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炭酸水素塩泉

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炭酸水素塩泉(たんさんすいそえんせん)は、掲示用泉質名に基づく温泉泉質の分類の一種。

概要

炭酸水素塩(HCO3)を含む化合物を主成分としていることからこの名称が付いている。アルカリ性を示す温泉が多く“美人の湯”と称されるものもある(これは効能ではないが、一種の美肌効果が期待できる(後述))。炭酸水素塩泉の中には黒湯が多く含まれる[1]。また、兵庫県有馬温泉大分県長湯温泉のように炭酸を多く含有する場合があり、これらは通称として「炭酸泉」とも呼ばれる。

新旧泉質名との対比

新旧泉質名では、以下に分類される。

旧泉質名

  • 重炭酸土類泉
    • 純重炭酸土類泉
    • 含炭酸-土類泉
    • 含食塩-重炭酸土類泉
    • 含芒硝-重炭酸土類泉
  • 重曹泉
    • 純重曹泉
    • 含炭酸 - 重曹泉
    • 含食塩 - 重曹泉
    • 含芒硝 - 重曹泉
    • 含食塩・芒硝-重曹泉
    • 含土類 - 重曹泉

新泉質名

  • カルシウム(・マグネシウム) - 炭酸水素塩泉
    • カルシウム(・マグネシウム) - 炭酸水素塩泉
    • 含二酸化炭素-カルシウム(・マグネシウム) - 炭酸水素塩泉
    • カルシウム(・マグネシウム)・ナトリウム - 炭酸水素塩・塩化物泉
    • カルシウム(・マグネシウム)・ナトリウム - 炭酸水素塩・硫酸塩泉
  • ナトリウム - 炭酸水素塩泉
    • ナトリウム - 炭酸水素塩泉
    • ナトリウム - 炭酸水素塩・塩化物泉
    • ナトリウム - 炭酸水素塩・硫酸塩泉
    • 含二酸化炭素 - ナトリウム - 炭酸水素塩泉
    • ナトリウム - 炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉
    • ナトリウム・カルシウム(・マグネシウム) - 炭酸水素塩泉

泉質の定義

温泉水1kg中に含まれる含有成分が1,000mg以上あり、そのうち重炭酸ソーダ(NaHCO3)の含有量が340mgを超えるもの。

効能

泉質に基づく効能として、以下が挙げられる。

適応症

浴用

飲用

禁忌症

美肌効果

アルカリ性の温泉では入浴すると肌がヌルヌルする。これは化学反応により皮脂から石鹸に類似した物質が作られたり、また強アルカリ性では表皮のたんぱく質が溶解するために感じるものである。このため、アルカリ性の湯は“美肌効果”、“美人の湯”と称されることがある。つまり皮膚表面の古い角質を溶解、除去する作用により、肌を滑らかにし、新陳代謝が期待できるからである。

注釈

  1. ^ 泉質:黒湯の特殊性(そしがや温泉21)

関連項目