コンテンツにスキップ

アニラジ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。K K1980 (会話 | 投稿記録) による 2013年1月15日 (火) 23:09個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Category:ラジオ番組Category:ラジオ番組のジャンルに置き換え)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アニラジとは、「アニラジオ」を略した俗称で、アニメ関連のラジオ番組のことを指す。またアニメ関連のラジオだけでなく、コンピュータゲーム(及びゲームソフト)・漫画ライトノベル声優などの関連のラジオ番組のこともアニラジと称されている。

本項では正式名称ではないが、一般的な俗称の「アニラジ」で記述する。

アニラジの多くは深夜に放送されている。

概要

1970年代より、深夜放送を中心に声優がパーソナリティをするラジオ番組はあったが、いずれもアニメを題材とする物ではなかった。

1978年NHKラジオ『ラジオSFコーナー』の特番として声優特集が組まれている。月〜金のある1週間だけ、22:15〜23:00に日替わり5人の声優が一人語りしたもので、この特番はNHK総合テレビで『未来少年コナン』が放映開始されたことによる宣伝の意味があったが、半年後に別の5人で再度企画が組まれている。

その後1979年10月のラジオ大阪アニメトピア』を皮切りに、文化放送『アニメNOW』、東海ラジオ週刊ラジオアニメック』など、1980年代前半頃の第1次アニメブーム時に東名阪をメインにアニメを題材とする番組が放送されていたがほとんど短命に終わった。これらの番組を指す一般的な呼称は当初存在しなかった。

1980年代中頃から地方局を中心にローカルでアニメ関係の内容や、声優がパーソナリティを務める番組が登場しはじめた。南日本放送アニメでGo!Go!』・ラジオ関西アニメ玉手箱』・KBS京都はいぱぁナイト(一部曜日)』などがあてはまる。

1990年代前半頃にはAMステレオ開始によるステレオ効果の高いドラマを求めるられたことなどもあり、30分番組を15分トークに15分ドラマという構成にする物がかなりの数を占めた。企画側としては放送後のドラマCDの販売による収益も見込まれた。なお、現在ではラジオドラマは電撃大賞が不定期に放送する程度となっている。

1990年代中頃の第三次声優ブームの時には様々なタイプの番組が乱立し、地方によっては帯番組一週間分がすべてアニラジになることも珍しくなかった。

1995年に声優総合雑誌『声優グランプリ』の姉妹誌として『アニラジグランプリ』が創刊されたことによって、アニラジの呼称は一般に定着したと考えられる(『アニラジグランプリ』は、『声優グランプリ』月刊化のため、同誌に吸収合併され廃刊となった)。

2000年代後半頃からは文化放送やコミック専門店アニメイトなどが、インターネットラジオを開始して番組数が増加を続けているのに対して、地上波ラジオ局の番組は減少傾向にあり、2009年の秋季改編にて長寿番組の終了が相次いだ。2011年の4月改編で全国各地で長期に渡って放送された『VOICE CREW』と『日ナレシリーズ』(いずれも日本ナレーション演技研究所提供)が相次いで終了となり地方のアニラジが少なくなった。

他にも若干ながら有線放送専用チャンネルによる番組も放送され、業界最大手のUSENがC/G26チャンネルで5番組配信している[1]

地上デジタルラジオにおいても、2007年3月より文化放送が本格的にアニラジ番組の放送を開始している。元々、文化放送系列のBSデジタルラジオBSQR489にて、地上波同様多数のアニラジが放送されていた。独自番組の他に、文化放送の地上波番組のサイマルあるいはリピート放送も行われていた。番組については同項を参照。地上波ラジオと比べて、地域によらずクリアに受信可能である、音声に加えて静止画も楽しめるといったメリットがあった。また、生番組のサイマル放送の場合、編成に余裕のあるBSでは地上波より長時間でBSでのみ聴取可能な部分が存在することもあった。2007年にBSデジタルラジオ放送が全廃となったため、現在は放送されていない。また地上デジタルラジオも2010年度で終了した。

