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PlayStation Mobile

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PlayStation Mobile

PlayStation Mobile(プレイステーション・モバイル、旧称PlayStation Suite、プレイステーション・スイート)とはソニー・コンピュータエンタテインメントが推進するPlayStation Vita及び、Android OS搭載端末(PlayStation Certified)で動作する仮想的なプラットフォーム[1]である。

概要

従来のPlayStationハードウェアで専用ソフトを実行していた環境とは違い、多種多様環境下で共通仕様の仮想的なハードウェアを設定し、その中で共通のソフトウェアを実行させるというPlayStationの世界を広げる試みである。従来のSCEと契約したデベロッパーだけでなくゲーム機と縁の無かった開発者も含む全開発者を対象としたオープンな開発環境で[2]、現在はPlayStation Vita及び、「PlayStation Certifiedデバイス」であるAndroid OS搭載端末のみの対応だが、将来的にはPlayStation 3にも対応予定[1]

PlayStation Mobile(以下:PSM)を介してソフトを作ることでPS Vita、Androidで動作するソフトアプリを制作することができる。PlayStationという名前からゲームソフトを連想しやすいが、ゲームソフトだけではなく一般的な実用アプリも制作可能で、例えば乗換案内のアプリやニュースアプリなどを、AndroidとPS Vita両方に提供できるということになる。開発者側から見ればPS Vitaに加えてAndroidの市場も対象として制作でき、SCE側から見ればPS Vitaのコンテンツを拡充することができる。ソフトウェア開発キット(SDK)は一般に公開され、個人レベルでもPS VitaとAndroidで動くソフトを作りPlayStationStoreを経由して販売することができるようになる。これにより今までは「家庭用ゲーム機は敷居が高く難しい」と考えていた開発者もソフトを開発、提供することができるようになるという。また、ゲーム機外の分野から開発者を「PlayStation」に集める戦略の一環としている[1]

PlayStation Mobile公式開発サポートのTwitter IDは@PSMDevSupportとなっている。開発関係ハッシュタグは#pssuitedevが使われているが改名により#psmdevに移行中[3]

仮想マシン

PSMアプリケーションは、直接OSの元で実行されるものではなく仮想マシン(VM)にて実行される[4]。実行バイナリーもCPUに依存しないマネージコード[1]となっていて、現状ではARM系CPUのハードウェア上のみの動作であるが、構造上ARM以外での動作が不可能ではない。 実際SDKにはPC/AT互換機WIndows環境下のシミュレーターも付属している[2]

動作環境

仕様

PlayStation Mobile SDK

PlayStation Mobile SDK(プレイステーション モバイル エスディーケー)は、PlayStation Mobileプラットホームで動作するアプリケーションソフトウェアを開発するためのソフトウェア開発キットである。2012年4月19日に開始したオープンβ版[5]からPS Vita上で動作検証が可能になった[6]。βテストが終わった後の正式版では、年間使用権99ドルで提供される[6]。正式版で開発したアプリケーションは所定の手続きを経てPS Storeにて配信される[6]。開発言語はC#だが言語の種類は柔軟に対応するとしている[1]

入手に関しては、事実上誰でもアクセスやダウンロードが可能。(ただし最低限の審査はある)[2]

クローズドβテストでは個人で参加可能であったが、オープンβでも引き続き個人で入手が可能。

現時点ではWindows版しかSDKが存在しない。

バージョン0.99よりSDKの名称も正式名称に合わせて変更された[7]

ツール

  • PlayStation Mobile Studio:統合開発環境
    • PlayStation Mobile UI Composer:ユーザーインターフェイスのデザインツール
    • PlayStation Mobile Simulator:PC用PSSシミュレーター
    • ModelViewer:.mdxファイル(3Dモデル格納ファイル)のプレビューツール
  • PlayStation Mobile Development Assistant:PS Vita及びPlayStation Certified端末用PSM開発アシスタント
  • PSM Publishing Utility:マスターパッケージの作成・提出やアプリケーション設定、アプリケーション内課金設定用ツール

仕様

コアAPI

標準ライブラリーの他にコアAPIには以下のものを揃えている[2]

  • グラフィック
    • OpenGL ES 2.0 equivalent
  • オーディオ
    • 効果音
    • BGM
  • 入力
    • ゲームパッド
    • タッチ操作
    • モーション入力
  • イメージング
    • イメージ処理
    • フォント
  • ベクトル数値演算
  • 環境
    • クリップボード
    • コモンダイアログ(テキスト入力など)
    • シェル
    • システムイベント
    • システムパラメーター
  • サービス
    • アプリケーション内課金機能
  • ハイレベル
    • 2D物理演算
    • ゲームエンジン2D

PlayStation Certified

認証された機種にはこのアイコンがつけられる。

PlayStation Certified(プレイステーション サーティファイド)は、Android OS搭載端末メーカーに対する、PlayStation Mobile対応サポートプログラムである[8]コンテンツ再生においてプレイステーションクオリティが保てる機器にはPlayStation Certifiedロゴ がライセンスされる[8]。この認証が通った機器の総称は「PlayStation Certifiedデバイス」である[6]

