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カリートの道

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カリートの道
Carlito's Way
監督 ブライアン・デ・パルマ
脚本 デヴィッド・コープ
製作 マーティン・ブレグマン
マーティン・スコット・ブレグマン
ウィル・ベアー
製作総指揮 オートウィン・フレイヤームス
ルイス・A・ストローラー
出演者 アル・パチーノ
ショーン・ペン
音楽 パトリック・ドイル
主題歌 「You Are So Beautiful」
ジョー・コッカー
撮影 スティーブン・H・ブラム
編集 クリスティナ・ボーデン
ビル・パンコー
配給 アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル・ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 1993年11月10日
日本の旗 1994年4月23日
上映時間 144分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $30,000,000[1]
興行収入 $63,848,322[1]
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カリートの道』(原題:Carlito's Way)は、1993年に公開されたアメリカ映画ニューヨーク州最高裁判所の元判事エドウィン・トレスの同名小説、およびその続編『それから』を原作とする。ゴールデングローブ賞2部門の候補に挙がった。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
カリート・“チャーリー”・ブリガンテ アル・パチーノ 野沢那智
デヴィッド・クラインフェルド ショーン・ペン 安原義人
ゲイル ペネロープ・アン・ミラー 玉川紗己子
ベニー・ブランコ ジョン・レグイザモ 中村秀利
ステフィー イングリッド・ロジャース 小林優子
パチャンガ ルイス・ガスマン 梁田清之
ラリーン ヴィゴ・モーテンセン 二又一成

あらすじ


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


元麻薬王のカリート・ブリガンテは親友の弁護士デイヴ・クラインフェルドの尽力によってたった5年で刑務所から出所する。そしてクラインフェルドの紹介でディスコの経営という仕事も早々にして得ることができた。しかし、彼が5年ぶりに見た街と人々は、仁義も信義も失って変わり果てていた。麻薬の取引では見境いのない人殺しが起き、かつての仲間は金のために平然とカリートを裏切ろうとする。

さらにカリートはベニー・ブランコというチンピラを殺害することができず、自分にも老いがきていることを悟る。そんな街と人々にカリートは絶望し、周囲の期待をよそに、カリートは南国バハマでレンタカー屋を営むという夢を叶えるために堅気の生活を送り、着々と金を集めることに精を出す。さらにかつての恋人・ゲイルとのよりを戻し、夢へと一歩一歩近づいていく。

そんな中、クラインフェルドが「マフィアのボスが脱獄するからそれを手伝ってくれ」という頼みごとを切り出してきた。カリートはかつての仁義を裏切るわけにもいかず、ゲイルの制止をも振り切って頼みを承諾する。決行当日、コカイン漬けのクラインフェルドを見たカリートは嫌な予感を覚える。そしてその予感は的中、クラインフェルドは突如として暴走し、ボスと、見張り役のボスの息子を惨殺してしまう。凶行に至ったクラインフェルドにカリートは激怒、彼にもう仁義はないとしてその場を立ち去る。

しばらくしてクラインフェルドはマフィアからボス殺しの報復として襲撃され、怪我を負う。一方のカリートは検察から呼び出しを受け、カリートが服役している間にクラインフェルドが数々の犯罪に手を染めた大物犯罪者になっていたことや、彼が嘘の証言で自分を売ろうとしていたことを明かされる。検察は「免罪してもらう代わりにクラインフェルドを計画殺人罪に問う証言を行う」という司法取引に応じるかどうか、明日の昼までに決断するようにカリートに迫る。

帰り道で突然マイアミ行きの夜行列車の切符を買ってきたカリートは、全ての有り金を持って今夜中にバハマへ旅立つことをゲイルに告げる。ゲイルが妊娠し、今夜旅立つという時に怒りを隠せなかったカリートは、彼女を先に駅へ行かせ、自らは急遽クラインフェルドの病室に向かう。

クラインフェルドはカリートが自分を殺しにきたのでは、と警戒し彼に銃を向けるが、カリートは言葉をかけるだけでなにもしなかった。その後、今度はマフィアの殺し屋がクラインフェルドの病室にやってきた。クラインフェルドは銃で応戦しようとするが、なんと銃の弾丸が抜かれていた。カリートの策略にまんまとはめられたクラインフェルドは無様に銃殺されてしまう。

カリートは金を持ってゲイルの待つグランド・セントラル駅に急ごうとするが、その彼の前にマフィアのボスの次男ヴィニーが立ちはだかる。彼らの追撃をかわし、駅まで辿り着くが、そこで見つかってしまう。エスカレーターを舞台に壮絶な銃撃戦を繰り広げ、やっと彼らを倒したカリートはゲイルの元へと急ぐ。ホームまで行き、列車に乗ろうとした時、そこに自分の用心棒バチャンガとベニー・ブランコが現れ、カリートは撃たれてしまう。

死ぬ間際にカリートはゲイルに金を託し、「お腹の子供と2人で街を出ろ」と言い残す。その後、今までの出来事が走馬灯のように駆け巡る中でカリートは静かに息を引き取る。そんな彼が最期に見たものは、かつて夢見たパラダイスを写し出した看板だった。


以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


原作との相違点

生い立ちから30代までのカリートを描いた『カリートの道』と40代のカリートを描いた『それから』が原作としてクレジットされているが、映画で描かれているのは主に『それから』の部分である。

批評・評価

興行的にあまりぱっとしなかったが、後に再評価され、現在では高い評価を得ている。「アル・パチーノがプエルトリコ人に見えない」とよく批判される。しかし作品中でも「イタリア人のように見えた」と言われるシーンがあるほか、カリートはコルシカ系プエルトリコ人という設定だと原作者がDVDのメイキングで語っているため、パチーノのような顔をしている可能性は十分ある。

その他・備考

原題“Carlito's Way”はフランク・シナトラの「マイ・ウェイ」にちなんでつけられたが、劇中に「マイ・ウェイ」は一回も使われていない。『それから』をベースにしているのに映画のタイトルが『カリートの道』なのは、『それから』と原題が同じマーティン・スコセッシ監督の『アフター・アワーズ』(After Hours)との混乱を避けるためである。

2003年には、プロデューサーのマーティン・スコット・ブレグマンによって、本作品の前日譚にあたる『カリートの道 暗黒街の抗争』が製作された(劇場未公開)。

脚注

  1. ^ a b Carlito's Way (1993)” (英語). Box Office Mojo. 2月9日閲覧。accessdateの記入に不備があります。

関連項目