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デビルガンダム

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デビルガンダムは、テレビアニメ機動武闘伝Gガンダム』に登場する架空の兵器(型式番号:JDG-009XもしくはJDG-00X)。建造時の正式名称はアルティメットガンダム

英語圏では宗教的な名前を避けるため、「Dark Gundam」(ダークガンダム)と訳されている。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


機体概要

諸元
デビルガンダム(アルティメットガンダム)
Devil Gundam (Ultimate Gundam)
形式番号 JDG-009X (JDG-00X)
所属 ネオジャパン→デビルガンダム軍団
開発 ライゾウ・カッシュ
ミカムラ
頭頂高 23.6m(コア、MF形態)
重量 41.2t(コア)
装甲材質 ガンダリウム合金スーパーセラミック
複合材
レアメタル・ハイブリッド多層材
DG細胞
武装 拡散粒子弾×多数
バルカン砲×4
【中間形態以降】
ガンダムヘッド×多数
【最終形態】
デビルフィンガー×2
搭乗者 キョウジ・カッシュ
レイン・ミカムラ

元々この機体は、ドモン・カッシュの父ライゾウ・カッシュ博士、レイン・ミカムラの父ミカムラ博士の手により開発された地球環境浄化用モビルファイター (MF) であり、「自己進化」「自己再生」「自己増殖」の3大理論を備えた「アルティメットガンダム」として生み出された。同時期に開発が進められたシャイニングガンダムとは一部部品が共通である。

この3大理論に基づき、地球に降下し地球環境を浄化する予定であったが、カッシュ博士の才能に嫉妬したミカムラ博士と軍事兵器として目をつけたネオジャパン軍部のウルベ・イシカワの共謀により、アルティメットガンダムは軍に奪われそうになる。そこで軍の手から逃れるために、キョウジ・カッシュはアルティメットガンダムの地球への降下を強行しようとする。そんなキョウジをかばい、ドモンの母ミキノ・カッシュは軍の凶弾に倒れた。ミキノの犠牲によりキョウジはアルティメットガンダムを地球降下させるも、落着の際のショックで機体が暴走。キョウジは生体ユニットとして機体に取り込まれ、以降は人類を地球環境浄化の障害と捉え、全人類の抹殺を遂行せんとするデビルガンダムと化してしまう。また、この事件でカッシュ博士は口封じのため冷凍刑に処されてしまった。

その後当初のアルティメットガンダムの名残が強く残る第1形態 (Evolution I) から、ギアナ高地やランタオ島において見せた中間形態 (Intermediate Evolution) へと進化した。これは第2、第3、第4形態 (Evolution II - IV) などと分けることもあるがほとんど同じであり、適した生体ユニットが得られなかったことでこれ以上の進化が停滞してしまった。だが、ウルベによってレインが生体ユニットに組み込まれると、ネオジャパンコロニーと一体化した最終形態 (Final Evolution) となり、合計3回もの進化を遂げている。このコロニーと一体化した際、動力炉は合体四天王「グランドマスターガンダム」となったほか、コア部分も独立した機体に進化した。このコア部分はMF形態(MS(モビルスーツ)形態とも)とMA(モビルアーマー)形態の2形態に変形する。狭義ではこのコア部分のみを最終形態と呼び、コロニーと一体化した外側部分を「デビルコロニー」、あるいは「デビルガンダムコロニー」や「コロニーデビルガンダム」などとして区別する。

生体ユニットとなる人間は、ガンダムファイターとしての能力が高く、肉体的にも健康な者が高い適性を持つとされる。また、男性より出産出来る女性の方が適性が高い。東方不敗マスター・アジアはドモンを、ウォンはアレンビー・ビアズリーを、ウルベはレインを、それぞれ本機の生体ユニットにしようと考えた。

本機と連結した半MS「ガンダムヘッド」や、分身体であるMSデスアーミーを大量に生産可能である。

武装

バルカン砲
多くのガンダムタイプが有する牽制兵器。ただし、デビルガンダムのものは比較的大型のためか、通常のMFのそれより威力が高く、ガンダムシュピーゲルを破壊している。
拡散粒子弾
両肩のファンや触手の先端、最終形態におけるデビルフィンガーの先端から発射されるビーム兵器。いくつかの形状があるが、どれも弾幕を張れるぐらいに連射している。
デビルフィンガー
最終形態時に両肩に装備された大型の爪。伸縮自在で大きさは普通のMFを掴めるぐらいに大きい。
ガンダムヘッド
デビルガンダムが生み出した半MS。噛み付いてきたり、口から火炎放射やビーム、触手を発射する。
メガデビルフラッシュ
名称は『SDガンダム GGENERATIONシリーズ』など。頭部から発射する高威力のビーム兵器。

