても使用できる。ザンライザーの2本のアームは、武装を保持した状態でそのまま第3、第4の腕として機能する。通常はGNソードIIがマウントされ、センサーの色が緑に変化する。
GN-0000/XN ザンダブルオーガンダム
ザンユニットのみをダブルオーと合体させた姿。ユニットの武装とダブルオーの直接的な相性を検証すべく構想された。
GN-006 ケルディムガンダム
2代目ロックオン・ストラトス(ライル・ディランディ)が搭乗するデュナメスの後継機。頭部ガンカメラやライフル型コントローラーなどの主だった機能が受け継がれている。頭部ガンカメラはカバー開閉式に変更され、デュナメスのようにガンカメラ使用時に頭部が変形し、ツインアイが隠されることは無くなった。
射撃性能をさらに強化する機能として、バックパックにはトランザム時にのみ使用可能な照準用フォロスクリーンが新たに搭載されている。頭部前面に展開され、ここからもたらされる膨大な情報を高速演算処理し敵機の動きを予測することで、驚異的な命中精度を発揮する。劇中では、長距離射撃に特化したイノベイターのMS「ガデッサ」の射程をも上回る遠距離から正確な狙撃を行ない、多くの敵機を撃破した。また、太陽炉内部のトロポジカル・ディフェクトによる空間への微細な影響を考慮し、太陽炉は尻部分に外付けされている。
なお、ケルディムの名称は聖書にある智天使から来ている[要出典]
デュナメスにおいても予備的な位置付けであった格闘戦用装備は、この機体では完全に非搭載となっている。
  • GNスナイパーライフルII - デュナメスのスナイパーライフルの発展型。銃身を折りたたむことで、取り回しと連射性に優れた3連バルカンモードに変形する。不使用時は右肩に折りたたまれた状態でマウントされる。
  • GNビームピストルII - 両背にマウントされる改良型ビーム拳銃。銃身下部には耐ビームコーティングを施したエッジが装備され、敵のビームサーベルを受け止めることができる他、グリップを垂直に立てて手斧のように使うこともできる。この耐ビームコーティングは、デュナメスのテスト段階でニール・ディランディが提出したアイデアを元に実用化されたものである。
  • GNミサイルポッド - 腰部フロントアーマーを兼ねる4基のミサイルポッド。各2基、計8基のGNミサイルを内蔵している。
  • GNシールドビット - 遠隔操作が可能なGNシールド。シールドを自在に分散、密集させることで、あらゆる方向からの攻撃に対応できるほか、他の機体や艦の防御にも使用できる。左肩に2基、両膝に2基、太陽炉に5基の計9基が装備され、制御はハロによって行われる。ビーム砲が内蔵されているため攻撃も可能で、ビット4基を格子状に組み合わせた形態は「アサルトモード」と呼ばれ、より強力なビームを発射することが出来る。ビットの貯蔵粒子が少なくなった場合、太陽炉付近のプラットフォームにマウントすることで急速なチャージが行われ、素早い再展開が可能となる。
GN-006GNHW/R ケルディムガンダムGNHW/R
新兵器「GNライフルビット」を装備したケルディムの強化形態。機体名の「R」はライフルを指している。ライフルビットをマウントするために、両膝の2基を除く7基のシールドビットは左肩に装備されている。また、GNビームピストルIIは太陽炉側面に2挺追加され、計4挺になっている。
  • GNライフルビット - シールドビットよりも大型の遠隔誘導兵器。右肩に2基、太陽炉に4基の計6基を装備する。1基でスナイパーライフルと同等の威力と射的距離を持ち、右肩の2基は固定砲塔としても機能する。シールドビットと同様に、盾としても使用できる。
GN-006/SA ケルディムガンダム サーガ
『00V』に登場。敵基地などへの突入作戦のために開発されたケルディムの特殊仕様。機体名のサーガ(SAGA)は「Special Assault GUNDAM Arms(特殊急襲ガンダム武装)」を意味する。狭い場所での戦闘を想定しているため、GNシールドビットは搭載されておらず、装備された7挺の銃も全て銃身が短いものとなっている。また、頭部のガンカメラには近~中距離戦闘に対応した専用のクリスタルセンサーが装備されている。7挺という銃の数はエクシアの「セブンソード」を意識したもので、開発段階での名称も「セブンガン」であった。
  • GNアサルトカービン - GNスナイパーライフルIIに代わり右肩にマウントされる銃。
  • GNサブマシンガン - 両膝にマウントされる銃。
  • GNビームピストル - 腰部ホルスターに収納されるビームピストル。デュナメスが装備していたものと同型の銃である。
  • GNビームピストルII - ケルディムからの標準装備。
  • GNスモールシールド - 左肩にマウントされる小型のGNシールド。取り回しに優れている。
  • GNミサイルコンテナ - 太陽炉上部に設置されるミサイルコンテナ。太陽炉を保護する装甲としての役割も持っている。
GN-007 アリオスガンダム
アレルヤ・ハプティズムが搭乗するキュリオスの後継機。変形方法はほぼキュリオスと同様だが、機首部分は両肩のGNビームシールドを組み合わせることで形成される。GNビームシールドは飛行形態時に展開することで大型のクローとしても使用可能で、劇中では敵MSに突撃し、両断するといった戦法が多用された。キュリオス同様、アロウズからは「羽付き」と呼称されている。太陽炉は股間フレーム内部に配置されており、GNアーチャーの機首を直結することで、戦闘中でも同機への迅速な粒子供給が可能となっている。
  • GNツインビームライフル - 主武装の垂直2連装ビームライフル。ビームサブマシンガンの連射性を維持しつつ、弱点であった単発の威力不足が改善されている。上部の銃身は可動式で、飛行形態時の対地攻撃が容易な設計となっている。任務に応じて2挺を携行することもある。
  • GNビームサブマシンガン - キュリオスのビームサブマシンガンを両前腕内蔵式に改修した装備。
  • GNビームサーベル - キュリオスとは逆に、左右フロントスカート裏に1基ずつ格納されている。
  • GNバルカン - 機首に内蔵されたビームバルカン砲。エクシア等のものと同等の武器。威力は低いが、ミサイルなどの迎撃に有効。
  • GNビームシールド - 盾を持たないアリオスの防御兵装。両肩の羽根状のパーツに内蔵されており、粒子ビームの盾を展開して機体を防御する。専ら飛行形態時の大型クローとして使用されたのみで、シールドとしての機能は描かれていない。
GN-007GNHW/M アリオスガンダムGNHW/M
アリオスの強化形態。機体名の「M」はミサイルを指している。アリオスの武装強化案「アリオスガンダム アスカロン」からのGNミサイルコンテナのみが採用された。
  • GNミサイルコンテナ - 背部に2基設置された大型ミサイルコンテナ。多数のGNミサイルが格納されている。飛行形態時は両腕側に配置される。
  • GNキャノン - GNツインビームライフルに代わり装備された大出力ビーム砲。威力は増したが連射性能は低下しているため、GNバルカン2門を銃身側面に設置し、その欠点をカバーしている。
  • GNビームライフル - 新しいノーズユニットに内蔵されているビーム砲。飛行形態時のみ使用可能。
GN-007+GNR-101A アーチャーアリオス
飛行形態のアリオスの後部に、飛行形態のGNアーチャーを合体させた形態。GNアーチャーの推力・火力が追加されることで、機動力と火力が大幅に強化されている。合体時のGNアーチャーは無人でも運用が可能だが、その場合、戦闘中の分離が不可能となり、アリオスがMS形態に変形できなくなるというリスクもある。GNアーチャーにもパイロットが搭乗することで戦闘中の分離・再合体が可能となり、より柔軟な戦術展開が可能となる。また、有人時のGNアーチャーの武装は、GNアーチャー側からのコントロールが優先されるため、性能を最大限に発揮するためには、両機のパイロットの高度な連携が求められることになる。
GN-007/AL アリオスガンダム アスカロン
『00V』に登場。アリオスの武装強化案。第3世代ガンダムの武装を参考に開発が進められた。しかし、追加武装による機動力の低下はGNアーチャーとの連携に支障をきたすと判断されたため、GNミサイルコンテナのみが採用され、劇中で運用された。機体名は龍殺しの剣「アスカロン」に由来する。両肩のパーツがGNビームキャノン用のものに交換されているため、GNビームシールドは装備されていない。
  • GNソード - 機首に装備された大型GNソード。飛行形態でのみ使用可能。
  • GNビームキャノン - ノーズユニットに内蔵された大型ビーム砲。両肩のパーツが砲身としての役割を持ち、粒子を圧縮誘導することで大きな威力を発揮する。
  • GNミサイルコンテナ - 背部に装備する大型ミサイルコンテナ。「GNHW/M」と同一の装備。
GN-008 セラヴィーガンダム
ティエリア・アーデが搭乗するヴァーチェの後継機。 搭載火器、GNフィールドのさらなる強化とともに、ヴァーチェでは重視されていなかった近接格闘能力の向上も図られている。この機体には背部にもガンダムフェイスが存在しており、最大出力時にはその顔が現れ、「フェイスバーストモード」と呼ばれる状態になる。この時に展開される頭部の大型ブレードアンテナはクラビカルアンテナであり、粒子コントロール能力は飛躍的に上昇し、攻撃、防御ともに強化することが可能となる。
この機体の最大の特徴は、「セラフィムガンダム」がバックパックとして隠されていることである。セラフィムとはGNドライヴを共有しており、コックピットはセラヴィーの胸部にある[10]
  • GNバズーカII - ヴァーチェのGNバズーカの発展型。連射性能が向上しており、2基を合体させた「ダブルバズーカ」形態、両肩のGNキャノンと接続した「ツインバスターキャノン」形態など、多様な攻撃法が可能となっている。ダブルバズーカと4門のGNキャノンを連動させることで、セラヴィー最大の攻撃「ハイパーバースト」を使用することができる。
  • GNキャノン - ヴァーチェのGNキャノンの発展型。両肩、両膝に2門ずつ、計4門を装備する。両肩の2門はセラフィムの両腕でもある。4門の同時斉射は「クアッドキャノン」と呼ばれる。腕に変形させることが可能で、内蔵したGNビームサーベルによる奇襲を行うことも出来る。なお、砲口部から現れる手には、人間でいう親指にあたる可動枝が片手につき2本あり、展開時の方向に合わせてどちらか1本は畳まれたままである[10]。このため、バックパック時とセラフィム時とで左右の手の反転は起こらない。
  • GNビームサーベル - ヴァーチェとは異なり格納箇所が両前腕部に変更されている。GNキャノン内に格納されているものを含めると計6本を装備しており、全てを同時に使用することが出来る。
  • GNフィールド - 改良され、GNフィールド発生までの時間が短縮された他、GNバズーカIIやGNキャノンの粒子圧縮をサポートし、より強力な攻撃を可能にする機能も加えられた。
GN-008GNHW/B セラヴィーガンダムGNHW/B
セラヴィーの強化形態。砲撃力と防御力のさらなる向上が図られている。機体名の「B」はビームを指している。取り外された腰のGNフィールド発生器の代わりに、両肩と両脚部にGNコンデンサー内蔵のGNフィールド発生器が装備され、より強力なGNフィールドの展開が可能となっている。また、肩のGNキャノンには大型のGNバーニアが搭載され、機動力の向上も図られている。GNキャノン、GNバーニアはセラフィムに接続されているため、分離後もそのまま使用出来る。
  • GNキャノン - 新たに腰に装備された大型ビーム砲。砲身を展開し、より威力の高い砲撃も可能となっている。
GN-008GNHW/3G セラヴィーガンダムGNHW/3G
『00V』に登場。初期に構想されたGNHWプランの一つ。背部のセラフィムの左右に、無人型セラフィム「セム」が2機追加されている。セラフィムと2機のセムが連動することで、トライアルフィールドの効力を数百kmに及ぶ広範囲に及ぼすことが可能となる。しかし、ヴェーダとのリンクが絶たれている現状では、セムは単なるデッドウェイトでしかなく、ヴェーダ奪還前にセラヴィーが撃破されるような事態を招きかねなかった。そのため、総合性能の向上が図られたセカンドプランであるGNHW/Bが最終的に採用された。セラヴィーとセラフィムにも若干の改装が加えてられており、腰のGNフィールド発生器がセムに干渉しないよう小型化されているほか、セラフィムの両肩にはセムとドッキングするためのパーツが追加されている。
GN-009 セラフィムガンダム
セラヴィーの背部に隠されている機体でナドレの後継機。セラフィムとは熾天使の事[要出典]。セラヴィーからの分離後は、中央ガンダムフェイス内から本来の頭部がせり上がり、2門のGNキャノンと2基のGNバーニアがそれぞれ両腕と両脚に変形する。分離後のコックピットはセラフィム胸部[注 7]にあり、GNドライヴはセラヴィーから切り離され本機に格納される。セラヴィーは搭載している大型GNコンデンサーに貯蔵した粒子によって稼動し、劇中では描写がないものの、セラフィムから遠隔操作することも可能とされている[11]。ダブルオーライザーのトランザム・バーストによってリボンズの脳量子波が乱され、その間に意識体となったティエリアがヴェーダを奪還した事により、トライアルフィールド[12]を発動。イノベイター勢力の機体を停止状態に追い込んだ。直後にリボーンズキャノンの攻撃で機体は大破したが、ティエリアがヴェーダを完全に掌握したため、イノベイター勢力の機体の停止状態は継続された。
  • トライアルフィールド - 「ガンダムナドレ アクウオス」の開発を経て、トライアルシステムの有効範囲がより広範囲に拡張されたもの。その有効範囲は最終決戦の場となったラグランジュ2の宙域一帯をカバーできるほどである。使用するためにはヴェーダとのリンクが必要となる[10]
  • GNキャノン・GNビームサーベル - 両腕は変形させることでセラフィム時でもGNキャノンと内蔵されたビームサーベルを使用可能。
  • GNビームマシンガン - セラフィム用に開発された小型ビーム砲。セラヴィーとの合体時には脚部にマウントされる。セラフィムでの戦闘が可能な限り避けられたこともあり、劇中では未使用。
GN-00902 セム(SEM)
『00V』に登場。セラヴィーガンダムGNHW/3Gに搭載される無人型セラフィム。ヴェーダを介した量子通信によって、理論上、遠隔操作が可能な距離は無制限となっている。頭部カメラがバイザー型であることと、大型GNコンデンサーで稼動すること以外は、セラフィムとほぼ同形状、同性能の機体である。ライフル、シールドといった武装は膝のハードポイントにマウントされる。胸部クラビカルアンテナが右側に付いているのが1号機、左側に付いているのが2号機となっている。「GNHW/3G」が廃案となった理由は、セラフィムとほぼ同コストを要するこの機体の製造が困難であったこともある。
  • GNキャノン・GNビームサーベル - 両腕はセラフィムと同様にGNキャノンと内蔵されたビームサーベルを使用可能。
  • GNシールド - ケルディムのシールドビットをベースに開発されたGNシールド。ビットとしての機能は無いものの、内蔵ビーム砲は残されているため、攻撃にも使用できる。
  • GNビームマシンガン - セラフィムに配備予定だったものと同一の装備。

