日本における地震対策と体制
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日本における地震の対策と体制は、日本における地震(震災)への対策とその体制をまとめたものである。
地震による災害とその被害は、典型的な自然災害に分類され、対策を通じて被害を軽減する取り組みが古くより行われてきた。現存する耐震性の高い建築物・構造物がその時代の耐震技術を伝えている。一方、地震の前触れや地震・津波への備えを謳った伝承・口承も残されてきた。しかし、19世紀から20世紀にかけての工業化、生活様式の変化、科学の発展といった様々な変化により、地震の被害やその対策は大きく様変わりした。地震に強く復興が早いインフラ(生活基盤)の整備が求められるようになり、建物の耐震性能が法的に義務付けられ、地震被害の多い地域では耐震化などの対策が進む一方、人口・政治経済が集中する都市での地震対策が重要な課題となった。一方、大規模な地震被害が発生するたびに、行政の対応、避難者の生活、復興支援など、次々と課題が生まれてきている。
本項では、個人や家庭が生活していく上での対策、地域や防災組織が行う対策、企業や法人が経営を行っていく上での対策、国や行政が行う対策の4つに分けて説明する。
退避行動
文部科学省は2010年に国として初めて、退避行動の指針を示した[1][2][3]。
- 推奨
- 外に出ない
- 地震が起こった直後の行動として、周囲に構造物が少ない開けた場所ではその場にうずくまることが奨められるが、建物・電柱・樹木などの構造物や斜面の近くでは、倒壊してくる物や飛散物を避けられる建物内の方が安全とされる。
- 頭を保護する
- 屋内においても屋外においても、飛散物等を避けるために、(動ければ安全な場所に移動し、動けなければその場で)手の届くところに本やクッションなどがあればそれを使い、なければ手で覆うなどして、頭を保護するのが安全性は高いと考えられる。
- 場合により推奨
- タンスにつかまる・机の下に隠れる
- これらは、自分から近い場所にタンスや机などがある場合、また揺れが比較的小さく行動がしやすい場合に推奨される。遠い場合、揺れが大きい場合は危険性が増すのであえて行うべきではないと考えられる。
- 非推奨
- 火を消す
- 非常口の確保
- 大きな地震により建物に歪みが生じ、戸や窓などが歪んで開かなくなって脱出困難になることを防ぐため、避難口の確保を優先せよという呼びかけも盛んに行われていた。ただ、過去事例の研究により、自分から遠い場所の避難口をあえて確保しようとする行動をとることで、危険性が高まる場合があることも分かっている。
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個人・家庭
個人が所有する住宅やその周辺では、個人による対策が必要不可欠となる。また、学校や職場、外出先などでも、一人ひとりが対策行動を行うことが、自身の安全を守ること、ひいては全体の被害抑制につながる。
住宅
阪神・淡路大震災では、死者6,000人のうち、約5,000人が木造住宅の倒壊によって圧死(その多くが即死)したとされる。したがって、出来るだけ新しい建築基準法に沿った、耐震住宅に住むことが望ましい。
一方、今住んでいる家でできる対策は、補強などの事後措置に限られてくる。既設の住宅については、耐震診断や補強のための費用の一部が、自治体から補助される場合がある。
建物が地震に耐えられても、タンスなど室内の家具が転倒することがある。家具の転倒を防止するために、天井と家具の上部に渡すつっかえ棒や、家具自体を柱や梁にL字金具で固定してしまう方法がある。
職場・学校・外出先
避難場所としては、市町村で公園や学校などが指定されており、各自治体から公開されている。
商業施設や公共施設では、災害時の避難を容易にする法的基準が定められている。消防法によって、商業施設や宿泊施設などでは誘導灯の設置が義務付けられており、地震に伴う火災・停電時はもとより、明るい時でも、避難経路を確認する手段として有効である。また、同法によって、宿泊施設の各部屋や公共施設の見やすい場所に避難経路図を設置することも定められている。
地域組織
地域によっては自主防災組織が組織され、地震対策を主導・サポートしている場合がある。家庭レベルでは、これに参加したり、支援を受けたりすることができる。また、町内会や学校等と連携して地震対策を行う例もある。
企業
一般的に企業では、社員の安全確保はもとより、業務遂行や生産継続などの観点から、地震の被害を受けてからその被害を一刻も早く復旧することが求められる。経営視点では、事業継続マネジメント(BCM)を通じて事業継続計画(BCP)を作成し、これに沿って対策を行うのが一般的である。一定規模以上の事業所は自衛消防組織の設置が義務付けられており、地震の際の自衛防災組織の活動を計画しておくことも求められる。
国・自治体・公的機関
自治体の対策
地震による被害が発生した場合、救助・救急や火災の消火活動を行うのは主に市町村の消防本部と消防団である。自治体による地震対策の1つとして、消防本部や消防団における、地震時の対応を想定した装備・設備の改良や訓練等が挙げられる。装備改良や訓練などは一般的に過去の事例を踏まえて行われるものであり、地震被害を経験した地域の消防からノウハウを提供してもらう必要がある。また、消防により定期的に行われている広報活動を通じて、地震への対策を市民に呼び掛ける手法も多用される。
他方で、自治体による防災活動の一環として、例えば耐震性の低い建物・構造物の調査・補修など、地震災害の危険箇所を調査してその対策を講じることも求められる。また、耐震性や危険箇所の情報公開を行うなどの対策も必要とされている。
一次避難場所・広域避難場所・避難所等の設定を行うのも自治体であり、その責任を負っている。また、それに関連して防災倉庫等を設置することも求められる。
国家的対策
記念日
- 防災の日 9月1日・・1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災(1960年(昭和35年)6月17日閣議了解)
- 津波防災の日 11月5日・・1854年(嘉永7年)11月5日に発生した安政南海地震(津波対策推進法2011年6月24日・「稲むらの火」の故事にちなむ。)
- 防災とボランティアの日 1月17日・・1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災(1995年12月15日の閣議了解)
- 防災とボランティア週間 1月15日~21日 (1995年12月15日の閣議了解)
機関
国の機関(国立大学を含む)による地震対策を見てみると、日本には地震に関する組織が比較的多い。
