特定失踪者問題調査会
設立 | 2003年1月10日 |
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種類 | 任意団体 |
目的 | 北朝鮮による拉致の疑いのある失踪事件について調査を行い、もって拉致事件の全面解決に資する。 |
本部 |
東京都文京区後楽2-3-8 第6松屋ビル401 |
関連組織 |
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会) 家族会 拉致議連 地方議員の会 法律家の会 |
予算 | 支援者のカンパ |
ウェブサイト | http://www.chosa-kai.jp/ |
特記事項 | 救う会失踪者調査部門が分離独立 |
特定失踪者問題調査会(とくていしっそうしゃもんだいちょうさかい)は北朝鮮による拉致の可能性を調査する市民団体。代表は荒木和博。
概要
特定失踪者問題調査会は2003年、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(通称「救う会」)から分離し設立された。役員は「理事」を称するが、任意団体であり、法人格は取得していない。
「救う会」から分離した理由は、「特定失踪者」についての調査活動を優先し、政治運動色を弱めること、失踪者が北朝鮮による拉致事件とは無関係だった場合の混乱を避けるためである。
特定失踪者問題調査会は、愛する家族が失踪したまま生死が分からないのことは悲惨なことであり、どのような原因であっても一日でも早く家族との再会や真相の究明がなされることを望んでいる。
特定失踪者
特定失踪者問題調査会の定義する「特定失踪者」とは、家族・関係者等から調査依頼があった「夜逃げをするような理由が全く見あたらないのに突然姿を消した人」で「北朝鮮による拉致の疑いが完全には排除できない人」を指す。従って同会が特定失踪者に認定することは直ちに同会が「北朝鮮による拉致の疑いのある失踪者」と認定したことを意味するのではない。同会の調査によって特定失踪者の消息や失踪の経緯が明らかとなり、北朝鮮による拉致の疑いが晴れれば失踪事件の解決に資するのであって、既に日本人拉致を行ったことを認めている北朝鮮による拉致の可能性を考慮すること自体には何ら問題はない。同会発足から2011年10月までに同会が調査した特定失踪者は470名以上にのぼる。特定失踪者にはその調査に際し「家族等が失踪者の情報公開を依頼した人」(同会では「0番台リスト」と称している)とそうではない(情報非公開)人がある。更にその中から「北朝鮮による拉致の確率が高い失踪者」(同会では「1000番台リスト」と称している。全員情報公開)が抽出されている。特定失踪者すべてを「北朝鮮による拉致の確率が高い失踪者」として扱っているわけではなく、家族・関係者等から同会に依頼や照会があり、「夜逃げをするような理由が全く見あたらないのに突然姿を消した人」で「北朝鮮による拉致の疑いが完全には排除できない人」に該当する場合は特定失踪者として調査を行っている。このため特定失踪者には同会発足以前に発生し公開捜査がなされている未解決事件の行方不明者なども含まれ、これらについては付帯情報として北朝鮮工作員に関わる事案等が示される場合もある。
特定失踪者と拉致被害者等の扱い
特定失踪者認定・調査は民間団体である同会が個人情報を扱うことからあくまで家族・関係者等が「失踪している」として同会に依頼した人であることが条件であり、身寄りがないなど家族・関係者等からの依頼がない場合は元より特定失踪者としては扱われない。また政府認定拉致被害者は日本国民であることが前提であるが、特定失踪者についてはそのような条件はないため、消息不明となっている在日朝鮮人等も含まれている。更に北朝鮮とのかかわりが疑われることが前提ではないため、拉致被害の疑いが濃厚とされ警察の捜査対象となっている人物であるという理由では特定失踪者にはならない。北朝鮮工作員に関わる何らかの犯罪行為に巻き込まれているものとして警察当局が捜査し、北朝鮮工作員に関わる事件であると断定した事案の行方不明者で、且つ政府認定拉致被害者以外の行方不明者である田中実・小住健蔵は特定失踪者ではない。田中実については家族がおらず、小住健蔵は家族はいるものの事件発生以前から当人と音信不通であったため調査依頼がなく、特定失踪者の対象外であるが、両名については2002年10月、政府が非公式に北朝鮮に消息の照会を行ったいわゆる「未認定拉致被害者」である。田中実についてはその後政府認定拉致被害者となったが、北朝鮮から「入境していない」との回答があった。またよど号ハイジャック事件実行犯岡本武と北朝鮮で結婚したという日本人女性についても拉致の疑いがあるものの、同会への家族等からの調査依頼はないため特定失踪者ではない。更に寺越昭二・寺越外雄・寺越武志については北朝鮮工作員に関わる何らかの犯罪行為に巻き込まれているものとして警察当局が捜査し、北朝鮮工作員に関わる事件の被害者であると断定した事案であるが、3名の消息が判明しているため特定失踪者とはなり得ず、「未認定拉致被害者」の扱いである。ただ寺越武志については本人が生存し、拉致を否定したため拉致被害者ではない扱いとせざるを得なくなっている。これらについては「救う会」が調査を行っている。
このほか特定失踪者「1000番台リスト」に記載された人のうち松本京子は特定失踪者のうち政府が2002年10月、非公式に北朝鮮に消息の照会を行ったただ一人の人物であり、その後田中実とともに政府認定拉致被害者となっているが、こちらについても北朝鮮から「入境していない」との回答があった。また調査の結果及び本人が同会に名乗り出るなどして日本国内で生存していることが判明した人が46名おり、うち既に死亡していた人が3名、更にその中で別の犯罪により殺害されていた人が1名(「0番台リスト」に掲載、当該殺人事件自体は時効)あった。このほか山梨県警察本部が「1000番台リスト」掲載の特定失踪者1名について2004年3月「山形県内で発見された行旅死亡人とDNAの型が一致した」と発表したものの、その後情報が公開されず真偽不明のままとなっている。
広報・啓発活動等
2005年10月から、拉致被害者への呼びかけを目的とした短波放送しおかぜを放送している。また、東京都と合同で、都民の「特定失踪者」48人に関する情報募集のポスターを制作した。また、書籍(後述)や携帯ストラップ、サポーターグッズの販売もおこなっている。
書籍
- 毎日ワンズ編集部及び特定失踪者問題調査会 編『消えた277人』毎日ワンズ、2007年。ISBN 978-4901622226。
脚注
関連項目
外部リンク