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ガンダムスローネ

『1st』に登場(ドライのみ『2nd』にも登場)。CBの監視者であるアレハンドロ・コーナーが、イオリア・シュヘンベルグの計画を改変するため、ヴェーダから引き出したデータを基に独自に開発した機体である。3兄妹のガンダムマイスター「チームトリニティ」によって運用され、プトレマイオスのガンダムよりも苛烈で徹底的な武力介入を行ない、ガンダムに対する世界の敵意を増幅させた。基本的に3機が一つのチームとなって作戦を行なう。機体デザインは鷲尾直広

最大の特徴は「[Τ](タウ)型」と呼ばれる擬似太陽炉を搭載している点である。オリジナルの太陽炉とは違う真紅のGN粒子を発生させ、そのGN粒子には細胞異常を引き起こす強い毒性がある。また、GN粒子の生産には外部からのエネルギー供給を必要する点もオリジナルとの大きな違いで、そのため、スローネ各機には太陽炉の始動機が装備されている。

第3世代までのガンダムとは違い、量産を前提として設計されており、装備に応じて頭部の仕様などが変更されている以外は全く同じ機体である。スローネの運用データを基に開発された量産型MSが、国連軍に提供された「ジンクス」である。スローネとは違い、ジンクスは母艦を伴っての運用を前提としているため、太陽炉の始動機は装備されていない。

尚、スローネの名称は旧約聖書の座天使から来ている[要出典]

GNW-001 ガンダムスローネアイン
長男ヨハン・トリニティが搭乗するスローネ1号機。アインはドイツ語の「1」。デュナメスの精密射撃能力とヴァーチェの大火力を融合させた重砲撃型MSである。強力なビーム攻撃によって各地の軍事関連施設を蹂躙し、CBの秘密に近づいたエイフマンの暗殺も行った。
  • GNランチャー - 右背に装備された太陽炉直結の大型ビーム砲。通常の速射モードから折り畳まれた砲身を展開した長射程モードを持つ。さらに他のスローネから有線でエネルギー供給を受けることで、より強力な砲撃が可能となる。2機連結では「GNメガランチャー」、3機連結では「GNハイメガランチャー」と呼ばれ、山腹を吹き飛ばした上でジンクス1機を撃墜するほどの威力を見せた。
  • GNビームライフル - 中~近距離用の射撃装備。GNランチャー長射程モードでは後部のアームが起立し、ランチャー下部に接続される。また、銃口の下部からスモーク弾を発射する機能もある。
  • GNビームサーベル - 両肩に装備されたスローネ共通の近接格闘用装備。プトレマイオスのガンダムが装備するものとほぼ同じ構造だが、より大型で高出力のサーベルを形成することができる。
  • GNシールド - 左肩の小型シールド。バックパックに接続されたベルトケーブルによってGN粒子の供給が行われる。
GNW-001/hs-T01 ガンダムスローネアイン トゥルブレンツ
『00V』に登場。スローネアインに追加武装ユニット「トゥルブレンツ(乱気流の意)」を装着した形態。当初から大規模な武力介入を行っていたトリニティだが、その規模をさらに拡大するために開発された。スローネ本体の擬似太陽炉に加え、トゥルブレンツ側にも擬似太陽炉が搭載されているため、活動時間の大幅な延長が可能となっている。ユニットは戦闘機形態への変形機構も備え、独立した支援機として運用することもできる。他のスローネ用のユニットも開発されていたが、アレハンドロの計画が予想以上に早く進行したため、制作されたのはアイン用のみとなった。
  • GNブラスター - GNランチャーに代わり装備される大出力ビーム砲。肩ではなく右腕下部に装備される。他のスローネシリーズとの連結機構は無い。
  • GNミサイルコンテナ - 背部に装備されるミサイルコンテナ。ドライ用のユニットの場合、この部分にGNステルスフィールド発生装置が装備される。
  • GNファングコンテナ - 両脚に装備されるメインスラスターを兼ねたコンテナ。ユニットがツヴァイへ装着される場合のみ、GNファングが搭載される。
GNW-002 ガンダムスローネツヴァイ
次男ミハエル・トリニティが搭乗するスローネ2号機。ツヴァイはドイツ語の「2」。「GNバスターソード」といった強力な近接格闘用の武器を装備し、チームでは前衛を担う。大きな特徴は「GNファング」と呼ばれる特殊な遠隔誘導兵器を搭載していることである。後にサーシェスによって奪取され、国連軍所属の機体としてCBとの決戦に参加した。
  • GNバスターソード - 右肩にマウントされる巨大な実体剣。GN粒子によって重量を制御し、斬撃の瞬間に重量を増加させることで高い威力を発揮する。また、刀身に内蔵されたGNコンデンサーからGN粒子を放出することで、ビームサーベルと同様の特性も併せ持っている。
  • GNハンドガン - 左腕下部に固定装備されている小型ビーム砲。アインへの粒子供給用ケーブルを内蔵している。
  • GNファング - 遠隔操作が可能なビーム砲台。先端部にビームサーベルを発生させ、敵機を貫くこともできる。両腰バインダーに8基を搭載するが、通常は6基のみを使用する。
GNW-003 ガンダムスローネドライ
末妹ネーナ・トリニティが搭乗するスローネ3号機。ドライはドイツ語の「3」。機体各部に大容量のGNコンデンサーを搭載しており、スローネアインへの粒子供給や、GNステルスフィールドによるジャミングなど、戦闘支援能力に優れている。コックピット内部には、AIロボット「HARO」を設置するための台座が用意されており、操縦支援等を行っている。
『2nd』ではネーナが操縦する武装コンテナユニット「リィアン」の内部に格納されていた。
  • GNステルスフィールド - バックパックやシールドのGNコンデンサーを開放し、GN粒子を広範囲に散布することでジャミングを行う。
  • GNハンドガン - ツヴァイと同一の装備。アインへ粒子供給を行う際、ツヴァイとの競合を避けるため右腕に装備されている。
  • GNシールド - 左肩のGNコンデンサー内蔵型シールド。ステルスフィールド使用時は表面のカバーが展開する。
  • GNシールドポッド - 右肩に装備される武装コンテナを兼ねたシールド。各種ミサイルや予備のビームサーベルなど、作戦に応じた装備を収納する。
GNW-003/SH リィアン
『2nd』に登場した武装コンテナユニット。擬似太陽炉を搭載しており、宇宙、重力下での運用が可能。スローネドライが王商会によって輸送機に偽装された姿である[13]。ステルス性の高さから主に偵察等に用いられるが、装備されたビーム砲によってある程度の戦闘もこなせる。劇中では、アロウズの襲撃を受けたカタロンの救援のほか、イノベイターと交戦するダブルオーライザーの援護も行った。名前の由来は女王蜂の英訳から。
  • GNロングライフル - リィアンの下部に装備されているビーム砲。砲塔を取り外してGNハンドガンと合体させることで、スローネドライの武装として使用することもできる。

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イノベイド専用MS

『00P』に登場。人工生命体「イノベイド」の搭乗を前提に開発された機体。元々ヴェーダのプランには、マイスターに人間を採用する案と、イノベイドのみで構成する案の2通りが存在し、搭乗機となるガンダムも別々に開発されていた。マイスター874や古参イノベイドの意見により人間をマイスターとして採用することが決定された後も、第1〜3世代機が製造された場所とは異なる、月面の極秘ファクトリーで開発が続けられた。

CBY-001 1ガンダム(アイガンダム)
アストレア系列のデータが反映された汎用機。機体名は0ガンダムの後継機という位置付けから命名された。装備変更や各種支援機との連携により様々な戦場に対応する。背部スラスターにはエクシアと同型のコーン型スラスターを採用している。両肘には大型GNコンデンサーが搭載され、各武装への大容量の粒子供給が行なわれる。 本機のデータは後のアルヴァアロンの開発に活かされたほか、リボンズ・アルマークはこの機体を基に、GNキャノンの機能を統合した専用機リボーンズガンダムを開発した。
『00P』では、マイスタータイプのイノベイドであるビサイド・ペイン[注 8]が太陽炉搭載機[注 9]に搭乗し、2機のGNキャノンを率いてアルテミーと交戦するが、援護に現れたラジエルにより撃破された。
『00I』にはビサイドの人格データを内包した擬似太陽炉搭載の同型機が登場する。本機を発見したレイヴ・レチタティーヴォの肉体にデータをダウンロードすることでその身体を乗っ取り、ビサイドは復活を果たす。
  • GNビームライフル - 長銃身を持つ専用ビームライフル。銃尻のコネクターを肘の大型GNコンデンサーと接続することで、高い威力を発揮する。
  • GNビームサーベル - 両腕の大型GNコンデンサー付近に1基ずつを装備する。発振器は他の機体よりもやや大型化している。
  • GNシールド - アストレア、エクシアのシールドと似た形状だが、一回り大型化されている。
  • GNフェザー - 0ガンダムから受け継いだ機能。GNフィールドとしての機能も併せ持ち、粒子を一方向に集中させることで「メメントモリ」の高出力レーザーをも遮断する防御力を発揮する。ただし、擬似太陽炉搭載型の場合は一度の使用で炉が焼き切れるほどの多大な負荷が掛かる。
CB-001.5 1.5ガンダム(アイズガンダム)
『00I』『00V戦記』『00P SPECIAL EDITION』に登場。フォン専用アストレアTYPE-Fとの戦闘で損傷した1ガンダムを、軌道エレベーター内の秘密工場で修復・強化した機体。「アイズ」とは数字の「1.5」をアルファベットの「I.S」に見立てた呼称であり、機体性能が改修前の1.5倍に強化されたことから命名された。
背部コーンスラスターに一対の粒子制御バインダーが追加され、これを状況に応じた適切な位置に移動、及び可変させることで、機体特性を変化させることができる。バインダーを大きく後方に向けた高速移動形態「ハイスピードモード」、翼のように水平に展開した大気圏内飛行形態「フライトモード」、バインダーを左右片側に寄せた待機形態「スタンバイモード」、そこから攻防に転じる「アタックモード」「ディフェンスモード」など、複数のモードが存在する。機体自体はほぼ無改造だが、頭部カメラ・センサーの発光色が紅から緑に変化している。
ビサイドがヒクサーの手で直に討ち取られた事で無傷で回収され、一時レイヴ・レチタティーヴォの乗機となるが[14]、アロウズを引き連れて現われたイノベイターとの取引で機体を引き渡した。
  • GNバスターライフル - 1ガンダムのライフルの改良型で、リボーンズガンダムと共通の装備。銃身の形状は同一だが、前腕と接続されるコネクターの位置が肘のGNコンデンサー付近に変更されている。バインダーを右側面に展開した「アタックモード」に変形することで、ビームの増幅やある程度の曲射が可能となる。
  • GNシールド - 改修前と同一の装備。左側に寄せたバインダーでシールドを挟み込む「ディフェンスモード」に変形することで、より強固なGNフィールドを形成する。
  • バインダーライフル - バインダー先端部に内蔵されるビームライフル。発砲時はバインダーを両脇に抱える形で構える。
  • アルヴァアロンキャノン - アルヴァアロンのデータが反映された武装。肩から前方に展開したバインダーの間にGNフィールドを発生させ、高濃度に圧縮された粒子を撃ち出す。本機の武装では最強の威力を誇るが、擬似太陽炉で使用した場合は1射で貯蔵粒子の大半を使い切ってしまう。
CB-001.5D2 1.5ガンダム タイプ ダーク
『00P SPECIAL EDITION』に登場。1.5ガンダムの制式量産型。機体色がオリジナル機の白・青紫と対照的な黒・赤に変更されている。ビサイドがヴェーダの計画を自身の望む形に改変した暁に、そしてその際障害となるリボンズの勢力を排除すべく大量生産が予定されていた。しかし、この当時ファクトリーではガガの生産が優先されていたため、実際に完成した機体は極少数、あるいは計画のみに終わったとされる。
CBY-077 GNキャノン(ガンキャノン)
ヴァーチェと共通のデータが反映された砲撃戦用MS。1ガンダムの後方支援を任務とする。粒子消費の激しい砲撃型であるため、腰と両肘に大型のGNコンデンサーを搭載している。リボーンズガンダムの砲撃形態「リボーンズキャノン」の原型となった機体であり、頭部のセンサーは後のジンクスIIキャノンにも採用される。アルテミーとの戦闘には2機が投入され、1ガンダムの援護を行う。この内の1機には、サブボディを装ったオリジナルのビサイド・ペインが搭乗する。
  • GNロングキャノン - 胸部から伸びる4門の大型ビーム砲。片方2門を合体させることでより強力な砲撃が可能。
  • GNミサイル - 両肩、両腰に内蔵されたランチャーに装填されている。ミサイルや接近した敵機の迎撃に用いられる。

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支援機

ガンダムの支援、強化等を目的に開発された機動兵器。形態や運用法は多様だが、太陽炉の代わりに大型GNコンデンサーを内蔵し、ガンダムから供給されるGN粒子を貯蔵することで稼動する点は共通している。機体単独での運用には、武装や稼動時間等に様々な制限が課されるため、ガンダムとの合体、密接な連携が可能であることが、ガンダム支援機の前提となる。