DG細胞

本機の構成材は特殊であり、あらゆる環境下での活動が可能な生物的要素を備えたナノマシンで構成される。これはディマリウム合金の一種であり、U細胞(アルティメット細胞)と呼ばれ、本来ならば汚染物質の分子レベルでの除去などを行うことで地球環境の浄化に大いに役立つはずであった。しかし、前述の通りデビルガンダムと化したことで、あらゆる構成物を自身の支配下に置く「DG細胞(デビルガンダム細胞)」と呼ばれるものになった。

このDG細胞に感染すると、普通の人間ではデビルガンダムの支配下のゾンビ兵となってしまうほか、肉体が強化される。治療法は無きに等しく、脳が侵食されると事実上救う手だてはない。しかし、旧シャッフル同盟は、例外的に新宿で自分たちの命を犠牲に、後にシャッフルの紋章を受け継ぐこととなる若者達を浄化した。また、強い精神力を持つ人間は逆にDG細胞を支配下に置いてしまう。この効果を利用した機体がマスターガンダムである。無論、機体を全く別の形に変化させることもでき、グランドガンダムはネオイングランドのジョンブルガンダムに、ガンダムヘブンズソードはネオイタリアのネロスガンダムに偽装して大会に参加していた。後にランタオ島でウォルターガンダムはネオスウェーデンのノーベルガンダムに偽装している。

また、死者を動かす能力も持ち、病死したジェントル・チャップマンを復活させたり、第3回大会優勝者であるダハール・ムハマンドとその乗機であるファラオガンダムIV世の無念の記憶まで復活させた(最終的にファラオガンダムXIII世に近い形まで進化している)。しかし、既に一度死んだ人間を復活させる場合、細胞の影響か人格が生前とは全く異なっており、特にチャップマンは、精神破綻に近い状態にまで陥っていた。

悪魔」の名にふさわしく、欲望にまみれた登場人物達を自身の支配下に置いているが、唯一、ネオドイツのガンダムファイターだったシュバルツ・ブルーダーには、キョウジが残された理性を振り絞って自分の記憶と知識をコピーして、その人格がコントロールできるような形で使用したことで、キョウジの分身として復活した。

小説版『∀ガンダム』に相当する『月に繭 地には果実』や、『∀ガンダム記録全集2』(講談社)によれば、過去にナノマシンに人類文明の排除を促すウィルスを流布させるテロが起こっている記録が残されている。地球をはじめとし、火星周辺の移民環境(その様子は『G』劇中でもジェントル・チャップマンの台詞で「温暖で過ごしやすいところ」と語られている)を壊滅状態に陥いれたというこのテクノハザードは、「DG細胞災害」という名前により様子が記されている。

本作の内容を包括するさらに未来世界を描いた作品『∀ガンダム』の設定では、ナノマシン研究は先述の「DG細胞災害」の影響から、事件後全ての研究が凍結され、長い間危険な研究として封印されていた事が記されている。さらに後に研究が進められ、当時の大戦後のムーンレィスにおいてナノマシン研究が再開される。これには本来の目的であった汚染が進んだ地球環境の再生など、そのほか様々な平和利用に用いられた様子が語られている。これらのナノマシンには、目的用途を越えた進化・再生・増殖を食い止めるアポトーシスのプログラムが組み込まれたという。

ゲーム『スーパーロボット大戦A』においては、デビルガンダムのDG細胞が行おうとしているのは『地球再生』ではなく『地球改造』である事や、地球再生が可能なのはDG細胞の以前の姿であるUG細胞である事実が、四谷博士(超電磁ロボ コン・バトラーVの登場人物)によって明かされている。また、デビルガンダムは、他の生き物をDG細胞で取り込まねば、自分自身を維持出来なくなってしまう事も発覚しており、つまり最終的に「デビルガンダムの存在は、人間や自然を含む地球上の全ての生命を死に絶えさせてしまう」という結論に至っている。四谷博士のみならず、他の作品の科学者達も、全員がデビルガンダムによる地球再生は「ノー」と言う結論となっており、あくまでも「武闘家」に過ぎず「科学者」ではないマスターアジアは、DG細胞の恐るべき弊害に気づけなかったのである。実際に、Gガンダムの劇中においても、ネオジャパン・コロニーを乗っ取ったコロニー・デビルガンダムが、地球に触手を伸ばして地球の生命エネルギーを食らいつくそうとしているシーンが描かれており、この事からもDG細胞がもたらすのは地球そのものの破滅でしかなかった事が伺われる。