- 地震予知総合研究振興会
- 地震予知と防災に関する研究を目的として、1981年1月22日に設立された財団法人。下部組織に地震防災評価機構、地震調査研究センター、東濃地震科学研究所がある。
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- 地震調査研究推進本部
- 1995年の阪神・淡路大震災から、1995年7月に制定された地震防災対策特別措置法に基づいて設置された組織である(略称「推本」)。
- 地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進について総合的かつ基本的な施策を立案することなどを目的としている(同法第7条第2項)。発足当時は、総理府に設置されていたが、中央省庁再編によって文部科学省へ移管された。本部長は文部科学大臣である。本部の下に政策委員会と地震調査委員会(2007年現在の委員長は阿部勝征地震調査研究センター所長)が設置されている。
- 政策委員会は関係各省庁の局長級幹部、地方自治体の長、学識経験者によって構成されており、各省庁の地震に関する研究及び調査観測計画の調整、予算配分の方針、調査の成果を社会に広報するための方針など審議している。定められた観測計画に基づき、強震計、高感度地震計、GPS連続観測点が全国に各1,000点ずつ整備された。この観測体制は世界随一である。また、地方自治体に交付金を配分し、活断層や地下構造の調査をさせている。
- 地震調査委員会では国立大学法人や独立行政法人などの研究者が毎月集まり、国内の地震活動の状況について検討し、評価文を毎回公表している。大地震が発生した場合には一両日中に臨時会が招集され、検討が行われる。また、地震調査委員会の下に設置される長期評価部会では、全国の98の主要活断層や主な海溝型地震についてその危険性を検討し、発生確率や規模などを公表している。同じく強震動評価部会では、長期評価部会での評価に基づき、それらの地震が実際に発生した場合の揺れの大きさをコンピュータシミュレーションによって試算した地震動予測地図を作成する作業を進めている。2005年3月末には全国を概観した地震動予測地図の第一版が完成し、表層地盤増幅率など、各地域で将来見舞われる地震動の大きさが把握できるようになった。これは「地震ハザードステーション」でも公開されている。
- 中央防災会議
- 災害対策基本法に基づいて設置された内閣総理大臣を長とする機関であり、事務局は内閣府である。
- 会議は内閣総理大臣、全ての閣僚、指定公共機関の長4名(2007年現在は日本銀行総裁、日本赤十字社社長、NHK会長、NTT社長)及び学識経験者4名(2007年現在は阿部勝征地震調査研究センター所長、重川希志依富士常葉大学教授、石川嘉延静岡県知事、秋本敏文日本消防協会理事長)によって構成されている。国の防災基本計画の策定や重要施策の決定、大規模地震対策特別措置法に基づく東海地震の地震防災対策強化地域の指定(2002年4月見直し)、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づく地震防災対策推進地域の指定(2003年12月)などを行っている。地震のほかにも火山災害や風水害などの政策も担っている。
- 気象庁
- 気象業務法に基づいて地震観測を行って、マグニチュードや震度などの地震情報を発表している。
- また、東海地震予知のための地震防災対策強化地域判定会(通称判定会)を設置しており、気象庁が行っている前兆現象の観測結果から東海地震の発生が予知された場合には内閣に報告し、内閣総理大臣が警戒宣言を発令する。判定会の会長は2008年4月現在阿部勝征東京大学名誉教授である。1996年~2008年3月までは溝上恵東京大学名誉教授が就いていた。
- 地震予知連絡会
- 国土交通省国土地理院に設置されている。地震予知に関する観測データや研究成果などの情報交換のために設置されている。法律で設置されているわけではなく、研究者間の情報交換が主な目的であり、何か政策を決定するという類の会議ではない。通常は3か月に1回開催される。
- 国立大学法人北海道大学、東北大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、九州大学、独立行政法人防災科学技術研究所、独立行政法人海洋研究開発機構、独立行政法人産業技術総合研究所、海上保安庁、気象庁、国土地理院から選出された30人の委員及び若干名の臨時委員と名誉委員から構成される。委員の交代はあるが、構成機関は当該機関の組織改編などを除けば変わることはほとんどないといってよい。2007年現在の会長は、大竹政和東北大学名誉教授(在任2001年4月~)である。歴代会長は萩原尊禮(在任1969年4月~1981年3月)、浅田敏(在任1981年4月~1991年3月)、茂木清夫(在任1991年4月~2001年3月)と、その時代の地震予知研究の代表的な地震学者が会長に就任している。
- 地震予知研究協議会
- 東京大学地震研究所に1978年に設置された機関である。東京大学の機関であるが、「地震予知のための新たな観測研究計画の推進について」という建議に基づき、各国立大学で行われている地震予知研究の方針、観測計画や予算に関する調整を大学間で行っている。大地震発生時の緊急対応のほか、政府と大学の間の窓口としての役割も担っている。2007年現在、国内の各地域を分担するように、北海道大学・弘前大学・東北大学・東京大学・名古屋大学・京都大学・高知大学・九州大学・鹿児島大学によって運営されている。
地震が発生した場合、その情報を早く的確に伝えることが、被災地における混乱の防止、救助・支援の促進などにつながる。NHKでは、本震の最大震度が6弱以上の揺れを観測する地震の発生や、津波警報が発表された場合、国際放送(NHKワールド)を含むテレビ・ラジオのすべての番組を中断して、地震や津波の情報を伝えている(8波全中)。テレビでの地震情報は総合テレビ、衛星放送全チャンネル(衛星放送は震度3以上のみ)でテロップ表示を行う(教育テレビでも稀に表示されるが、NHKワールドでは一切表示していない)。ラジオではラジオ第1放送で該当地域のみ番組を中断し放送される(FM放送はラジオ深夜便の放送時のみに限られる)。FM放送は日中の放送では地震情報は放送されないが、津波が発生する可能性がある地震に限り番組を中断して放送される。NHKワールド・ラジオ日本については全国一斉に流れる場合に限りそのまま放送される。
NHK以外の民間放送でも、概ね震度3以上の地震発生時、あるいは津波情報発表時にはテロップ表示を行っている。
