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花王

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花王株式会社
Kao Corporation
ファイル:Kao-corp-logo svg.png
種類 株式会社
市場情報
東証1部 4452
1949年5月16日上場
本社所在地 日本の旗 日本
103-8210
東京都中央区日本橋茅場町一丁目14番10号
設立 1940年5月21日
(日本有機株式会社)
業種 化学
法人番号 4010001034760 ウィキデータを編集
事業内容 家庭用製品、化粧品、食品、工業用製品の製造、販売
代表者 尾崎元規(代表取締役 社長執行役員)
資本金 854億24百万円
売上高 連結 1兆1,868億31百万円
単独 7,163億13百万円
2011年3月期)
営業利益 連結 1,045億91百万円
単独 828億24百万円
(2011年3月期)
純利益 連結 467億37百万円
単独 704億42百万円
(2011年3月期)
純資産 連結 5,395億64百万円
単独 5,404億85百万円
(2011年3月期)
総資産 連結 1兆227億99百万円
単独 9,326億78百万円
(2011年3月期)
従業員数 連結 34,743人、単独 5,924人
(2011年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 日本トラスティ・サービス信託銀行(株)(信託口) 4.64%
ステート・ストリート・バンク&トラスト505103 4.41%
モクスレイ&Co. 4.29%
主要子会社 関連会社参照
関係する人物 長瀬富郎常盤文克
外部リンク http://www.kao.com/jp/
テンプレートを表示
花王本社(東京都中央区日本橋茅場町1-14-10)
本社の一部が入居する澁澤シティプレイスA棟(東京都中央区日本橋茅場町1-13-16、花王本社の前にある)
花王大阪事業場(大阪府大阪市西区立売堀1-4-1)
洗濯用洗剤「アタック

花王株式会社(かおう、Kao Corporation)は、東京都中央区日本橋茅場町に本社を置く大手化学メーカー。家庭用や業務用の洗剤トイレタリー用品、化粧品食品を製造し洗剤、トイレタリー国内首位、化粧品2位(子会社含め)。東京証券取引所一部上場

原料からの一貫生産と物流・販売システムに強みがあり、国内外に多くの工場や販売拠点をもつ。

現在のCI(コーポレートアイデンティティ)は「自然と調和する こころ豊かな毎日をめざして」。

概要

日本を代表する日用品メーカー。マーケティングに力を入れている。数多くの部門でトップシェアを誇り、特に洗濯用洗剤のシェアは圧倒的。また、最近では体脂肪をエネルギーとして燃やしやすくする飲料「ヘルシア」のような機能系食品やペット用品も販売しており、高い収益力を誇っている。多くの事業を展開しており、ライオンP&Gユニリーバ・ジャパン資生堂など様々な企業と競合している。

かつてはフロッピーディスクDATテープなどの磁気メディア事業や医薬品事業にも進出したが、様々な経営判断により撤退した。また、トイレタリー商品の通信販売事業「花王セレクトショップ・はっぴぃ工房」を主要ローカルテレビ局やインターネットなどで広告展開をしていたが、それも2005年3月で終了となった。なお、通信販売事業はその後業態を変え、製造終了品・店頭に見当たらない(近くの店で見当たらない、又は行きつけの店で取扱いが無くなった)製品・製品の付属品を扱う「花王ダイレクト販売サービス」や通信販売専用化粧品ブランド「オリエナ」に継承されている。

化粧品はSOFINA(ソフィーナ)・est(エスト)・phytomax(フィトマックス)という3つのブランドを持っており、主にドラッグストアなど一般小売店向けに製造、販売している。シェアは資生堂カネボウ化粧品コーセーに次ぐ4位であり、また化学メーカーならではといえる、原料から自社で製造する技術は他社に真似出来ないものである。その化粧品事業強化のため、経営再建中だったカネボウの化粧品事業(カネボウ化粧品)の買収を模索したが、条件が折り合わず断念した。しかし、2005年12月に投資会社と共に花王連合を組み、買収を再開して成功。2006年1月にカネボウ化粧品を子会社化、化粧品分野のシェアも国内2位になった。

