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Wikipedia:多重アカウント

これはこのページの過去の版です。Miya (会話 | 投稿記録) による 2011年3月29日 (火) 03:20個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (mbox Wikipedia:多重アカウント/改定案20110303 の案内)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ウィキペディアの画面とくつした人形(ソックパペットの語源)

多重アカウント(英:multiple accounts)とは、複数のアカウントを用いて投稿している利用者が使う、2つ目以降のアカウント名のことです。特に、不正な目的で使用される多重アカウントは、ルール違反の意味も込めて、「ソックパペット」(英:sock puppet。「くつした人形」の意)とも呼ばれています。この日本語版の方針でソックパペットと表記した場合は、「不正に利用される多重アカウント」を指しています。

多重アカウントは妥当な目的で使われることもある一方、投票で複数票を投じるために使われたり、一つの意見が幅広く支持されているかのように装うために使われたりと、人をだます目的で使われることがあります。多重アカウントとおぼしき アカウントを発見することは可能です。新しく登録されたアカウントの利用者がウィキペディアのルールにやけに精通していたり、登録後何個目かの投稿ですぐに削除依頼をしたり、投票していたりといったアカウントは、多重アカウントである可能性があります。

多重アカウントの使用は、一般に、望ましいことではありません。ジミー・ウェールズは「多重アカウントを禁ずるルールは特にはないが、一般には、よほど必要がない限り感心できないものだと考えられている」と言っています。

多重アカウントが望ましくないとされるのは、多重投票やルール規制逃れなどの不正な使用を防止するためです。多重アカウントの使用を全面禁止すべきだと考える人もいれば、適切な使用なら問題ないと考える人もいます。

多重アカウントにも正当な使用方法はあります。しかし禁止されている行為を行ってはいけません。例えば、1つのアカウントで主張した意見をもう1つのアカウントで支持してはいけません。これがソックパペットと呼ばれる不正な使用法の一例です。

多重アカウントを取得して使用する場合は、それぞれの利用者ページをリンクで結ぶことが奨励されています。こうすれば、どのアカウントが誰の多重アカウントかを簡単に確認することができます。

ボット(Wikipedia:Bot)の使用者が、編集を自動化するにあたって独立したアカウントを作ることは構いません。ボットのアカウントはソックパペットとは見なされません。アカウントを別にすることは最近更新したページにおいて、ボットによる編集をフィルタリングするのに役立ちます。

多重アカウントの使用が禁止されている行為

投票

ウィキペディアには「1人1票」の原則があります。この原則は、すべての投票(個人の意見が投票同様にカウントされる議論も含む)に適用されます。

ソックパペットが、ウィキペディアでの一切の投票(意見調査、削除依頼、管理者信任投票などを含む)に参加することは認められません。

多重投票、すなわち投票におけるソックパペットの使用が確認されれば、それらのアカウントすべてが永久(または無期限)ブロックされることがあります。

偽装となりすまし

多重投票以外にも、ソックパペットで他のウィキペディアンを欺いたり、支持がたくさんあるように見せかけたり(自作自演行為)してはなりません。

多重アカウントの使用が正当でありえたとしても、この手の振る舞いは、破壊的で不必要なものです。

特に、悪意をもって他のウィキペディアンに成りすましたアカウントは永久ブロックされます。

規制逃れ

ウィキペディアのルールは1つのアカウントごとではなく、利用者1人ごとに適用されます。

同様に、第2アカウントでルールを破った場合、その罰則はメインアカウントにも適用されます。

有期限か無期限かを問わず、投稿ブロック中の利用者がブロックを回避するためにソックパペットを利用することは許されません(「ブロック逃れ」の生まれ変わり)。別アカウントで不正に編集すると、経過したブロック期間は始期に戻ります。

問題視される性質

ウィキペディアンの中には、多重アカウントは本質的に問題であると考えている人も、ケースバイケースで判断すべきだと考えている人もいます。ウィキペディアを編集するという権利を取り上げられた利用者(例えばブロックされるなど)は、編集権が復活しない限り、その元の名でも、それ以外の名でも戻ってくるべきではありません。

2つ以上のアカウントを使う利用者は、管理者に対してすべてのアカウントを通知すべきだ、という提案もあります。しかし、管理者が他の利用者に比べて意思決定や管理について特別の役割をもっているわけでない以上、この提案は無駄なものです。管理者に対してではなくウィキペディア全体に対して宣言すべきだという意見もあります。

ウィキペディアの創始者ジミー・ウェールズは、これに対して以下のような見解を述べています。

多重アカウントであることを表明すべきかどうかに対して明確な方針は現在のところないけれど、特別の事情がない限りこういったことを要求するのは賢明なことではありませんね
表面的に合意形成がなされているように見せかけるとか、2回以上投票しようとするとか、査読から隠れようとするとか、そういった形でのトラブルを起こす方法として使われる場合に限っては、複数のアカウント取得が問題であるといえるかもしれないね

反対に、多重アカウントを、特に多重アカウントだから議論に信憑性がない、と非難するのはスマートではない、と考える人々もいます。確かに、こういった非難が礼儀正しい議論に水を差すものであるならば、こういった行為は慎むべきです。

投票からの排除

ソックパペットは、いかなるウィキペディアにおける選挙、非公式及び公式の投票も許されません削除依頼のような、投票に類似した議論にも参加できません。名前を「賛成」「反対」欄に書くことも許されません。このような行為はウィキペディアの通常の機能を混乱させる上、下記に示す妥当な使用の上でも必要のないものです。