このほか、コンピュータで地震や津波の情報を配信・共有するP2P地震情報などのソフトウェアや、同報系市町村防災行政無線により、屋外スピーカーで津波情報や地震に対する警戒を広域に呼びかける手法、感震計により強い揺れを観測した際に警告を発する手法もある。また、NHKなどでは津波警報発表時や東海地震警戒宣言発表時に緊急警報放送を行っている。
地震の揺れが到達する前の対策として、日本においては現在、一部の鉄道でユレダスが運用されている[要出典]。また、これまでも一部で運用されてきたが、2007年10月からは一般に向けた緊急地震速報の運用が開始された。
大地震による災害時には、電話など通信の混雑への対策として災害用伝言ダイヤルが設置されるなどしている。携帯電話・PHSにおいても災害用伝言板サービス等の同様のウェブ上サービスがある。また、自治体や民間が協力して臨時災害放送局を設置し、被災者への情報提供が行われた例もある。
地震対策の問題点
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想定
日本では、地震に対する防災対策を進めるために調査観測体制がとられ、地震調査研究が行われてきた。
地震学者による想定(特に確率)は、過去の歴史地震による。ところがM8クラス以上の地震は数百年-数千年の間隔で起こる[5]とされており、規模が大きいほど間隔は長いと考えられており、歴史地震から学ぶことができないことは数十年前から知られていた。それにもかかわらず、政府の海溝型巨大地震の予想は、100年程度の地震の歴史から想定されていた。地震学会の反省[6]にあったように、「空白域で地震が起きる」「ゆっくり地震によるひずみの解放」「東北地方では連動しない」などという想定である(必ずしも誤りではない)[7]。またトレンチ調査(溝を掘って地層を見る)の歴史は約20年であり[8]、津波堆積物による調査の歴史は約10年である[9]。原子力発電所に対する活断層調査は不十分であったと公的に結論づけられている[要出典][10][11][12][13][14]。津波堆積物による調査でさえ数千年程度しかさかのぼれない。
- 「現時点の限られた資料では、過去数千年間の地震・津波の記録だけに基づく地震・津波の震度分布・津波高の推定は難しく、仮にそれを再現したとしても、それが、今後発生する可能性のある最大クラスの地震・津波であるとは限らない。」(「内閣府南海トラフの巨大地震モデル検討会中間とりまとめ」、南海トラフの巨大地震モデル検討会、5頁「3. 南海トラフにおける最大クラスの地震・津波の考え方」より引用)[15]
東北地方太平洋沖地震後に日本列島全体にかかる歪みが変化し、日本中の地震発生確率が(場所によっては10倍以上)上昇した。
- 島崎邦彦の数年前の研究でも、日本列島の地震に規則性はなくカオス的であったという[要出典]。阪神・淡路大震災以前には「関西に地震は来ない」という神話があり、東日本大震災以前には「東北に大きな地震・津波被害はない」という神話[22]があった。まだ地方によっては「地震は他の地方のこと」という考えがある。
- 2012年12月政府の地震調査委員会は都道府県庁舎が30年以内に震度6弱以上の揺れに襲われる確率を公表した。1位の静岡市は89.7%[23]、2位の津市は87.4%、千葉市は2010年の予想より12%上昇し75.7%となり、水戸市は2倍に(31%)上昇し62.3%となった[24][25][26][27]。
大都市圏(プレート境界がある海の中を含め)や諏訪盆地などの下には深い堆積層があり、活断層の場所を全く知ることができない[28]。また地震計を置いて直前予知をすることもできない。現在の技術力では地下数kmまでであるが、堆積層は場所によって数十kmまで及ぶ。そのため地下4km程度の周辺部に地震計を置いていた。また堆積層は地震波を強くし、思わぬところに被害を集中させる[29]。地震波が集まるところは過去の経験から知られているが、震源・波長などにより変化することが考えられる。また過去の集中被害地に特段の対策の重点が置かれているわけでもない[30]。
過去の地震被害と想定
地震の想定(特に住民の意識)は、直近の地震被害に引きずられるため、対策が的外れになることがある。特に役所・マスコミ・住民は業務上・心理的・財政的・知的能力の上で、多くの想定に多角的に対処できないので対策が集中されてしまい漏れが出る[31]。
- 阪神淡路大震災以前には、関東大震災の火災旋風の教訓が流布された。阪神淡路大震災では震度7が強調されたが、ボランティアの働きで震災は乗り越えられるという考えが広がった。両方とも津波の被害がなかったために、津波対策がおろそかになった。阪神淡路大震災と新潟県中越地震では狭い地域での被害だったので広域被害に対する対策が進まなかった。東日本大震災後は津波被害が強調されたが、過密都市圏での被害がなかったし、東日本大震災(3月)、阪神淡路大震災(1月)、新潟県中越地震(10月)など寒い時期・地域での被害だったので、雨や暑さなどに対する対策がおろそかになった。
- 近い将来起こるとされる首都圏直下地震や特に南海トラフ地震では、多くの種類の被害が起こる複合災害であるとされてはいるが、その対策は進んでいない。
2013年5月、神奈川県温泉地学研究所などのチームが、伊豆半島の東―南沖に100km以上におよぶ海底断層帯があるという研究結果をまとめた。研究によれば、この断層帯は5区画に分けることができ、1区画単独ではM7前後、全てが連動すればM8級の地震を起こす可能性がある。また、陸地に近いところでは2km程度しか離れていない場所があり、短時間で津波が襲う可能性がある[32][33][34]。
「日本の存亡に関わる」巨大な想定被害
東日本大震災後、国家の根幹が揺らぐような被害想定が発表されている。この想定は少し小規模ながら以前から発表されていたが、防災対策にきちんと反映されておらず、「震度とマグニチュードの違い」「防災ずきん」「避難袋」「3日分の水、食料の備蓄[35][36][37]」などの対策となっていた。東日本大震災は被害額10-20兆円、死者2万人、被災者750万人であり、超巨大地震ではあるが、国家の存亡をかけた超巨大地震とはいえない。南海トラフ地震という超巨大地震や、首都圏直下地震など、一桁違う地震への備えはまだである[38]。
2012年の8月に内閣府による南海トラフ連動地震の想定が公表された[39]。最悪ケースでは、死者32万人、負傷者62万人、要救助者33万人、倒壊・焼失240万棟に上り、津波の最大高34mで1,000平方kmが浸水する。最小想定でも死者3.2万人、全壊・焼失棟数は94万棟としている[40]。