劇中での活躍

本機は、『Gガンダム』の最大の敵として最後までドモン達の前に立ちはだかり、当初は単なる巨大な敵としか描写されなかったが、その強大な力が災いして、権力者達の野望のために利用されている。

ギアナ高地においてドモンに撃破されたと思われたが、ネオホンコンに再度出現。シュバルツの犠牲により再度撃破したと思われたが、今度はネオジャパンのウルベにより回収され、ネオジャパンコロニーと同化する。その破壊の手を地球に伸ばすも、デビルガンダムの最終形態に取り込まれたコアであるレインに対するドモンの熱い愛の告白によってレインは戒めより解かれ、2人の手による「石破ラブラブ天驚拳」により、撃滅された。

バリエーション

デビルガンダムはゲームなどでも多く姿を見せており、中にはゲームオリジナルのデビルガンダムも存在する。

デビルガンダム最終形態(狭義)
スーパーファミコン用ソフト『機動武闘伝Gガンダム』・プレイステーション用ソフト『機動武闘伝Gガンダム THE バトル』に登場。
デビルガンダムJr.
プレイステーション用ソフト『SDガンダム GGENERATION F』に登場。デビルガンダムの本体崩壊後も生き延び、進化したデスアーミーが集合合体、進化して誕生した本機の末裔。地球環境修復という目的自体は同じながら、「人類抹殺」から一歩進んだ「人類を奴隷化し、地球環境修復のためコントロールする」目的を持っている。DG四天王の能力も一部再現され、「四天王ビット」という四天王の能力の一部を持ったビット兵器を使用することができるようになっている。
デビルガンダム (ORIGINAL)
新スーパーロボット大戦』に登場。最終形態からさらに進化した形態という設定でサイズが肥大化し通常の顔の後ろからさらに顔が出てくるなどさらに不気味さを増しているほか、各組織の様々なパイロット達をゾンビ兵化し従えている。パイロットはゴステロ
デビルアクシズ
NINTENDO64用ソフト『スーパーロボット大戦64』に登場。ガンダムシリーズアクシズと合体した形態。
デビルマスドライバー
プレイステーション2PSP用ソフト『スーパーロボット大戦MX』に登場。デビルガンダムとマスドライバーが融合した形態(ただし、ユニットではなくマップ扱い)。同作では主人公との間にも因縁がある。
デビル機動要塞
ゲームボーイアドバンス・PSP用ソフト『スーパーロボット大戦A』に登場。ギガノス帝国の機動要塞とデビルガンダムが融合した形態。
デビルウルタリア
Wii用ソフト『スーパーロボット大戦NEO』に登場。本作のオリジナル組織であるエルンスト機関の空中要塞ウルタリア内にあったDG細胞が暴走しウルタリアと融合した姿。これまでと違いHP回復能力を有していない代わりにDG細胞の制御用に搭載した精霊石の力でデスアーミー、デスバーディ、ガンダムヘッドを無限に量産してくる。
デビルガンダム(ACE2)
Another Century's Episode 2』に登場。原作のデビルガンダム第2形態に近いが、よく見ると各形態のパーツや意匠が混ざったものとなっている。倒すには周囲のガンダムヘッドを破壊して自己再生能力を低下させねばならない。
デビルガンダム(ガンダムvs.ガンダム版)
機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』のボスキャラクターとして登場。デザインはコロニーデビルガンダムに似たゲームオリジナル。すべてのガンダムゲームを融合させた張本人という設定で、パイロットは不明。ガンダムヘッドによるバリア展開と強力な火力でプレイヤーに襲いかかる。
デビルガンダム(ガンダムvs.ガンダムNEXT版)
機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT』のCPU戦隠しステージ「FINAL NEXT」の背景で残骸となって登場。前作のCPU戦のラストで破壊されたものが放置されていると思われるが、詳細は不明。後に解禁されたHコースでは前作と同じ姿で再びボスとして立ち塞がる場合もある。

なお"デビルガンダム"という名称は『プラモ狂四郎』に登場したライバルキャラ、サッキー竹田のオリジナルMSブラッディー・マリーの通称として既に登場していた。

関連項目