ある利用者がソックパペットである疑いが強く、特にブロックされた利用者のソックパペット(「生まれ変わり」と呼ばれます)であると思われる場合、その利用者は疑問点が解決されるまで、同じように投票を禁じられます。もしあなたがこういった事態に陥ったら、あなたが実際にはソックパペットではないことを示す方法はいくつもあります。そして、あなたの投票について話し合えることを我々は喜ぶでしょう。身のあかしを立てる一つの良い方法は、利用者ページにあなた自身のことを書いてみることでしょう。

もし考えられない事態が起こって、プライバシーの問題と、個人的事情が効果的に複合して、自分がソックパペットでない、という身のあかしを立てられないときには、ウィキペディア内の投票を必要としない活動に参加し続けることをお勧めします。投票を控えていると、そのうち自然とウィキペディアの方針に対して賛否が言えるようになっているはずです。

妥当な利用法

多重アカウントには妥当な利用法もあります。例えば、新規参加者に対してコミュニティがどのような対応をするか、ウィキペディアを試してみたい、と著名な利用者が考えたときなどです。とくに、ジミー・ウェールズが編集をするときは複数のアカウントを使うべきだとの主張もあります。

多重アカウントは、何らかの理由で自らのこれまでの投稿記録を隔離したいときにも用いられます。例えば、ウィキペディアのある分野に対して多大な貢献をしたアカウントというのは、ある利用者がその分野の発展のためだけに登録した多重アカウントなのかもしれません。

多重アカウントはときには会話ページでの対立を避けるために用いられることがあります。政治や人種上の対立が編集上の問題であるとき、議論に参加している人の属性が分かると、かえって感情的な対立が生まれることがあります。またある議論に参加して個人的な体験を語る人は、自分のメインのアカウントにその話を結び付けられたくないと思うかもしれません。

多重アカウントは身元を隠すことにも役立ちます。特定の複数の分野についてそれなりの数の編集を行った利用者は、その関心の拡がりから簡単に誰だか同定することができるかもしれません。たとえばある利用者が特定の地方にのみ住んでいるビーバーについて投稿したとします。その利用者がそのビーバーのいる地方についても重要な投稿を行っていたとすれば、その利用者がその地方に住んでいることは容易に突き止められるでしょう。一方ビーバーの記事とその地方に関する記事が異なる利用者名の利用者から投稿されていれば、2つを結びつけることは難しくなり、投稿者の身元も分かりにくくなります。

筆者が匿名であることは、とりわけ文筆業を職業にする人たちに役立ちます。オンラインの投稿はときに独占契約と矛盾することがあります。他にも、無料で投稿するということはライターを職業にしている人たちの職業的価値を下げる危険性があります。たとえば新聞社はオープンコンテンツの投稿者であることが広く知られているライターと有償の契約を結ぶことを躊躇するかもしれません。

Role accounts(役割による共有アカウント)がかつてフランス語版で用いられたことがありましたが、日本語版ではアカウントの共有は禁止されています。

ミートパペット

ミートパペット行為 とはウィキペディア上の用語で、自分の味方あるいは代理として議論に参加させるために、他の(よくある場合では新規の)編集者を勧誘する行為を指します。通常は議論の中で合意形成に影響を与える目的で行われます。

ミートパペット行為は、議論の状勢について、そしてその議論で表明されているそれぞれの相違した意見が受ける支持や不支持の状勢について、誤った印象を与えます。ウィキペディアでは、特に新規参加者の行動について善意に受け取るとしていますが、意見調査に影響を与えたり、差し戻しをしたり、合意があるように装うために新規編集者を勧誘する行為は強く止められています。もしもある新規ユーザーが特定の問題において別のユーザー(の不適切な行為)に同調するためだけにウィキペディアに参加していると判断された場合、その別のユーザーに対して取られた措置(投稿ブロック等)が、その同調している新規ユーザーに対しても取られるかもしれません。なお、「ミートパペット」という用語は不名誉な印象を与える言葉ですので、注意深く使わなければなりません

ミートパペットを勧誘しないでください。友人や親族や自分と同意見のコミュニティへ向けてウィキペディアの記事について知らせ、ウィキペディアへ招き入れて議論におけるあなたの立場へ味方させることは「非常に不適切である」と考えられています。もしもある議論であなたの意見が軽視されていると感じたならば、礼儀を忘れず、他のウィキペディアンへ向けコメントや議論への参加を募る、もしくは論争の解決を追い求めるのが適切な方法です。これらの方法は今まで何度も試みられてきており、ある偏向が無くなっても代わりに別の偏向が現れてしまうような問題を避けるように意図されています。

ウィキペディアには、ミートパペット行為によりもたらされる混乱を軽減するための方針や手続きがあります。

  1. 多くの討論や議論における合意は理想的には、編集者による投票の数ではなく、方針に関して編集者によって挙げられる意見に基づくべきです。新規参加者ではおそらく、ウィキペディアの方針や慣例を理解したり、他のユーザーが未だに述べていない証左を示したりといったことはうまくいきません。
  2. 投票や投票に準じた形をとっている場では、新規ユーザーは数に入れられなかったり軽視されたりするかもしれません。特に新規ユーザーの多くが同じ意見を表した場合です。
  3. Arbitration Committeeではかつて問題を解決するために、同じ意見を持ったアカウント群において一人のユーザーによるソックパペット行為が行われているか、あるいは複数のユーザーによるミートパペット行為が行われているかが不確かな場合は、一人のソックパペットとして取り扱ってもよいと裁定しました[1](本号は英語版に限り適用されます)。

脚注