- 2013年3月に内閣府による被害想定が公表された。被害総額は220兆円で、内訳は建物とインフラで170兆円、企業生産の減少が45兆円、物流損失が5兆円である。また断水被害人口3,440万人、下水道3,210万人、停電2,710万人、避難者950万人、避難所収容必要数500万人、固定電話930万回線、都市ガス180万戸、帰宅困難者380万人、災害関係堆積物3億トン(がれき2.5億トン)、道路施設被害3-4万カ所、エレベーター閉じこめ2.3万人(いずれも最大のピーク時被害)などとされた。被災する可能性のある人口は6,800万人になる[41][42][43][44][45]。
- 南海トラフ地震は、南西諸島海溝地震と連動し、駿河湾から沖縄本島までが震源域になる可能性がある。古本宗充慶応大教授[46]の説[47]によれば、紀元前2,000年頃にこのようなM9クラスの地震が起こった形跡があるといい[48][49]、高知県蟹ヶ池の堆積物から紀元0年前後にも同様の地震が起きた形跡がある[50]ため、周期が2,000年前後と考えられ、次の超巨大地震が近い[51]という。
- 2013年10月公表の大阪府の発表によれば、南海トラフ巨大地震の最悪ケースでは国想定の死者1万人ではなく、死者13万人になるという。理由は液状化による堤防決壊で大阪市内の11区では10分以内に1.1万ヘクタールが浸水し津波に巻き込まれる。ただし10分以内に避難を開始すれば死者は堤防決壊による約8000人と他の理由の1000人になる。
首都圏直下地震については中央防災会議が2012年7月に「首都直下地震対策は、我が国の存亡に関わるもの」としている[52][53][54]。死者1.1万人、負傷者21万人(うち重傷者3.7万人)、家屋損失85万棟、被害額約100兆円。帰宅困難者は東京だけで516万人[55][56][57]。
防災意識
発生確率や被害想定など、地震学の知見を広めることだけでは実際の防災行動につながらないことが明らかになった[76]。
また2012年(東日本大震災1年半後)の調査では、実際に防災対策を行っている人は61%である[77]
- 「日ごろから不安に思っていること」の調査で地震が1位ではあるが、2005年(78.6%)に比べ2012年11月(66.8%)では12ポイント落ちている[80]。
- 東日本大震災では、日本有数の津波常襲地帯である東北地方太平洋岸で、油断による大きな犠牲が出た。
- ①石巻市立大川小学校・・海に近い標高が低い河川の脇にあるのも関わらず、裏山に避難せず、校庭で50分待機し、児童74名などが死亡した。
- ②石巻市日和幼稚園・・標高23mにあるにもかかわらず、送迎バスを低地に出し、園児5人などが死亡する(すぐ隣にある門脇小学校では、即席の渡り廊下を造って裏山に逃げて助かった。)。
- ③釜石市鵜住居地区防災センター・・津波で浸水した歴史がありながら防災訓練で避難所に使われ、200人以上が死亡した。
- ④南三陸町防災対策庁舎・・42人が死亡した。
- ⑤宮城県山元町私立ふじ幼稚園・・園庭にある送迎バスの中に避難した園児51人中8人が死亡した。園は1回も津波の避難訓練をしたことがなかった。
- 東日本大震災では、日本有数の津波常襲地帯である東北地方太平洋岸で、油断による大きな犠牲が出た。
訓練至上主義
河田惠昭は2013年11月の大川小学校事故検証委員会で、訓練至上主義の危険性に触れた[87]。災害対策訓練では、災害の起こり方や特性に対する科学的知識が必要とされるためである。
災害の教訓を伝えるには、実物による遺構の保存と展示が欠かせない(例えば、広島と長崎の原爆記念公園、東京にある関東大震災を記念する「東京都慰霊堂」、神戸市の「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」、濃尾地震を記念する岐阜県の「地震断層観察館・体験館」など)。しかしいくつかの問題がある。①費用②復旧の妨げ③トラウマ(辛い記憶を思い出す遺構をみたくないという声も多い[88])である。
トラウマ
震災が心身に影響を及ぼす場合が多い。特に子供たちに対する影響が大きいため、心のケアが大切である。
- 想定される大震災時には、心理療法士が相当不足することが考えられるし、技能に相当幅があるという。
- 阪神大震災後は、被災地以外で消費意欲の落ち込みが見られたという。
- 過覚醒・・眠れない、イライラ、物音に敏感になる。
- 侵入的な再体験・・記憶がよみがえる、いやな夢や怖い夢を見る。
- 回避、まひ・・体験を本当と思えない、泣けない、震災のことを話さない。
- マイナス思考・・罪悪感、無力感、不信感。
これらを解消するには、楽しい体験や何かに挑戦する機会を与えて、気持ちを前向きにすることである[91]。
- 心理学によれば、ニュースや実体験で恐怖を感じると正常な判断ができなくなる。そのため散財したり不健康なことをしたり守れない決心をしたりする。それよりはるかに有効なのは、スポーツ、読書、語らいなどである[92]。
防災・減災、安心・安全
国ができることには限界があり、地震・火山・津波災害に対して「防災」は不可能であるため「減災」が対策の基本だが、現在防災が言われている。また「安心」は感情論であり、「安心」を求める論議は安全性をかえって低める結果になるという[93]。
日本の人口は2005年頃に1億3千万人のピークを迎え、2035年に1.1億人、2045年には1億人、2065年には8千万人と急速に減少する。赤坂憲雄学習院大学教授は、50年後の日本を考えたときに巨大な防潮堤で3.11の海岸線を守るのにリアリティがあるのか、と問いかける[94]。
伊勢湾台風の教訓からできた1961年災害対策基本法では防災を政府・地方自治体の責務とした。そのときから住民の行政依存と防災過保護が進んだという。片田敏孝群馬大学教授は、自分の命は自分で守る「国民強靱化」(津波てんでんこ)が大切だと説く[95]。
認知的な歪み
人間は大きな確率の危険は過小評価し、小さな確率の危険は過大評価する傾向がある。そのため発生確率98%の危険は軽視され、1,000年に一度の(低い確率の)危険は重視される。次に、大きな被害をもたらす危険は大きく認識されるため、1,000年に一度の巨大被害には必要以上の防災投資がなされる。また若い人は災害を過小評価し、高齢者は敏感である。そのため近い将来の被害予測に対して高齢者は大きく反応する。
耐震化工事の遅れ
2013年11月「改正耐震改修促進法」が施行され、特定建築物の耐震診断と公表が義務づけられた。1981年実施された現行の耐震基準を満たす建物を9割まで増やすことが目標だが、先行きは不明である。2013年度で約4,000棟ある[98]。
2012年の会計検査院などの調査では公共インフラの耐震化が遅れている。
- 以下は未実施の状況である。
- 1981年の新耐震基準による「既存不適格」がそのままになっている例が多い。
