八重山教科書問題
八重山教科書問題(やえやまきょうかしょもんだい)とは、沖縄県の八重山地区[† 1]の教科書採択を巡る一連の騒動のことである。
概要
この騒動は、2011年6月27日に行われた教科用図書八重山採択地区協議会[† 2]の定期総会における規約改正が発端となっている。
経緯
- 2011年6月27日 - 八重山地区協議会、定期総会で規約改正を実施。
- 2011年8月3日 - 八重山地区協議会、中学校の教科書選定を延期。
- 2011年8月23日 - 八重山地区協議会、中学校の教科書についての協議を実施。
問題に対する各意見
肯定的意見
否定的意見
元大学教授で宇宙科学研究者の前田佐和子は、2つの論考を発表した[1] [2]。ただし、いずれの論考も沖縄タイムス・八重山毎日新聞といった地元メディアなどからの情報の単なるまとめに終始している[要出典]。
メディアの取り上げ方
県内メディア
全国メディア
備考
うるま市教育委員会は、騒動との因果関係は不明だがホームページ上で採択結果を公表した[3]。ちなみに、採択結果を公表した自治体は現時点でうるま市のみである。
その採択結果のうち、歴史・公民はいずれも教育出版版となっているが、この採択結果をめぐっては、市議の1人が、12月定例会においてその結果に異を唱える主旨の一般質問を行っている[4]。これは中学歴史・公民の教科書採択を巡り、「つくる会」系と称される自由社・育鵬社以外の教科書に異を唱えるという、おそらく全国的に見て前例のないものである。
ちなみにこの一般質問に対し、うるま市の教育長は採択結果に問題はない主旨の答弁を行っている[5]。
なお、うるま市を含む中頭地区は、協議会における慶田盛竹富町教育長の発言[6]から、文科省や沖縄県教育委員会からの通知を無視し、それに基づかない教科書採択が現在も行われており、現時点で、八重山地区協議会のように議事録の公開はもちろんのこと、一般向けの教科書展示会が行われたという事実は確認できない[要出典]。
「つくる会」系という表現について
この騒動において、八重山地区協議会の改革に否定的な意見を持つ勢力や、沖縄タイムス・琉球新報といった地方有力2紙、及び全国紙の朝日新聞としんぶん赤旗などでは、自由社・育鵬社版の中学歴史・公民教科書を紹介する際に、新しい歴史教科書をつくる会と教科書改善の会について、「つくる会」系という表現を用いて一括りにしている。[7][8][9]
これは、教科書改善の会のメンバーに新しい歴史教科書をつくる会のメンバーがいることに由来するものと思われる[要出典]。
脚注
注釈
- ^ 石垣市・竹富町・与那国町の1市2町からなる。
- ^ 教科書の採択区域は義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律(教科書無償措置法)第12条により、都道府県教育委員会が「市若しくは郡の区域又はこれらの区域をあわせた地域に、教科用図書採択地区を設定しなければならない」とされている。
出典
- ^ 揺れる八重山の教科書選び - Peace Philosophy Centre ブログ 2011年9月14日
- ^ 八重山教科書問題の深層 - Peace Philosophy Centre ブログ 2012年5月23日
- ^ 平成24年度以降使用 うるま市立中学校教科用図書の採択結果参照。 - うるま市教育委員会 学務課閲覧
- ^ うるま市議会だより 第27号 - 2頁参照
- ^ うるま市議会だより 第27号 - 2頁参照
- ^ 八重山採択地区協議会連絡会会議概要7頁参照。 - 石垣市教育委員会 教科用図書八重山採択地区協議会閲覧
- ^ “戦争マラリア遺族が「つくる会」系批判”. 沖縄タイムス (沖縄タイムス社). (2011年8月22日). オリジナルの2011年8月23日時点におけるアーカイブ。 2011年8月22日閲覧。
- ^ “八重山教科書問題、つくる会系「問題ない」 協議会長「県民感情とは別」”. 琉球新報 (琉球新報社). (2011年8月12日) 2011年8月12日閲覧。
- ^ “「つくる会」系教科書許すな 八重山住民と思いひとつ 那覇 県民大会4周年で集会”. しんぶん赤旗 (日本共産党). (2011年9月30日) 2011年9月30日閲覧。
参考文献
- 仲新城誠『国境の島の「反日」教科書キャンペーン』(初版)産経新聞出版、2013年3月。ISBN 978-4-8191-1204-8。
関連項目
外部リンク
- 石垣市教育委員会 教科用図書八重山採択地区協議会 - 公開された議事録が掲載されている。
- うるま市教育委員会 学務課 - 八重山地区以外に、現時点で採択結果を公表している唯一の自治体の教育委員会。
- 教科書制度の概要-文部科学省