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甲州戦記サクライザー

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ドラマ:甲州戦記サクライザー
監督 相吉雅紀
制作 山梨放送・オフィスColor eight
放送局 山梨放送
放送期間 2010年10月13日 - 2011年7月3日
話数 26話
テンプレート - ノート

『甲州戦記サクライザー』(こうしゅうせんきサクライザー)は山梨県を舞台としたご当地ヒーロー作品である。テレビドラマは山梨放送で放送されているが、ショー、撮影などの活動・製作は全て市民団体で行なわれている。全編を通して甲州弁が使用されていること、ヒーローものであるにもかかわらず主人公が「イケメンではない」ことなどが特徴。決め台詞は「はんでめためたごっちょでごいす!」

概要

山梨県の県花である「富士桜」をイメージして作られたご当地ヒーロー。2010年8月7日(土)26時40分~山梨放送で深夜枠として単発ドラマを放送。その後、同2010年10月13日(水)から、1stシーズン(毎週水曜16時23分~全12話)翌2011年4月3日(日)から2ndシーズン(毎週日曜11時40分~全14話)合わせて全26話のドラマが放映され、各話ごとに山梨県内の27市町村を舞台としている。(通常は15分番組だが、26話は30分拡大版だったため、前半は山中湖村、後半は富士河口湖町を舞台としたストーリーとなっている)唯一、主人公の勤務先である「超常現象対策課」がある「北山梨市」のみが架空の市である。

テレビドラマだけでなく、山梨県内のショッピングセンターやお祭りでも積極的にショー活動を行っている。

山梨放送でドラマが放送されているため「山梨放送製作のキャラクター」というイメージを持たれがちだが、実際には全ての活動を市民団体が行なっており、撮影・映像編集・ショースタッフ・出演者・アクションチームにいたるまで、自営業・公務員・サラリーマンなどで構成されている。

あらすじ

山梨県・北山梨市。平和なこの街に、謎の集団「魔玄一族」が現れた。 北山梨市役所超常現象対策課の桜井ケータは、先輩から託された特殊スーツ「タイプ39RA」で「サクライザー」に変身し、山梨県を守るために立ち上がる。

『甲州戦記サクライザー』1stシーズン

全12話。魔玄一族復活から、ひとつめのタケダクリスタルを手に入れるまでを描いている。舞台となった市町村は全12市町村。最終回で前田刑事がライガに襲われ、手に入れたタケダクリスタルを魔玄一族に奪われてしまう。

『甲州戦記サクライザー』2ndシーズン

全14話。1stシーズンの続編。舞台となった市町村は全15市町村。魔玄一族にタケダクリスタルを全て奪われ、伝説の鬼・サイガが復活するも、一応の決着をつける。魔玄一族とサイガを封印するには至らずとも、サクライザーは山梨の平和を守りきったのだった。

『甲州戦記サクライザー』エピソードゼロ

1stシーズンDVDの特典映像。本編より過去の物語を描いている。

ドラマの特徴

1st・2ndシーズンに共通して、各話ごとに山梨県内の市町村が舞台となっており、また、その市町村在住のご当地ヒロインが必ず登場。ヒロインは地元市役所の職員や保育士など全員が素人である。惚れやすい桜井がヒロインと出会い「かわいい!」と心を奪われるシーン、サクライザーが魔玄一族を追い払いヒロインが「サクライザーって素敵!」と言いながら両手を胸の前で組む仕草をするシーン、最後に桜井がヒロインに告白し振られてしまうシーンがお約束である。