2009年10月から、CIを「自然と調和する こころ豊かな毎日をめざして」(日本国外では英語で「Enriching lives, in harmony with nature」と表記される)に改めると共に、月のマークの「花王」ブランドにおいては、日本・アジアのコンシューマープロダクツ事業分野、ケミカル事業分野において、日本語表記の「花王」から英語表記の「kao」に変更した[1][2]。製品への反映は同年9月から始められており、従来の「花王」ロゴと混在する状態がしばらく続いていたが、2011年6月現在は一部の製品を除くほとんどの製品が新ロゴへの切り替えを終えている。

後述のようにスポンサー番組を多く抱え、在京テレビ局では日本テレビTBSテレビフジテレビとの関係が深い(日本テレビとは花王石鹸時代の1979年から1994年まで『ズームイン!!朝!』を提供、フジテレビとは関西テレビ花王名人劇場』などを提供するなど)。

ブランドマーク

1890年発売の花王石鹸は当時「顔洗い」(かおをあらう)と呼んでいた化粧石鹸の高級な品質を訴求するため、発音が「顔」に通じる「花王」と命名したもの。

このとき「美と清浄のシンボル」として使われた「月のマーク」は何度か形を変えている。

  • 初代 1890年 - : 右向きのリアルな男顔で、「花王石鹸」と吹き出していた(創業者長瀬富郎が自主的に描いていた[3])。
  • 2代目 1897年 - : ややマイナーチェンジ(花王石鹸の文字が旧字体から新字体に変更された)。
  • 3代目 1912年 - : 同上の吹き出しがなくなり、「叫ぶ三日月」と呼ばれていた。
  • 4代目 1925年 - : シワのある老人顔になった。
  • 5代目 1945年 - : 下弦の月はだんだん欠けていくので縁起が悪いからと左向きに変わる。
  • 6代目 1948年 - : この頃から女性顔に。現在のマークに近づく。
  • 7代目 1953年 - : 現在のマークに。
  • 8代目 1985年 - : 社名変更に伴い、「花王」の社名ロゴ(CI導入)を追加した(但し、CI導入は社名変更前から行われていた)。
  • 9代目 2009年10月 - : 新CI導入に伴い、「月のマーク」は現行のまま「花王」のロゴを「Kao」に変更(日本のみならず、タイマレーシアシンガポールインドネシアでも同日にブランドマークを変更)。

なお、グループで花王を表す場合、「月のマーク」は使わず「Kao」のみで表記する。

歴代キャッチフレーズ

  • 1887年 - 1983年: 月のマークでおなじみの花王石鹸
  • 1984年 - 1985年: 清潔な暮らしをひろげる月のマークの花王石鹸(または花王)(KTV花王名人劇場」、TBS枝里子と鶴太郎のデータブティック」のみ)
  • 1985年10月 - 2009年9月: 清潔で美しく健やかな毎日をめざして(提供アナウンスでは、「清潔で美しく健やかな毎日をめざす」や「清潔で美しく健やかに」も使われていた)
  • 2009年10月 - : 自然と調和する こころ豊かな毎日をめざして

略歴

  • 1887年明治20年)6月 - 花王創業者長瀬富郎が日本橋馬喰町に花王の前の「長瀬商店」を創業(石鹸や輸入文房具などを販売)
  • 1923年大正12年) - 「吾嬬町工場」(現在の東京工場)操業開始、石鹸の生産に乗り出す
  • 1925年(大正14年) - 「花王石鹸株式会社長瀬商会」設立
  • 1935年昭和10年) - 吾嬬町工場を独立させ「大日本油脂株式会社」を設立
  • 1940年(昭和15年) - 株式会社鉄興社(現・東ソー)との折半出資で「日本有機株式会社」設立
  • 1946年(昭和21年) - 「花王石鹸株式会社長瀬商会」が「株式会社花王」に改称。
  • 1949年(昭和24年) - 日本有機が旧・「花王石鹸株式会社」に社名変更。一方、花王と大日本油脂が合併し「花王油脂株式会社」となる
  • 1954年(昭和29年) - 花王石鹸と花王油脂が合併し、新・「花王石鹸株式会社」となる
  • 1968年(昭和43年) - ドイツのバイヤスドルフ社との提携により「ニベア花王株式会社」を設立
  • 1976年(昭和51年) - 日本コルゲートパルモリーブとの合弁で「花王コルゲートオーラルプロダクツ株式会社」を設立。翌1977年より1985年9月まで花王のオーラルケア品を販売。現在、花王のホームページにはコルゲート関連に関しては全く掲載されていない。
  • 1985年(昭和60年) - 社名を「花王株式会社」に変更し、CI導入(ただしCI導入は社名変更の半年前)。
  • 1987年(昭和62年)6月 - 創業100周年
  • 2009年平成21年)10月 - 新CIを導入

