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PowerBook G4

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PowerBook G4
PowerBook G4 15インチモデル
開発元 アップル
種別 ノートパソコン
発売日 2005年10月19日
ウェブサイト サポート - PowerBook G4

PowerBook G4(パワーブックジーフォー)は、アップルが2001年から発売していたノート型Macintoshで、モトローラ(フリースケール・セミコンダクタ)のPowerPC 74xx シリーズ(PowerPC G4)を搭載した、PowerBook最後のシリーズ。後継機種として2006年にMacBook Proが発売され、販売終了となった。

特徴

PowerBook G4シリーズはCPUにPowerPC G4を採用したPowerBookである。2001年に発売されて以降、2006年まで長期に渡り販売されたことから、前期(チタニウムPowerBook G4)と後期(アルミニウムPowerBook G4)では基本的なデザインが大きく異なり、また、チタニウム系列とアルミニウム系列のそれぞれに、仕様が大きく異なる多様な機種が含まれている。PowerPC G5を搭載した後継機の登場が期待されたが、結局発売されることなくインテルアーキテクチャに移行したことから、最後のPowerBookシリーズとなった。

PowerBookシリーズとしては初めて金属製の筐体を採用したシリーズである。初代の15インチモデルのチタニウム合金から、17インチと12インチモデルの発表以降順次アルミニウム合金へと変わったものの、一貫して金属筐体を採用した。PowerBookシリーズは伝統的に灰色〜黒の曲線的なプラスチック筐体を採用していたため、直線的な金属筐体はこれまでのイメージを一新することとなった。

これまでのPowerBookシリーズは複数の拡張ベイをもつなど高い拡張性が特徴の一つであったが、このシリーズでは拡張ベイを廃し、大画面と薄く軽いボディの両立を追求するなど、従来とは大きく異なる方向性をとっている。全てのモデルがスロットローディングの光学ドライブを搭載している。

歴史

チタニウムPowerBook G4

PowerBook G4 (Titanium)
チタニウムPowerBook G4
開発元 アップル
種別 ノートパソコン
発売日 2001年1月9日
CPU PowerPC G4, 400MHz - 1GHz

2001年1月9日 - 初代のPowerBook G4(Ti) 400MHz, 500MHzモデル(Mercury)が発表される[1]

2001年8月27日 - 価格改定で約40,000円の引き下げが発表される[2]

2001年10月15日 - PowerBook G4(Gigabit Ethernet)550MHz,667MHzモデル(Onyx)が発表される[3]

2002年4月28日 - 解像度1,280×854ピクセルとなったPowerBook G4 (DVI) 667MHz, 800MHzモデル (Ivory)が発表される[4]

2002年11月5日 - PowerBook G4 867MHz, 1GHzモデル(Antimony)が発表される[5]Mac OS 9で起動出来る最後のPowerBookとなった。

アルミニウムPowerBook G4

2003年1月7日 - PowerBook G4 (17"-1GHz, Hammerhead), PowerBook G4 (12.1" - 867MHz, Thresher)が発表される

現行機種のMacBook Proへと続く平面的なデザインのアルミニウム製ボディを採用(略称「Al」)。以降のAl全モデルでBluetoothを内蔵し、Apple Wireless Mouse等の利用が可能。以降のPowerBookではMac OS 9はClassic環境としてのみ利用可能となる(単独起動不可)。17インチモデルには12インチモデルではオプションのAirMac Extremeを標準装備。Gigabit Ethernet、PCカードスロット、USB1.1x2、FW400およびFW800、そして世界初のバックライトキーボードを備える[6]。12インチモデルは当時アップルのポータブル製品をしては最小の2.09kgで登場。Ethernetは100BaseTXまでで、拡張性はPCカードスロットを持たず、USB1.1x2とFireWire 400を装備していた[7]。PowerBook 2400c以来のパワーユーザ向けの可搬性の高いモデルであったが、iBookとの機能的な違いはデュアルディスプレイおよびクラムシェルモード程度であった。


2003年9月16日 - PowerBook G4 (17"-1.33GHz), PowerBook G4 (15"-FireWire 800), PowerBook G4 (12.1"-DVI)が発表される

USBが全機種2.0に。このときから15インチモデルもAlとなり、上位機種のみバックライトキーボード装備。12インチモデルはビデオ出力がmini-DVIになる。

2004年4月19日 - PowerBook G4 (17"-1.5GHz), PowerBook G4 (15"-1.33/1.5GHz), PowerBook G4 (12.1"-1.33GHz)が発表される

すべての機種にAirMac Extremeが標準装備となった。

2005年1月31日 - PowerBook G4 (17"-1.67GHz), PowerBook G4 (15"-1.5/1.67GHz), PowerBook G4 (12.1"-1.5GHz)が発表される

ハードディスクに緊急モーションセンサーが搭載される。Bluetoothは2.0+EDRに。15インチモデルも全機種バックライトキーボードとなる。12インチモデルはこのモデルが最終モデルである。

2005年10月19日 - PowerBook G4 (17"-Double Layer Super Drive), PowerBook G4 (15"-Double Layer Super Drive)が発表される[8]

DDR2メモリ (PC2-4200)を採用し、CPUは省電力化を計った1.67GHzを採用。より明るく解像度の高い液晶ディスプレイ、1,680×1,050ピクセル(17インチモデル), 1,440×960ピクセル(15インチモデル)、ATI Mobility Radeon 9700, Dual Link DVI, Double Layer(2層記録)SuperDrive等を採用。12インチモデルはSuper Drive搭載モデルのみとなる(Double Layerではない)。

自主回収・無償交換

2005年と2006年に、PowerBook G4シリーズとiBook G4シリーズの一部で、LG Chem製と、ソニー製のリチウムイオンバッテリーに不具合が見つかり、アップルはそれらのバッテリーを自主回収・無償交換している[9][10][11]。 このうちソニー製バッテリーは、素材に紛れ込んだ細かな金属粉が、稀にセルをショートさせることで、動作不良、異常過熱、発火などの危険性があるとされており、数件であるが実際に発火事故が起きている。

ソニー製(2006年発表分)
機種名 バッテリーのモデル 該当シリアルナンバー(上5桁)
12インチiBook G4 A1061 ZZ338 - ZZ427
3K429 - 3K611
6C519 - 6C552(最後がS9WA、S9WC、S9WDのいずれか)
12インチPowerBook G4 A1079 ZZ411 - ZZ427
3K428 - 3K611
15インチPowerBook G4 A1078
A1148
3K425 - 3K601
6N530 - 6N551(最後がTHTA、THTB、THTCのいずれか)
6N601(最後がTHTC)
LG Chem製(2005年発表分)
機種名 バッテリーのモデル 該当シリアルナンバー(上5桁)
15インチPowerBook G4 A1045 HQ404 - HQ408
LG Chem製(2005年発表分)
機種名 バッテリーのモデル 該当シリアルナンバー(上5桁)
12インチiBook G4 A1061 HQ441 - HQ507
12インチPowerBook G4 A1079 3X446 - 3X510
15インチPowerBook G4 A1078 3X446 - 3X509

関連項目

脚注