GNR-000 GNセファー(プロトGNアームズ)
『00P』に登場。最初期に開発された支援機。GNポッドとコアブロック、機体両端の遠隔誘導兵器「GNプロトビット」から構成される3胴式の機体。ラジエルと合体し「セファーラジエル」となる。コアブロックの下に備えられたクローアームを展開することで、単体でモビルポッドとしても運用できる。エクシアやデュナメス、0ガンダムなど、コーン型スラスターを採用している機体との合体も可能である。通常はパイロットが乗り込むが、ハロによる無人運用も可能である。名称はヘブライ語の「本」に由来する[7]。後にイノベイターの手によって、第2世代の4機及びラジエルと共に複製された。
GNR-000B ブラックGNセファー
『00F』に登場。黒を基調としたカラーリングに変更されている。イノベイターにより複製されたグラーベが搭乗し、ブラックラジエルと共にヒクサーが搭乗するサダルスードと交戦したが、撃墜された。本機もブラックラジエル同様回収・修復され、ハヤナが搭乗する。
GNR-001 GNアームズ
『1st』に登場。国連軍との決戦に投入された大型支援機。単体でも戦闘は可能だが、性能を最大限に発揮し、長時間の戦闘を行うには、ガンダムとドッキングして「GNアーマー」となる必要がある。主な武装は大型GNキャノン2門、脚部クロー。左右のアームにはドッキングする機体に応じた武装が装備される。GNフィールド展開機能と大推力のGNバーニアを備え、ガンダムの火力、防御力、機動力を大幅に強化することができる。合体後のGNアームズはガンダムからの制御が可能だが、GNアームズが無人の場合、分離後の再合体は不可能となる。ガンダムとは背部コーン型スラスターと両脚部のみで接続されるため、ガンダム本体の武装は通常通り使用可能。強襲用コンテナの後部に接続された状態では、ガンダムを格納し、大気圏突入と離脱、重力下の飛行が可能な小型宇宙船としても運用できる。TYPE-E、TYPE-Dの2機が建造された。
GN-001+GNR-001E GNアーマーTYPE-E
エクシアとGNアームズTYPE-Eがドッキングした形態。近接戦闘を重視し、左右のアームにGNビームガン内蔵の大型GNソードを装備している。国連軍との決戦ではラッセ・アイオンが搭乗し、刹那のエクシアとともにアルヴァトーレと激戦を繰り広げた。
GN-002+GNR-001D GNアーマーTYPE-D
デュナメスとGNアームズTYPE-Dがドッキングした形態。砲撃戦を重視し、右アームにGNツインライフル、左アームに超大型GNミサイルポッドを装備している。ジンクス部隊を突破し、国連軍の艦隊を全滅寸前まで追い込むものの、サーシェスの操るスローネツヴァイの奇襲を受け大破した。
GNR-010 オーライザー
『2nd』に登場。ダブルオーの支援機で、ダブルオーとドッキングすることで「ダブルオーライザー」となる。当初は大型GNコンデンサーを搭載した通常の戦闘機として設計され、合体機能もダブルオーからGN粒子の供給を受けるためのもので、合体状態での戦闘は副次的な運用法となる予定であった[9]。しかしダブルオーのツインドライヴシステムを安定制御するために、オーライザーに搭載された制御システムが必要となり、合体状態での運用を重視した仕様に改められた[9]
コックピットのようにも見える機首部は複合センサーモジュールであり、ガンダムをしのぐ索敵、情報処理能力を持つが、完全に機能させるには、コックピットにハロを搭載する必要がある。両翼バインダーは、合体時にはGNフィールド発生器としての機能も持つ。
偶発的な要因[9]から、CBに保護された民間人、沙慈・クロスロードの乗機となる。
  • GNビームマシンガン - 連射性能の高いビーム砲。両翼バインダーの内側に2門内蔵されている。
  • GNバルカン - 牽制などに用いられる小型ビーム砲。機体中央部に4門が内蔵されている。ダブルオーとの合体後は発射方向が制限されるため、使用できなくなる。
  • GNマイクロミサイル - 小型のGNミサイル。通常サイズのGNミサイルと同等の威力を持つ。両翼バインダー側面に8基の発射管が内蔵されている。
GNR-010/XN ザンライザー
『00V』に登場。武装強化ユニット「GN-021XN ザンユニット」を装着した姿。初期案である戦闘機としての性能を追求した形態であり、オーライザー単体にダブルオー並の戦闘能力を付与することを目的としている。この形態でもダブルオーとの合体は可能で、ザンユニットのみをダブルオーに装着することもできる。
追加武装として、巨大な実体剣「GNバスターソードIII」2本を機体前方に突き出す形で装備している。この剣を用いた高速の突貫攻撃によって、戦闘機ながら高い近接戦闘能力を発揮する。底部に設置された2本のアームはMSの腕と同等の機能を持ち、保持した武装をそのまま使用することができる。ダブルオーライザーでの運用形態が確立されたため実際に製造されることはなかったが、その武装技術は後に開発される機体に生かされることとなった[15]
GNR-101A GNアーチャー(ガンアーチャー)
『2nd』に登場。アリオスの支援機。アルテミーの素体をベースに、合体機能を持つ可変MSとして再設計された。太陽炉の代わりに超大型GNコンデンサーを搭載している。アリオスと合体し「アーチャーアリオス」となることで戦闘中でもGN粒子の再充填を行うことができるため、非太陽炉搭載機ながら長時間の戦闘が可能となっている。合体時にはミサイルコンテナ、テールブースターとしての役割を担う。一見ガンダムと判別することは難しいが、頭部バイザー内には以前のガンダムフェイスが残されている。総合火力はアリオスを凌ぎ、他のガンダムとも遜色ない戦闘力を発揮する。
配備後しばらくは正式なパイロットが決定しておらず、アリオスの強化ユニットとしてのみ運用されていたが、CBに保護されていたソーマ・ピーリス(マリー・パーファシー)が、ブレイク・ピラー事件の際に臨時のパイロットとして出撃。その後は正式に彼女の機体となり、アリオスのパートナーとして最終決戦まで運用された。
  • GNビームライフル - 両手に2挺保持される広射型ビームライフル。MS形態時のみ使用可能。サーベルを使用する場合などは腰にマウントされる。
  • GNビームサーベル - 接近戦用の武装。発振器は2基装備されている。
  • GNミサイル - 圧縮されたGN粒子を対象に送り込むことで破壊を行なうミサイル。左右のメインスラスターユニットに合計16基の発射管が内蔵されている。
  • GNバルカン - 機首部に2門内蔵されている小型ビーム砲。飛行形態時のみ使用可能。

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艦船及びその他

CBS-68 エウクレイデス
『00F』に登場。CBの支援組織「フェレシュテ」が保有する宇宙ファクトリー艦。愛称はエウクレイデスの英語読みでもある「ユークリッド」。プトレマイオスのドック艦も兼ねており、船体前部そのものが計8基の巨大な作業用アームで構成されている。プトレマイオスと同様にGNフィールド発生機能を備えている。GNバーニア4基の他にプラズマエンジン4基を搭載しているため、ガンダム(太陽炉)が無くとも航行が可能。長く秘密ドックに秘匿されていたが、フォン・スパークの手で起動。以降のエピソードにおいてフォンの行動拠点となる。
CBS-70 プトレマイオス
『1st』に登場。4機のガンダムを搭載するCBの宇宙輸送艦。乗員からは「トレミー」の愛称で呼ばれている。船体周囲に4基の回転式コンテナブロックを持ち、それぞれのコンテナにガンダムを1機ずつ格納している。艦首部には展開式のリニアカタパルトを持ち、出撃させるガンダムのコンテナを艦上部に固定、機体を直接艦内の射出スペースに移動することで、迅速な出撃を可能としている。また、コンテナのハッチを開放することで、カタパルトを使用せずそのまま出撃させる事も可能である。
ガンダムの輸送、後方支援を目的として建造されたため、艦自体にはGNフィールド発生機能があるのみで、武装は全く装備されていなかった。また、動力源となるGN粒子はガンダムの太陽炉から供給されており、全てのガンダムが出撃し、その後、艦に蓄積されたGN粒子を使い切ってしまうと、航行不能に陥る恐れもあった。国連軍との決戦時には、2基のコンテナをGNキャノンを搭載した強襲用コンテナに換装し、単独での戦闘もある程度可能となっている。
強襲用コンテナ
国連軍との決戦を前に、プトレマイオスに配備された武装コンテナユニット。大型GNキャノン2門、ビーム砲2門、GNミサイル発射口8門を備えている。また、後部にGNアームズをドッキングすることで、大気圏突入と離脱、重力下での飛行が可能な小型宇宙船としても運用できる。単独での戦闘も可能だが、GN粒子の消費が激しい武装の使用や長時間の戦闘を行うには、ガンダムを格納し、粒子供給を受ける必要がある。2基が配備され、それまで艦自体は全くの非武装であったプトレマイオスの貴重な戦力となった。
最終決戦では、1基はエクシアとGNアームズを格納して出撃。もう1基はプトレマイオスに固定され、大破したデュナメスを格納して艦の防衛を行ったが、最終的には生き残ったクルーの脱出艇としての役割を果たすこととなった。
CBS-74 プトレマイオス2
『2nd』に登場。国連軍との戦いで大破したプトレマイオスの後継艦で、愛称は引き続き「トレミー」。宇宙だけでなく、GNフィールドを展開しての大気圏突入、重力下の飛行のほか、海中航行も可能となっており、ほぼ全領域での活動が可能な万能艦となっている。回転式のコンテナは廃止され、代わりに3基のリニアカタパルト、2基の固定式大型コンテナが設けられている。左舷第一デッキはダブルオーとアリオス、右舷第二デッキはケルディムとセラヴィー、中央第三デッキは主に支援機用となっている。
先代艦の弱点であった武装は大幅に強化され、両舷カタパルト後部に大型GNキャノン4門、船体側面に小型GNキャノン4門、艦首側面にGNバルカン4門。GNミサイル発射口は特に豊富で、船体前方両舷に12門、後方上部に16門、下部に10門と、計38門にも及ぶ。また、水中戦闘用のGN魚雷発射口も4門を備えている。先代艦同様、ガンダムからの粒子供給を受けて稼動するが、ダブルオーのツインドライヴによる供給量の増加や、GNコンデンサーの高性能化、ガンダムの単独行動の頻度が減少したこともあり、武装を多用してもエネルギー切れを起こすような場面は見られなかった。
搭載したガンダムがトランザムを起動することで、艦自体をトランザム状態にする機能も新たに実装されている。これにより、搭載火器、航行速度、GNフィールドの大幅な強化が可能となったほか、同時に複数機をトランザムさせることで、爆発的な速度を得て大気圏を離脱するといった場面も劇中では見られた。ガンダムを搭載せず、艦に蓄積されたGN粒子のみでのトランザムも可能だが、その場合、持続時間はきわめて制限されたものとなる。
CB輸送艦
『2nd』に登場。CBに所属する輸送艦で、旧プトレマイオスに配備されていたコンテナユニット2基を流用して繋げた双胴の船体が特徴。決戦前のプトレマイオス2に「GNHW」や0ガンダム、エクシアRIIといった補給物資・予備戦力を送り届けた。その後プトレマイオス2に付き従って戦闘にも参加し、GNミサイルによる支援攻撃を行ったが、ガガ部隊の猛攻を受けるプトレマイオス2の盾になって撃沈された。
トリニティ艦
『1st』『2nd』に登場。トリニティ3兄妹の母艦であり、宇宙における拠点。プトレマイオスより一回り小型で、三脚状の中央ブロックと、ガンダムスローネを搭載する3基のコンテナブロックによって構成されている。スローネと同型の擬似太陽炉1基を搭載し、強力な大型ビーム砲を備えるなど、艦独自の動力源、戦闘能力を持っていることが、プトレマイオスとの大きな違いである。『2nd』では王商会の所有艦となっていたが、留美に反旗を翻したネーナのスローネドライによる攻撃を受け撃沈された。
船体のデザインはガンダムスローネと同じく、鷲尾直広が担当している[16]
VTOL機
『2nd』に登場。CBが所有する小型VTOL機。人員の移動や物資の輸送に利用される。翼部は折り畳み可能であり、収容時や着陸後はボックスタイプの形状となる[17]。『2nd』第5話では、カタロン支部やアザディスタンへ移動する際に使われた。

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ユニオン

ユニオン製MSの機体デザインは福地仁が担当している。ユニオンの機体は飛行機のイメージでデザインされており、細身で装甲は薄いが高性能のメカニックという方向性が設定されている[18]

