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山伏

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熊野山中でほら貝を吹き修行中の山伏
山伏問答の様子(伽耶院採燈大護摩供)
山岳修行者の出で立ち(都年中行事画帖〈1928年〉)
護摩を焚き祈祷する山伏の動画(転法輪寺
テフィリンを身に付けて祈りをするユダヤ人兵士

山伏(やまぶし)とは、の中をひたすら歩き、修行をする修験道行者。「修験者」(しゅげんじゃ)とも言う。

奈良吉野山地大峯山金峯山寺)を代表に、大山鳥取県)や羽黒山山形県)など日本各地の霊山と呼ばれる山々を踏破(抖擻)し、懺悔などの厳しい艱難苦行を行なって、山岳が持つ自然の霊力を身に付ける事を目的とする。

頭に頭巾(ときん)と呼ばれる多角形の小さな帽子のような物を付け、手には錫杖(しゃくじょう)と呼ばれる金属製のを持つ。袈裟と、篠懸(すずかけ)という法衣を身に纏う。 

山中での互いの連絡や合図のために、ほら貝を加工した楽器を持つ。

天狗烏天狗は、山伏の装束を身に纏う。

修験十六道具

山伏独特の修験十六道具は、それぞれ不二の世界、十界不動明王母胎などを象徴する。これらを身にまとい行を修めることにより、修験者はその力を身につけることができるのである。

1.頭襟 - 2.鈴懸(篠懸) - 3.結袈裟(不動袈裟) - 4.最多角念珠 - 5.法螺 - 6.斑蓋(檜笠) - 7.錫杖(菩薩錫杖) - 8.(箱笈) - 9.肩箱 - 10.金剛杖 - 11.引敷 - 12.脚半 - 13.八目の草鞋 - 14.檜扇 - 15.柴打 - 16.走縄(螺緒) - 17.簠簋扇 - (カンマン着

上がその一覧であるが、1.から12.を山伏十二道具、1.から16.までを山伏十六道具という。

修行体験

山伏は神仏習合の色合いが強く残る神社仏閣に所属する僧侶や神職がなるだけではなく、在家の信者が「講」を組織して修行の時だけ山伏となり常日頃は仕事を持つ社会人として働く人も多く存在する。山伏の講の多くは真言宗系当山派の醍醐寺か天台宗系本山派の聖護院のどちらかに所属する(他に吉野の、教派神道や単立寺院の山伏などどちらにも属さない場合もある)。羽黒山では毎年9月、希望者が白装束を着て入峰し、断食滝打ち火渡り床堅座禅)、忍苦の行南蛮いぶし)などの活動を通して山伏修行を体験できる。

山伏の起源の異説

ユダヤ教徒は祈りの際に黒い小箱(ヒラクティリーPhylactery、別名:テフィリン、Tefillin)を額に結びつけ羊の角笛ショーファールを吹くが、山伏も黒い小箱(頭襟)を額に結びつけ角笛に似た形の法螺貝を吹く点で、非常に類似している。このような類似性は、世界中のどの民族、宗教にも見られず、ただ、ユダヤ教徒と日本の山伏との間にのみ、存在する。古代ヘブライの祭睚レビ族は、みな白い服装をしていた。非常にゆったりとした和服のような服で、そで口には「リンネ」と呼ばれる房が4つ付いていた。ヒラクティリーを使用していた。彼らの姿は、まさしく神道の神官や修験道の山伏のような姿をしていたのである。ユダヤ人が羊の角から作る笛、ショーファー、と山伏の吹く法螺貝は、音色が似ている。日本では羊の角が入手出来なかったので、似た音の出る法螺貝で代用したという説がある[1][2]。なかには、山伏や天狗そっくりと思われるようなユダヤ人の写真も存在する[3]

ユダヤ人がお祈りの時つけているのは、テフィリン(Tefillin)と言うパーチメントに書かれた経典の入った2つの革の箱で、13歳から頭と腕に朝のお祈りのときにだけ頭と腕につけるものである。

参考文献

脚注

  1. ^ 日ユ同祖論
  2. ^ [1]
  3. ^ [2]

関連項目

外部リンク