直方駅
直方駅 | |
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旧駅舎(2008年3月) | |
のおがた Nōgata | |
所在地 | 福岡県直方市大字山部226-2 |
所属事業者 |
九州旅客鉄道(JR九州) 平成筑豊鉄道 |
電報略号 | ノウ |
駅構造 | 地上駅(橋上駅) |
ホーム |
2面4線(JR九州) 1面2線(平成筑豊鉄道) |
乗降人員 -統計年度- |
(JR九州)6,293人/日 (平成筑豊鉄道)1,774人/日 -2008年- |
開業年月日 | 1891年(明治24年)8月30日 |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 | ■JR筑豊本線(福北ゆたか線) |
キロ程 | 24.8 km(若松起点) |
◄新入 (2.0 km) (2.7 km) 勝野► | |
所属路線 | ■平成筑豊鉄道伊田線* |
キロ程 | 0.0 km(直方起点) |
(1.1km) 南直方御殿口► | |
備考 |
共同使用駅 JR九州:直営駅 JR九州:みどりの窓口 有 |
直方駅(のおがたえき)は、福岡県直方市大字山部にある、九州旅客鉄道(JR九州)・平成筑豊鉄道の駅である。
概要
JR九州の筑豊本線と、平成筑豊鉄道の伊田線が乗り入れ、接続駅となっている。伊田線は当駅が起点である。また筑豊本線は愛称の「福北ゆたか線」の区間に含まれている。
平成筑豊鉄道の駅については2009年4月1日に北九州市に本社を置く鉄道車両部品販売・グラフィック業者の藤本興業がネーミングライツを取得し藤本興業studiocanada直方駅となった。
直方市の代表駅であり、新飯塚駅と並んで筑豊本線の主要駅となっている。駅に隣接して、電車・気動車の車両区(直方運輸センター)[1]と筑豊篠栗鉄道事業部がある。
駅構造
JR九州は島式ホーム2面4線、平成筑豊鉄道は頭端式ホーム1面2線を有する地上駅である。JR九州のホームについては、基本的に1番ホームと2番ホームが博多方面、3番ホームと4番ホームが折尾・黒崎・若松方面の乗り場として運用されている。
2011年に完成した駅舎は橋上駅舎となっており、約900平方メートルある駅舎の1階には7店舗が、2階には改札口など駅機能がそれぞれ設置されている[2][3]。なお、駅舎のデザインはJR九州の車両デザインなどを多く手がける水戸岡鋭治によるものである[4](詳細は後述)。
構内店舗
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駅舎と周辺
2011年4月29日に橋上駅舎である新駅舎が開業した。駅舎は2階建てで瓦葺風の柿渋色の大きな屋根が特徴である。駅前広場を含め、新駅に関する基本設計をJR九州のデザイン顧問でもある水戸岡鋭治が監修した。旧駅舎にはなかったエレベーターとエスカレーター、公衆便所が設置されており、バリアフリーに対応している。
旧駅舎の時はJRと平成筑豊鉄道の駅が離れており不便であったが、新駅が平成筑豊鉄道の駅寄りに作られたため、乗り換えが便利になっている。また、直方市は須崎町土地区画整理事業・直方駅地区交通結節点改良事業として、駅周辺の大規模な区画整理などを行っている。
旧駅本屋は明治時代に建築されたものである。初代博多駅の駅本屋を移築した可能性が高く、木造駅舎でネオ・バロック様式の駅舎としては九州最古である[5]。正面の車寄せには古代ギリシャ建築で用いられるエンタシス風の柱が立つ。
旧駅前ロータリーにある「太陽と月と川と」というモニュメントは1997年に設置された2代目のものであるが、駅前整備事業に伴って10メートルほど離れた交差点に移転する予定がある[6]。なお、かつて設置されていたもの(炭坑夫の像)は、遠賀川河川敷に移設されている。
駅弁
このほか、立食いうどん「かしわうどん」も販売している。
利用状況
- JR九州
- 2008年度の1日平均乗降人員は6,293人(前年度比+70人)である。
- 平成筑豊鉄道