- 海岸の堤防では3,408kmのうち、約84km[103]。
- 緊急輸送路上の橋のうち27%、避難路上の橋のうち73%、下水道管のうち79%。
- 高速道上にかかり1980年の新基準設定前の陸橋2,454カ所のうち、1,491カ所では工事を検討さえしていない。また635カ所は点検を一切やっておらず、点検状況が不明なのが548カ所、点検した場合も6割以上は遠くからの目視だけだという[104]。
- 公立小中学校15%(診断未実施を含む耐震性のないもの18,508棟)
- 官公庁施設が39%(文科省が47%、防衛省が40%、法務省37%など)、国立大学などの教育施設が43%、大学付属病院などの医療施設が53%。最高裁庁舎(1974年)は震度6強以上で4棟が倒壊する危険がある。
- 653の災害拠点病院で35%[106](2011年度の予算が施行されれば1割弱)。中小6,000病院の44%。
- 成田空港の管制塔の耐震性が不足し、羽田空港の消防庁舎で耐震診断が行われていないなど、中部国際空港を除く12の主要空港の中で50施設に問題がある[112]。
- 被災3県を除く全国の避難所9万箇所のうち耐震化されているのは56%であるという。「東海地震が明日起きてもおかしくない」と言われ続けてきた静岡県でさえ公共施設の耐震化は16年度末までかかる。大阪府守口市の公立小中学校の耐震化率は35%である。滋賀県近江八幡市役所は2006年の耐震診断で不合格となっている。
会計検査院に対する自治体の説明では「堤防・水門などの新設に予算が使われたため、他の耐震化工事のための財源が無い」というのが多いという。
地震予知と法的責任
[116]地震予知とリスクをきちんと伝えない場合の責任体制がはっきりしていないため、地震学会は「(地震学者が)防災行政に関与することを避けざるをえなくなる恐れもある」という声明[117]を発表した。
- 間違った予知で地震が起きなかった場合に、経済活動が停止するので損害賠償責任の可能性が生じ、予知なしで地震が起きた場合には、賠償責任[118]と刑事責任(業務上過失致死傷罪=刑法211条)の可能性が生じる。気象庁は「警戒宣言の責任は気象庁長官にある」というが、学者・研究者の個人発表や警戒宣言ではない公的機関の記者会見などの責任は曖昧である。また予知情報のもとになった科学者の判断や基礎データの信頼性の有無についても同様である。警戒宣言についても気象庁長官や政府が責任を問われることはあり得る。大木聖子東大地震研助教は2009年のラクイラ地震の事件で科学者と社会のミゾが広がったとし、日本経済新聞編集委員の滝順一は、予知に頼らない防災・減災が大切だと考えている。
- 実際に福島第1原子力発電所事故について、十分な事故防止策をとらなかったとして旧原子力安全委員会委員長が業務上過失致死傷で告訴されている。原子力発電所の活断層調査でも、事故で死傷者が出た場合に、調査した会社や研究者などが報告書の誤りについて法的責任を問われることがあり得る。
- 2013年1月18日、ラクイラ地裁は判決理由を公表した。学者が政府と癒着しメディア操作に手を貸したことが有罪の理由だとし、地震についての知識の正しさ、確かさを証明することが裁判の目的ではなく、法に定められたとおりのリスクの検討によるチェック機能が働かなかったとする。国立地球物理学火山学研究所のボスキ所長ら地震学者は以前からラクイラ付近での地震を警告していたが、検討会ではリスクを検討せず政府に従ったという[120]。
津波と防潮堤
2011年の三重県による推定では、熊野市二木島で地震発生後13分で高さ19mとなり、人間が耐えられない津波の高さといわれる50cmになるまで4分しかない。2011年の徳島県による想定では、牟岐町牟岐漁港湾口で20cmの津波の到達時間は3分であり、美波町阿部漁港奥や海陽町宍喰海岸で高さ約20mになる。
2012年3月の内閣府南海トラフ検討会発表[123]によると、1m以上の津波が揺れの収まっていない2分以内に静岡県沿岸に押し寄せる可能性が指摘された。また静岡県の広い地域で10分以内の来襲が予想された。下田市(下田小学校では20分以内に7m)・南伊豆町で25.3m、高知県黒潮町で34.4mという。静岡県全域での想定震度は全シナリオで震度6以上であり、15市町村で震度7が予想されている。
防潮堤は、津波を防ぎきれるわけではないが、避難時間を確保するために重要である。
- 東日本大震災後、千葉県で東京湾奥での津波の想定が、また(海に面していない)埼玉県[126]でも津波の河川遡上を想定するなどの動きが広がってきた。しかし内湾の低地、河川敷などには重要な発電所・変電所・空港・物流拠点・通信拠点・娯楽施設・放送施設・ガスタンク・石油タンク・精油所・倉庫・大企業の本社・ハイテク中小企業工場・データセンターなどが津波対策のないまま稼働しているところが多数存在する。
- 3.11で首都圏を襲った内湾津波・・・木更津港2.83m、船橋 2.4m、千葉市中央港1.87m、横浜1.6m、横須賀1.6m、
- 2012年の各県の想定による津波の高さは、横浜駅東口9m、横浜港4.9m、千葉市中央区2.9m、木更津市3m・自衛隊木更津ヘリコプター基地約3m(木更津市12平方km浸水)、江戸川区新小岩付近2.11m、江東区2.55m、品川区立会川付近2.61m[127]、などとしている[128]。
- 東日本大震災後、千葉県で東京湾奥での津波の想定が、また(海に面していない)埼玉県[126]でも津波の河川遡上を想定するなどの動きが広がってきた。しかし内湾の低地、河川敷などには重要な発電所・変電所・空港・物流拠点・通信拠点・娯楽施設・放送施設・ガスタンク・石油タンク・精油所・倉庫・大企業の本社・ハイテク中小企業工場・データセンターなどが津波対策のないまま稼働しているところが多数存在する。
東日本大震災では、水門を閉めるために消防団員が多数犠牲になった。水門は津波のおそれがある場合に何らかの方法で閉鎖する必要があるが、全国(東日本大震災の被災3県を除く)の水門約1万カ所のうち、遠隔操作や自動で閉まるものは、2012年3月末で6%である[135]。東日本大震災の津波被害の教訓から他の防災対策を後回しにして津波対策をしている自治体が多いが、費用が1カ所数億円かかる場合もあるので予算不足で改修は進んでいない。
- また地震の時、水門が壊れていて動かなかったり[136]、動かすための電気や遠隔操作のための通信手段[137]が損傷している場合もありうる。また、東日本大震災では大規模な防潮堤が十分に連結されておらず[138][139]、基礎が弱かったために順番に倒れた例もあった。
受援体制
