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僕は友達が少ない

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僕は友達が少ない
ジャンル 学園小説
小説
著者 平坂読
イラスト ブリキ
出版社 メディアファクトリー
レーベル MF文庫J
刊行期間 2009年8月 -
巻数 既刊6巻
テンプレート - ノート

僕は友達が少ない』(ぼくはともだちがすくない)は、平坂読による日本ライトノベルイラストブリキが担当。MF文庫Jメディアファクトリー)より、2009年8月から刊行されている。既刊6巻、公称200万部。公式略称は「はがない[1]

1巻発売直後に出版された『このライトノベルがすごい!』2010年度版にて、作品部門ランキングの23位にランクイン。その後、2011年度版では2位となった。

タイトルの由来は、「自分が見たら絶対に手に取りそうな青春小説のタイトル」とのこと。

2011年5月18日朝日新聞朝刊及び読売新聞朝刊にテレビアニメ化決定の告知広告が掲載された。

ストーリー

聖クロニカ学園(せいクロニカがくえん)高等部2年生の羽瀬川小鷹は、転校から1ヶ月経ってもその外見が原因で周囲にヤンキーと勘違いされ、クラスで浮いた存在であった。

ある日、小鷹はいつも不機嫌そうにしている同級生の三日月夜空が一人で楽しげにしゃべっているのを目撃。夜空はエア友達と話していたと釈明し、友達をつくるために隣人部(りんじんぶ)という部活を創部、小鷹も無理やり入部させられることになる。

やがて隣人部には女王様気質の美少女・柏崎星奈、「しんのおとこ」を目指す楠幸村中二病な小鷹の妹・羽瀬川小鳩、変態的思考を持つ天才少女・志熊理科と、非常に「残念」な美少女たちが次々と入部してくる。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