登場人物

サクライザーの仲間たち

桜井ケータ(さくらい・ケータ)
本作の主人公。
先輩の武田から託された特殊スーツを装着する事によって、「イケメンでないのにもかかわらず」ヒーロー・サクライザーに変身する。
北山梨市超常現象対策課の職員で、山梨県をこよなく愛している。
可愛い女性にはすぐに惚れてしまうがうまくいったためしがなく、彼女ない暦=年齢。
話す言葉は「甲州弁」であり、「なんちゅうこんで!」(なんということだ!)「ほうは言っても無理じゃんな」(そうは言っても無理だよなあ)などをよく口走る。
市役所規定の作業服に市役所の名入りタオルを首に巻いているのがいつものスタイル。
真田戸馬(さなだ・とうま)
1stシーズン・2ndシーズンに登場。
北山梨市役所超常現象対策課に配属された新人で、桜井の後輩。特別な力は持たないが、桜井の心強い味方。
山梨県内の出身ではないため甲州弁がわからず、先輩である桜井の話す言葉が通じないことも。
2ndシーズンに入ってから超常現象対策課に配属された桃井といつの間にかいい感じになっていた。
女運に恵まれない桜井とは違い、昔付き合っていた女性が現れたり(11話)気付いたら桃井といい感じになっていたりと、案外モテるようである。
賀茂鹿楓(かもしか・かえで)
1stシーズン・2ndシーズンに登場。
北山梨市の市長で、元・警察官。凶悪犯罪に巻き込まれ娘を亡くした過去を持つ。それが魔玄一族の仕業と知り、玄太、山本博士と共に「タイプ39RA」を開発。しかし、警察上層部の圧力でスーツの量産化を中止、廃棄処分にされてしまう。それを機に市長となる。
やさしくおっとりとした性格だが、悪には敢然と立ち向かう芯の強さを持つ。富士河口湖町のヒロインの叔父。
サーハブ・オザワ課長
1stシーズン・2ndシーズンに登場。
超常現象対策課の課長。インド系日本人で、日本語は喋れないので常に通訳がついている。
1stシーズンではドラマの冒頭でカレーの研究をしているシーンが見られるように、カレーにこだわりがあるらしい。富士吉田市(20話)では、カレーうどんを食べているシーンもあった。
突然KIZAN2000に乗って現れたり、不思議な力を使って魔玄一族を追い払ったりと、謎の多い人物。
通訳(つうやく)
1stシーズン・2ndシーズンに登場。
サーハブの通訳。 初期のスーパーでは「課長秘書」となっていたが、現在はドラマ内でもショー内でも「通訳」で定着している。
サーハブとともに突然現れたり、意外にも戦闘能力が高かったりと、サーハブに負けず劣らず謎の多い人物。
演じているのは主題歌を歌うバンド「Pro.ZACK!」のボーカル。
山本はじめ(やまもと・はじめ)
1stシーズンに登場。
北山梨大学の天才科学者。普段は分厚い眼鏡をしているが、外すとイケメン。桜井の同級生で、サクライザーをサポートする。サクライザーの生みの親である山本四郎博士の息子。
その落ち着いた言動からクールに見えるが、底には熱いものを秘めた青年。研究に没頭したり新しい発見をすると、興奮してしまうことも。戦意を失った桜井を叱咤し、新たな武器を開発する(4話)など、若いが腕は確か。サクライザーの新しい装備を開発するためアメリカへ旅立ったきり、まだ日本に戻ってきていない。
山本四郎(やまもと・しろう)
2ndシーズンに登場。
特殊スーツ「タイプ39RA」を開発した北山梨大学の博士。はじめの父。
クールな息子とは正反対で、熱苦しく涙もろい。しかしながらその腕は確かなもので、手に入れたタケダクリスタルの力を利用してスーツや武器を強化するなど、はじめがいなくなってしまった穴を十分に埋めて余りある活躍を見せる。また、魔玄怪人に襲われるも、懐に電話帳が入っていたため助かったという強運の持ち主でもある。
斉藤ひな(さいとう・ひな)
1stシーズン・2ndシーズンに登場。
1stシーズンでは、身延町(10話)のご当地ヒロインとして初登場。その後、身延山大学を卒業し北山梨大学山本研究室に勤務し始める。山本博士の助手となり、2ndシーズンからは桜井の強い味方に。