援助をするためには援助の受け入れ体制が必要である。それを「受援体制」という。東日本大震災では、受援体制がなく応援の行政職員を活用できなかったり、ボランティアを断った例もあった。大都市では、名古屋、札幌、福岡、川崎、広島、北九州、千葉などが受援計画を全く策定していない[140]。
- 阪神淡路大震災では2ヶ月間で述べ100万人のボランティアが集結した。例えば西宮市役所では、登録ボランティアが4日間で3,500人、8日間で5,000人になったが、担当する職員が20人であったためパニック状態になった。
- 「行政は公正でなければならないが非常時には逆機能し、機動性を失わせる」[141]。西宮市の登録制度では、行政が被害とニーズの全体像を把握して公正に割り振る必要があったが、全体像の把握は困難で、登録制度は全く機能せず、駆けつけたのに何も仕事がない「ボランティア難民」が生まれた。その教訓を生かし、兵庫県は「兵庫ボランタリープラザ」を設置し、東日本大震災では兵庫県のスタッフが「ボランティア・インフォーメーションセンター」を設置した。センターの高橋氏は「学生がボランティアをするために、交通費の補助制度が欲しい」としている[142]
複合災害
[143] 東日本大震災では、地震の他に津波(大地震としては1896年明治三陸地震以来の規模)と原子力事故(世界史上2番目の規模、前回は1986年のチェルノブイリ事故が史上1位)が起こったため、極めて複雑な事態となり復旧の障害となっている。
今後予想される複合災害には次のようなものがある(発生確率や因果関係は問わない)。起こった場合、地震の規模が比較的大きくなくても、被害が非常に大きくなるおそれがある。
- (1)火災旋風(2)火山爆発(3)豪雨・洪水・豪雪・台風・寒波・熱波、竜巻などの気象災害(4)世界的な経済危機(5)化学工場・タンカー・自動車・列車の事故(5)ガスタンク、石油タンク、石油工場、タンカーの火災・流出[144](6)外国からの戦争・侵攻・テロ・潜入工作員[145](7)サイバーテロ(8)クーデター(9)企業・資金・人々の国外脱出(10)治安の崩壊と反動(11)財閥・大政翼賛会・宗教・イデオロギーなどによる寡占化(12)複数の原子力発電所の複数の原子炉がメルトダウンする(13)大規模な太陽フレア(14)高潮・大潮(15)大規模な深層崩壊(16)南関東ガス田などの噴出[146][147](17)メタンハイドレートの浮上(18)連動地震(歴史上連動地震は多数あるが、終戦直前の東海・東南海地震以外の今生きている人類の経験がない)(19)酸素を含まない気体の流出(ニオス湖)(20)外国での津波や火山噴出物の影響(21)感染症の流行[148](22)隕石、隕鉄、氷隕石の落下と衝突(23)病原菌や毒物の流出(24)深部地震による想定外の波長、周期、継続時間、被害地域(24)ダムの決壊(25)大規模な停電[149](25)経済危機、通貨危機、超インフレ、超デフレ(25)犯罪者の急増[150](26)列車事故[151](27)国家の重要施設、人物、機関の損傷[152](28)航空事故[153](29)BCR(生物、化学、放射能)兵器の損傷、暴発、意図的使用[154]。
- 「(2)火山の爆発」は、大地震と密接に関係があるという[155][156][157]。1707年の宝永地震の49日後に富士山の宝永大噴火が起こっているし、2004年スマトラ島沖地震では数ヶ月後に火山が噴火している。噴火で付近の住民が数十万人から数百万人の避難が必要になるが、震災直後であるので移動には困難が伴う。また火山噴出物の影響は広い範囲に及ぶ。現代の電気機器・電力網・電子機器・航空機は火山灰などにきわめて脆弱であるため、直接の被害だけではなく、避難・救援活動の大きな妨げとなる。江戸時代のアイスランドの火山(ラキ)や最近のピナツボ火山の爆発は世界的な気象変動と食糧危機を起こしている。
- 「(21)感染症の流行」の最近の例として、2010年ハイチ地震があげられる。ネパールの平和維持部隊が持ち込んだと言われるコレラに2013年1月現在63万人以上がかかり、2010年からの3年間で8,000人が死亡したという[158][159]。関東大震災では、赤痢、腸チフス、パラチフス、猩紅熱、ジフテリア、流行性髄膜炎、天然痘などが流行し感染症患者1万4千人、死者1,827が出た。
大都市直下の地震
首都圏直下地震への対策はある程度進んでいるが、他の大都市直下の地震に対する対策は進んでいない。
東北大学の遠田晋次教授によれば、過去90年間のM6.5以上の33回の地震のうち、80%で地上に断層が現れなかった。活断層はどこにでも潜んでおり、日本中どこでも大地震が起こると考えて欲しいという[160]。
大阪
- 大阪は水の都でありながら、埋め立て地である咲州庁舎への移転をはかり、東日本大震災による大きな損傷を受けた。
- 大阪には中心部(大阪城脇、中央区役所の建物の真下、環状線の真下など)を通る上町断層帯があり、被害想定は東京の死者1万人に対し、大阪はケースによってはM7.6で約4.2万人の死者、被害額74兆円という想定(2007年中央防災会議)である。阪神大震災後地震発生確率が高まっているが、どの程度かは不明である[要出典][161][162]。
- 国が防災上憂慮する「密集住宅地」は大阪府内に2,300haあり、上町断層のすぐ東の大阪市生野区・城東区・東成区・阿倍野区に集中している。
- 大阪は南海トラフ地震などで、かなりの地域が水没するものと考えられているが、対策が進んでいない。
名古屋
- 2012年11月、名古屋大・広島大のチームが名古屋市中心部を通る2本の活断層(堀川断層[165]・尼ヶ坂断層[166])を空中写真と地質データから発見した[167]。
- 名古屋は木曽川など河川の三角州に発達しており、伊勢湾台風・安八水害・東海地震・南海地震などで大きな地震や津波の被害を受けている。中部地方の中心地であり、近くにはトヨタ自動車など日本の基幹産業が集中しているだけではなく、日本の東西を結ぶ中心地であり、陸上交通(光ケーブルなども)の迂回経路がほとんど存在しない。
- 2008年12月の政府の想定では、M7.6の直下地震が起き死者1.1万人、被害総額は33兆円とされた。
その他の大都市
- 札幌・・月寒断層(月寒背斜に関連する断層)
- 京都・・花折断層
- 福岡・・警固(けご)断層帯
- 仙台・・長町ー利府線、大年寺山断層
- 千葉・・千葉・大金沢断層[168][169][170]
- 新潟・・1964年新潟地震
- 諏訪・茅野・・中央構造線
- 熊本・・布田川・日奈久断層帯
- さいたま、広島、岡山・・2012年現在、都市直下の活断層は発見されていない。
- 長野・・長野盆地西縁(せいえん)断層帯(1847(弘化4)年の善光寺地震)
- 松本・・中央大手橋の南北方向に各500mに高さ2mの、3-16世紀に動いた活断層が存在する[171]。