- 2008年度の1日平均乗降人員は1,774人(前年度比+121人)である。
年度 | 1日平均乗降人員 | |
---|---|---|
JR九州 | 平成筑豊 | |
2002 | 7,489 | 1,698 |
2003 | 6,811 | 1,758 |
2004 | 6,599 | 1,848 |
2005 | 6,589 | 1,850 |
2006 | 6,484 | 1,830 |
2007 | 6,223 | 1,653 |
2008 | 6,293 | 1,774 |
駅周辺
周辺は市の中心的な市街地となっているほか、市民ホール(ユメニティのおがた)・図書館・バスセンターなどが駅の近くに立地している。また、駅正面右手の「明治町アーケード」および、直方最大の商店街である「古町アーケード」も近い。
駅正面から南へ10分ほど歩くと多賀神社、直方市石炭記念館、ギャラリーのぐち(雑貨・家具・陶磁器などの店舗が並んでいる)などが立地している。
- 名勝・旧跡など
- 官公庁・公共施設
- 直方市役所
- 福岡県直方総合庁舎・土木事務所
- 福岡県警察 直方駅前交番
- ユメニティのおがた(市民ホール)
- 須崎公園
- 文教施設
- 直方市立図書館
- 直方市石炭記念館
- 直方歳時館(旧堀三太郎邸)
- ギャラリーのぐち
- 直方谷尾美術館
- アートスペース谷尾
- 大和青藍高等学校
- 福岡県立鞍手高等学校
- 直方市立直方第二中学校
- 直方市立直方北小学校
- 中小企業大学校直方校
- 郵便局・金融機関
- 交通
- 筑豊電気鉄道 筑豊直方駅(徒歩約11分)
- JR九州バス 直方駅(後述)
- 西鉄バス筑豊 西鉄直方バスセンター(後述)
- 国道200号 日の出大橋
- 県道27号直方芦屋線
- 県道40号直方停車場線
- 企業・店舗
- サンリブ 直方店
バス路線
駅周辺には、JR九州バスと西鉄バス筑豊のターミナルがそれぞれ別個に設けられている。
JR九州バス
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/48/JR_Kyushubus_N%C5%8Dgata_Station.jpg/220px-JR_Kyushubus_N%C5%8Dgata_Station.jpg)
1943年2月、省営バス直方線開業と同時に開設された自動車駅で、JR九州バス直方支店に併設されていた。所在地は直方市須崎町1番22号で、JR直方駅前を出て左前方にあったが、直方都市計画事業須崎町土地区画整理事業に伴い支店機能は福丸車庫用地に移転、2010年6月1日付けで福岡中部支店となった。それ以降は自動車駅も車庫・事務所含めすべて取り壊され、隣接する駐車場用地に仮停留所が設けられていたが、2011年9月17日より西鉄直方BC4番のりばから発車となっている。[10]
直方市と宮若市方面とを結ぶ路線に加え、博多駅に至る中距離バス路線もここから出ている。なお、建物の一角は西日本新聞の販売店「エリアセンター」となっていた。 かつては直方市東部の内ヶ磯や市南部の武谷、赤池町(現・福智町)の赤池・上野峡への路線もあったが、現在では廃止されている(このうち内ヶ磯への路線は西鉄バス筑豊に譲渡)。
西鉄バス筑豊
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/50/Nishitetsu_N%C5%8Dgata_Bus_Center.jpg/220px-Nishitetsu_N%C5%8Dgata_Bus_Center.jpg)
もとは西日本鉄道が設置したバスターミナル。駅舎のエスカレーターを降りて、道路を渡った正面にある。旧駅舎の時は駅本屋から約100m離れていた。尚、JRバス乗り場とは約150m離れている。
西鉄バスと、地域子会社である西鉄バス遠賀のバスが発着していたが、2003年のグループ再編で西鉄バス筑豊に移管された。営業所は遠賀川を挟んで反対側の離れた場所にある。
なお、直方バスセンターが終点となっている路線の降車場は西鉄バスセンターではなく、旧JRバス乗り場の真向かいで駅前通り上にある。