初登場時は眼鏡を外したイケメンのはじめに何か感じるものがあったようだが、その後、2ndシーズンを通して山本博士の助手として桜井を近くで見ているうち、少しずつ惹かれていく。
桃井しおり(ももい・しおり)
1stシーズン・2ndシーズンに登場。
1stシーズンでは、丹波山村(7話)で、丹波山村役場の職員として登場。その後、北山梨市役所に転勤となり、2ndシーズンからは桜井たちと行動を共にすることが増える。桜井の従姉妹で、桜井を本当の兄の様に慕っており「お兄ちゃん」と呼んでいるが、実は桃井の方がしっかりしている面も。性格は明るく前向きでしっかりもの。
いつの間に仲良くなったのか、同じ課の真田といい感じに。
いたやま
2ndシーズンに登場。
桜井の幼なじみ。常に長髪のカツラを被っていて、胸に大きく「いたやま」の名札がついた上下緑のジャージを着ている。
躰道の達人であり、戦闘能力は高く、相手が邪忍者であれば生身のままでも1対1で張り合えるだけの強さを持っている。
また、山本博士が作ってくれないからという理由で自作したマスクとマントで「イタヤマン」に変身(26話)。しかし強化スーツではないため戦闘能力はまったく変わらず、サイガに一蹴されてしまった。
原虎男(はら・とらお)
1stシーズン・2ndシーズンに登場。
武田一刀流の師範で、桜井の剣の師匠。普段は子供達に書道を教えている(5話)。10話では、助太刀にきた女拳法家である皐月胡都葉(さつき・ことは)に惚れてしまい赤面する場面も。
修行の旅に出ていたが、23話で再登場、桜井のピンチを救う。修行の旅で会得した「武田無限斬」を桜井に伝授した。
甲州弁ではなく、土佐弁のようななまりで話す。
武田玄太(たけだ・げんた)
1stシーズン・2ndシーズンを通して回想シーンのみで登場。
武田一族の末裔で、桜井の地元の先輩。山梨県甲府北口署の刑事。甲府市のご当地ヒロイン・愛の兄。廃棄処分が決まってしまった「タイプ39RA」を無断で持ち出し、桜井に託す。その際に魔玄一族と遭遇し、行方不明になってしまった。
キャスケット帽にサングラスという刑事らしからぬ風貌だが、根はやさしく正義感の強い男。
武田愛(たけだ・あい)
1stシーズン・2ndシーズンに登場。
1stシーズンでは、甲府市(8話)のご当地ヒロインとして登場。玄太の妹。「風」のクリスタルを所持。
その後、26話で武田一族に伝わる刀「陰雷」を桜井のために家から持ち出し、前田刑事に託す。
名家のお嬢様らしくおしとやかな印象を受けるが、武田家秘書(山中湖村のヒロイン)の制止を振り切って家宝である刀を持ち出すなど、行動力のある面も。
未だ行方の知れない兄の安否を気にかけている。
前田宏真(まえだひろまさ)
1stシーズン・2ndシーズンに登場。
玄太の同僚で、友人。山梨県甲府北口署捜査一課の刑事。
12話でライガに刺され意識不明になるが、22話で復活を果たす。その際に、橋本ひとみ(はしもと・ひとみ)という名前の恋人がいることが判明している。
演じているのは山梨放送のアナウンサー・前田真宏。
サクライザー
主人公・桜井ケータが、山本博士が開発した特殊スーツ「タイプ39RA」を装着し、変身した姿。頭部には山梨県の県花である「富士桜」の花、胸には武田信玄の「武」の文字、ベルトには武田信玄の家紋である「武田菱」をあしらっている。
変身時のかけ声は「チェンジ!サクライザー!」。その際、手で武田菱の形を作るのが変身ポーズとなっている。登場時の決め台詞は「はんでめためたごっちょでごいす!サクライザー、ただいま参上!」。「はんでめためたごっちょでごいす」とは甲州弁をいくつか連ねただけのもであり、深い意味はない。敢えて訳すとすれば「お忙しいところご苦労様です」といった意味になるらしい。スーツを装着することで常人の3倍以上の力を発揮することができる。
必殺技は「ミリオンズラー」「甲州フジザクラシュート」「トモーミニー」「フジヤマスープレックス」など。武器である「トレジャーソード」(宝刀)や「陰雷」を使用した技としては、「雷撃一文字斬り」「武田流奥義・無限斬」などがある。