登場人物

はドラマCD・テレビアニメ共通

隣人部

羽瀬川 小鷹(はせがわ こだか)
声 - 木村良平
聖クロニカ学園高等部2年5組。誕生日は7月30日。
考古学者である日本人の父・隼人とイギリス人の母・アイリとの間に生まれたハーフ。しかし容姿は母に似ず日本人そのもので、母から中途半端に受け継いだ黄土色がかったくすんだ金髪[2]。そのため幼少期から髪を染め損なったヤンキーと誤解され続けており、それが原因でクラスから浮いてしまい友達がいない。
幼少期から全国を転々としてきたが、父の海外転勤を機に妹・小鳩とともに日本の実家に残ることを選び、聖クロニカ学園に転入した。隣人部内では唯一ともいえる常識人で基本的に非常識な隣人部員へのツッコミ担当。しかしジョークのセンスは皆無で、マリアを除く隣人部メンバーでさえも白けさせる。
「親友と呼ぶべき友人」を作りたいと望む等、家族や親友との絆を大切にする面倒見のいい好青年。海外赴任で家を空けることが多いながらも家族想いな父の事は素直に尊敬し、良い思い出のない金髪に関しても、「死んだ母との数少ない絆」だと考えているので黒く染める気はない。恋愛に関してはかなり鈍感であり、部員からアプローチを陰に日向にかけられてもまったく気付いていない。なお、勉強は(友達付き合いが皆無で他にする事がないため)真面目にしている事から上レベルを保っており、父親が家を空けることが多かったため料理も本格派、ケンカの腕も立つなど、見かけによらず多芸。
三日月 夜空(みかづき よぞら)
声 - 井上麻里奈
聖クロニカ学園高等部2年5組。
中性的な美貌の持ち主であるが、常に不機嫌そうに振る舞っているためクラスから浮いており友達がおらず、よく「エア友達」のトモちゃんと会話していた。トモちゃんとの会話を小鷹に目撃され、その際の会話をきっかけに「隣人部」を創設した。趣味は読書。
髪は幼少期はショートカットであったが、後述の対人恐怖症により美容院に行けないので結果的に伸ばし続けていた[3]
常に不愛想な男性口調で喋る。陰険かつサディストな性格に加え、凄まじい毒舌家。さらに幼少期から売られたケンカは買うタイプで、からまれると反射的に相手の胸倉を掴んでメンチをきかせるほど。ただし友人の多い人(いわゆるリア充)は苦手であり、さらに極度の対人恐怖症で、特に人混みに入ると吐き気を催す。
星奈のエロゲーや理科の下ネタに関してはあからさまに狼狽し、「人前で肌を露出させるなど恥ずかしい」という理由から、ジーンズ等のボーイッシュな私服や囚人服のようなフルボディの水着を着用するなど、性的な話題に関しては人並み以上に敏感である。しかし罵詈雑言も悦んで受け入れる変態・理科だけは天敵。学業に関しては非常に優秀であるが、その理由は友人がいないため(学校では必然的に読書、トモちゃんとの会話、勉強しかする事がない)という悲しいもの。
柏崎 星奈(かしわざき せな)
声 - 伊藤かな恵
聖クロニカ学園高等部2年3組。誕生日は5月19日。
学園の理事長の一人娘。金髪碧眼、巨乳、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能と揃った完璧超人だが、性格は極度のナルシシストかつ高飛車な女王様。クラスの男子からは崇拝とも言うべき人気ぶりだが、そのことから同性の友達はいない。
夜空とは相性が悪いため喧嘩が絶えず、彼女からは(作中のゲーム『モンスター狩人』[4]に登場する回復アイテムから)または貴様と呼ばれている。高飛車な割に打たれ弱く、悪知恵の働く夜空にやり込められて部室から泣きながら駆け出して行く、といった光景が日常化している。
活動中に「同性の友達との会話シミュレーション」になると考えて美少女ゲームをやり込んだ結果、「人生」と称するほど重度にのめり込むようになり、それ以来あらゆるジャンル(エロゲーも含む)をプレイしている。隣人部の活動内容が定まらない時は、ほぼ必ず美少女ゲームに熱中しているほど。
周囲に対する女王のような振る舞いから、「下僕」と称する同級生の男子や、自分を迫害する女子に対しては人ともみなさない扱いをしているが、バカにする事が多い夜空や小鷹に対しても長所はきちんと見ており、他の隣人部メンバーに対しても好意的な態度を見せるなど「残念」な隣人部メンバーの中では比較的まともな感性の持ち主。特に小鳩のことを初めて会った時から気に入っており、「本当の妹だったらいいのに」と言う程。しかし小鳩と接する時の態度はどう見ても変質者そのものであるため、当の小鳩からは避けられている。
楠 幸村(くすのき ゆきむら)
声 - 山本希望
聖クロニカ学園高等部1年1組。誕生日は6月13日。
両親が戦国武将みたいに堂々とした漢になってほしいと付けた名で、自身も名前に相応しい「しんのおとこ」「おとこのなかのおとこ」を目標に努力している。
自分のことを「わたくし」と呼び、ひらがなを多用する独特の喋り方をする。外見はどう見ても美少女なため、同級生は皆接し方がわからず距離を置いてしまうため友達がいない。
