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グーゴルプレックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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グーゴルプレックス (Googolplex) は1010100、すなわち10の(10の100乗)乗を表す数で、10googolや1の後に0を1グーゴル個つけることによっても表せる。

語源

1920年、アメリカ合衆国数学者エドワード・カスナーの当時9歳の甥ミルトン・シロッタ (Milton Sirotta) がグーゴルという新語を作り、後に「1の後に疲れるまで0を書いた数」としてグーゴルプレックスという数を提案した。カスナーは「人によっていつ疲れるかという時間は異なる。プリモ・カルネラは持久力があるというだけでアルベルト・アインシュタインよりも良い数学者だということにはならない」として、これに正確な定義を与えた[1]

大きさ

グーゴルは、1079から1081と推定される観測可能な宇宙の全原子数や、8×1060と推定されるビッグバンから今までの時間をプランク時間単位で表した数よりも大きい。ビッグバンから今までの全ての時間における観測可能な宇宙の全原子の状態を1つずつとして考えると、約8×10140となりグーゴルより遥かに大きくなる。

グーゴルプレックスは1の後にグーゴル個の0が続く数であるため、十進法で全てを書き下すのは、例え『観測可能な宇宙』の物質を紙とインクに変えても不可能である。 TeXの1ポイントのフォントは0.3514598mmとほとんど読めないくらい小さいが、この大きさでこの数を書くと3.5×1096mの長さになる。『観測可能な宇宙』の直径は7.4×1026mに過ぎないため、この長さは。『観測可能な宇宙の直径』の4.7×1069倍にあたる。またもし1秒に2文字の数字を書ける人がこの数を書き下すとすると、宇宙の年齢の1.1×1082倍の時間が必要となる。

なお、宇宙の大きさについては、無限大も含めて諸説あり、インフレーション後の宇宙の大きさとして出された物理学者レオナルド・サスキンドによる解のひとつは、 m であり[2][3]、これは、10のグーゴルプレックス乗光年よりも、はるかにでかい。

現実の世界ではグーゴルプレックスの値の例となるものを探すのは難しい。量子状態ブラックホールの世界では、ドン・ページは「太陽ほどの質量のブラックホールで情報が本当に失われるかどうかを実験的に確かめるとすると、ブラックホールが蒸発した後に101076.96倍の大きさが必要である」と述べている[4]。別の論文でページは、アンドロメダ星雲ほどの質量のブラックホールの状態量はグーゴルプレックス程度であるとも述べている[5]

純粋数学では、グーゴルプレックスはクヌースの矢印表記多角形表記コンウェイのチェーン表記などの方法で表される巨大数ほど大きくはないが 3↑↑4 や 1 0↑↑3 よりも大きい。もっと単純に、例えば

などと書くだけで容易にグーゴルプレックスよりも大きい数を表すことができる。これは別の表記法で610や10⇈6と書くことができる。また10のグーゴルプレックス乗も 10 ^ 10 ^ 10 ^ 100 と単純な方法で書くことが出来る。グーゴルプレックスを指数表記で書くと10 ^ 10 ^ 100 となる。

数学のには急速に大きくなるものがある。例えばアッカーマン関数の第1項は1、第2項は22=4であるが、第3項は333となり7兆よりも大きくなる。グラハム数はさらに巨大になり、おそらく数学者が扱ったことのある最大の自然数である。

グーゴルプレックスは累乗を用いれば簡単に表すことができる。また巨大数を表す他の表示法によっても表せる。

その他

関連項目

出典