製品

事業場

工場

研究所

関連会社

国内

海外

  • 花王(中国)投資有限公司
  • 上海花王化学有限公司
  • 花王(上海)産品服務有限公司
  • 花王(上海)貿易有限公司
  • 杭州伝化花王有限公司
  • 中山花王化学有限公司
  • 花王(中国)研究開発中心有限公司
  • 花王(香港)有限公司
  • 花王化学(香港)有限公司
  • 花王(台湾)股份有限公司
  • 花王(インドネシア)
  • インドネシア花王化学
  • 花王(マレーシア)
  • ファティケミカル(マレーシア)
  • 花王ソープ(マレーシア)
  • 花王オレオケミカル(マレーシア)
  • 花王プラスチサイザー(マレーシア)
  • ピリピナス花王
  • 花王(シンガポール)
  • 花王コンシューマープロダクツ(東南アジア)
  • 泰国花王実業
  • 泰国花王商業
  • 花王(ベトナム)
  • 花王(オーストラリア)
  • キミ花王
  • 花王ブランズ
  • 花王スペシャリティーズ アメリカ
  • ADM花王
  • 花王(フランス)
  • KPSS
  • ドイツ花王化学
  • 欧州花王化学(Kao Chemicals Europe S.L.)
  • 花王(スペイン)