MS

VMS-15 ユニオンリアルド
ユニオンの主力量産型MS。「世界の警察」を自負し、他国への軍事介入を積極的に行うユニオンの性格が反映された機体で、長距離の高速移動に適した飛行形態への変形機構を持つ[注 10]。ただし、実際に変形するには整備施設での換装作業を必要とするため、出撃前にどちらかの形態を選択する必要がある。機体各部は分解・組み立てが容易なブロック構造を採用しており、コックピット内蔵の腹部ドラムフレームを中心に、四肢やエンジンなどの各パーツを交換・再構築することで多種多様な任務に対応できる。この構造を活かした応用例として、敵に組み付いた状態でコックピットを下半身ごと安全圏に離脱させ、残りの上半身を爆破するという奇襲戦法が存在する。
採用国ごとにカラーリングや装備など細かい部分で仕様が異なり、日本で生産された機体は、ノーズカウルやリニアライフルのバレルが延長され、電装品などは多湿な環境に適した改良が為されている。
地球連邦樹立後(『2nd』の年代)は擬似太陽炉搭載機の普及により、退役または戦略的重要度の低い地域に回された。ただし、機種転換の途上であるため未だその稼動数は多く、「カタロン」などの反連邦政府組織に流出した機体も少なくない。なお、これらの状況は他の非太陽炉搭載機にも当てはまる事柄である。
VMS-15OP ユニオンリアルド宇宙型
腰のフライトユニットをロケットエンジンに換装した宇宙型。武装は速射性のリニアマシンガンや脚部のロケットランチャー。『2nd』にて反連邦組織カタロンの所属機として登場する。
MA-115HT ユニオンリアルドホバータンク
後方支援仕様MS。下半身をホバークラフト化し、背部にリニアライフル、両腕に60mm機関砲とロケットランチャーを装備した支援砲撃型[注 11]
SVMS-01 ユニオンフラッグ
リアルドに次ぐ「Solresived Viliable(ソルレシーブド・ヴィリアブル)」シリーズ最初のMSとして開発されたユニオンの新型主力MS。リアルドと違い換装作業無しでの変形が可能だが、仕様上は空中変形には対応していない。ただし、パイロットの技量次第では可能であり、この変形を伴う空戦機動は最初に空中変形を披露したグラハム・エーカーの名前を取って「グラハム・スペシャル(グラハム・マニューバ)」と命名されている。
燃料の水素は、基本骨格であるカーボンフレームを構成する炭素分子結合体内に分子レベルで浸透している。この構造は専用の燃料スペースおよび供給用のパイプラインを必要としないため、機体の大幅な軽量化に貢献している。その適応性は大気圏内外を問わず、用途、投入領域に応じた複数の派生機が存在する。
最新鋭の機種故、配備は十分ではなく[19]、ユニオンではMSWADを始めとした精鋭部隊への配備が優先されている。そのためフラッグのパイロットは「フラッグファイター」と呼ばれている。
『2nd』では擬似太陽炉搭載機の登場で本格配備前に生産が打ち切られたことで、連邦正規軍、カタロンを問わず希少な機体となっている[20]
  • リニアライフル - 口径120mmの射撃武装。電磁力で弾丸を高速射出する。電圧を調節することで破壊力の大きい単射モードと、高速戦闘に対応した連射モードを選択することが出来る。飛行形態時は機首を構成する。
  • ソニックブレイド(プラズマソード) - 超高硬度カーボン製のアサルトナイフ。刃を高周波振動させ切断力を増大させる。また、刀身からプラズマを発生させ剣状に収束するプラズマソードとしても使用可能。このプラズマの収束機構は、ビームサーベル開発の過程で生み出された技術を転用したものである。
  • ディフェンスロッド - 左腕の防御装備。回転するローターに適切な傾斜角で敵弾を着弾させ跳弾させる。また、着弾の瞬間にはプラズマフィールドが展開される。空戦機の観点から、重量負担の大きい通常のシールドを装備出来ない機体のために用意された。
  • 20mm機銃 - 腹部ドラムフレーム左側に内蔵された機銃。ミサイル迎撃や威嚇射撃、対人戦闘など幅広い用途を持つ。
  • ミサイル - フラッグのミサイルは、脚部内装式と主翼、副翼下に設置される懸架式の2種が存在する。
SVMS-01E グラハム専用ユニオンフラッグカスタム(カスタムフラッグ)
アメリカ軍MSWAD(エムスワッド)基地所属のエースパイロット、グラハム・エーカーの専用機であり、後のオーバーフラッグのベース機となった機体でもある。フラッグの主任設計者レイフ・エイフマンが自ら強化改造を行い、わずか1週間で完成に漕ぎ着けた。ガンダムの機動性に対抗すべく、背部フライトユニットを正式採用を見送られた高出力型に換装。更に装甲や搭載燃料を極限まで削ぎ落し、徹底的な軽量化を図っている。エンジンのリミッターを解除することでノーマル機の2倍以上もの最高速度を発揮するが、その間パイロットは最大12Gもの過酷な旋回Gに耐えねばならない。
全身表面には漆黒の耐ビームコーティング塗料が施され、ガンダムのビーム兵器に対し万全を期している。新規武装として、アイリス社製の新型試作リニアライフル「XLR-04」を装備。この武装は後にオーバーフラッグ用のライフルに換装された。左利きであるグラハムの操縦特性に合わせ、ライフルとディフェンスロッドの装備位置は左右逆となっている。
結局はガンダムとの根本的な性能差を埋めるには至らなかったが、グラハムはその卓越した技量をもってしばしば互角以上に渡り合う活躍を見せている。
SVMS-01O オーバーフラッグ
第8独立航空戦術飛行隊「オーバーフラッグス」用に改修された機体。基本的にグラハム機と同仕様の機体だが、安全面を優先しエンジンのリミッターは解除されていない。総生産数は14機。
『00N』において、装甲色を地球連邦軍カラーに調整された機体が登場している。
  • 新型リニアライフル「トライデント・ストライカー」 - グラハム機に装備された試作ライフルの制式モデル。単射用の200mm大口径弾用1門と、速射用の60mm小口径弾用2門の計3門の銃口を持つ。後のグラハム機も、識別用に銃身上面の冷却ジェルを青くした同ライフルを装備している。
SVMS-01X グラハム専用ユニオンフラッグカスタムII(GNフラッグ)
グラハム機にジンクスの擬似太陽炉[注 12]を搭載した機体。戦死したオーバーフラッグス隊員ハワード・メイスンの無念を晴らすため、フラッグでガンダムを倒すことを誓ったグラハムの強い希望により、ビリーらMSWAD技術陣の手によって完成された。宇宙空間での対ガンダム格闘戦に特化されており[7]、ライフルは装備していない。擬似太陽炉の高出力によって更なる高機動性とビーム兵器(GNビームサーベル)の運用能力を得たが、全く規格の異なるパーツを強引に接続したため機体バランスに大きな問題を抱えている。また、急造の機体であるため、実際に使用するには擬似太陽炉と装備をケーブルで直結する必要がある。
外見的な変化は、背中に擬似太陽炉が取り付けられたほか、頭部カメラもガンダム同様に、2眼式に改造されている。
  • GNビームサーベル - スローネアインから奪取したビームサーベルを有線供給式に改造した物。使用の際は背中の擬似太陽炉を左肩側に移動させる。
  • ディフェンスロッド - GNフラッグのディフェンスロッドは両膝側面に設置され、姿勢制御用スラスターとしての機能を持つ。
SVMS-01SG ユニオンフラッグ陸戦重装甲型(シェルフラッグ)
『00V』『00F』に登場(『1st』第15話にもゲスト出演)。フラッグの陸戦用装甲追加モデル。背部フライトユニットを排除しているため、飛行及び変形は不可能[注 13]。専用の追加装甲(熱交換式蒸散装甲)やディフェンスロッドの大型化、200mmリニアキャノンやロケットランチャー等の搭載により防御力・火力が向上している。また、ナノマシンを使用した色調変調迷彩塗装[注 14]が採用され、機体色や迷彩パターンを任意で変更することもできるようになっている。『1st』ではデザートカラーで登場した。
重装甲型は陸戦型フラッグのバリエーションの一つとされており[3]、軽装甲型も存在すると設定されているが[18]、イラストが存在するのみで作中には登場していない。
SVMS-01OP ユニオンフラッグ オービットパッケージ(オービットフラッグ)
背部フライトユニットをロケットエンジンに換装した宇宙型。『1st』第9話冒頭で、軌道ステーション近辺を哨戒していた[要検証]。『00F』にも登場。『2nd』の時点では、ユニオンリアルド宇宙型に比べて希少な機体とされる[20]
SVMS-01AW ユニオンフラッグ オービットパッケージ アストロワーク仕様
『00V』に線画稿のみ登場。コロニー作業用モデルで、通称「アストロワークフラッグ」。腕部は作業用のアームになっており、手部が作業内容によって交換可能になっている。脚部は宇宙空間での作業用に可変式の大型アームが採用されていて、先端のクローにリニアスピアを内蔵している。武装としては「MLR-04 クロスファイア(「XLR-04」の改修・量産モデル)」が装備されており、射出用アタッチメントを追加することでマスドライバーに転用可能になっている。
SVMS-01AP ユニオンフラッグ オービットパッケージ コロニーガード仕様
『00V』に登場。「アストロワークフラッグ」を哨戒・戦闘用に武装強化したもので、通称「コロニーガードフラッグ」。通常巡航形態での使用がメインとなる。武装としては「MLR-04 クロスファイア」に加え、肩のマウントに120mmショートリニアキャノン、脚部関節のマウントにロケットミサイルランチャーを装備する。
SVMS-01AS ユニオンフラッグ空戦偵察哨戒型(エアロフラッグ)
『00N』に登場。敵領空内での情報収集を目的とした偵察仕様機。機首兼用のリニアライフルを各種センサー内蔵の大型エアロカウルに換装し、飛行形態での最高速度、航続距離が大幅に向上している。このエアロカウルは空中で切り離すことで無人機として使用可能だが、推進器を持たないため滞空時間が短く、単独での離陸も不可能である。武装面では、リニアライフル撤去による火力の低下を補うため、両腕のマニピュレーターを60mmリニアガントレットに換装。この状態ではソニックブレイドなどの携行武装が使用できない為に格闘戦能力は大幅に低下するので、人型での運用は基本的に行わない。
YMS-01A フラッグ
ドラマCD『ROAD TO 2307』に登場。制式採用される前の競合試験機で、開発はエイフマン教授及びアイリス社のスタッフが行っている。
ブラスト
『ROAD TO 2307』に登場。ベルファクトリー社がフラッグとの競合試作機として開発したMS。性能はリアルドの延長線上に留まっている。

艦船及びその他

バージニア級輸送艦
『1st』に登場。ユニオンの多目的輸送艦。人革連のラオホゥより大型で、前部が左右に分かれ、双方に2基のコンテナが扇子状に配置されているのが特徴的な外見。ブリッジはコンテナの上に存在している。武装は計4基のリニアキャノンとミサイルが搭載されている。国連軍によるガンダム殲滅作戦において、宇宙におけるジンクスの母艦として3隻が調達された。
バージニア級輸送艦武装強化型
『2nd』に登場。旧ユニオンのバージニア級輸送艦を改修し武装を強化したもの。リニアキャノンが増設されている。反連邦組織カタロンの保有艦として登場した[17]
海上空母
MS部隊運用を前提とした大型空母。中央部と両舷が大きな段差を持つ特殊な構造をしている。中央部に2基、両舷に各1基のリニアカタパルトがあり、多数のMSを発艦、着艦させる能力を持つ[17]
巡洋艦
空母の護衛として用いられた全長200m級の巡洋艦。両舷側の中央に姿勢制御用のバウスラスターが備えられており、高速かつ安定した航行能力を有している。後部に水上・水中機発進用のゲートが設けられている[17]
小説版にも巡洋艦が登場する(上記とは別の宇宙用艦艇)。宇宙で人革連が行ったガンダム鹵獲作戦を察知し出撃。セルゲイとピーリスのティエレンを救出して軌道エレベーター天柱まで送り届けた。
揚陸艦
全長100m級の揚陸艦。最大で4機のMSを搭載可能で、主にMS部隊を展開するために運用された[17]
大型MS輸送機
全翼式の大型輸送機。2機のMSを搭載可能だが、サイズゆえMS形態での収納は不可能。左右エンジンブロック下面にSTOL用リフトファンを備える。輸送だけでなく、着艦能力を有す飛行空母として運用される。後部大型ハッチからMSの射出が可能。劇中ではグラハムとビリーがフラッグと共に搭乗し、CBの追撃および監視を行っていた。
小型輸送機
人員の輸送に用いられた小型機。アザディスタンの内情調査に向かったグラハムとビリーが、現地に赴く際に使用した[17]

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AEU

ユニオン同様、AEU製MSの機体デザインは福地仁が担当している。

MS

AEU-05 AEUヘリオン
AEUの主力航空可変MS。機体設計はユニオン製のリアルドを参考としており、換装による変形機構や搭載武装などの類似点が多い。ただし、機体のブロック構造が採用されていないなど運用思想の違い[注 15]も見られる。2292年の就役以降も度重なる改修が加えられ、数多くのバリエーション機も生産されている。特に2300年と2305年の次期主力機コンペティションでは大掛かりなモデルチェンジが行われ、当時の競合機達を退け長く主力の座に君臨し続けた。2307年では後継機イナクトの登場により退役する運命にあるが、長期に渡り大量生産が続けられたこともあり、未だその就役数は多い。AEU加盟国以外にも多数が輸出されているが、テロリストやゲリラなどに流出した機体も少なくなく、各地で社会問題化している。
AEU-05/92 AEUヘリオンイニティウム(ヘリオン92年型)
『00P』に登場(『2nd』にもゲスト出演)。西暦2292年に就役した初期生産型。第五次太陽光発電紛争の主力機として活躍した。後のモデルに比べやや大型、重量級の機体で、加えてエンジン出力も不足しているため、航空機としては中途半端な感が否めない。ただし、この欠点はモデルを重ねるごとに次第に解消されていった。武装はリニアライフルでは無く、炸薬式の180mm滑腔砲を装備。CB加入以前のイアン・ヴァスティが開発に携わっていた。
AEU-05/00 AEUヘリオンメディウム(ヘリオン00年型)
『00P』に登場。西暦2300年に就役した中期生産型。第五次太陽光発電紛争終結後の主力機。頭部にはそれまでのモノアイカメラに加え、多数のセンサー素子が集合したバイザーユニットを追加。全体の形状は92年型と後の05年型の折衷的なデザインとなっている。本モデル以降からリニア系火器が標準装備となったが、就役初期は肝心の火器の生産が追い付かず、92年型と同装備の機体も多かった。当初は92年型を旧型、こちらを新型と区別していたが、最終生産型である05年型の完成により、ラテン語で中間を意味する現在の名称に改められた。
AEU-05/05 AEUヘリオンベルベトゥウム(ヘリオン05年型)
西暦2305年に就役した後期生産型。全面再設計されたことで機体形状も洗練され、重量も92年型に比べ1t近く軽量化されている。テレビ本編に登場するヘリオンはほぼこのタイプとその派生機。
AEU-05 AEUヘリオン捕縛型
両腰部に磁性コントロール機能を持つリニアシールドを搭載したタイプ。飛行形態への変形機構が廃止され、頭部形状も変更されている。
AEU-05 AEUへリオン爆撃型
捕縛型とは対照的にMS形態への変形機構を廃した爆撃仕様。機首のリニアライフルを始め、脚部間に大型武装コンテナユニットを装備し又両碗を火器内蔵型に換装した重武装となっている。
AEU-05 AEUへリオン偵察型
背部に円盤状レドームを装着した偵察・早期警戒仕様。非武装で、機首にはリニアライフルに代わって、外付け式のレーダーユニットを装着する。
AEU-05G AEUへリオン陸戦型(ヘリオン グランドパッケージ)
MS形態時の陸戦能力を高めた機体。胴体の追加装甲により変形が不可能となっているが、飛行自体は可能。頭部形状が異なる他、腰部ドラムフレームに、短砲身のリニアキャノンが搭載されているなど改良は全身に及んでいる。モラリア共和国の主力機で正規軍の他、民間軍事会社(PMC)でも運用されており、数の上ではPMC所属機の方が多い。AEUイタリアなどにも配備されている。
AEU-05 AEUヘリオン宇宙型 テロリスト仕様
人革連の軌道エレベーター「天柱」の電力供給開始10周年記念式典を襲撃したテロリスト達が使用した機体。頭部はメインセンサーが露出したタイプに変更され、背面のエンジンブロックは、空間戦闘用に主翼を廃した代わりに、バーニア4基に換装されている。主兵装のリニアライフルはAEU正規軍と異なる独自品を装備。また、2機がかりで牽引する大型ミサイルコンテナの存在が確認されている。『2nd』ではカタロンによって運用されているのが確認できる。
AEU-09 AEUイナクト
ヘリオンの後継主力可変MS。リアルドを原型とするヘリオンに倣い、同じユニオン製のフラッグを参考に開発された。ビリー曰く「フラッグの猿真似」。フラッグに通じる機体形状や自力での変形機構に加え、独自の機能として軌道エレベーターの太陽光発電システムから電力を無線供給する外部電源方式を採用。供給範囲内であれば、理論上無制限に近い活動時間を持つ。
『2nd』では連邦正規軍の他、連邦非加盟国においても採用されており、カタロンにおいても指揮官機として運用されている。
  • リニアライフル - メインの射撃武装。開発計画では、本体が受信した太陽光発電のパワーを銃へも供給する予定であった。
  • ソニックブレイド(プラズマソード)- 超高硬度カーボン製のアサルトナイフで、刀身からプラズマを発生させ、剣状に収束するプラズマソードとしても使用可能。
  • ディフェンスロッド - 左腕の防御装備。回転するローターに適切な傾斜角で敵弾を着弾させ跳弾させる。
  • 20mm機銃 - 股関節に内蔵された円形パーツの左側に装備される機銃。牽制や対人用などに使用する。
  • ミサイル - 脚部は空洞であり、ウェポンベイとなっているため、ミサイルなどの武装が収納できる。
AEU-09T AEUイナクト指揮官型
頭頂部にアンテナを増設し、通信機機能を強化した指揮官仕様機。
AEU-09T AEUイナクト(デモカラー)
公開演習用に用意された機体。基本的にT型とほぼ同一機であり、視認性向上の目的で明るいグリーンに塗装されている。『1st』第1話において、CBによる公式声明を伴う、表立った武力介入の最初の標的にされたのも本機である。
AEU-09Y812 サーシェス専用AEUイナクトカスタム(モラリア開発実験型)
モラリア共和国のPMCトラストが、研究用に入手したイナクトを独自に改修した機体。サーシェス専用機として、ガンダム鹵獲任務に投入された。将来的なビーム兵器の実用化に備え、頭部及び両肩の太陽光エネルギー受信アンテナを大型化し電力供給量を拡大。またサーシェスの希望により、装甲削減による軽量化や反応速度の向上などが行われている。武装は銃身に伸縮式の大型カーボンブレイドを内蔵したブレイドライフル、その銃身に追加されたミサイルランチャー、腕に外付けされる大型ソニックブレイド(プラズマソード)、他にも前腕のウェポンベイに、カーボンダガーやグレネードなどの武器を収納可能と、制式機よりも強力な装備を持ち、実際にサーシェスは本機でエクシアと互角以上に渡りあっていた。
AEU-09Y812/A サーシェス専用AEUイナクトカスタム(アグリッサ型)
アグリッサとの連携運用のため、機体表面に対プラズマフィールド用の赤い防護塗装を施したマイナーチェンジ機。
AEU-09OP AEUイナクト宇宙型
宇宙戦用のバリエーション機。背部のプラズマジェットをロケットモーターに換装し、主翼も撤廃している。武装としては、
サブバッテリーを搭載したリニアライフルや脚部にロケットランチャーを装備。『2nd』にてカタロンの機体として登場する。
AEU-09RG AEUイナクトスイール王宮警護型
『2nd』に登場。中東の大国、スイール王国の王宮警護用に配備されたカスタム機。白地に金のラインというカラーリングと、独特の形状を持つ頭部アンテナが特徴。変形機構も廃されている。武装はブレイドライフルを装備している。
AEU-09/LS クラウス専用イナクト ランドストライカーパッケージ
『00V』に登場。イナクトの両足を後方に折りたたみ、砂漠用バディクラフト(ホバーキャリア)を装着したタイプ。装着状態は俗称でサンドチャリオットと呼ばれる。細部調整により水上でも使用可能[注 16]。擬似太陽炉搭載機に対抗するため、独自にレーザーキャノンを追加装備している[注 17]クラウス・グラードがカタロンの中東第三支部で使用していたが、アロウズの台頭による戦局の変化と、彼が支部長となった為、この機体が運用される機会は減りつつある。
AEU-03
AEU-04
共に『00P』において存在のみ語られる機体。AEU-03が陸戦専用、AEU-04が空戦専用の機体で、この2機種のノウハウから「AEU-05 ヘリオン」が開発される。