復興・雇用
東日本大震災から2年たった2013年3月現在、復興住宅[172]が建設されたのは68戸にすぎない。計画では2014年3月末までに1.45万戸建設され、計画全体では2.5万戸である[173][174]。
- 仮設住宅の標準は3人以上で30平方mで、入居期間は原則2年であるが、延長されることもある。2013年2月現在4.8万戸。育児上のストレス、特にお互いの騒音トラブルが大きい。
- 2013年2月現在、避難民は1,216市町村に31万5,196人、2012年3月に比べて2.9万人の減少に過ぎない。2013年8月でさえ29万人である。
- 復興庁によると、2013年2月現在、全国に避難している人は31万5196人。全国1,216市区町村に散らばっている。前年3月(34万4290人)と比べて、2万9094人の減少にすぎない。自県以外への避難舎数は、福島が5万7135人、宮城7,981人、岩手1627人と続く。 入居済みの仮設住宅は4万8027戸あり、民間住宅を借り上げた「みなし仮設」は4日現在、5万9,943戸。入居期限を特例で2年から4年へ延長する[175]。
- 2013年8月現在、防災集団移転地区334のうち着工119、完了7[176]。区画整理51のうち計画設定済み46、着工32、完了0。福島県の除染率、住宅17.5%、道路30.1%、公立施設63.6%[177]。
内藤廣は、東日本大震災からの復興が進まないのは、戦後の社会システムが機能不全を起こしているからだとする。私権とと公共の整合を怠り、技術で自然を克服するという近代思想は破綻し、全国一律という近代国家のロジックが崩れた。対策は真の意味での地方自治の復活だとする。建築としては人間の存在を肯定し、時間の経過により成熟していくことが重要だという。
- 阪神大震災(直下型・都市中心部)、新潟県中越地震(山崩れ)、東日本大震災(津波と原発事故)の被災地に赴いた。その経験から、首都直下地震・南海トラフ地震では3種類の複合被害が想定されるという[178]。
多額の借金と税金を投入した復興予算の流用が東日本大震災で問題になったが、これは阪神淡路大震災で被災者とは縁遠い開発事業に使われた前例を踏襲している[181][182]。
東日本大震災で明らかになったことは、被災地をよみがえらせるために必要なもので最後に残るのは「雇用」であるという[183]。震災後放射能被害などで他の都道府県に移住した人たちの過半数は、1年以上たっても生活保護を受けたままである。
- 「働いていないと気が狂いそうだ」という東日本大震災被災者のつぶやきがあるように、雇用は心理面でも重要である。東日本大震災発生翌日には失業保険給付の要件が緩和され、翌月には『「日本はひとつ」しごとプロジェクト』をとりまとめた[184][185]。
避難所・避難経路
- 避難所は、地震やそれに伴う津波・火災など(および高潮・洪水など)に対しての安全性を十分に考慮して決定されているわけではない。地域住民を避難所に収容できる数を決めている場合が多い。問題点は次のようなものである(1)都心部の昼間人口に対応できていない[186]。(2)避難・誘導・整理・警備・補給・看護等の人員の配置は考えられていないか不十分である。(3)物資の備蓄はきわめて少ない。(4)避難経路に危険性がある場合が多い。(5)津波危険地帯・火災危険地帯・液状化危険地帯に多数避難所が設置されている。
- (3)、(4)はきわめて重大である。例えば①日比谷公園[187]は徳川時代以前は日比谷入江だったという軟弱地盤[188]を埋め立てており、関東大震災・安政大地震で大きな被害を受けている[189]。②東日本大震災では多摩川を数km遡上する津波が研究者のビデオに残っており、大阪では江戸時代に河川敷で津波による多数の死者を出している、というような例があるにもかかわらず、河川敷を避難場所に設定している場合が多い。③東日本大震災では「釜石の奇跡」が起こっている。これは安全地帯とされる中学校から次の避難所へ念のため移動したが、そこからさらに移動したため助かったという事件である。④江戸川・隅田川周辺では道路が広くなり河川改修なども進んでいるが、洪水・高潮・津波を避けるための頑丈で高層の建物がまばらである。
- 避難所の収容人数は、巨大地震・超巨大地震に対応するようには用意されていない。例えば大阪市は人口268万人、昼間人口354万人だが、避難所は552カ所、60万人分しかない。大阪中心部キタの乗降客は236万人だが避難所は3カ所で宿泊可能は912人である。名古屋駅の利用客は29万人だが避難所は1カ所、1万人分である[192]。
- 避難民の経費も膨大である。震災直前の2011年3月に34万人だった福島県いわき市には、2013年3月現在23,700人の避難者が暮らす。教育などの行政サービスはいわき市負担で国や県の負担も住民税の収入もなく、市長は受け入れの限界だと訴える。一部の避難民が原発の賠償金を受け取っていることが住民との溝を深めている[193]。
不足する備蓄
2013年8月の読売新聞の調査[194]によると、自治体による備蓄食糧・水がかなり不足であるという[195]。 備蓄を増やすのは困難なので流通備蓄[196]を導入する自治体が多い。 この状況を考えると、家庭備蓄[197](7日分を推奨)も大切である。
- (以下は都道府県名・推定避難者数・食糧備蓄・水備蓄。市町村分を含む。想定は南海トラフ地震または首都圏直下地震。)
- 東京・220万人・2.06日・0.25日
- 千葉・146万人・0.33日・0.23日
- 愛知・130万人・0.80日・0.16日
- 大阪・120万人・0.68日・未集計
- 神奈川・104万人・1.67日・0.34日
- 静岡・90万人・未集計・未集計
- 埼玉・67万人・2.63日・0.13日
- 三重・56万人・0.43日・0.12日
- 和歌山・45万人・0.39日・未集計
- 高知・45万人・0.27日・0.13日
- 愛媛・40万人・0.16日・0.05日
- 徳島・36万人・0.27日・0.16日
- 宮崎・31万人・0.15日・未集計
- 兵庫・24万人・0.11日・0.04日
- 香川・20万人・0.2日・0.17日
交通対策
関東地震の鉄道の運転可能想定(導通)確率はかなり高い(100%の想定さえある)が、東日本大震災の時は施設の損傷もなく電気が通っている路線も含め首都圏のすべての鉄道が停止した。路線の徒歩による目視点検作業[198]が必要なだけではなく、ターミナル駅での乗り換えの混乱[199]を考え、乗り換え先の鉄道の開通を待つからである。
- 帰宅難民者は百万単位で発生したが、収容施設もなく、自動車は地震直後から流入と流出双方で大渋滞し「グリッドロック現象」という麻痺状態であった[200].