魔玄一族(まげんいちぞく)

謎の悪の集団。過去に武田一族によって追放されていたが、魔力を取り戻し再び現れた。武田の財宝・タケダクリスタルを手に入れて伝説の鬼・サイガを蘇らせ日本を征服しようとしている。

邪鬼礼威子(じゃき・れいこ)/羽山レイコ(はやま・レイコ)
魔玄一族の末裔。女の鬼。山梨を制圧することをたくらむ。1stシーズンでは女性警察官「羽山レイコ」として桜井たちと行動を共にし、タケダクリスタルを探していたこともあった。
「火」のタケダクリスタルをも持っていたこともありその魔力は相当なものだったが、25話で、4つのタケダクリスタルを使って伝説の鬼・サイガを復活させる為にその力をほとんど使い果たしてしまう。そのため、25話以降は白髪となり、顔に描かれていた赤い炎の文様も消えている。
「魔玄忍法・影縫い」や「魔玄忍法・火炎つぶて」といった特殊な技でサクライザーたちを苦しめる。
ライガ
サクライザーのライバル。クモを依り代とした魔玄怪人で、三日月形に曲がった剣で攻撃する。6話で、サクライザーによって左腕を切り落とされるも、より強力な鋼のツメを手に入れて復活。その手で前田刑事を襲い、「風」のクリスタルを奪う(12話)。24話でサクライザーに倒されたかに見えたが、実は生きていたようである(26話)。礼威子同様に「魔玄忍法・影縫い」といった特殊な技を使うこともでき、他の魔玄怪人たちに比べその能力は段違いのようである。
サイガ
魔玄一族で伝説の鬼と呼ばれる存在。タケダクリスタルによって封印されていたが、25話で、礼威子によって復活。カミキリムシのような様相をしている。復活後、圧倒的な強さでサクライザーに勝つ(25話)。完全体になるとその体内に眠る「魔の線虫」を火山に打ち込みマグマを活性化させて噴火させるという力を持つ。26話で、サクライザーに斬られた際、一瞬、顔に青い文様の描かれた青年の姿になるが、それがサイガの実体かどうかは不明。
ハチスカー/ハチスカシカオ
ハチを依り代とした魔玄怪人。右手の鋭い針で攻撃する。7話では「ハチスカシカオ」という名前で丹波山村ローラー滑り台レースに参加していた。高めの声で「ハチスカー!」と叫ぶ。19話でサクライザーに倒された。
スコルピオン
サソリを依り代とした魔玄怪人。腕に仕込んだ毒針と短剣で攻撃する。玄太が桜井にスーツを託した際に襲ったのが礼威子とスコルピオンのため桜井とも因縁のある魔玄怪人である。12話でサクライザーに倒された。
フライハーフ
ハエを依り代とした魔玄怪人。オカマ。拳法や薙刀のような武器で攻撃する。「オホホホホ」「イヤ~ン」など、オネエ言葉を話し、女性のような仕草で動く。
スカルコツゾウ
骨を依り代とした魔玄怪人。サクライザーに倒されてしまった。
アリ三兄弟(アリさんきょうだい)
サイガ復活と共に現れた強力な3人組の怪人。アリのような姿をしているため、桜井に「ありんどう(甲州弁で「アリ」の意味)」と呼ばれた(26話)。常に3人で行動しているらしく、それぞれ腰に巻かれている布の色が違う。
邪忍者(じゃにんじゃ)
魔玄一族の忍者集団。「ギョイー」という掛け声と共に何人かの集団で襲ってくることが多い。刀やくないなど、武器を使う者もたまにいるが、基本的に素手で攻撃する。

武器・アイテム

特殊スーツ「タイプ39RA」(とくしゅスーツ「タイプさんじゅうきゅうあーるえー」)
山本博士が開発した強化スーツ。山梨の県花「富士桜」をイメージして作られた。魔玄一族に対抗する手段として当時警察官だった賀茂鹿市長らの手で開発・量産化を進めていたが、警察上層部により量産化を中止。廃棄処分されそうになっていたものを玄太が持ち出し、桜井に渡す。警察の人間のデータが全て登録されており、上層部によってロックされているせいで警察関係者は装着することができない。そのため、スーツは桜井の手に託されることになった。装着することで常人の3倍以上の能力を発揮でき、また、タケダクリスタルの力で強化することもできる。内蔵マイクで通信することも可能。
トレジャーソード
サクライザーの武器。刀。つばの部分が武田菱の形をしている。4話において、はじめが開発した。
名前の由来は山梨の郷土料理「ほうとう」を漢字にあてて「宝刀」とし、それを英語読みにしたもの。
陰雷(いんらい)
武田一族に代々伝わる家宝の刀。26話で、山本博士がこの刀を強化し、サイガに対抗できるようにしたものが現在の「陰雷」である。強化後は刀身に稲妻のような文様が入っている。
タケダクリスタル
不思議な力を持つとされる武田の財宝。「風」「林」「火」「山」の4つで、全て揃えることにより強大な力が手に入るとされる。それぞれ県内に散り、「風」は武田一族の末裔である愛(甲府市のヒロイン)が、「林」は名家・春日居家の令嬢である笛吹市のヒロインが、「山」は玄太の知人である小野あい(南部町のヒロイン)が、持っていた。「火」のクリスタルは富士吉田市の神社(火の神を祀っている)におさめられていたものを礼威子が奪い、自分の力として使用していた。
KIZAN2000(キザンにせん)
サクライザーの使用するサイドカー。真っ赤な車体に武田菱のマークがついている。26話でサイガに破壊されてしまった。
疾風(はやて)
山本博士の手によって、「風」のタケダクリスタルの力で強化された「タイプ39RA」の特殊能力。ベルトの武田菱の上の菱型部分を押すと発動。目にも止まらぬ速さで移動できるが、その分、桜井の体への負担は大きく、初めて使用した際には筋肉痛で動けなくなってしまった。
飛燕(ひえん)
山本博士の手によって、「林」のタケダクリスタルの力で強化された「タイプ39RA」の特殊能力。ベルトの武田菱の右手側の菱型部分を押すと発動。瞬間移動ができる。自分自身だけでなく、触れている人間や物体も一緒に移動させることができる。ただし、使用した際には体に一瞬ビリビリと電撃のようなものが走る。桜井は「あ~ビリビリする~」と表現している。

脚注