宣伝活動

一社提供及び1分30秒以上の提供のテレビ番組のアナウンスは、前述の新CIである「自然と調和する こころ豊かな毎日をめざして」である(2009年10月1日現在)。

  • TBS系金曜23:00枠の場合、2009年3月までの「恋するハニカミ!」までは、一社提供であっても開始当初からTBS標準タイプの提供クレジットとなっていたが、同年4月から放送中の「A-Studio」は、番組オリジナルの提供クレジットとなった。
  • フジテレビ系日曜21:00枠では後述の理由で「メントレG」ではスポンサーにつかなかった。その後2008年10月19日から放送開始した「エチカの鏡〜ココロにキクTV〜(フジテレビ製作)」で約1年9ヶ月ぶりにフジテレビ系日曜21:00枠での一社提供スポンサーに復帰した。提供クレジットは、番組オリジナルである(新CI導入後は提供クレジットの表示方法が変更となっている)。なお、後継番組の「ドラマチック・サンデー」では提供クレジットがTBSの「A-Studio」と共通化された。
  • 以前は「清潔で 美しく すこやかな毎日を目指して、花王の提供でお送りします(しました)」であった(ただしTBSの「花王 愛の劇場」は、「清潔で 美しく すこやかに、花王がお送りします(しました)」または「清潔で 美しく すこやかな毎日を目指す、花王がお送りします(しました)」であった)。なお、新CI導入直前の2009年7月頃から順次、一社提供番組や90秒を超える全ての提供番組においてキャッチコピーが省略されていた。
    • それ以降、一部の一社提供番組において、白バックに当社のコーポレートカラーのライトグリーン(若竹色)のフォントでCIマークを大写しにし、右下に提供の文字を入れ、全番組共通で女性アナウンスによる提供クレジットを放送していた。提供読みは、中村啓子(末期は他の女性)が担当していた。末期はKTVフジテレビ系日曜21:00枠「発掘!あるある大事典II」のみの放送であったが、2007年1月22日に、同番組の捏造問題によりスポンサーを降板した為、この提供クレジットも放送終了となった。また、この提供クレジットを使用していた番組の終了時の提供アナウンスは、「清潔で 美しく すこやかに、花王の提供でお送りしました」となっていた。ただしテレビ東京の「ぴかぴかマンボ」は、提供クレジットが異なっていたが、2009年7月頃までこのアナウンスを使用していた。
  • それ以前のテレビ番組でのアナウンスは「月のマークでお馴染みの、花王(石鹸)がお送りします(しました)」となっていた。ただし、関西テレビの「花王名人劇場」、TBSの「枝里子と鶴太郎のデータブティック」は、「清潔な暮らしをひろげる、月のマークの花王(石鹸)がお送りします(しました)」であった。また、1964年にTBSで放送された唯一の一社提供アニメ「ビッグX」では、オープニングのラストに主人公の朝雲昭(声:太田淑子)が自ら「この番組を提供するのは、僕の大好きな月のマークの花王石鹸です」とアナウンスした。
  • CM提供が1分以下の枠で番組を提供する場合は先述のクレジットコピーを省略し、さらにクレジットテロップの月のマークのフォントはkaoの文字と同サイズで表示される。ただし、例外として1分30秒以上提供の筆頭スポンサー番組でも、かつては複数スポンサーと並列表記(木曜スペシャルなど)する場合はkaoの文字と同サイズで表示されたほか、一部の初頭協賛番組(1社のみ表記されるものの番組のみ)では1分枠ながら、月のマークが通常のロゴマーク通り大きく表示される。さらに30秒の提供番組はPT枠扱いとなり、提供クレジット非表示でCMを放送しているが、『めざましどようび』や不定期であるが、『心ゆさぶれ!先輩ROCK YOU』のように30秒枠でも提供クレジットを表示する場合がある。
  • 提供番組のテレビCMにおいては、以前は当社関連会社のCMも放送されていた。近年の提供番組は花王製品のCMのみに統一されている。
    • 長年、ニベア花王は花王一社提供枠でCMを放送していたが、近年は放送しておらず、現在はスポットCMでの放送が中心となっている。同社の提供番組は日本テレビの水曜ドラマで「NIVEA」名義の提供クレジットで独立し、そちらに移行している。[4]
    • かつて存在したノバルティス花王のCMも花王一社提供枠で放送していた時期があった。
    • 子会社となったカネボウ化粧品のCMは、今のところ花王名義の提供枠では放送されていない。
  • ちなみに、日用品メーカーの中ではスポンサーとして扱う番組はゴールデン・プライムタイムに至っては積極的であり、オリンピック関連や、ワールドカップサッカー関連のスポンサーになることが多いが、前記2つの応援スポンサーになったことがない。ただ近年は、P&Gやユニリーバ・ジャパンといった外資系メーカーに押され[要出典]、スポンサーとなっている番組の数は、昔に比べると減少してきている。
  • 2011年3月11日東日本大震災が発生して以後、花王はCMを自粛していたが、同4月以後ほぼ通常通りに放送されている。しかし1社・および90秒・60秒の筆頭協賛を含め、CMが放送されていても「提供 Kao」のクレジットは自粛(事実上スポット扱い)が続いてたが同5月上旬以降、順次再開された。

スポンサー番組

現在の提供番組

過去の提供番組

CM出演者

ニベア花王ソフィーナは該当項目参照

現在

など。

過去

など。

※余談だが、同業他社のCMに出ていた(現在出ている)タレントが多い。また複数の商品に出ているタレントも多い。

CMソング

注訳

  1. ^ 花王 エコロジーを経営の根幹に据え、新CI(コーポレート・アイデンティティ)と環境宣言を発表 花王 ニュースリリース 2009年6月17日閲覧。
  2. ^ 但し、漢字圏以外で以前から使われていた「kao」ロゴと異なり斜体ではない。中国では先にCIは変更され、2010年9月から「kao」ロゴに変更された。
  3. ^ 1948年までのマークはマイナーチェンジを繰り返していた。
  4. ^ 但し、2009年夏期に放送されている『赤鼻のセンセイ』は、親会社・花王のヘアケアブランド「アジエンス」のイメージキャラクターを務めている香椎由宇が出演していたため、「アジエンス」を中心にした花王のCMが放送されたことがある。
  5. ^ そのドラマに出演する俳優・女優・モデルを勤める企業が臨時にスポンサーに入るなど
  6. ^ 変更当初はクレジット自粛があったために、一部曜日で提供読みがなかったが、2010年10月以降は固定スポンサーがついたため、提供読みが復活している
  7. ^ ココリコミラクルタイプ』のみの編成になる場合は表示されることもあった。

外部リンク