現在は福岡市・北九州市とを結ぶ都市間輸送長距離路線と、直方市内と近隣を結ぶ路線の基点となっている。かつては直方市内各地へ向かうバス路線や赤池(福智町)•田川方面への路線もあったが、筑豊地区の人口減少、モータリゼーションの進行、平成筑豊鉄道の開業などにより利用者の減少が進んだため多くが廃止された。現在残る路線も末端区間が廃止されたり、全体的に減便されるなどの減量化が進んでいる。しかしながらイオン直方ショッピングセンターに乗り入れを開始するなど新規需要の獲得にも積極的である。
- 発着路線
- 西鉄バス筑豊(直営路線)
- 高速;直方 - 九州自動車道 - 西鉄天神バスセンター
- 特急:直方 - 北九州都市高速道路 - 小倉駅 - 砂津
- 急行:直方 - 馬場山ー小嶺 - 引野口 -黒崎
- 1:直方→西鉄直方→頓野団地→西鉄直方→直方
- 2:直方→西鉄直方→中原→出口→西鉄直方→直方
- 3:直方→西鉄直方→出口→中原→西鉄直方→直方
- 7:直方 - 永満寺 - 内ヶ磯(ジェイアール九州バスから譲受)
- 10:直方 - 百合野団地 - 宮若市役所
- 13:直方 - 感田電停 -直方中央病院 - 浄福寺 - イオンモール直方
- 68:直方 - 直方PA口 - 鞍手車庫 - JR遠賀川駅
- 69:直方 - 新入 - 鞍手車庫 - JR垣生駅 - 筑鉄中間
- 75:直方 - 高六 - グローバルアリーナ - 赤間営業所
- イオンシャトルA便:直方 - 感田電停 - 中央病院 -イオンモール直方
- イオンシャトルB便:直方 - 感田電停 - イオンモール直方
歴史
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d3/Nogata_station_1928.jpg/220px-Nogata_station_1928.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b5/Porte_cochere_at_NOOGATA_Station_Fukuoka%2CJAPAN.jpg/220px-Porte_cochere_at_NOOGATA_Station_Fukuoka%2CJAPAN.jpg)
直方駅は1891年(明治24年)8月30日に筑豊興業鉄道によって開設された。1899年(明治32年)から、筑豊地区の石炭輸送の拠点駅とするために拡張工事が行われて、筑豊炭田の各地からやってくる石炭車がここで行き先別に編成しなおされて送り出されるようになった。13本の仕分け線が設けられ、2つの出発信号機が設置されて若松・西八幡・上戸畑へと送り出されていた。ヤードには照明灯が設けられ、昼夜を分かたず列車を送り出す作業が行われていた。1910年(明治43年)3月には駅舎の改築工事が完成し、初代の博多駅の駅舎が移築された。これは改築を受けつつも現代まで残されている。
しかし、第二次世界大戦後はエネルギー革命により石炭の出荷が減少するようになり、筑豊地区では1958年(昭和33年)から石炭輸送が減少に転じた。これにより直方駅の作業も縮小されていき、1984年(昭和59年)2月1日に貨物取り扱いが廃止された。2001年には電化が完成して電車が発着するようになるなど、その後は旅客駅として機能している。
駅周辺整備と旧駅舎の保存議論
2006年、直方市が計画している駅周辺整備事業構想の中で駅舎の建て替え計画が浮上した。のち、市が2009年に策定した「中心市街地活性化基本計画」にもとづいて駅を中心とする約105ヘクタールを2010年から整備することとなった。このうち駅舎の改築についてはJR九州が、駅前ロータリーなどを市が事業化することとなり[11][12][13]、駅舎については2011年4月29日に完成式典が行われ供用を開始した[2][3]。
