包装米飯
包装米飯(ほうそうべいはん)、通称パックごはんとは米飯を気密な容器にパックし、保存が効くようにしたもの。
概要
製法によって「レトルト米飯」と「無菌化包装米飯」の二種類に大別される。包装後に加圧・加熱(炊飯、殺菌)を行う(すなわちレトルトパウチする)のがレトルト米飯であり、初めから無菌室内で炊飯・包装を行ったものが無菌化包装米飯である。
電子レンジまたは湯煎にかけて加熱し、食する。ともに200グラム程度の個食用パックが多く見られるが、無菌化米飯には大袋入り[1]の製品も存在する。
レトルト米飯が初めに市販されたのは1973年[2]である。最初の製品は赤飯であり、しばらくは赤飯の製品が多くを占めていたが後に白飯、混ぜご飯、粥なども製品化された。蒸気による予備加熱と加水、そしてパウチ後の加圧・加熱という製造工程は白飯の炊飯過程として理想的ではなく[2]、レトルト米飯はむしろ赤飯(もち米を含む)や粥(水分を多く含む)に適している。
三近食品は「インスタントライス」を開発するが電子レンジを使うのではなくインスタント焼きそばのようにお湯を注いで3分待つと言う物だった。しかしこれはどろどろの粥のようになるうえ味もよくなく、当時の山内社長が試食するも、美味しくないということで販売に難色を示す。しかしそれでも販売に踏み切るが、もちろんほとんど売れず、結局失敗に終わった。
対する無菌化包装米飯はやや遅れ、1987年頃[1]に登場した。加圧を行わない(通常の炊飯により近い)ため、風味などの点でレトルト米飯に勝っている[3]。そのためもあってか、無菌化包装米飯は登場して以来、徐々にレトルト米飯に取って変わりつつある[2]。常温で保存可能な期間は数ヶ月である[1]。
日本国内における1997年 - 2007年の年間生産量は以下のようになっている。[4][5]
- | 1997年 | 1998年 | 1999年 | 2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 |
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レトルト | 2.1万 | 1.5万 | 16,563 | 22,892 | 22,834 | 21,840 | 19,378 | 18,354 | 17,587 | 21,744 | 21,884 |
無菌包装 | 2.7万 | 3.5万 | 53,970 | 55,615 | 58,240 | 66,318 | 79,165 | 87,995 | 88,607 | 93,691 | 97,288 |
出典
- ^ a b c 『米の事典』p.199
- ^ a b c 『米の事典』p.196
- ^ 『米の科学』p.160
- ^ 1997年、98年については参考 動向編参考統計表(PDF)(農林水産省)より
- ^ 1999年 - 2007年は米麦加工食品の生産動態(PDF)(農林水産省)より
関連項目
参考文献
- 石谷孝佑(編)『米の事典 - 稲作からゲノムまで』幸書房、2002年、ISBN 4-7821-0207-0
- 竹生新治郎(監修)、石谷孝佑・大坪研一(編)『米の科学 - シリーズ〈食品の科学〉』朝倉書店、1995年、ISBN 4-254-43039-6