いつも誰とも群れず堂々としている(と幸村は思っているが実際は友達がいないだけの)小鷹のことを「あにき」と呼んで尊敬しており、夜空がそれを利用して隣人部に入部させた。さらに「真の男は女装していても男らしさがにじみ出るもの」と夜空に騙され、そのための特訓と称し隣人部・私生活ではメイド服を着用するようになる。
小鷹に対するイメージや夜空の嘘を愚直なまでに信じ込むなど、全ての物事を極端な方向に解釈する非常に偏った思考回路の持ち主で、普段は能面のようにぼーっと立ち尽くしているだけだが、小鷹が望んだとみなせば「ぱしり」として自ら進んで高価なものを迅速に購入してくるなど、小鷹でさえ扱いに困る「残念」な存在。戦国武将が大好きな歴史マニア。
羽瀬川 小鳩(はせがわ こばと)
声 - 花澤香菜
聖クロニカ学園中等部2年生。誕生日は10月18日。
小鷹の妹であるが、こちらはイギリス人である母・アイリの血を濃く受け継いでおり、色白で金髪碧眼の美少女である。小学生の頃は少し抜けている程度の普通の女の子であったが、中1の時に『鉄の死霊術師(くろがねのねくろまんさー)』というアニメを見て以来、いわゆる中二病のような言動をする残念な子に。なので友達がいない。マリアに兄・小鷹を取られまいと隣人部へと加入する。
自分の中で設定したキャラ「レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌」になりきっており、普段からゴスロリファッションをし、右目には赤のカラーコンタクトを入れてオッドアイにしている上に、芝居がかった大仰な台詞回しで喋る。しかし慌てると素が出てしまい、九州に居た時期が長かった影響で九州弁で会話するようになることがある。とんこつラーメンが好きで、特に擦りにんにくをたっぷり入れて食べるのが大好き。
夜更かしが多いせいか体は小学校高学年から全く成長しておらず、胸の大きさは10歳のマリアにも負けている。小鷹を「あんちゃん」と呼び甘える重度のブラコンで、マリアの子供っぽい言動に必死になるなど、肉体的にも精神的にも同年代の娘より遥かに幼い。家事や勉強はほとんどできない。
レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌(- すめらぎ)
小鳩が『鉄の死霊術師(くろがねのねくろまんさー)』を観た影響で自ら「超かっこいいキャラクター」として設定し演じているキャラクター。一万年の時を生きる夜の血族「真祖」で、左目が緑、右目が赤のオッドアイで黒のゴスロリを着ている。闇の眷属(小鷹)を従え、神の使徒(マリア)と闘っている。食事には処女の生き血(トマトジュース)を飲み、十字架を克服し、にんにくも体内に取り込めるようになっており、本来水に入ると灰となる吸血鬼の弱点すら克服している…という設定になっている。
志熊 理科(しぐま りか)
声 - 福圓美里
聖クロニカ学園高等部1年生。
黒髪を後ろで結えたポニーテイル眼鏡、常に着ている白衣が特徴的な美少女。一人称は「理科」。高校生にしてゲーム会社・薬品会社など様々な企業からオファーを受け商品開発に貢献している天才で、聖クロニカ学園には天馬が自ら通ってもらうよう説得した末、彼女専用の特別研究室・「理科室」の提供と通常授業の免除という超高待遇を受けている。しかし一日中理科室に篭る「理科室登校」により一般生徒と接触する機会がないため友達がいない。
一見クールな博士キャラに見えるが、その本性は所構わず卑猥な欲望と妄想を口に出す本作品で随一の下ネタキャラであり、夜空にとっては罵詈雑言と直接攻撃が通用しない唯一の天敵。またBL同人誌を愛読する腐女子で、さらにその嗜好もロボ×ロボという特殊なもの。哺乳類には興味がなかったようだが、とあるきっかけで小鷹に興味を持ち隣人部に入部する。
小鷹には好意を抱いており、会った当初からさりげないものから明確なものまで様々なアプローチをかけているのだが、小鷹には彼女の変態的思考から恋愛対象として見られていない上、小鷹の鈍感さゆえそっけない対応をされて本気で悲しむこともしばしば。
高山 マリア(たかやま -)
声 - 井口裕香
聖クロニカ学園に勤務するシスター。
孤児院出身。銀髪碧眼を持つ10才の幼女。夜空の口車に乗せられて管理を任されていた礼拝堂の「談話室4」の使用権利を明け渡す羽目になり、なし崩し的に隣人部の顧問になった。夜空には脅迫とポテチによるアメとムチの調教によって飼い慣らされており、部活においては夜空の命令により掃除やパシリといった雑用をさせられている。
勉強面では飛び級できるほどに優秀なのだが、「うんこ」を口癖とするなど言動が幼稚かつ下品な上に、まわりの人間を見下したり、些細なウソに騙されたりする残念な娘。ゆえに友達はいない。読んでいても唯一怒られない漫画版三国志を愛読している。普段ポテチばかりの食生活を不憫に思われてお弁当を作ってもらったことから小鷹に懐き、「お兄ちゃん」と呼ぶようになる。小鳩とは犬猿の仲で、常に幼稚なケンカを繰り広げている。