放送形態

多様であり、黎明期にはアニメ雑誌やレコード会社による総合情報番組が多かったが、現在ではアニメやゲームなどとのメディアミックスによる番組をはじめ、アニメ・ゲーム・漫画・小説(おもにライトノベル)などを原作にしたラジオドラマ番組、人気声優がパーソナリティを務める番組、アニメソングゲームミュージック専門・もしくはメインに受け付けるリクエスト番組、アニメに関する話題をリスナーから募集して討論する番組など多岐にわたるようになっている。

放送局

AM放送は電波特性上、夜間には放送エリア外での受信が可能なことから、徐々にエリア外をも含めた内容構成になることもあり、番組があらゆる意味で広がりをみせるのが大きな特徴で、声優が出演するアニメに関係しない番組が多い。

東京・関西・東海の放送局は何らかの形でアニラジ番組を放送している。中でも文化放送・ラジオ大阪・ラジオ関西・東海ラジオが長年アニラジに力を入れている放送局としてあげられる。関西地方限定のアニラジも多数存在するが、アニメ業界は東京一極集中が激しいために、収録は専ら東京都内のスタジオであることが多い。文化放送・ラジオ大阪・ラジオ関西は各アニメ番組をブロック編成またはブランド化を行っている。ただし、ラテ欄ではゾーン名が出されることはなく各番組がタイトルを省略された形で書かれている。

TBSラジオは「954 V-STATION」を設けるなどかつて熱心だった時期もあったが、現在は『林原めぐみのTokyo Boogie Night』のみ。ニッポン放送もかつては土曜夜に大型アニラジ番組を放送していた時期があり、現在は『ミュ〜コミ+』を放送しているが純粋なアニラジ番組ではない。KBS京都、岐阜放送は若干ながらネット。そして、かつてCBCラジオ・ラジオ日本はアニラジが無かった時期があり、特にラジオ日本は「社会の木鐸」により全廃した、という過去がある。CBCラジオは唯一のアニラジ番組であった夏子と千和のツンピリラヂヲのネットを終了したため2011年秋からアニラジの放送が再び無しになった。

大都市圏での放送が活発になる一方で、東名阪地区以外の主要都市圏でもアニラジの放送本数が決して多いとは言えない現状であり、地方局の放送率は大幅に少ないのが現状である。これは地方局での放送枠に空きが無い事(JRN系列及びNRN系列のクロスネットであるため、深夜にどちらかの系列の番組を放送する)や、制作側もしくは放送局側の予算不足、もともとアニメの放送自体があまり無いため「アニメ」「声優」があまり根付いていないことが考えられる。これはUHFアニメなどの深夜アニメでも同様のケースがある。

AMラジオ局のみで放送される番組を雑音や混信と格闘しながら聴取するリスナーも少なくない。関西圏以西の局はアニラジに対してはあまり活発的ではない。また、仮に放送されても短期間で打ち切られることが多い。

東名阪地区以外でアニラジを比較的多く放送しているAM局

全く放送していないAM局(2013年1月現在)

ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)では2000年12月頃からBSデジタル放送「BSラジオNIKKEI」放送開始に伴い、『デジタルボイスステーション』(DVS)という名称を使用していた時期があったが、2006年3月にBSラジオNIKKEIが放送終了したためこの名称は廃止された。

FMではTOKYO FMNACK5FM-FUJIなどが放送している。JFNで放送していたが現在は放送していない。JFLMegaNetおよび一部の独立FM放送局(α-Stationなど)も放送していない。FM放送が音楽中心の番組構成であり、アニメなどを扱う番組には積極的になれなかったことが要因とみられている。

インターネット配信

近年ではインターネットラジオとして配信されている番組も急激に増え、スポンサーの一部はインターネット配信に軸足を移し始めている。

制作側にとっては、放送枠買取の多額の資金を提供できるスポンサーの獲得や聴取に有利な放送時間枠の獲得にとらわれず、番組制作費とサーバー管理費だけの低コストで番組配信が出来て、聴取者からの課金による有料放送で番組制作費の捻出をすることも可能である。全世界に向けて、決められた放送の『尺』にとらわれない融通の利く収録・配信が出来て、厳密な数の聴取者数が分かる他、使用OS・IPアドレス・接続時間帯などから推定できる情報により聴取層を把握、マーケティングリサーチすることで番組制作に生かせることなどのメリットがある。また、音声に加えて映像も同じ枠組みで配信可能なため、地上波アナログラジオでは不可能な映像や静止画を付加して配信している例も少なくない。