MA

AEU-MA07013 アグリッサ
『1st』に登場。第五次太陽光発電紛争で使われた大型MA。劇中には蟹のような外見の多脚型(タイプ13)が登場しており、6本の脚を折りたたみ飛行も可能。劇中ではサーシェスのイナクトカスタムと合体し、操縦系統もイナクトカスタムからとなっているが、MA単体でも運用が可能。武装としてプラズマキャノンが搭載されている[3]他、脚からはプラズマフィールドが展開できる。
『1st』本編に登場した多脚型以外にも、ホバー型などのバリエーションが存在すると設定されており、第五次太陽光発電紛争当時には専らホバー輸送艇として使用されていたとされる[18]
AEU-MA0707 アグリッサ タイプ7
『00P』に登場。アグリッサの先行生産モデル。脚は上記のタイプ13と違い4本。その代わり、近接戦闘用のカーボンクローが追加されている。プラズマフィールドが主兵装だが、プラズマフィールド発生器を取り除き、そのスペースに物資を懸下し輸送機としても運用可能で、最大でMS2機の輸送が可能。機体表面はナノマシンに覆われており、任意にカラーリングを変更することができる。

その他

輸送機
物資の搬送などに使われた輸送機。両翼に計4基のエンジンを備える。積載能力に優れた大型コンテナを有しており、AEUの兵站を支えた。地上での、ガンダム鹵獲作戦展開時には、双方向通信用端末の散布にも用いられた[17]

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人類革新連盟

人類革新連盟(人革連)の機体は陣営ごとのデザインの傾向として、戦車のような重装甲のメカニックというイメージが与えられている[18]。またMSとMAでインターフェースが統一されている一方でコックピットは狭く[21]、パイロットは機械の部品のように扱われており[22]、居住性や乗り降りの利便が重視されない傾向があるという設定を持つ[21]

MS

MSJ-06II-A ティエレン地上型
人革連の主力量産型MS。Eカーボン製の重装甲と大型火器で身を包んだ機体。このため、機動性では他国の機体に大きく劣るが、十数年に渡って蓄積された実績による高い信頼性を持ち、数多くのバリエーションを生み出している。
他国の機体と違い、コックピット内には一切のモニターがなく、パイロットはヘッドマウントディスプレイが取り付けられた専用のパイロットスーツを着用して外部の情報を得ており、また直立状態で操縦を行う。そのことと外見から、小説版では他陣営から「生きた棺桶」と呼ばれている。
武装は各種実弾武装(機銃や滑腔砲)に加え、接近戦用のカーボンブレイドを標準装備する。「ティエレン」は、「鉄人」の中国語読み。 なお、既に退役しているが、かつては「MSJ-05 ティエレン」という、より旧式の機体も存在した。
『2nd』では、擬似太陽炉搭載機の配備が不十分な地球連邦軍に配備されているほか、反連邦組織「カタロン」でも運用されている。機体デザインは寺岡賢司。ティエレンの開発主任、ケンズィー・テラオカノフ氏として設定されている。
MSJ-06II-LC ティエレン長距離射撃型
地上型に頭部を完全に覆い隠す大型滑腔砲を搭載した長距離支援機。メインセンサーは胸部に設置されている。脛部シールドは両脚に装備。砲撃時における安定性を確保するため、尻部にアンカーを設置している。当然ながら地上型以上に動きは鈍重で、アンカー展開時はほとんど身動きが取れなくなる。
MSJ-06II-AC ティエレン対空型(ティエレンツーウェイ)
『00V』に登場。地上型の頭部を四連装155mm50口径対空砲に換装したタイプ。頭部の他腕部に4連装ミサイルポッド、腕部に6砲身60mm液冷バルカン砲を装備するなどかなりの重武装である。通称のツーウェイは「ハリネズミ」の意。
MSJ-06II-E ティエレン宇宙型 / MSJ-06II-ET ティエレン宇宙指揮官型
無重力戦闘を目的とした宇宙戦タイプ。全身各所に推進、姿勢制御用スラスターを備え、空間機動力を強化。脚部にはシールド兼用の円筒状大型プロペラントタンクを両膝から突き出る形で装備する。標準装備の滑腔砲は銃身の効率的な冷却のため専用の放熱板が追加されている。この放熱板は接近戦用のカーボンブレイドとしても使用可能である。
指揮官機は両肩にスラスターとセンサー内蔵のシールドが装備され、頭部の通信機能も強化されている。本編ではセルゲイ専用機として登場した。コックピット内は真空にされているため、パイロットにはヘルメットに繋ぐチューブによって外部情報と共に空気が送られている。
『2nd』では、反連邦組織「カタロン」に配備されている。
MSJ-06II-C ティエレン高機動型
腰部に水平展開式の可変翼、脚部内に推進用ジェットエンジンを搭載した高機動タイプ。一応飛行が可能となっているが機動力は低く、空戦ではなく戦地への迅速な移動を目的とした物。ゆえに飛行型ではなく高機動型と呼ばれる。
MSJ-06II-C/B ティエレン高機動B型 / MSJ-06II-C/BT ティエレン高機動B指揮官型
高機動型のバリエーション。飛行能力をオミットし脚部内の推進用ジェットエンジンの推力を増強した上で防塵処理を施した砂漠戦用機。機動力において陳腐化が著しいA型(地上型)の後継機として砂漠以外でも運用されている。
指揮官機は上半身がET型(宇宙指揮官用)と同形状である他は通常型と同じである。本編でもET型と同じくセルゲイ専用機として登場する。
『2nd』では連邦正規軍の主力陸戦型MSとして拠点防衛などに運用されている。また、反連邦組織「カタロン」もこの機体を所有している。
MSJ-06II-SP ティエレン超兵型(ティエレンタオツー)
『1st』に登場。ソーマ・ピーリスが搭乗する機体で、宇宙・地上両面での行動を想定した汎用機として製造された次世代ティエレンのテスト機を[23]、超兵仕様にカスタマイズしている[24]。両肩のシールドや脚部を始め、全身各所に配置されたスラスターによって、通常のティエレンを遥かに上回る機動性を発揮する。各部センサーや情報処理能力も強化され、頭頂部にはT字型のモノアイレールが追加されている。またコックピットも他のティエレンシリーズとは異なり、ヘッドマウントディスプレイを用いない、全周囲型の一般的なタイプとなっている。その性能に比例してパイロットに掛かる負担も非常に重く、訓練された超兵以外に乗りこなすことは不可能とされる。なお、初登場時は性能試験の性質上、ヘッドマウントディスプレイ式で運用された。タオツーは中国語表記で「桃子」。
MSJ-06III-A ティエレン全領域対応型(セルゲイ専用ティエレンタオツー)
『2nd』に登場。タオツーの基となった次世代ティエレンの完成型で一般兵仕様機。外見は全く同一の機体で、愛称も同じく「タオツー」と呼ばれる。当初は人革連の次世代機候補の筆頭であったが、地球連邦軍設立に伴い擬似太陽炉搭載機の正式配備が決定されたため少数生産に止まった。推進系は大気圏内での単独飛行が可能なほどに出力が強化され、GNコンデンサーを搭載した非太陽炉搭載機用のGNビームライフル[注 18]を携行する。ビームライフルの銃身下部からはビームサーベルを発生させることも可能。GN粒子非対応型の本機のOSではビームライフルのコントロールまでは出来なかったため、もっぱら光学センサーによるパイロットの制御に一任されている。そのためビームライフル使用の際には、高度なパイロット技能を要する[23]
パング・ハーキュリー率いるクーデター派によるアフリカタワー占拠事件では、説得のため低軌道ステーションに向かったセルゲイ・スミルノフが青い本機を使用した。これは『2nd』時点で本機はほとんど存在していないため、ハーキュリーに搭乗者はセルゲイだと示すために使用したとされている。
MSJ-06YIII-B ティエレン全領域対応試作型(ティエレンチーツー)
『00P』に登場。次世代機開発の実験機。タオツーに近い外見だが、複座機となっており、前方座席はタオツーと同じく全周囲モニターになっているが、後部座席は従来と同じである。そのためタオツーのプロトタイプに相当する。試製500mm多段階加速砲など実用化前の試作兵器を装備する。
MSJ-06II-ED ティエレン軌道エレベーター守備型(ティエレンジィージュー)
『00V』に登場。軌道エレベーター「天柱」防衛用に転用されたタイプ。実態はリニアトレインの軌道であるカーボンレールを移動する移動砲台であるが、レールより常時電力が供給されるため他のタイプでは装備できない大出力リニアカノンを標準装備する事が可能であり、防衛能力は高い。脚部はレールを移動するための台車となっており人型だが歩行機能は有していない。タイヤを装着する事で重力下で大型戦闘車両としての運用が可能となっており、「天柱」の下部都市「極市」防衛用に配備されている。連邦軍の機体が擬似太陽炉搭載機へ移行するなかも、運用が続けられた。ジィージューとは中国語表記で「蜘蛛」。
MSJ-04 ファントン
『00P』に登場(『2nd』にもゲスト出演)。第五次太陽光発電紛争時の主力MS。動力は内燃機関で発電し起動する。機体各所にハードポイントが設けられているが、メインの火器は外見的特徴である胸部から突き出た頭部の下に搭載する。他、近接戦闘用にカーボンスピアを装備している。後継機のティエレンと同じくパイロットはヘッドマウントディスプレイから情報を得る方式だが、こちらはコックピット内に固定されている。軌道エレベーター「天柱」の完成により主要エネルギーが化石燃料から太陽光発電に本格移行し、それに対応した次世代機ティエレンの配備に伴い第三国へ払い下げられた他、アンフと同仕様に改装された機体や内燃機関から燃料電池方式に換装された機体も存在する。人革連では、2307年時点でアンフと同仕様に改装された機体を除いて既に退役が完了している。
MSJ-04T ファントン指揮官型
ファントンの指揮官型。胴体部にアンテナを2本追加され策敵、通信能力が向上している。
MSER-04 アンフ
『1st』の冒頭場面をはじめ全編に登場。ファントンの輸出・レンタル仕様[注 19]で、その名はアラビア語で「鼻」を意味しており、胸部から鼻のように突出した頭部が特徴。関節部に防塵処置が施されており砂漠における運用に適している。
武装は頭部下に搭載された対人用機銃と、腕部に搭載されているティエレンと同型の滑空砲。ティエレンに輪をかけて鈍重で、性能も遠く及ばない。旧式の内燃機関を搭載しているため被弾すると容易く爆発してしまう(一部地域では燃料電池式に改修されたり、化学反応型燃料を使用するエンジンに換装されている)。
人革連では、比較的重要度の低い地域を中心に配備されている他、積極的に輸出しており、輸出先のオーダーによりカスタマイズされている。貧困国を中心に主力MSとして広く普及しているが、ユニオン、AEU加盟国にも輸出されており、多くが武装を取り外した作業用MSとして普及している一方で、少数が標的機や安価な警備用MSとして採用されてる。
普及率の高さゆえに、作業用として購入した機体を戦闘用に改造する業者もおり、上記のヘリオンと同じくMSによるテロに使われるケースが多く、社会問題化している。
2307年時点では旧スリランカの反人革連勢力(シンハラ人勢力)やアザディスタン王国、アフリカ諸国などで主力MSとして運用されている他、タクラマカン砂漠の核貯蔵施設を襲撃したゲリラも使用していた。次世代機が多く流出している2312年時点においても多数が稼動状態にあり、反連邦組織カタロンの主力の一翼を担っている。また、地球連邦平和維持軍も保有しており、対MS戦は一切考慮されておらず、足回りの装甲を追加し、頭部モノアイにバイザーを取り付けるなど、暴徒鎮圧等の対人戦闘に特化した改良がなされている。

MA

MAJ-V34 ジャーチョー / MAJ-V34AI ジャーチョー無人型
小型戦闘車両型MA。歩兵とMSの中間に位置する兵器として位置付けられ[21]、主にMSのサポートや市街地などMSでの活動には不向きな場所で運用される。ジャーチョーのみでのMSとの戦闘は殆ど行わず、専ら市街戦等の対人制圧を主目的とする。有人型を指揮車に多数の無人機が随伴し部隊運用される。機体前方に筒状のパーツがある方が無人型。
MAJ-S08 シャオショウ
宇宙用小型MA。胴体はスペースポッドだが、18m級MSと同サイズの腕部が装着され、下半身は存在せず、胴体下部にティエレンE型と同型のプロペラントタンクが1基、垂直に装着されている。 元々は作業用に開発されたが2290年代に軍用兵器に転用された。腕部に50口径80mm長滑空砲を搭載するが、2300年代にはすでに戦闘用としては第一線を退いているため、主に軌道エレベーター作業用として運用されている。またシャオショウとは中国語で「手首」の意。シャル・アクスティカも学生時代、この機体を使用していた[注 20]
MAJ-P13 フェイモウツー / MAJ-P13AI フェイモウツー無人型
航空機型飛行用MA。飛行型MSの開発が遅れていた人革連では重要な航空戦力である。その為戦闘の他、偵察や哨戒にも使用される。有人型と無人型が存在し、無人型は機首にジャーチョー無人型と同型のセンサーが搭載されている。武装は、機首下の旋回式の20mm機関砲と、ミサイル6発。
MAJ-03 シュウェザァイ
海老の様な外見の旧式水中用MA。武装は一対のクローアームと胴体左右計10門の魚雷発射管。また、頭部には噛みつき攻撃用の顎状の武器を備える[22]。製造元である人革連では沿岸警備の目的で配備されている。シュウェザァイとは中国語表記で水蠆、ヤゴトンボの幼虫)の意。『1st』第8話では、国際テロネットワーク「ラ・イデンラ」に流出した機体が登場している。

艦船及びその他

EDI-402 ラオホゥ
『1st』に登場。人革連の多目的輸送艦。12機のMSを搭載可能。3基のコンテナが放射状に配置されているのが特徴。艦橋部がシャトルとなっており、コンテナ部と艦橋部が分離可能となっている。その為コンテナ部を質量弾として特攻させるといった事も出来る。武装はコンテナ前方部にミサイルが搭載されている。ラオホゥは中国語表記で「老虎」。
EDI-402 ラオホゥ武装強化型
『2nd』に登場。旧人革連のラオホゥを改修し武装を強化したもの。コンテナ前方部にリニアキャノンが増設されている。反連邦組織カタロンの保有艦として登場した[17]
輸送艦
全長150m級の海上輸送艦。艦首及び艦尾に大型のクレーンを持つ[17]
大型輸送機
主に物資の搬送に使われる輸送機。長大な両翼に計4基のエンジンを備える[17]
トレーラーベース
MS支援用の大型車両。四脚状の車体の上部に用途に合わせ様々なオプションを搭載する。
MSキャリア
トレーラーベースのMS輸送形態。積載MSは1機で、MSの陸上輸送に用いられる。輸送時にMS全体をカバーが覆う。側面にフロートを装着することで、渡河や水上輸送も可能。
射撃管制車両
トレーラーベースのバリエーションの一つ。目標の現在位置や距離、移動速度などを観測し、砲撃を行うMSのサポートを行う。ティエレン長距離射撃型に随伴することが多い。
司令塔車両
トレーラーベースのバリエーションの一つ。部隊の情報が集約され、地上部隊の移動司令室として機能する。原則非武装なので護衛のMSかMAを必要とする。

