修羅のドレス

『修羅のドレス』（しゅらのドレス）は、寄田みゆきによる日本の漫画作品。講談社の『BE・LOVE』にて2013年第5号から連載中。単行本は2014年現在、3巻まで発売中。

あらすじ

主人公、栗山四葉は平凡ながらも父と2人幸せに毎日を暮らしていた。しかし、父親がある日突然謎の自殺を遂げる。四葉はその死に疑問を感じていた。ある日、父の遺品を整理している中で、父のつけていた日記を見つけ、驚愕の事実を知ってしまう。なんと世間を注目させていたウェディングデザイナーのKALENが四葉の実の母親で、しかも四葉の父を陥れ、デザイナー界から追放した張本人だったのだ。全ての真実を知ってしまった四葉は実の母KALENへの復讐のため、数年後、母の会社に社員として入社したが敵はKALENだけではなかった。

登場人物

栗山 四葉（くりやま よつば）

主人公。入社1年目。父：哲郎と平凡ながらも幸せな生活をしていたがある日、父は謎の自殺を遂げる。その後、遺品から見つかった父の日記にてすべての真実と自らの出生の秘密を知ってしまう。幼い頃から手術しなければ治らない病気を患らっている。幼い頃は髪が長かったが、大人になってからはショートヘアになっている。何事もあまり動じず冷静な性格だが、KALENが会社を訪れた際に社員達の前で宣戦布告するなど大胆さも備えている。かっての父親譲りの天才的なデザインの才能を持っており（デザイナーとしての才能面においてはKALENも一目置いている様子）さらに洋裁学校も出ているため、洋裁もこなす。クールな性格の反面、他人を疑うことや狡猾な部分が無いため、そこをKALENに利用され睡眠薬で眠らされたあげく父の日記と自身のデザイン帳を盗まれてしまう。それがきっかけでKALENに対し、更なる憎悪を沸かせるがその反面、実の母親として想っていた部分も少なからずあったらしく複雑な想いの内を秋に打ち明けた。そんな時にKALENの急死の知らせ、親友だった蘭が実の妹だという事実、KALENの遺言書など、事態は急変。自分はKALENの遺産も会社も継がないで蘭のサポートをしたいと決意を固めていたが、誤解により豹変した蘭により会社の後継者を決定するデザインコンペで蘭と争うことになってしまう。当初は頑なに拒否していたが、かってのKALENのように残忍で手段を選ばない性格になってしまった蘭に会社を任せることに不安を感じ、コンペに参加することを決意。少しづつだが社内にも四葉を指示する人々が増え、その人達の協力も得られるようになる。コンペ当日、四葉への歪んだ愛情と執着心を抱いた蘭により頭を殴打され監禁されてしまう。しばらくの間監禁されるが、四葉を救いたい一心の秋のある行動にて解放され同時に自分の秋への本当の想いに気づくが時すでに遅く秋は蘭と結婚してしまう。それがきっかけとなり会社を退職し現在は小さい服飾店に勤めている。偶然な流れで自分のドレスを守る為に蘭が犠牲になってしまった事を遂に知ってしまい。河原で再開した秋にたった一人の妹である蘭の事を涙ながら託し、いつになるかわからないが必ずまた再開する事を誓った。これからは復讐の心を忘れ着る人の事を考えるドレスを作る事を心に決めていたがKALENとの再開と策略により忘れかけていた復讐の心が再びよみがえってしまう。

KALEN（かれん）

四葉と蘭の実母。かって四葉の父：哲郎の婚約者かつ仕事面でもパートナーだったが、それを利用し哲郎のデザインを盗作。自分のデザインとして発表し世間から注目されウェディングデザイナーとして華々とデビューする。そして不用になった哲郎に妊娠中だった自分を故意に階段から突き落とさせて、デザイナー界から追放させた。その時産まれた四葉は哲郎が引き取った。その後、経緯は不明だが大手のウェディング会社経営者となる。一見、見た目や口調は穏やかだが、欲しいものを手に入れるためには他人を陥れることも厭わない冷酷で非情な性格。実の娘である四葉に対しても油断させて睡眠薬を盛り哲郎の日記と四葉のデザイン帳を全て盗むなど反省どころか母性のかけらも見せないが、もう1人の娘である蘭には多少の母親としての情があるのか「どうしても自分の会社を蘭に継がせたい」などの発言をしている。蘭があまり乗り気ではなかったため、「自分が死亡した際には四葉と蘭のどちらか優れた能力を持つ方に自らの全てを継がせる」という遺言書を作成するが、その直後、乗車中に誤って崖から転落、生死不明となる。

