F

Ff Ff
ラテン文字
Aa Bb Cc Dd     Ee Ff Gg Hh     Ii Jj Kk Ll Mm Nn Oo Pp Qq Rr Ss Tt Uu Vv Ww Xx Yy Zz 太字で表した字は母音である。

Fは、ラテン文字(アルファベット)の6番目の文字。小文字は f。

字形

1. 大文字は、縦線の上端と中央から、右に垂直に線が付き出した形である。筆記体などでは亀甲文字の${\mathfrak {F}}$のように、上線が縦線の左にも大きくはみ出すことがある。
2. 小文字は大文字の中線より上を丸めた形であり、中線は縦線の左にはみ出す。小文字ながら大文字と同等の高さを持つ。亀甲文字の${\mathfrak {f}}$やイタリック体では、さらにベースラインの下にはみ出し、しばしば左に曲げられてのように書かれる。

呼称

• 拉・独・仏・英・蘭・印尼：エフ
• 伊・西：エフェ
• ウェールズ語：エヴ

音素

この文字が表す音素は、/f/ないしその類似音である。

• 日本語のファ・フィ・フ・フェ・フォの子音は外来語の/f/の音写に使われ、ローマ字もfを使うが、実際の発音は[f]ではなく無声両唇摩擦音[φ](IPA) = [p\](X-SAMPA)である。
• インドネシア語ではしばしば/p/で発音される。
• ウェールズ語では/v/

音声記号/f/は、「無声唇歯摩擦音」をあらわす。また、J の棒付小型大文字は「有声硬口蓋破裂音」をあらわすが、これは180度回転させた小文字の f とみることもできる。

歴史

この字は、ギリシャ文字Υ(ウプシロン)の別形で古ギリシア語で使われた、Ϝ(ワウ/ディガンマ)に由来するとされる。当初の音素は/w/である。そこから、/v/へ、そして現在の/f/へと変化した。故にこの文字は、Υ(ウプシロン)に由来するU、V、W、Yと同系の文字であるといえる。

F の意味

• 弗素（フッ素）の元素記号。
• 温度計で、華氏（ファーレンハイト、華倫海）。「°F」のように用いる。
• SI組立単位における静電容量の単位名ファラド。(Farad)
• 十六進数と二十進数において、十五（十進数の15）一桁（一文字）で表すために用いられる。
• 音楽記号のフォルテ（小文字）。
• 洋楽で用いられる音名の一つ（英米式、独式）。イタリア式では「fa」、日本式では「へ」に相当。
  • 音階の4番目の音であることから、音楽関係者の間で4を表す隠語として使われる。例：F万=4万（円）
• デパートなどで 1F、2F などと書くのは、Floor の略字である。なお 1F はイギリスでは二階、米では一階である。
• 西洋言語の文法やパスポートなどで、女性（femina， female）。
• 鉛筆の芯の硬さを表す記号。Firm（しっかりした）の頭文字。HB より硬く、H より軟らかい。
• 四輪自動車競走の規格のこと。Formulaの略。F1、F3など。
• 軍用航空機の形式で戦闘機を表す記号。Fighter の略。F-14、F-15、F-16など。
• 旧国鉄・JR で、動軸を 6 軸有する機関車の形式に付される記号。EF65、DF200 など。
• 電車などの編成を表す。1001Fとあれば1001号車輌を含む編成。由来はFormationの頭文字からとされる。
• 日本のプロ野球球団北海道日本ハムファイターズ (Fighters) の略号。
• 電気業界、通信業界、コンピューター業界で富士電機、富士通を表わす符丁。Fuji Electric、Fujitsuの頭文字より。
• 物理学で力 (force)、振動数、周波数 (frequency) を表す。
• 数学で、f(x) としたとき、関数 (function) を表す。また F(x) としたとき、 f(x) となんらかの関係を持つ関数、たとえば原始関数などを表すことがある。
• レンズの明るさを示す値（F値）。レンズの焦点距離 / レンズの口径で求められ、F1.4、F2.8などのように表記される。数字が小さいほど明るいレンズになる。
• 竜巻の強さを表す記号。フジタスケールの頭文字。
• 試験の評価で「落第」を表す。Failの略。
• 漫画家六田登の作品「F―エフ―」。
• 鷺沢萠の短編集「F 落第生」及び同作品を元にした映画「F」（羽田美智子・熊川哲也主演、金子修介監督）
• 声優、後藤沙緒里の1stアルバム及びタイトル曲「ｆ」　2005年8月24日発売
• ニコンの35mm銀塩一眼レフカメラ。ニコンのカメラ製品一覧を参照。