一方、旧駅舎は歴史的価値があるとされることから、建て替え計画当初より市民有志により駅舎の保存が提唱されていた。2011年1月から直方文化遺産研究会が行った署名活動[14]に対して1万7千人あまりの賛同があり市に提出されたが、これに対しても市は、文化財的価値について調査ののち施設の一部を残し解体するとした既定方針を堅持している。[15][4]また、直方市は「旧駅舎は初代博多駅を移築したものであるかどうかを確かめる調査はしない」としている。[16]
沿革
- 1891年(明治24年)8月30日 - 筑豊興業鉄道(1894年8月、筑豊鉄道に改称)が開設。
- 1893年(明治26年)2月11日 - 直方 - 金田間に支線(伊田線)が開業。
- 1897年(明治30年)10月1日 - 九州鉄道(初代)が筑豊鉄道を合併。
- 1899年(明治32年)9月 - 石炭輸送の拠点駅とするための拡張工事が開始される。
- 1907年(明治40年)7月1日 - 九州鉄道(初代)が国有化され官設鉄道の所管に。
- 1910年(明治43年)3月 - 駅舎の改築工事が完成。初代博多駅の駅舎を移築したものである。
- 1960年(昭和35年)9月 - 気動車基地が完成する。
- 1966年(昭和41年)9月 - 西口が開業。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 貨物業務取扱廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により九州旅客鉄道が継承。
- 1988年(昭和63年)3月 - 駅舎改築工事完成。
- 1989年(平成元年)10月1日 - 伊田線が平成筑豊鉄道に転換。
- 2001年(平成13年)10月6日 - 直方 - 博多間に特急「かいおう」運転開始。
- 2009年(平成21年)
- 2011年(平成22年)4月29日 - 新たな駅舎の供用を開始し、旧駅舎の使用を前日限りで終了する。
隣の駅
- 平成筑豊鉄道
- ■伊田線
- 直方駅 - 南直方御殿口駅
参考文献
- 九州鉄道百年祭実行委員会・百年史編纂部会 九州の鉄道100年記念誌『鉄輪の轟き』九州旅客鉄道 1988年
脚注
- ^ 以前は直方車掌区もあったが、のちに門司車掌区へ統合された。
- ^ a b JR直方駅に新駅舎完成[リンク切れ](NHK福岡のニュース) - NHKオンライン(2011年4月29日付、同日閲覧)
- ^ a b 魁皇関が29日に一日駅長 直方駅新駅舎の開業祝う[リンク切れ] - 西日本新聞(2011年4月23日付、同月29日閲覧)
- ^ a b JR直方駅:新駅あす開業 /福岡 - 毎日jp(毎日新聞社、2011年4月28日付、同月29日閲覧)
- ^ この他に、博多駅の旧駅舎は「吉塚駅の駅舎とするため吉塚へ運ばれた」という説もある(「博多駅65年史」より、西日本新聞2011年6月16日で紹介された)。
- ^ モニュメント残った JR直方駅前 「太陽と月と川と」 設置15年…新交差点に移転へ[リンク切れ]西日本新聞2011年6月24日(同月28日閲覧)
- ^ 九州駅弁(直方駅の検索結果) - 社団法人九州鉄道営業会
- ^ 直方市統計 運輸・通信(平成21年度版) - 直方市
- ^ 直方市統計 運輸・通信 - 直方市
- ^ http://www.jrkbus.co.jp/shared/PDF/20110906_news_001.pdf
- ^ 中心市街地活性化基本計画 (PDF) (p.16) - 直方市(2009年6月付、2010年9月14日閲覧)[リンク切れ]
- ^ 直方市中心市街地活性化基本計画 - 直方市(2011年4月29日閲覧)
- ^ JR直方新駅舎や自由通路、直方駅前広場はいつ完成しますか。(よくある質問) - 直方市(2010年9月28日付、2011年4月29日閲覧)
- ^ 築101年目直方駅 保存求め署名へ - 47NEWS(ソース元は西日本新聞、2011年1月14日付、同年4月29日閲覧)
- ^ 直方駅の保存等を目指し1万7282人分の署名提出 - 直方市(2011年4月1日付、同月29日閲覧)
- ^ 直方市「移築調査せず」 旧駅舎解体問題西日本新聞2011年6月16日(同月28日閲覧)
関連項目
外部リンク
- 直方駅(駅情報) - 九州旅客鉄道