関手
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関手(かんしゅ、functor)とは、圏の間の対応付けのことであり対象関数と射関数の組からなるものである。
定義
詳細は「圏論#関手(functor)」を参照
- 共変関手(covariant functor)
- 反変関手(contravariant fuctor)
性質
関手の公理からの重要な帰結として
の二つがあげられる。
いかなる圏 C においても、恒等関手(こうとうかんしゅ、identity functor)1C が、どの対象も射もそれ自身へうつすものとして定まる。関手の合成を考えることもできる。つまり F が A から B への関手で G が B から C への関手であるとき、合成関手 GF は A から C への関手となる。関手の合成は、それが定義される限り結合的である。このことから、関手が圏の圏における射となることが示される。
唯一つの対象からなる圏は、射をその元とし、合成をその演算とするようなモノイドと同値である。圏と見なしたモノイドの間の関手はモノイドの準同型に他ならない。その意味で、勝手な圏の間の関手は、モノイドの準同型の、二つ以上の対象を持つ圏へのある種の一般化になっている。
関連項目
参考文献
- S.Eilenberg and S.MacLane (1942), NATURAL ISOMORPHISMS IN GROUP THEORY
- S.Eilenberg and S.MacLane (1945), GENERAL THEORY OF NATURAL EQUIVALENCES
- H.Cartan, S.Eilenberg, With an appendix by David A. Buchsbaum (1956). Homological algebra. Princeton University Press
- S.MacLane (1998). Categories for the Working Mathematician. Graduate Texts in Mathematics 5 (2nd ed.). Springer-Verlag. ISBN 0-387-98403-8 邦題:『圏論の基礎』
- Leo Corry. Modern Algebra and the Rise of Mathematical Structures. ISBN 3764370025