近鉄吉野線
表示
吉野線(よしのせん)は、奈良県橿原市の橿原神宮前駅から奈良県吉野郡吉野町の吉野駅までを結ぶ近畿日本鉄道の鉄道路線である。
大阪・京都から飛鳥、桜で名高い吉野を結ぶ路線である。南大阪線の大阪阿部野橋駅から吉野駅まで急行や「さくらライナー」などの特急が直通運転されている。
吉野線にはローカル線の加算運賃が適用されている。また、吉野線ではJスルーカードは使用できない。スルッとKANSAI対応カードが橿原神宮前~壺阪山間の各駅で使用できる他、吉野駅でも窓口での乗り越し精算のみ使用できる。
路線データ
運行形態
ほぼ全列車が南大阪線と直通運転している。昼間時間帯は特急と吉野線内では各駅に停車する急行列車のみの運転で、普通・準急列車は朝・夜中心に運転される。橿原神宮前から吉野への所要時間は急行・普通列車ならほぼ一時間である。
多客期は大阪阿部野橋~吉野間で快速急行を運行することもある。
歴史
- 1912年10月25日 吉野軽便鉄道が吉野口~吉野(現在の六田)間を開業。
- 1913年5月31日 吉野鉄道に社名変更。
- 1923年12月5日 橿原神宮前~久米寺(現在の橿原神宮前)~吉野口間が開業。全線電化。大軌畝傍線(現在の近鉄橿原線)と連絡。
- 1924年11月1日 畝傍~橿原神宮前間が開業。
- 1928年3月25日 六田~吉野間が開業し全通。
- 1929年3月29日 大阪鉄道(現在の近鉄南大阪線)との直通運転を開始。
- 1929年8月1日 大阪電気軌道が吉野鉄道を合併。畝傍~吉野間を吉野線とする。
- 1930年7月10日 橿原神宮前~久米寺間を三線軌条化し、畝傍線の電車が乗り入れ開始。
- 1939年3月1日 小房~橿原神宮前間を廃止し、小房~橿原神宮駅(現在の橿原神宮前)間の新線開業。
- 1939年7月28日 橿原神宮前~久米寺(現在の橿原神宮前)間を廃止。
- 1941年6月 畝傍~橿原神宮駅(現在の橿原神宮前)間を小房線と改称。
- 1945年6月1日 小房線の旅客営業休止。
- 1950年7月1日 小房線が休止。
- 1952年9月1日 小房線が廃止。
- 1965年3月18日 阿部野橋~吉野間に特急運転開始。
- 1968年9月26日 ATS使用開始。
- 1984年2月1日 貨物営業廃止。
- 1996年10月4日 橿原神宮前~吉野口間で一部列車のワンマン運転開始。
- 2001年9月1日 列車運行管理システム稼動開始。
駅一覧
- ●:停車、|:通過
- 区間急行は大阪阿部野橋行きのみ
- 普通列車は省略:各駅に停車
- 特急列車は特急列車記事を参照のこと。
駅名 | 営業キロ | 準急 | 区間急行 | 急行 | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最長運転区間 | 大阪阿部野橋 | ||||||
橿原神宮前駅 | 0.0 | ● | ● | ● | 近畿日本鉄道:南大阪線・橿原線 | 奈良県 | 橿原市 |
岡寺駅 | 1.1 | ● | ● | ● | |||
飛鳥駅 | 2.2 | ● | ● | ● | 高市郡明日香村 | ||
壺阪山駅 | 3.9 | ● | ● | ● | 高市郡高取町 | ||
市尾駅 | 6.0 | ● | ● | ● | |||
葛駅 | 7.9 | ● | ● | ● | 御所市 | ||
吉野口駅 | 9.5 | ● | ● | ● | 西日本旅客鉄道:和歌山線 | ||
薬水駅 | 11.2 | ● | ● | ● | 吉野郡大淀町 | ||
福神駅 | 12.8 | ● | ● | ● | |||
大阿太駅 | 14.6 | ● | ● | ● | |||
下市口駅 | 17.0 | ● | ● | ● | |||
越部駅 | 18.7 | ● | ● | ● | |||
六田駅 | 20.7 | ● | ● | ● | |||
大和上市駅 | 22.9 | ● | ● | ● | 吉野郡吉野町 | ||
吉野神宮駅 | 23.7 | ● | ● | ● | |||
吉野駅 | 25.2 | ● | ● | ● | 吉野大峯ケーブル:吉野ロープウェイ |
その他
- 谷崎潤一郎の『吉野葛』に軽便鉄道時代の吉野線の様子が記されている。
- 軌間1067mmだが、これは南大阪線と直通するためであるのと共に、国鉄との貨物列車の直通輸送する必要があったためであり、橿原線、京都線との直通利便性による改軌は考慮されなかった。
- 壺阪山~下市口間は、線形が吉野口駅を迂回して四角形の三辺を通る格好になっているのに対し、道路の方は直結しているため「車よりはるかに遅い」と陰口をたたかれることもある。