聴取者にとっては、決められた放送時間にとらわれず、居住地に関係なく、自分の生活リズムで番組が聴取出来る。ラジオと違って雑音のないクリアな音質で楽しめる。ポッドキャスティングなどでは音声データの携帯音楽プレイヤーへの取り込みなどが地上波ラジオ番組を録音した場合に比べて容易になる。

インターネットラジオの聴取にはパソコン・一部の携帯電話及びネット環境が必要であり、地上波ラジオ番組に比べて、聴取の気軽さや一般リスナー向けの宣伝効果では劣る。また、アクセスが集中した場合はサーバーや回線が混雑して聴取が困難となる。サイトによっては人気番組の更新後の混雑が慢性化しているところもある。

インターネットラジオ専用で制作されている番組が多いが、最近は番組によっては地上波ラジオ局で放送された番組をインターネット上でも配信している。その場合は、インターネットラジオでは時間の制約が緩いため、地上波でカットされた部分を追加出来る一方で、番組と関係の無いCMや著作権の都合上一部楽曲はカットされることがある。生放送番組の場合は、ストリーミング配信が可能なサイトとの同時配信(上記のとおり、収録現場の映像を一緒に流している場合もある)もある。また過去にはそれとは逆に1314 V-STATIONではネット配信した後、地上波放送していた。同じ媒体宣伝で、パーソナリティを変えて、地上波ラジオ局向けの番組とインターネットラジオ番組を別に制作する場合もある(THE IDOLM@STERの宣伝番組など)。

新人パーソナリティを起用して養成の場として活用したり、過去の地上波ラジオ番組で熱心な聴取者を獲得したパーソナリティによる、より濃い番組制作が行われることが多い。とりわけ文化放送のラジオどっとあいは新人声優の登竜門的存在である。放送時間の縛りが緩いため、タイムスケジュール本位の事務的な進行になりがちな地上波ラジオ番組に比べ、まったりした内容になる傾向がある。

配信サイト

これらのサイトで配信されている番組に関しては各項目を参照。一部地上波番組を並行もしくは遅れて配信するサイトもある。

ランティスウェブラジオ 音泉 超!A&G+ アニメイトTV BEAT☆Net Radio!
メディファクラジオ 超!放送局 キャララジオ ニコニコ動画 HiBiKi Radio Station
ZAKZAK ジャスクリ キャラアニ Galge.com WISETONE

過去のサイト

db-FM(2007年9月にて終了)
AZステーション(2008年6月配信終了)
Showgate RADIO(2008年9月配信終了)
アニスタTV(2009年3月配信終了)
スタチャインターネットラジオ

携帯電話専用サイト

電話音声による配信に加えて、近年では第三世代携帯電話の性能向上やパケット定額制の普及を背景に、携帯向けストリーミングによる配信も行われている。

文化放送 モバイルステーションA&G
ケータイサイト「声優V-STATION」
アニメイトモバイルシリーズ 声優アニメイト+hm3 おしゃべり放送局
アニメイトON AIR!
ランティスウェブラジオ FOMA向け配信
どこでもUSEN
GONZOモバイル

現在放送中の番組

※他局へのネット番組も含む
(この項では●印の番組。ただしインターネット配信も行っている番組に関しては省略)。

終了した番組

※他局へのネット番組も含む
(この項では●印の番組。ただしインターネット配信も行っていた番組に関しては省略)。

厳密にはアニラジではないが、多少なりとも関連性のある番組。

脚注

  1. ^ http://www.usen440.com/fanfan/fanfan04/C26.html チャンネル案内(Flash Player必要)

関連項目

外部リンク