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国連軍 / 地球連邦平和維持軍 / アロウズ

MS

GNX-509T スローネ ヴァラヌス
『00V』に登場。アレハンドロ・コーナーによって独自に開発され、後に国連軍に提供された「ジンクス」の試作機にあたる機体。試作段階であるため、機体各部には基となったガンダムスローネの名残が見られる。「ジンクス」の大きな特徴でもある肩と腰のGN粒子発生器は既に実装されている。これはクラビカルアンテナを発展させたもので、粒子制御能力の向上によって操縦性が高められている。また、スローネでは胸部に位置していたコックピットは股間部に移されており、形状は変更されたが「ジンクス」も同様となっている。専用施設を備えた基地や母艦からの出撃を前提としているため、スローネのような太陽炉の始動機は装備されていない。
GNX-603T ジンクス(GN-X)
擬似太陽炉を搭載した量産型MS。CBの監視者であるアレハンドロ・コーナーが、ヴェーダから引き出した情報と、「HARO」から得られた擬似太陽炉のデータを基に密かに開発した。完成後は南極の地下施設に隠匿されていたが、トリニティによる武力介入によってガンダムに対する敵意が十分に高まったのを見計らい、アレハンドロの手によって三大超国家に提供された。
各国家群に10機ずつ、計30機が装備・予備パーツとともに提供され[注 21]、それぞれの陣営が誇るエースパイロットたちが搭乗した。ユニオンで解体された1機を除く29機がガンダム殲滅作戦に投入されたが、CBとの激しい戦いの末、稼動可能な状態で生き残ったのはソーマ・ピーリスが搭乗した1機のみである。
頭部に搭載されたサブコントロール・システムは、基本操作のバックアップのほか、三大陣営の既存MSの操縦システムに対応する柔軟性も持ち合わせており、使い慣れた機体に近い状態で操縦することが可能となっている[25]。また、肩と腰のGN粒子発生器は高い粒子制御能力を持ち、馴れないパイロットであっても機体制御を容易に行なえるように配慮されている。機種転換訓練も十分に行なわれない状況で、ガンダムとの初戦で互角以上の戦いができたのはこのためである。ガンダムに匹敵する基本性能を持っているが、汎用MSであるため、各ガンダムが得意とする局面においては分が悪い。
CB壊滅後、擬似太陽炉の量産が軌道に乗ったことで国連軍の主力MSとして量産・配備された。後継機の開発後は、初期型として「ジンクスI」と呼ばれている。 スローネのように始動機を装備していないため、太陽炉の起動には専用の設備が必要となる。
機体デザインは海老川兼武が担当。 ジンクス系の機体デザインは全て彼の手によるものである。
  • GNビームライフル - 大型のGNコンデンサーを搭載した専用のライフル。出撃前に銃身部分を換装することで、射程の長いロングバレル、連射性能の高いショートバレルのいずれかを選択できる。
  • GNビームサーベル - ガンダムと同様の近接戦用武装。発振器は両脚部に計2本収納されている。
  • GNバルカン - 頭部に2門内蔵されており、牽制やミサイルの迎撃等に使用される。
  • GNクロー - 鋭い指はGN粒子で覆うことで打突武器としても使用出来る。しかし緊急時の攻撃手段であり、積極的に使用されることは無い。
  • GNシールド - AEUやユニオンのMSと同様のディフェンスロッドが内蔵されており、GNフィールド効果が付加されることで高い防御力を発揮する。
GNX-604T アドヴァンスドジンクス
『00V』に登場。603T後期生産型の改良機で、より高性能な機体を要求する一部のエースパイロットのために、ごく少数のみ生産された。推進系やアビオニクス等が強化されたほか、両肩にはハードポイントが追加され、大型GNディフェンスロッド等が装備されている。脚部に大型バーニアが増設されたため、ビームサーベルの搭載位置は改良型ビームライフルの銃身下部に変更され、銃剣のような使い方も可能となっている。試作型のGNランス、GNランチャーを装備した機体など、パイロットの特性や作戦の内容などによって、数種類のバリエーションが存在する。
GNX-606T ジンクスII
『00F』に登場。604Tの運用データを基に開発された603Tの後継機。肩と腰のGN粒子発生器が小型化されているほか、604Tと同様に両肩にハードポイントを備えている。汎用機であった603Tとは違い、機体に様々な特性を持たせることができるため、より幅広い作戦行動が可能となっている。
GNX-607T/AC ジンクスIIソード
肩に大型GNバスターソードを装備した近接戦闘に特化した機体。バスターソードはGNフィールドを展開可能な盾としても使用できる。
GNX-607T/BW ジンクスIIキャノン
肩に大型GNキャノンを装備した砲撃戦に特化した機体。両肩に装備して、さらに火力を高めることも出来る。頭部は強化された射撃用センサーを搭載しているため、通常の形状とは大きく異なっている。
GNX-609T ジンクスIII
『2nd』に登場。更なる改良が加えられた606Tの後継機。地球連邦樹立後の主力機として採用された。肩と腰のGN粒子発生器が更に小型化され、GNランスが標準装備となっている。また、GNシールドのGNフィールド発生機能が強化され、防御力も向上している。最新鋭機「アヘッド」の登場により、擬似太陽炉搭載型MSとしては既に旧世代に属するが、連邦が擬似太陽炉の技術を独占している現状では依然強力なMSである。
カラーリングは連邦正規軍所属機は薄い青、アロウズ所属機は臙脂に近い赤となっている。擬似太陽炉搭載機の供給は十分ではなく、またアロウズに優先して配備されるため、連邦正規軍への配備は遅れている。アロウズと正規軍の機体に基本性能の差は無いが、アロウズ所属機は搭乗するパイロットの専用機として最適化されており、より高い性能を発揮することが可能となっている。
  • GNランス - 機体を超える長さを持つ大型の突撃槍。速射性に優れる小型ビーム砲4門が内蔵されている。先端部をGNフィールドで包むことで格闘戦も可能。
GNX-612T/AA スペルビア ジンクス
『00V』に登場。海中からの強襲揚陸作戦に特化した特殊MS。専用の強襲揚陸ユニット[注 22]を装着して水中から接近し、上陸後にユニットを排除、地上戦へと移行する。ジンクスIIIのバリエーションという位置付けだが、MAレグナントなどと共通する可変機構や頭部センサーなど、イノベイターの独自技術が多く投入されており、性能的には開発途中の次世代機「ジンクスIV」に近く、腰のGN粒子発生器は外見上確認できない。本来の所属は連邦正規軍だが、正規軍がアロウズに吸収されたため、主にアロウズ将兵やライセンサーによる特殊な作戦に運用された。名称の「スペルビア(Superbia)」とはラテン語で「誇りある」を意味し、英語の「最高」=「スーパー(Super)」の意も含まれている。 型式番号の「AA」は「Amphibious Assault(強襲揚陸)」の意。
  • GNクナイ - 両腕に装備されるやや刀身の短いGNソード。GNバルカンを内蔵している他、柄部分からはGNビームニードルと呼ばれる小型のビームサーベルを発生させ、奇襲に用いることも出来る。
  • GNバルカン - 腰部にある唯一の固定武装。側面にホバーユニット装着用のハードポイントがある。
GNMS-XCVII アルヴァアロン
『1st』に登場。監視者アレハンドロ・コーナーが搭乗する金色のMS。通常はアルヴァトーレのコアユニットとして内部に格納されている。1ガンダムを基に設計されており、胸部にその名残が見られる。武装はアルヴァトーレの副砲を兼ねる長砲身型のGNビームライフル2挺と、双刃のGNビームサーベル。背中の巨大な翼は、クラビカルアンテナとしての機能を持ち、強力なGNフィールドを展開することができる。また、翼を機体の前方に展開することで、粒子圧縮効果により、ビームライフルの威力をアルヴァトーレの主砲に匹敵する程に強化することもできる。
頭部のデザインが『機動戦士ガンダム』のジムを連想させるため、ファンの間では『金ジム(金色のジム)』とも呼ばれる。ドラマCDではその件についてがネタにされた。
GNMA-XCVII アルヴァトーレ
『1st』に登場。CBとの決戦において、国連軍の増援として登場した金色の巨大MA。7基もの擬似太陽炉を搭載しており、主砲の巨大ビーム砲は超遠距離から強力な砲撃を行なうことが出来る。劇中では、プトレマイオスのセンサー有効範囲の限界に近い地点から先制攻撃を行い、大きなダメージを与えた。機体側面に合計22門のビーム砲を備えるほか、中距離戦用の大型GNファング、近距離戦用の大型クローアームなど、ほぼ隙なく武装を揃えている。展開されるGNフィールドもきわめて強固で、ビーム砲やミサイルなどによる遠距離からの攻撃は一切通用しない。
擬似太陽炉から放出されるGN粒子の色は、アレハンドロの趣味で金色に近い色合いに調整されている。また、重力下での運用も想定されており、そのための脚部も存在する。
GNX-704T アヘッド
『2nd』に登場。ジンクスを発展させた新世代の汎用MS。アロウズの上級士官にのみ配備される最新鋭機であり、第3世代のガンダムを凌ぐ性能を持つ。頭部にジンクスの特徴は残されているが、ティエレンが太陽炉の出力に耐えうるフレームや関節、エネルギーケーブルを体内に収められるスペースを持っていたことから[26]各部関節にはティエレンと同様のモーター構造を採用するなど[27]、機体構造は大きく変貌しており、サイズも一回り大型化している。その一方、人革連が鹵獲したキュリオスの設計も参考にされており[28]、性能を追求した結果としてよりガンダムに近い基本構造も備えている[29]。特に太陽炉を搭載する胸部にはガンダムと同じ内部構造が用いられているが、ガンダムに否定的な世論を考慮し、背中のコーン部以外のこうした特徴は装甲によって徹底的に覆い隠されている[29]
機体デザインは寺岡賢司。サキガケを除くアヘッド系の機体デザインは全て彼の手によるものである。
  • GNバルカン - 頭部に装備されている30mmビームバルカン砲。主にミサイルの迎撃や牽制などに使用される。
  • GNビームライフル - 破壊力、射程ともにジンクスのものを凌駕している。大腿部にマウントされる。
  • GNサブマシンガン - GNビームライフルの銃身と側面のGNコンデンサーを取り外すことで、連射性能の高いマシンガンとして使用できる。
  • GNビームサーベル - 肩の装甲内に格納されている。ジンクスと同様のものである。
  • GNシールド - シールドの表面にGNフィールド効果を加えることで、より高い防御力を実現している。
  • NGNバズーカ - 実弾式のバズーカ砲。カートリッジを交換すればビームも発射できる。ジンクスも装備可能。ラグランジュ2におけるCBとの決戦で使用された。
  • GNミサイルランチャー - MS2機がかりで牽引する大型ミサイルランチャー。艦載式の物と同サイズのミサイルを発射する。ラグランジュ2におけるCBとの決戦で使用された。
GNX-704T/AC アヘッド近接戦闘型(ミスター・ブシドー専用アヘッド、アヘッド・サキガケ)
ミスター・ブシドーの専用機としてカスタマイズされた、接近戦に特化した機体。立物を模した頭部の大型クラビカルアンテナや、胴丸状の胸部追加装甲など、鎧武者を思わせるデザインとなっている。主な武装は太刀型のGNビームサーベルと脇差型のGNショートビームサーベルで、格闘時の両腕の可動域を確保するため、背部GNバーニアの向きが変更されている。また、左利きであるブシドーに合わせ、ディフェンスロッドを内蔵したシールドは右腕に装備されている。アヘッドの標準武装である頭部のGNバルカンのほか、背部GNバーニアにはGNショートビームキャノンを1門ずつ内蔵しているが、射撃戦は考慮されていないため、牽制程度の威力しか持たない。
他のアヘッドタイプとは違い、改修部分や専用武装は福地仁によってデザインされている。
GNX-704T/SP アヘッド脳量子波対応型(アヘッド・スマルトロン)
脳量子波による機体制御システムを搭載したアヘッドのカスタム機。脳量子波を使用することができるパイロットにしか乗りこなすことは出来ない。背部に搭載された大型の推力偏向スラスターによって、高い機動性を誇る。当初はソーマ・ピーリスが搭乗していたが、彼女がアロウズを離脱した後は、本機への搭乗を希望したルイス・ハレヴィの乗機となった。「スマルトロン」とはスウェーデン語で「野イチゴ」を意味し、この命名は、人革連の超兵専用機であったティエレンタオツー(桃)に倣ったものである[30]
GNX-704T/FS アヘッド強行偵察型(アヘッド・ロングテール)
『00V』に登場。単機での長距離・長時間活動を目的に開発されたアヘッドの特殊仕様。搭載される擬似太陽炉は、一定量のGN粒子を長時間にわたって生産し続けるように調整されている。また、活動時間の更なる延長のため、胸部の大型バッテリーの他、GNコンデンサーも搭載されている。バックパック下部にはマイクロウェーブ受信アンテナを装備しており、マイクロウェーブ供給範囲内では活動時間に制限がない。
腰に装着されたタンクは推進剤としての水の他、GN粒子を貯蔵する機能も併せ持っている。また、背部バックパックとして装着される大型GNバーニアユニットは、GN粒子の噴射量を最小限に抑えつつ、最大の推進力を発生させられるように調整されている。このため、無補給で一週間近い連続活動が可能だが、通常の機体のように瞬発的に大量の粒子を消費する場合には、コンデンサーに貯蔵した粒子を消費する必要がある。
武装はアヘッドの標準装備に加え、バックパックに大型のGNビームキャノンを備えている。GNビームキャノンは推進用の粒子を転用することで射撃可能となる武装で、高い威力を誇る。頭部には専用の高精度Eセンサーを装着しているため、GNバルカンの使用は制限される。
この機体の運用データを参考に、通常のアヘッドに装着して使用できる長距離航行用ブースターユニットの開発も行われている。
GNX-Y802T ノーヘッド
『00V』に登場。アヘッドをベースに元人革連技術者によって開発された、連邦軍の次世代主力機候補の1機。サキガケやスマルトロンなど、アヘッドのカスタム機のデータが反映されており、背部にはスマルトロンと同型の推力偏向スラスターが搭載され、各部の装甲も強化された分肘やふくらはぎにはGNコンデンサー兼用のスラスターが組み込まれている。本来は「新世代のアヘッド」の意味から「ネオヘッド(Neo-hed)」と命名される予定だったが、頭部の無い(no head)その奇抜な外見から現在の名称が定着した。頭部が廃された理由は、センサーを機体各部に分散させることで、戦闘でセンサーが破壊された場合の戦闘能力の低下を最小限に抑えるためである。後にアロウズが失脚したことで、アロウズの象徴とも言えるMSアヘッドはそのマイナスイメージにより主力の座から外され、その発展機である本機の開発も、十数機の試作機が製作された時点で中止に追い込まれた。
  • GNソード - サキガケで得られた近接戦闘データを使用した為、左利き用の武装配置になっている。量産化の際は右利き用も生産予定だった。
トランザム実験用試作機
『2nd』に登場。ビリー・カタギリにより開発が進められていたが、ミスター・ブシドーが更なる機動性を要求したため代わってマスラオが開発された。外観上はマスラオに酷似した胴体と肩及び腰、アヘッド同様の手足を持つ。
GNX-U02X マスラオ(磨修羅生)
『2nd』に登場。サキガケに代わるミスター・ブシドーの新たな乗機。アヘッドをベースに次世代主力機を開発していた旧ユニオン開発陣であったが、ミスター・ブシドーの機体となることが決まったことで、計画を一旦白紙化し[31]、フラッグをベースに改めて開発が行なわれた。最大の特徴は、擬似太陽炉搭載機としては初めて「トランザムシステム」を搭載していることで、これはレイフ・エイフマンが遺した資料を基に、ビリー・カタギリが独自に開発したものである。
外見はフラッグに鎧兜を着せた様な姿で、後頭部のエネルギーケーブルなどサキガケの特徴も受け継がれている。擬似太陽炉は腰の左右のバインダーに1基ずつ、計2基が搭載されている[32]。ベースに使用されたフラッグは戦死したブシドーのかつての部下ダリル・ダッジの機体で[31]、頭部のフェイスガードの下にはフラッグ本来の顔が隠されている。また、背中のパーツが旧ユニオンのシンボルマークを象っているのが特徴。
機体デザインはマスラオ・スサノオともに福地仁が担当。
  • GNロングビームサーベル、GNショートビームサーベル - 日本刀型のGNビームサーベル。ロングサーベルには「ハワード」、ショートサーベルには「ダリル」と、ガンダムとの戦いで戦死した、ブシドーのかつての部下達の名が冠されている[31]
  • GNバルカン - 頭部と胸部に計4門内蔵されている。
  • ビームチャクラム - 頭部の強化発展型クラビカルアンテナに装備された特殊ビーム兵器。リング状のサーベルを発射することが出来る。
  • GNフィールド - 両肘と両肩の突起部分は、サブスラスターとしての機能も併せ持つ小型のGNフィールド発生器となっている。
GNX-Y901TW スサノオ
マスラオの強化型。赤い装甲が白に変更されたことで、機体の印象がさらにオーバーフラッグに近いものとなり、頭部のクラビカルアンテナをはじめ細部の形状も若干変更されている。強化サーベルやGNコンデンサーの増設によって、近接格闘能力がさらに強化されたほか、「トライパニッシャー」と呼ばれる強力なビーム砲が搭載され、遠距離攻撃も可能となっている。
アロウズの失脚によってアヘッドをベースとした新型機の開発が中止されたため、連邦の次世代主力機は、ジンクスIVとこのスサノオをベースとした量産機へと進み始めている。
  • 強化サーベル「シラヌイ」「ウンリュウ」 - マスラオの2基のビームサーベル発振器を移植した強化サーベル。刃の表面にビームサーベルを纏わせることで、実体剣とビームサーベルの両方の特性を持つコンビネーションソードである[31]。2本の剣は連結させることで、双刃の薙刀「ソウテン(蒼天)」となる。後頭部のエネルギーケーブルは、サーベルが分離状態の場合は発振器に、連結状態では左肩に接続され、背中のGNコンデンサーからサーベルへとダイレクトに粒子供給が行われる。
  • トライパニッシャー - 腹部と両肩の砲口からビームを発生させ、機体前方に圧縮して発射する強力なビーム砲。
  • ビームチャクラム - マスラオと同じく本機でも使用可能。
  • ガントレット - 左腕に装備された篭手。強化サーベルからのエネルギー逆流に対応するためのものだが、防御に用いることも出来る。
  • GNクロー - 腰のバインダーが変形することで、打撃用の大型クローとなる。

