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VAAM

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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VAAM(ヴァーム)は、スズメバチ幼虫が口から吐き出し成虫に与える栄養液である。

理化学研究所阿部岳(あべたかし)特別招聘研究員により発見された。VAAMとは彼による命名で、Vespa Amino Acid Mixture(スズメバチ・アミノ酸混合物)のアクロニムである。なお Vespa はスズメバチの属名スズメバチ属)である。

栄養交換

スズメバチの成虫は、毒針の向きを自在に変えられるよう、腹柄胸部腹部の間のくびれ)が非常にくびれている。食道はそこを通っているため細く、固形物を摂取することができない。

そのため、成虫は自分で捕った餌ではなく、幼虫が吐き出すVAAMを摂取する。成虫が捕る餌は幼虫に与えるためのものであり、幼虫がそれをVAAMに分解する。このような関係を「栄養交換」と呼ぶ。スズメバチはを失うと2~3日で死んでしまうが、これはVAAMを得られなくなるからである。

特徴

VAAMはその名のとおりアミノ酸の混合液である。たんぱく質を構成する生体アミノ酸は20種類あるが、VAAMにはそのうち17種類が含まれる。

プロリングリシンアラニングルタミンなどの含有量が高く、これらは脂肪の分解プロセスにあるクエン酸回路を活性化させる。糖を使うとクエン酸回路が動き出すまで10数分かかるが、VAAMは直ちにクエン酸回路を稼動させるため、脂肪の燃焼が効率よくなされる。

スポーツドリンク

1995年明治乳業(現:株式会社 明治)により、VAAMの組成を再現したスポーツドリンク「VAAM」が発売された。

外部リンク