対応機種

2012年9月現在。対応予定機種も含む

沿革

2011年

  • 1月27日:PlayStation Meeting 2011にてPlayStation Suite発表
  • 9月14日:東京ゲームショウSCE基調講演にてPlayStation Suiteの開発言語,SDKβテスト開始時期などの概要発表[1]
  • 11月10日:開発キットのクローズドβテスト参加者募集開始[16]
  • 12月8日:Xperiaのarc SO-01C、acro SO-02C、acro IS11S以上3機種でPlayStation Store開始[17]

2012年

  • 3月7日:SCEが2012年4月からPlayStation Suite SDKのオープンベータ版を、同年後半から正式版を提供開始と明らかにした[6]GDC 2012においてPSSカンファレンスがあった[2]
  • 4月19日:SCEが日本Androidの会 秋葉原支部定例会にて、PlayStation Suiteの日本初の制作者向け講演を行った[18]。クローズドβを終了しオープンβ開始[5]
  • 6月5日:E3にて開催されたSCEのカンファレンスでHTCがPlayStation Certifiedライセンスプログラムに参入したと発表。同時にPlayStation Suiteのサービス名称をPlayStation Mobileに変更したことも発表[19]
  • 7月13日:SDKがバージョン0.99に更新された。それに伴いSDKの名称がPlayStation Mobile SDKに変更、PlayStation Suite Development AssistantがPlayStation Mobile Development Assistantに変更された[7]
  • 8月3日:SDKがバージョン0.99.10に更新された。
  • 8月15日:2012年秋より日本、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストラリアの9か国で専用コンテンツの配信開始すると発表。同時にPlayStation CertifiedライセンスプログラムにASUSTeK ComputerWikiPadが参入したことも発表された[20]
  • 9月7日:SDKがバージョン0.99.11に更新された。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 西田宗千佳 (2011年9月16日). “西田宗千佳の― RandomTracking ― 開発責任者に聞く「PlayStation Vita/Suite」の正体~SCE 松本吉生 SVP兼第2事業部長 インタビュー~”. AV Watch. 2011年9月16日閲覧。 引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "20110916_477763"が異なる内容で複数回定義されています
  2. ^ a b c d e f g PlayStation Suite A new environment for open development.(GDC 2012 Conference)” (PDF) (英語). SCEA (2012年3月7日). 2012年3月21日閲覧。
  3. ^ [1]
  4. ^ a b c d e f g h Paul Holman. “Portable Entertainment Development - the console approach” (英語). SCEE. 2012年2月22日閲覧。
  5. ^ a b "PlayStation®Suite「プレイステーション スイート」開発者様向けプログラム、オープンベータを本日開始。試作段階のPlayStation®Suite SDKの一般提供を通じ、同SDK正式版の展開に向けた コンテンツ開発環境の構築を促進" (Press release). SCE. 19 April 2012.
  6. ^ a b c d e "PlayStation®Suite「プレイステーション スイート」の本格展開に向け、開発環境をさらに強化 2012年4月からPlayStation®Suite SDKのオープンベータ版を、同年後半から正式版を提供開始" (Press release). SCE. 7 March 2012.
  7. ^ a b 公式サイト参照
  8. ^ a b "アンドロイド端末向けにプレイステーションの世界を提供するPlayStation Suite「プレイステーション スイート」を発表 PlayStation Certified「プレイステーション サーティファイド」ライセンスプログラムを開始し、アンドロイドOS搭載携帯型端末向けに「プレイステーション」コンテンツと新たなゲーム開発環境を提供" (Press release). SCE. 27 January 2011.
  9. ^ engadget日本語版:ソニエリ Xperia / PSP / プレイステーション携帯プロトタイプ
  10. ^ engadget日本語版:動画:ソニエリ Xperia PLAY 正式発表、初代PSゲーム入りで3月発売
  11. ^ Xperia™ arc、Xperia™ acroがPlayStation™Certifiedに対応予定
  12. ^ KDDIより発売中のXperia™ acro IS11S 機能バージョンアップのお知らせ
  13. ^ a b PlayStation Suiteに関するお知らせ(Xperia acro HD SO-03D、Xperia NX SO-02D )”. SCEJ (2012年1月10日). 2012年2月22日閲覧。
  14. ^ PlayStation Suiteに関するお知らせ(Xperia acro HD IS12S)”. SCEJ (2012年1月16日). 2012年2月22日閲覧。
  15. ^ "様々なネットワークサービスを快適に楽しめる、独自デザイン採用のアンドロイド3.0搭載タブレット端末"Sony Tablet"を発表" (Press release). Sony. 26 April 2011.
  16. ^ "Developer Program for PlayStation Suite(Closed Beta Test)参加者募集開始" (Press release). SCE. 10 November 2011.
  17. ^ "PlayStation®Suiteに関するお知らせ(Xperia™ arc SO-01C、Xperia™ acro SO-02C、Xperia™ acro IS11S)" (Press release). SCE. 2011-12-8. {{cite press release2}}: |date=の日付が不正です。 (説明)
  18. ^ 【増員200名】日本アンドロイドの会 秋葉原支部 定例会+特別講演+懇親会!”. 日本Androidの会 秋葉原支部. 2012年4月15日閲覧。
  19. ^ "PlayStation®Suite「プレイステーション スイート」PlayStation™Certifiedライセンスプログラムに新たにHTCが参入 本格展開に向けてPlayStation®Mobile「プレイステーション モバイル」に名称変更" (PDF) (Press release). SCE. 5 June 2012.
  20. ^ プレスリリースPlayStation Mobile本格展開.

関連項目

外部リンク

公式サイト
プレスリリース