MA

GNMA-04B11 トリロバイト
『2nd』に登場。アロウズが運用した大型水中用MA。コックピットは複座型で、2名のパイロットが搭乗する。民間からの資本提供を受け、旧ユニオンの技術者によって開発された。メインカメラのセンサー部にはフラッグとの共通点が見られる。トライデント状のシルエットが特徴で、前部に2本、後部に4本の、折り畳み式アームを持つ。3基搭載された擬似太陽炉の高出力により、深海において驚異的な機動性を発揮する。機体名称は「三葉虫」の英訳。
  • クローアーム - 前部の格闘用武装。リニアスピアが内蔵されている。
  • GN魚雷 - 小型と大型があり、大型魚雷はプトレマイオス2のGNフィールドを突破する程の威力を持つ。
  • 対艦対地ミサイル - 本体に装備された、海上や陸地に向けて攻撃するミサイル。
  • ケミカルジェリーボム - 着弾と同時に硬化し、敵の動きを阻害する特殊爆弾。

艦船及びその他

バイカル級宇宙巡洋艦
『2nd』『00F』に登場。地球連邦正規軍、及びアロウズの主力戦闘艦。タンブルホーム型の船体が特徴。オービタルリングへの接舷時などには、艦橋と底面マストが可動する。MSは6機を搭載可能で、艦底部の出撃用ハッチに頭部を向ける形で格納されている。武装は甲板のレーザー主砲と対艦用GNミサイル。また、サイドスラスター側面には迎撃用の対空レーザーを持つ。劇中では、ガンダムやクーデター派のMSの接近を許し、あえなく撃沈されてしまう場面が数多く見られた。
ギアナ級地上戦艦
『2nd』に登場。重力下の飛行が可能な大型戦艦。中央部の格納庫に多数のMSを搭載可能なほか、武装として船体各部に計10基の10m級レーザー砲、多数のGNミサイル発射口を持つなど、高い火力も備えている[17]。着陸時には主翼を折りたたみ、そのまま地上基地としても運用できる。連邦正規軍、アロウズ双方で運用され、マネキンやセルゲイが艦長を務めていた。
ベーリング級海上空母
『2nd』に登場。双胴式の大型空母で、アロウズによって運用されている。後部にW字型の大型MS格納庫があり、その規模から少なくとも10機以上のMSを搭載することが可能と思われる。トリロバイトのような、大型水中用MAの運用にも用いられた。武装として収納式のメインレーザーキャノン、対空レーザーファランクスなどを持ち、艦自体の戦闘能力も高い[17]
ウラル級大型輸送艦
『2nd』に登場する大型輸送艦。最大で96機のMSを搭載可能。武装として船体の前後に計12基のレーザー主砲や対空用の固定レーザーを持つなど、輸送艦ながら高い火力も備えている[17]。中央部の大型格納庫には、レグナントのような大型MAを格納することもできる。ラグランジュ2におけるアロウズとの決戦では、マネキンが率いるクーデター派の艦として運用された。
指揮官用VTOL
『2nd』に登場。全長30m程のVTOL機。『2nd』第15話において、マネキンらアロウズの指揮官が運用した。クルーを含め、8人程度が搭乗可能で、武装として機体中央底部に30mmガトリングポッドが装備されている[17]
メメントモリ
『2nd』に登場。アロウズが低軌道オービタルリング上に建造した巨大自由電子レーザー掃射装置。宇宙太陽光発電システムより供給される莫大なエネルギーにより、大都市を一撃で消滅させるほどの威力を持つ衛星兵器で、2基が建造された。地上攻撃用の下部砲塔とは別に、上部にも砲塔を備えており、宇宙へ向けての発射も可能である。堅牢な装甲と多数の護衛部隊に守られ、さらに破壊が許されないオービタルリング上に存在していることもあり、この衛星兵器を通常の手段で攻略することはきわめて難しい。
メメントモリ」とはラテン語で「死を想え」「死を忘れるな」の意味。
1号基は第1射でスイール王国の首都を、第2射でリチエラ王国の軍事基地を、周囲に形成されていた100万人規模の難民キャンプごと消滅させた。上部砲塔による第3射では、メメントモリ破壊のために現れたカタロン艦隊に大損害を与えた。続いて現れたプトレマイオス2に対し第4射を行ったが、トランザムによる急加速によって回避された。その後、接近を許したことでメメントモリによる砲撃が不可能となり、セラヴィーとプトレマイオス2による集中攻撃で外部装甲を破られ、露出した弱点「電磁場光共振部」をケルディムの精密射撃によって撃ち抜かれ、破壊された。
2号基の存在はクーデター派による軌道エレベーター占拠の際に明らかになった。発射を阻止するべく、ダブルオーライザーのライザーソードによる攻撃が行われたが、機能停止には至らず、発射されたレーザーにより、後に「ブレイク・ピラー」事件と呼ばれるアフリカの軌道エレベーター崩壊が引き起こされた。事件から4か月後にCBによる再攻撃が行われ、ライザーソードによってこの2号基も完全に破壊された。

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イノベイター

『2nd』より登場。ヴェーダの情報を基にイノベイター(イノベイド)が開発したMS及びMA。オリジナルの太陽炉に迫る性能を持つ改良型擬似太陽炉や、脳量子波に対応した機体制御システムなど、連邦軍の擬似太陽炉搭載機にはない独自の技術が投入されている。ガンダムを基に開発された機体が多いため、CBの機体と共通する特徴も見られる。そのため、アロウズに配備される機体には、外見からガンダムとの関係性を悟られないように、頭部などに偽装が施されている。多くの機体がヴェーダの支援により操縦の負担を軽減しているが、そのリンクが絶たれた場合、性能低下や機能停止といった事態を招く危険性も孕んでいる。後に、CBに潜入していたアニュー・リターナーがプトレマイオス2から盗み出したデータにより、トランザムシステムの使用が可能となった。

