エメリヤーエンコ・ヒョードル
エメリヤーエンコ・ヒョードル(Фёдор Емельяненко, Fedor Emelianenko1976年9月28日 - )はプロ総合格闘技選手。ウクライナ出身だがロシア在住。身長183cm、体重106kg。
『PRIDEGP 2004』準決勝では、日本でブームとなった「ハッスル」の主役であり、バルセロナオリンピック・柔道銀メダリストの小川直也に54秒でタップアウト勝利(腕ひしぎ十字固め)した。ヒョードルにとって小川は、自身が10代の頃に目標とした憧れの存在であったが、小川がハッスルポーズのプロレスラーになってからは「下品な踊りで失望した」と語り、試合前に「引導を渡します」と宣言、そしてその言葉通りに勝利した。
数々の圧倒的な試合運び、そして脅威の勝率と、そのあまりの強さに日本の格闘技ファンは畏敬の念を込めて“ラスト・エンペラー”、あるいは“氷の皇帝”と呼ぶ。
初代PRIDEヘビー級王者のアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとのタイトル戦では、後に「氷の拳」と呼ばれる強力なパウンドで圧倒し、判定で勝利。第二代王者となり、総合格闘技界の頂点を掴む。 2005年、世紀の一戦と名うたれた対ミルコ・クロコップ戦では、PRIDEファンの「打撃ではさすがにミルコが勝つだろうから、ヒョードルは組んで倒すだのやるしかないだろう」という下馬評を無言で否定するかのように、ミルコに対して力強い打撃で押しまくり、タックルからのテイクダウン、ポジショニングでも圧倒した。ヒョードル、ミルコ、ノゲイラの三つ巴の時代から、現在ではヒョードルが抜きん出ており、それにミルコ、ノゲイラ、ハリトーノフが続いている状態になる。“完全無欠”に限りなく近いヒョードルを脅かすような選手は、当分出てきそうにない状態になっている。
エメリヤーエンコ・アレキサンダーは実弟。
なお、姓がエメリヤーネンコで名がヒョードル(より正しくはフョードル)であるため通常であれば「フョードル・エメリヤーネンコ」となるはずであるが、ロシアではパスポート等公式な書面では「姓・名・父称」の順で表記するため、そのまま「エメリヤーネンコ・ヒョードル」となってしまったと本人は述べている。
ちなみに、絵がとても上手である。
主なライバル
来歴
幼少時代からサンボ、柔道を始め、1996年柔道ロシア選手権優勝、1997年サンボロシア選手権優勝、1997年サンボヨーロッパ選手権優勝の実績を残す。
- ヴォルク・ハンにスカウトされ、RINGS RUSIA(現ロシアン・トップチーム)に加入。2000年よりRINGSで活躍し、その年に行われた『KOK2000』で実力者ヒカルド・アローナを破り注目を集める。
翌2001年には初代リングス世界ヘビー級王者に就く。さらに翌2002年にはリングス世界無差別級タイトルも奪取し、リングス二冠に輝く。
- 2002年6月、『PRIDE.21』でPRIDEシリーズ初出場。
セーム・シュルト、ヒース・ヒーリングなど、当時のビッグ・ネームを撃破し、『PRIDE.25』において初代PRIDEヘビー級王者アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラの持つタイトルに挑戦。 世界最高峰の寝技/関節技と脅威のスタミナを持ち合わせ、“21世紀最強”とも謳われたノゲイラを終始攻め続け、結果、判定で破り第二代PRIDEヘビー級王者に輝く。
2003年末に、金銭面のトラブルで、ロシアン・トップチームからレッドデビルに移籍。
一時は骨折で戦線離脱をするものの、王者となった後でも更なる驚異的進化を続ける。
入場曲はロシア国歌→Enae Volare Mezzo(Era)である。
戦績
War Record ○=勝 ●=敗 △=引き分け
- PRIDE 男祭り 2005 頂-ITADAKI- '05.12.31
- ○ VS ● ズルジーニョ
- 1R 0'26" KO
- PRIDE GP 2005決勝戦 '05.08.28
- PRIDEヘビー級タイトルマッチ
- ○ VS ● ミルコ・クロコップ
- 3R 判定 3-0 (2度目の防衛に成功)
- PRIDE 武士道 其の六 '05.04.03
- ○ VS ● 高阪剛
- 1R TKO (1R 終了時 流血により)
- PRIDE 男祭り 2004 SADAME '04.12.31
- ○ VS ● アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
- 3R 判定 3-0
- PRIDE GP 2004 Final Round '04.08.15
- - VS - アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
- 1R 3'52" 無効試合
- PRIDE GP 2004 Final Round '04.08.15
- ○ VS ● 小川直也
- 1R 0'54" 腕ひしぎ十字固め
- PRIDE GP 2004 2nd Round '04.06.20
- ○ VS ● ケビン・ランデルマン
- 1R 1'33" アームロック
- PRIDE GP 2004 開幕戦 '04.04.25
- ○ VS ● マーク・コールマン
- 1R 2'11" 腕ひしぎ十字固め
- PRIDE GP 2003 開幕戦 '03.08.10
- ○ VS ● ゲーリー・グッドリッジ
- 1R 1'09" TKO
- PRIDE.26 '03.06.08
- ○ VS ● 藤田和之
- 1R 4'17" 裸絞め
- BUSHIDO-RINGS '03.04.05
- ○ VS ● エギリウス・ヴァラビーチェス
- 2R チキンウィング・アームロック
- PRIDE.25 '03.03.16
- ○ VS ● アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
- 3R 判定 3-0
- PRIDE.23 '02.11.24
- ○ VS ● ヒース・ヒーリング
- 1R 終了 TKO
- PRIDE.21 '02.06.23
- ○ VS ● セーム・シュルト
- 3R 判定 3-0
- RINGS '02.02.15
- ○ VS ● クリストファー・ヘイズマン
- 1R 2'50" TKO(ポイントアウト)
- RINGS '01.12.21
- ○ VS ● リー・ハスデル
- 1R 4'10" ギロチンチョーク
- RINGS '01.10.20
- ○ VS ● 柳澤龍志
- 3R 判定 3-0
- RINGS '01.08.11
- ○ VS ● ボビー・ホフマン
- 不戦勝
- RINGS '01.08.11
- ○ VS ● レナート・ババル
- 2R 判定 3-0
- RINGS '01.04.20
- ○ VS ● ケリー・ショール
- 1R 1'47" 腕ひしぎ十字固め
獲得タイトル
- アマチュア
- 1996年柔道ロシア選手権優勝
- 1997年サンボロシア選手権優勝
- 1997年サンボヨーロッパ選手権優勝
- プロ総合格闘技
- RINGS世界ヘビー級王座(初代王者)
- RINGS世界無差別級王座
- PRIDEヘビー級王座(第二代王者)
- PRIDE GP 2004 優勝