羽瀬川家

羽瀬川 隼人(はせがわ はやと)
小鷹と小鳩の父親で、考古学者
仕事が忙しく兄妹の幼少期から全国各地を飛び回っているため、本編では回想・電話のみの登場。
非常に陽気な性格で、言葉の違う外人ともノリだけで意気投合してしまう事から、子供たちと違い友人は非常に多い。天馬とは学生時代からの無二の親友であり、過去から現在にかけてよく彼を振り回している。
小鷹との電話での会話で、小鳩への過剰なまでの愛が伺える。とはいえ小鳩がふざけて食べ物を粗末にした時には殴り飛ばすなど、躾には厳しい父親らしい面もある。
羽瀬川 アイリ(はせがわ - )
小鷹と小鳩の母親で、金髪碧眼のイギリス人。小鳩が生まれて間もない頃に事故で他界しており、現在は故人。
当時女子高だった聖クロニカ学園の出身であり、隼人とは天馬がセッティングした合コンで知り合った。

柏崎家

柏崎 天馬(かしわざき ぺがさす)
星奈の父親で、聖クロニカ学園理事長。
隼人とは学生時代からの無二の親友で、隼人からは「ザキ」と呼ばれている。「天馬」と書いて「ぺがさす」と読む自身の名前があまり好きではなく「ぺがさす」と呼ばれると激怒することもある。気難しい性格で、プライベートでは友達が少ないらしい。酒には非常に弱い。小鷹を気に入り、彼の中では星奈の結婚相手と認識されている。
ステラ
柏崎家に仕える家令。燕尾服を着用した金髪セミショートヘア・碧眼の美女。常に無表情だが冗談好きで、主人である天馬や星奈に対しても遠慮のない性格。仕事は有能で、星奈のヘアメイク・服装選びなどまでこなしている。
氷川(ひかわ)
柏崎家に仕える料理人。女性。会話にのみ登場。ステラとともに柏崎家に正式に仕えている使用人。

その他

高山 ケイト(たかやま - )
マリアの姉で15歳。妹と同じく学園のシスターであり、マザー・ケイトと呼ばれている。マリア曰く「とても恐いババァ」。
外見はマリアを成長させたような美少女でありながら、言動や行動がマリア以上に下品で、人前でも平気でゲップや放屁をするなどかなりオヤジ臭い。一方で、「ロック」を基準とした独特の宗教観や倫理観を持ち、その点に関しては小鷹を感心させている。マリアに対しては厳しく躾を行っているため煙たがられているが、普段は表に出さないだけでその実凄まじいまでのシスコン。鮎釣りが趣味で、その縁で天馬とも親しい。9月末に誕生日を迎えて16歳になった。
トモちゃん
夜空が想像で作り出した「エア友達」。つまり架空の人物。頭脳明晰・運動神経抜群、また、歌が上手く、性格も素晴らしい美少女という設定らしい。

以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


漫画化

僕は友達が少ない
月刊コミックアライブ』(メディアファクトリー)にて2010年5月号(本格連載は6月号)より連載中。作画はいたち。原作をほとんど差異なくコミカライズしたもの。
僕は友達が少ない+
ジャンプSQ.19』(集英社)にて2010年秋号より連載中。作画は田口囁一。アライブ連載版と異なり、星奈をフィーチャーしたパラレル設定。

書誌情報

小説既刊一覧

MF文庫J刊(メディアファクトリー発行) 既刊6巻以下続刊
タイトル 初版第一刷発行日 初版第一刷発売日 ISBN
僕は友達が少ない 2009年08月31日 2009年08月25日 ISBN 978-4-8401-2879-7
僕は友達が少ない 2 2009年11月30日 2009年11月25日 ISBN 978-4-8401-3095-0
僕は友達が少ない 3 2010年03月30日 2010年03月25日 ISBN 978-4-8401-3252-7
僕は友達が少ない 4 2010年07月31日 2010年07月23日 ISBN 978-4-8401-3457-6
僕は友達が少ない 5 2010年11月30日 2010年11月25日 ISBN 978-4-8401-3589-4
僕は友達が少ない 6 特装版[5] 2011年05月31日 2011年05月25日 ISBN 978-4-8401-3880-2
通常版 ISBN 978-4-8401-3881-9

漫画既刊一覧

MFコミックスアライブシリーズ刊(メディアファクトリー発行) 既刊2巻以下続刊
タイトル 初版第一刷発行日 初版第一刷発売日 ISBN
僕は友達が少ない1 2010年07月31日 2010年07月23日 ISBN 978-4-8401-3346-3
僕は友達が少ない2 2011年05月31日 2011年05月23日 ISBN 978-4-8401-3799-7

脚注

  1. ^ 「僕『』友達『』少『ない』」より。作者曰く「最初は自分が勝手に使っていた略称だったが、いつの間にか公式略称として定着していた」とのこと。
  2. ^ プリン」とよく言われる。
  3. ^ 前髪の処理と各種手入れは、切るまで約10年間全て自分でやっていた。
  4. ^ 元ネタは『モンスターハンター』だが、本作では協力プレイで味方プレイヤーにも攻撃が当たるという、トラブルの種になりかねない設定となっている。
  5. ^ 限定版ドラマCD付

外部リンク