MS

GNZ-001 ガルムガンダム
『00V』に登場。GNZシリーズのプロトタイプ。第2世代機プルトーネのデータが反映されており、CBのガンダムでは採用を見送られたコア・ファイターシステムを搭載している。額にはツインカメラに加え新開発のラインセンサーを採用、両肩には武装への粒子供給用の大型GNコンデンサーを内蔵する。これら一連の特徴は、機体の基本フレームと共に後継のGNZシリーズにも継承された。
機体名の「GRM(ガルム)」は「Generation of reborn MS (生まれ変わったMSの世代)」の略称である。綴りは違うが、北欧神話に登場する、地獄から這い出ようとする亡者を見張る冥界の猟犬「Garm」の意味も込められており、復活したCBに対抗する機体であることを強調している。ガンダムフェイスの偽装を施していなかった為、実戦参加はしていない。
『00I』においてリジェネ・レジェッタが軌道エレベーター内部で自らの能力(太陽炉のコントロール)のデモンストレーションに使用して、擬似太陽炉がバーストした状態でそのまま放置されている。その後ビリー・カタギリがコロニー型外宇宙航行母艦「ソレスタルビーイング」に保管されているのを見ている。
機体デザインは柳瀬敬之。同じく他のGNZ系MSも柳瀬がデザインを担当している。
  • 試作型GNメガランチャー - 艦砲を上回る威力を持つ携行式の大型ビーム砲。砲身を閉じることで、2連式のビームライフルとなる。粒子供給は両肩の大型GNコンデンサーから行われる。
  • GNビームサーベル - 両腰の装甲内に2基を格納する。ガデッサと共通の装備。
  • GNバルカン - 両手首付近に内蔵された小型ビーム砲。威力は低いが連射性能に優れ、主に牽制や迎撃に使用される。以降のGNZシリーズにも共通して装備される。
  • GNシールド - 内蔵されたGNコンデンサーを展開することで、広範囲にGNフィールドを発生させる。擬似太陽炉搭載機である制約上、使用時間は限られる。
GNZ-003 ガデッサ
ヴァーチェの流れを汲む砲撃戦用MSであり、アロウズに配備された最初のイノベイター専用機。この機体以降からガンダムフェイスに偽装が施されている。ガルムガンダムのものとは形状が大きく異なるが、コア・ファイターの分離・変形機能は引き継がれている。長距離侵攻など速度と航続距離が求められる任務では、GNZシリーズ共通のオプションである大型ブースターを両脚に1基ずつ装着する。
CBとの戦闘には、グリーンを基調とした機体色のリヴァイヴ・リバイバル機と、グレーを基調としたヒリング・ケア機の2機が投入される。
  • GNメガランチャー - ガルムガンダムのGNメガランチャーの発展型。ビームライフルの砲身が3連式となるなど、その機能は大きく強化されている。腰や砲身基部に専用のエネルギーパックを増設することで、連射性能を高めることができる。
  • GNカッター - 両肘に設置される鋭利な格闘武装。表面にGNフィールドを形成し攻撃力を高める。ビームサーベルほどの間合いはないが、その分緊急時の取り回しに優れる。同型機のガラッゾやガッデスも共通の装備を持つ。
GNZ-004 ガガ
GNZシリーズの簡易量産型。脚部が存在しない特殊な機体で、代わりに腕部とマニピュレーターが脚部としての役割を兼ねている。武装は胸部に内蔵されたGNバルカンのみと、戦闘力そのものは非常に低いが、それはこの機体が体当たりによる特攻を目的としているためであり、トランザムによる超加速を行うことでGNフィールドを突破することも可能である。ラグランジュ2での決戦ではブースターを装着しさらに加速力を高めた膨大な数の同機がCBとカタロン、クーデター派艦隊に対して特攻を仕掛けた。擬似太陽炉は一度トランザムを行い、粒子を使い切ると壊れてしまうため、特攻の成否に関わらずパイロットもろとも使い捨てられることになる。搭乗するパイロットはブリング・スタビティやデヴァイン・ノヴァと同ベースの遺伝子から大量生産された、自我を持たない死を恐れぬイノベイド兵達である。
GNZ-005 ガラッゾ
遠距離戦用のガデッサとの連携を想定した接近戦用MS。そのため、本機はGNバルカン以外の火器を持たない。戦闘時はメインカメラが保護用のバイザーで覆われるため、他のGNZシリーズとは異なる外見となる。
CBとの戦闘には、紫を基調とした機体色のブリング・スタビティ機と、グレーとダークグリーンを基調としたヒリング・ケア機の2機が投入される。
『00I』において、リジェネ・レジェッタによって3機のガラッゾがビサイド・ペインの脱出の為に投入される[注 23]が、フォン・スパークのアストレアTYPE-Fに全機撃破される。
  • GNビームクロー - 両手の指先から発生する爪状ビームサーベル。5指のサーベルを収束することで大型のビームソードとなる。サーベルの発振器を内蔵するため、他のGNZシリーズよりも大型のマニピュレーターを採用している。
  • GNスパイク - 拳や肩に設置される格闘用の突起。表面にGNフィールドを形成することで威力を高める。
  • GNフィールド - ガルムガンダムのGNシールドと違い、GNフィールド発生器が左肩と一体化した構造となっている。
GNZ-007 ガッデス
アニュー・リターナー専用機[33]。彼女がイノベイターとしての使命に覚醒し、CBから離反した際に与えられた。基本性能は他のGNZシリーズと遜色ないが、アニュー自身が戦闘に適さない情報タイプのイノベイドであるため、直接戦闘を避けることを前提とした装備がなされており[33]、偵察や情報収集が主な任務となる。作中ではケルディムと互角の死闘を繰り広げたが、これはロックオン(ライル)の側に、恋人であるアニューと戦うことへの躊躇があったためであるとされる[33]
デザイン担当の柳瀬によれば、当初は登場の予定がなかったものの、アニューのキャラクターイメージを反映する形で新たにデザインが描き起こされた。特にカラーリングにはアニュー役・白石涼子がリリースしたCDジャケットの色が投影されているという[34]
  • GNビームサーベルファング - 両肩に各2基、腰部に3基の計7基が搭載されている。通常のファングと違いビーム砲としての機能はないが、内蔵された多数のGNバーニアにより高い機動性を持つ。機体の特性上積極的な攻撃には使用されず、高い技量を必要とする接近戦を極力回避するための予防措置としての意味合いが強い[33]
  • GNヒートサーベル - 刀身に高温を伝導させることで高い切断力を発揮する実体剣。ファングの誘導アンテナを兼ねており、これを喪失すると誘導可能なファングの数、誘導範囲が半減するという弱点を持つ。
GNW-20000 アルケーガンダム
リボンズ・アルマークの私兵となったアリー・アル・サーシェスの専用機。スローネツヴァイの設計データを基に、イノベイターの最新技術を投じて開発された[35]。長い両腕や、4眼式のメインカメラなど、やや人型(ガンダムタイプ)から離れた[35]異形が特徴。擬似太陽炉は胸部と両脚部に計3基を搭載する[32]が、他のイノベイター専用機に搭載された改良型ではなく、スローネシリーズやジンクスIと同じ初期型を採用している。GNZシリーズと同じく背部ユニットはコア・ファイターに分離・変形するが、擬似太陽炉と一体化した構造ではないため航続距離は短い。
ガンダムスローネと同じく、鷲尾直広が機体デザインを担当。機体名は天使の名に由来しており[36]、アルケーとは権天使の意味。
  • GNバスターソード - 刀身にビームライフルを内蔵した新型GNバスターソード。ライフルモード時は右前腕にマウントして使用する。
  • GNビームサーベル - 先代スローネシリーズとは違い両脚爪先に固定装備される。蹴り技と連動した奇襲攻撃が可能。
  • GNファング - ツヴァイより2基多い計10基を両腰バインダー内に格納する。
  • GNシールド - ビームシールド展開機能を持つ専用シールド。GNハンドガンに代わり左腕に装備される。
GNW-20000/J ヤークトアルケーガンダム
『00V』に登場。単機で敵の大部隊を殲滅することを目的とした重武装型MS。武装はトリニティのガンダムスローネに搭載された3種類の装備を改良し、1機にまとめたものである。両腰バインダーのGNコンテナには、GNファングの他、対地・対艦用GNミサイルを搭載することもできる。この機体の戦術は、GNステルスフィールドによって敵部隊を撹乱、孤立化させ、GNランチャーによる遠距離からの先制攻撃を行ない、混乱した敵機をGNバスターソードによる接近戦で各個撃破するというものである。ただし、重量の増加によって元の機体に比べ運動性が大幅に低下しているため、戦闘力の高い単機や、少数部隊との戦闘には向いていない。
CB-0000G/C リボーンズガンダム / リボーンズキャノン
リボンズ・アルマークの専用機。自身の力しか信じないリボンズの意思が反映された機体で[37]、1ガンダムとGNキャノンの機能を1機に集約し、あらゆる戦場に対応すべく開発された。機体の前後を反転させることで、1ガンダムの特性を持つ「ガンダムモード」、GNキャノンの特性を持つ「キャノンモード」へと瞬時に変形する。完成直前には、プトレマイオス2から奪取したデータを基に再現されたツインドライヴシステムが急遽実装された[33]。これに伴い太陽炉の搭載位置も変更され、従来の胴体内部から両肘の大型GNコンデンサー部分に1基ずつ外付けする形となった。
ツインドライヴの大出力によってダブルオーライザーとの性能差もほぼ解消されたが[38]、二つの異なる機体を半ば強引にまとめた弊害により、各モードではそれぞれの原型機よりやや劣る面もある。CBとの最終決戦ではヴェーダが奪還された場合を想定し、あらかじめリンクを絶った状態で出撃した。
機体デザインは海老川兼武。テレビ本編の脚本を担当した黒田洋介曰く、キャノンモードは『機動戦士ガンダム』のガンキャノンをモチーフとしており、当初はガンタンクへの三段変形という案もあったが、作中では実現しなかった[39]。これらは別名義で『機動戦士ガンダム』に出演していた[40]リボンズ役の声優、蒼月昇へのリスペクトであるという[39]
  • GNバスターライフル - 1ガンダムのGNビームライフルの発展型。前腕と接続するコネクターの位置が前後逆に変更されている。キャノンモード時は直接太陽炉と接続することでより強力な砲撃が可能となるが、マニピュレーターで保持した状態よりも命中精度は低下する。
  • 大型GNビームサーベル - 発振器は1ガンダムのものと同形状だが、出力は更に強化されている。背部に2基を装備する。キャノンモードでは通常折り畳まれるが、必要に応じて使用される。
  • GNシールド - 小型GNフィンファングのキャリアを兼ねる専用シールド。
  • GNフィンファング - 放熱板の様な形状からこの名で呼ばれる。大型ファングを背部に4基、小型ファングを腰部後方とシールドに各4基ずつの計8基を装備する。大型ファングはキャノンモード時の主砲も兼ね、収束させることで強力な砲撃が可能。ただし、原型機のGNキャノンに比べ単基の威力は劣る。
  • エグナーウィップ - GNフィールドを突破できる特殊武装で、アンカーを射出して敵機に高圧電流を流し込み、内部機器やパイロットに直接ダメージを与える。本機ではキャノンモード時のマニピュレーターとして装備されている。
CB-0000G/C/T リボーンズガンダム オリジン
『00V』に登場。ツインドライヴシステムが搭載される以前の姿。近距離戦闘用のガンダムモード、中距離戦闘用のキャノンモードに加え、遠距離砲撃戦に特化した形態「タンクモード」への変形機構を持つ。両肘と腰部後方にGNコンデンサー内蔵の大型ホバーユニットを装備しており、これによりタンクモードでは高い機動性を発揮する。擬似太陽炉は1ガンダムと同位置の胸部に1基を内蔵している。
一度はこの姿で完成したが、ツインドライヴシステムを搭載するために急遽大改修が施され、その過程でタンクモードへの変形機構は不要として廃止された。
機体名の「オリジン」とは、ツインドライヴ型と区別するために後付けされた呼称である。
  • GNバスターライフル - ツインドライヴ型とは違い2挺を装備する。このため、GNシールドは装備していない。キャノン、タンクモード時は大型GNフィンファングと共に4門の主砲として機能する。
  • 大型GNフィンファング - ツインドライヴ型とは一部搭載位置が異なり、下部の2基がGNバスターライフル先端に接続される。小型ファングは装備していない。

MA

GNMA-Y0001 エンプラス
デヴァイン・ノヴァが搭乗する大型MA。レグナントの試作機であるが、MA形態の性能評価のため、MS形態への変形機構は省略されている。メインカメラは3眼式で、頭部装甲にアロウズのマーキングが施されている。武装は大型MAの高出力を活かした大型ビーム砲や強力なGNフィールドを備えるほか、両側先端にエグナーウィップを内蔵した格闘用のクローアームを持つ。
『00P SPECIAL EDITION』において、別に建造された機体が2機登場している。
GNMA-0001V レグナント
リボンズの計らいでルイス・ハレヴィに与えられた大型可変MA。エンプラスでは省略されたMS形態への変形機構が実装されている。各種武装も強化されているほか、セラヴィーガンダムのハイパーバーストすら完全に防ぎ切るほどの強力なGNフィールドを展開可能であり、単独で複数のガンダムを圧倒する戦闘力を発揮する。人型とはかけ離れた異形ながら、同じ技術を基にした広義にはガンダムと呼べる機体であり[41]、通常露出することはないものの、ドーム状の頭部装甲内にはガンダムタイプの真の頭部が隠されている[8]。登場した機体の中では、リボーンズガンダムに次ぐ性能を持つのではないかとも言われている[42]
機体デザインは海老川兼武。MS形態における人間型を離れた「仰々しい」デザインは、ルイスが抱えた憎しみの塊を体現するようなイメージを意図したという[42]。また、当初の脚本では隠されていたガンダムタイプの頭部が劇中で暴かれ、ルイスは「憎んでいたガンダムに実は(自分自身が)乗っていた[42]」ことが明らかになるような演出が予定されていたというが、劇中でその後のフォローを描ききれないという判断から、アニメ本編では「ガンダム顔」は明確な形では描写されず裏設定に終わったという[42]。ただし小説版ではガンダムに連なる機体であることにも言及されている。
  • 大型ビーム砲 - MA形態では機首、MS形態では胸部に位置する。GNフィールドの近似技術で、1本にまとめられた3本のビームが、互いに干渉することで発射後の軌道変更を可能としている。1本につき120°ずつをカバーしており、あらゆる方向へ、任意のタイミングで湾曲させることができる。
  • エグナーウィップ - アンカーから更に4基の子機を射出でき、複数の敵機にも有効な新型を装備。
  • GNファング - クローアームの爪部分は全て大型GNファングとして射出可能。装備数は計10基。他のGNファングを搭載している機体とは違い、劇中ではGNファングによるビーム射撃は描写されていない。
  • GNバルカン - MA形態にて前面装甲の両脇に備えられたバルカン砲。
  • GNマイクロミサイル - クローアームに多数を内蔵する。
  • 対艦用GNソード - MA形態にてウィングは超大型のGNソードとして機能し、戦艦を切り裂く威力を発揮する。

艦船

コロニー型外宇宙航行母艦「ソレスタルビーイング」
小惑星を改造して建造された全長15kmにも及ぶ超大型艦。イノベイター勢力の本拠地であり、ヴェーダの本体もこの艦に存在する。光学迷彩によってラグランジュ2に隠されていた。衛星兵器メメントモリの技術を応用し、1射につき60基もの擬似太陽炉をエネルギーカートリッジとして使用する主砲の巨大ビーム砲[43]は、一撃で艦隊を消滅させるほどの威力を持つ。他にも表面に多数のビーム砲台を持ち、内部には巨大な兵器工場が存在する。CBとイノベイターの最終決戦の舞台となった。
最終決戦後は連邦軍によって接収され、イノベイターの技術の回収、研究が行なわれている。船体のデザインは寺岡賢司[21]

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その他

オートマトン
対人用自律行動型無人兵器の総称。『1st』ではユニオンが暴徒鎮圧のために使用していることが語られている。なお、「オートマトン」とは機械人形、自動人形の意味である。
『2nd』では、アロウズが開発した新型オートマトンが登場している。待機状態では箱状で、起動すると変形し、4本の脚を展開。先端のローラーによって移動する。センサーは胴体の前後と頭頂部に存在し、胴体下部のドラムフレームに装備された2門の機銃によって攻撃を行なう。GNコンデンサーを内蔵しており、GN粒子によるコントロールが可能となっている。また、侵入した施設のシステムへアクセスするためのアームも存在し、自立的に情報を収集しミッションを遂行できる。主にアヘッドの腰に接続されたコンテナに収納されて作戦区域に運搬され、到着後、コンテナごと放出され作戦を開始する。
動作モードには「鎮圧用(クェル)モード」と「攻撃用(キル)モード」の2種類が用意されているが、劇中ではキルモードでのみ使用され、カタロンなどの反連邦勢力の人間が収容されている施設に投入されて無差別[44]の殺戮を行なったり、ブレイク・ピラー事件の際には一般人を殺傷したりするなど[45]、事実上の無人殺戮兵器[46]として描かれている。この新型オートマトンは徹底して秘匿されており、連邦正規軍はもちろん、アロウズでも実際に運用する部隊以外には、その存在は知らされていない[要出典]
最終決戦では、コロニー型外宇宙航行母艦「ソレスタルビーイング」への突入を果たしたプトレマイオス2に対して多数が投入された。しかしこのオートマトンはヴェーダによって制御されていたため、トライアルフィールドによってヴェーダとのリンクが断たれたことで、全機が機能を停止した。
ワークローダー
MSの小型版と言うべき作業用重機。脚部は三脚形態だが、歩行ユニットではなく脚部先端のローラーで移動する。作中では戦闘用に改造された形で登場、見た目以上に機動性があり、腕部に機関砲やミサイルポッドを装備している。そのサイズゆえに『1st』第1話冒頭のようにゲリラ戦等に使われる。
木星探査船
かつて木星圏を目指して航行された宇宙船。「木星探査計画」として、調査隊が乗り込んでいた。しかし、その後に不慮の事故で失われ、現在は残骸となって宇宙空間を漂っている。『1st』の時代から80年前、回想で登場した時は既に破壊されており、コーナー家の調査団が船内で後にトリニティが所有する事になる、紫色のハロ(HARO)を発見した。

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脚注

注釈

  1. ^ FA0ガンダムにフォン・スパーク、ダブルオーライザーにエコ・カローレ。
  2. ^ 基本設計はハナヨが行ったがシェリリンに開発を依頼したのはこの新素材の為と思われる。
  3. ^ 3号機ではあるが、完成は4号機であるプルトーネの方が先となっている。
  4. ^ なお、この名称は小説版でのものであり、アニメでは名称についての言及はなく、公式ムックなどで「サブマシンガン付属ミサイル」と言われていたのみである。
  5. ^ GNシールドニードル、GNシールド・クローモードと呼称。
  6. ^ 当時の技術では、GNコンデンサーによるガンダムの運用は、戦闘をせずに粒子消費を抑えても30分前後が限界であった。
  7. ^ セラヴィー胸部のコックピットから、マイスターを乗せたシートのみが両機の腹部を通ってセラフィムへ移動、180°回転し、胸部へ移動して固定される。
  8. ^ 実際に搭乗していたのは自身がオリジナルであると思い込まされていたビサイドのサブボディであり、本物のビサイドはGNキャノンに搭乗していた。
  9. ^ 太陽炉はエクシア・デュナメス・キュリオスのものを一時的に奪取して使用した。
  10. ^ 飛行自体はMS形態でも可能。
  11. ^ 型番は小説版第2巻参照、当作品ではAEU所属となっている。
  12. ^ ドライヴNo.は21とされている。
  13. ^ 短時間のホバリング程度なら可能。
  14. ^ 光学迷彩のようなものではなく、あくまでも色やパターンを変えられる程度のもの。
  15. ^ 『00P』では、リアルドは世界の警察として世界各地に配備されるために飛行機能を搭載したとされ、へリオンは人革連の機動エレベーター「天柱」が海上にあるために飛行機能を搭載したMSとして開発されたと説明されている。
  16. ^ 水上戦のみの際は「オーシャンパッケージ」となる。
  17. ^ AEUの標準機ではアグリッサ タイプ7等に採用されているロングキャノンが搭載されている。
  18. ^ 宇宙世紀で言うエネルギーCAP
  19. ^ 型式番号のERはExport&Rentalの意。
  20. ^ が、上記の軍事転用によって競技会の直前になって使用が禁止され、準優勝に終わった。
  21. ^ 小説版では30基の擬似太陽炉は未使用の状態で、ジンクスは設計データのみが提供されている。
  22. ^ トリロバイトのデータが反映された頭部に被るセンサーユニット、腰部に装着するホバーユニット、腕部に装着するウェポンパックから成る。
  23. ^ 少なくとも1機のパイロットはパターン0666タイプのイノベイド。

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