3巻にて実は生きていた事が判明。事故直後は瀕死の状態で、田舎の診療所で何ヶ月も寝たきりの状況だったが、リハビリ等を得て歩行器具を付ければ歩ける状態まで回復。蘭と共に再び四葉の前に姿を現した。性格や考え方は変わっておらず、自分を殺害しようとした真犯人の桃花を崖から突き落とし殺害。その際に蘭に「情は捨て、自分の害になるものは切り捨てる。これが欲しい物を手に入れる方法」と論す。四葉に対しても愛情は与えないが、その才能はとことん利用したいと考えており。再び自分の下に帰ってくるように促す。

宮野原 蘭（みやのはら らん）

もうひとりの主人公。入社2年目で四葉より年下だが仕事上では1年先輩にあたる。同じ部署の先輩の虹子にいじめられているところを四葉に助けられ友人となる。無邪気で人なっこく素直な性格のため、四葉も自然と心を許せる相手に。実はKALENのもう1人の娘で四葉の父親違いの妹だが、お互いに姉妹だということは知らない。ある日、コンペに出す四葉の作ったドレスを虹子がはさみでずたずたにしているのを目撃してしまい、制止する際に誤って虹子の手に深い傷を負わせてしまう。その傷がきっかけで虹子に恐喝、脅迫とさらに虹子の知り合いの男達から暴行されてしまう。それでも四葉には言えずに1人耐え続け、少しづつ精神のバランスを壊してゆく。そんな中で母KALENの突然の死の知らせを聞き色々悩んだ末、会社を継ぐ決心をするがその直後、母の遺言書により親友の四葉が実の姉という事実が判明。様々な誤解から幼馴染で想い人の秋や会社を全て自分から奪おうとしていると思い込み、四葉への愛が一転、憎しみに変わる。四葉の言葉を信じず、四葉に嫌がらせを続けるなど、以前のような無邪気さはなくなり、KALENに似て残酷かつ手段を選ばない性格に豹変する。その直後、前述の暴行が原因で妊娠していたことが判明。相談できる人も無く、1人悩むがそんな中、憎んでいた四葉に優しくされ四葉への愛情を思い出し、関係を修復したいと思い直し始める。そんな折、様子を見にきた秋を自分の子供の父親に仕立てようとする。監禁された四葉を救いたい秋の行動により秋と結婚するが、結婚しても秋の心の中には四葉がいる事に気づいており四葉との関係がまだ続いているんじゃないかと誤解し情緒不安定になる。いつ四葉にすべて奪われるか怯える中で死亡したと思っていた母KALENと再開。四葉が母を殺害したとずっと思い込んでいたが思いがけぬ真犯人判明により誤解と判明。しかし、秋のこともあり未だ四葉に対しては複雑な感情を抱いている。

和泉 秋（いずみ しゅう）

蘭の幼馴染の美青年で、以前蘭の実家で雇われていた家政婦の息子。KALENに宣戦布告した四葉に「あの人には気をつけたほうがいい」と忠告し、その後も、何度か四葉に接触してくる。幼い頃にKALENの会社に来た四葉と一度会っており、それ以降、四葉に想いを寄せ何かと力になろうとする。自分以外に親しい人間のいなかった蘭に同情し、本人は妹のように思い仲良くしていたが蘭は彼にずっと恋心を抱いていた。蘭の策略により、蘭のお腹の子供の父親に仕立てあげられるが桃花の発言で四葉の為に蘭が体を売らされて妊娠させられてしまったことを知ってしまい、蘭への同情と四葉を蘭による監禁から救う為、蘭のお腹の子供の父親になることを決意し結婚する。

桃花（ももか）

四葉の直属の上司。外見は小太りで眼鏡をかけ化粧気もない地味な女性。秋が四葉の家を訪れるところを撮影した写真を見せ、四葉がKALENを事故に見せかけ殺したという疑いを吹きこむなど、蘭が四葉を憎むきっかけを作る。KALENとは学生時代友人で彼女の夢を叶える為に尽くし危ない事も色々させられたが、所詮は利用されていただけだった。元々は彼女もドレスデザイナーを目指していたが、前述の事情等があって挫折した。蘭の妊娠が判明しても、蘭自身の意見はあまり耳を貸さずに堕胎を促すなど冷たい性格。実はKALEN殺害の真犯人で、彼女を殺害した後は蘭を利用して陰で暗躍しようと目論んでいた。結局はすべてが復活したKALENによって暴かれKALENを殺害しようとした崖から突き落とされ悲惨な最期を遂げる。

書誌情報

• 寄田みゆき 『修羅のドレス』 講談社〈Be・Loveコミックス〉、既刊3巻
  1. 2013年6月13日発売 ISBN 978-4-06-380392-1
  2. 2013年9月13日発売 ISBN 978-4-06-380399-0
  3. 2014年1月10日発売 ISBN 978-4-06-380414-0

外部リンク

• 講談社コミックプラス - 修羅のドレス 紹介ページ