王シュレット事件

王シュレット事件（おうシュレットじけん）では、2003年にフジテレビのバラエティ番組『ワンナイR&R（渡辺琢演出）』でプロ野球・福岡ダイエーホークス（現福岡ソフトバンクホークス）監督（当時）・王貞治を侮辱するような内容のコントが放送され、フジテレビに批判や苦情が寄せられたことについて説明する。

経緯

2003年8月13日、ワンナイR&Rの「ジャパネットはかた」のコーナーの中で、山口智充と雨上がり決死隊の宮迫博之が福岡ダイエーホークス監督（当時）王貞治の顔を便器内に仕掛けたウォシュレット（王シュレット）を用いたコントを放送した。

放送後の反応

このコントで、王貞治を侮辱したとしてホークスが激怒。その後、フジテレビ側が王貞治本人と球団関係者に謝罪するも、「球界を代表する人を侮辱した」（ホークス球団社長・高塚猛＝当時）として、同年の日本シリーズ中継にフジを推薦しないという結果に至った。

また、当時対戦相手・阪神タイガースの監督だった星野仙一も自身の公式ホームページ『星野仙一のオンラインレポート』（現在閉鎖）でフジテレビ及び吉本興業に対する不快感を激しい口調で表明していた。

またFNS全体を巻き込んで責任を取る形となり、2003年のFNS系は日本シリーズが全く中継されない事態となってしまい、実質ホークス戦の中継を多数担当し、球団との関係が良好であったテレビ西日本の努力を水の泡にした。詳細は「王シュレット事件」の余波参照。

また番組で使用されたウォシュレットにはビデを捩った「シゲ」という項目が使われたことから王貞治だけではなく長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督も対象に挙がっていたのではと東京スポーツが報じたが、フジテレビは長嶋終身名誉監督の侮辱は否定している。なお、この件について読売新聞・日本テレビ・巨人軍・長嶋サイドは特に抗議をしていない。

事件への対応とその影響

事件の翌週（2003年8月20日）の放送の冒頭で、フジテレビアナウンサーの須田哲夫が謝罪したが、謝罪が15秒ほどでしかなかった事から、視聴者からは「この程度では謝罪にならない」という苦情や批判が寄せられた。

この事件を受け、8月20日～9月末まで「水10!」自体は前後提供クレジットなしという事態になった。また、この事件の影響で番組の名義も「水10!・ワンナイ」から「水10!」となり、新聞の番組表にも「ワンナイ」のみ番組タイトルの表記はなくなった。このほかにも、「企業イメージを損ねた」として、ウォシュレットの製造元TOTO（北九州市、スポーツ支援顧問に王を起用していた）やコーナーのネタ元ジャパネットたかた（佐世保市、同年3月までホークスのスポンサーであった）がFNNスーパーニュースなどのスポンサーを降板し、CMは公共広告機構（現:ACジャパン）に差し替えられた。

その一方で、当の謝罪放送をした8月20日分放送の番組中、妊婦に扮した小池栄子に山口智充らが粉ミルクを掛けると言うコントを行い視聴者から再び抗議が殺到、同時に和光堂の「ぐんぐん」である事が解かる映像が放送された為、和光堂がフジテレビに対し抗議する事態が発生している（9月3日に番組終了間際にお詫びテロップが流れただけだった）。結局、その後も新春かくし芸大会などの問題を起こし、裏番組に敗北した事が影響して2006年12月20日分放送を以って打ち切りとなった。

この事件について、王は「野球界と芸能界を一緒にするからこういうことになるんだ。ボク自身は実際に（番組の映像を）見ていないが、かなりえげつないものだったと聞いている。対応は球団に任せているから」とコメントした。

関連項目

• イヨマンテの夜 - 1994年元日に放送された日本テレビの番組、ビートたけしのお笑いウルトラクイズにて梅垣義明など複数名（岡本夏生・宅八郎も参加した）による芸が披露され、それを見た北海道ウタリ協会から抗議が殺到し同年4月8日にお詫びのテロップが流れた。