芝浦工大の研究によれば、都心全域の渋滞は、地震直後に通行止めになった首都高速の出入り口付近から始まった。首都高速の出入り口の多く、特に都心部は、このような大規模な流出や流入に対応できるように設計されていない。出口から10m先に交差点や信号があるところさえもいくつかある[201]。マニュアルでは環状7号線で規制を行うことになっていたが対応できなかったし、大渋滞なので出入りは不可能だった。解消したのは3月12日夕方であった。
- 2012年12月7日17時22分の津波警報で、石巻市では半数以上が車を利用したため、39カ所で合計40kmの渋滞が起きた[202]。
- 安易な郊外への避難は危険である。不燃化が進んだ都市中心部と建物の間隔が広い郊外の間には木造住宅密集地(「木密」(モクミツ)という)があり[203]、都心からの避難民は、木造密集住宅地(歩行時間で1-4時間の長さになる)での建物倒壊・出火(環状に火災が広がるので「火炎リング」という)・避難民に阻まれ、また大都市圏には必ず大きな河川があるので通行止めになったりして、引き返すことが予想されるが、後ろからはまだ多くの避難民(通行止め情報は入らない可能性が高い)が避難しているのでどちらにも進めず、パニック状態になり、圧死・焼死など大きな犠牲を出すことが予想される。
- 東京都は3日の「会社待機」を義務づける条例[204] を平成24年3月に制定し、平成25年4月から施行する。しかしある巨大百貨店では1万人近い従業員のための条例第7条による備蓄に売り場1フロア分必要であり、不可能であるとしている。
- 条例でも客の分は要求していない。客は避難場所に誘導し、公的援助を受ける。
- また商品が残る店に不特定多数の人間を入れたくないし、事故などの場合責任を追及される可能性があるとする。
- 東日本大震災では、指定道路である茨城県行方市の国道354号の鹿行大橋が震度5-6弱で崩壊した。
- 例えば、大阪市淀川区にある北方貨物線高架橋が危険である。国道176号、山陽新幹線、JR北方貨物線の3層構造であるが、崩壊危険度が高い。
- 東京都足立区堀切橋が危険である。都道314号線の橋だが京成本線と併走し、東部伊勢崎線をまたいでいる。
- 神奈川県鎌倉市腰越橋は国道134号湘南海岸線の橋だが、橋桁には大きな亀裂がある。
- 大阪市北区の新淀川大橋も崩落の危険性がある。国道423号新御堂筋の橋で7車線、全長813mと大規模で地下鉄御堂筋線と併走するが、崩落した場合には大阪市を分断する。
- 避難に使われる道路の下には、上水道、下水道、トンネル、地下鉄などが通っており、崩落したりするおそれがある[207]。沿岸部では道路が津波の浸水経路になり、津波が早く広く広がる原因にもなっている[208]。
- 鉄道各社も駅構内で少なくとも一晩待機できるように準備中である[209]。
- 早期に新幹線を止める早期地震警報システム[214][215][216]およびエレベーターを止めるP波管制運転は、被害の比較的少ないP波が大きな被害をもたらすS波より先に到達することを前提としている。しかし、内陸直下型地震やプレート境界型地震のうち震源が陸地にあるものでは、P波とS波がほぼ同時に到達するため効果が少ないと考えられている[217]。JR各社(新幹線)と首都圏の大手私鉄では緊急地震速報を活用して鉄道運行に生かしている[218]。
- 兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)では、震度6強で23%、震度7では93%の列車が脱線した。比較的安全とされる地下鉄で天井が崩れ落ち、JR芦屋駅ではホームが崩れ、阪神電鉄・新幹線では高架橋が崩落し、神戸電鉄では擁壁が崩れ落ちた。しかし、発生が午前6時前で走行列車とその乗客は少なく、特に新幹線が発車前だったことが不幸中の幸いだった。その後対策が施されたが、100%まで行っていない。新潟地震では走行中の新幹線が脱線したが、死傷者は奇跡的になかった。
- 重要幹線が厳重に守られているわけではない。特に憂慮されているのが静岡県由比町である。昔から「東海道のアキレス腱」と呼ばれており、東海道本線・東名高速道路・国道1号・東海道新幹線・基幹通信回線[224]という日本を支える大動脈が集中し、崖崩れのおそれがあり、津波や台風の影響を受けやすく、復旧工事が容易ではなく[225]、迂回路がなく、東西日本がほぼ分断されるおそれがある[226][227]。
- 関東一都三県には踏切が約4,000カ所ある。地震発生時には電車が制御区間(電車が通過する時、踏切を遮断する区間)や踏切にいたりする。遮断機が下りたままだと、避難するや緊急車両の通過が困難になる[230]。
- 都市圏の道路交通は、都道府県警察本部のコンピュータによる広域制御システムによって円滑に動いている。これはセンサーと信号のネットワークであり、信号・通信路・センサーは通常の電力系統によって電力を供給され動いているが、計画停電で明らかになったように停電に弱い。災害時には、たとえ交通量が変化せず道路に異常が無いときでさえも、信号故障による渋滞や事故が予想される[231]。事故の現場検証も難しい。緊急時は警官の手信号という方法もある。
- 鉄道の中央指令室は、安全なところにあるわけではない。東京メトロは台東区東上野3丁目(倒壊危険度4の地域)、JR各社の新幹線総合指令所は東京駅付近(場所は非公開。地震・火災危険度1の地域)にある。JR東日本は指令所を2014年をめどにさいたま市に移転する[232]。
- 災害対策で航空路と港湾は重要である。
- 国土交通省は港湾法を改正し、緊急時の内湾での航路を「緊急保全航路」として指定し、国の権限でがれきの処分ができるようにする[237]。
避難民と帰宅難民
首都直下地震の例を挙げる。東京都の想定では住民の避難民が240万人だが、収容所は約28万人分が足りない[238]。帰宅困難者は450[239]万人と推定されている。
東日本大震災でさえ約100万人の帰宅難民者の収容ができなかったと推定された[243]。三菱総研の推計では、徒歩帰宅600万人、帰宅断念260万人だったという[244]。内閣府の推計では東京都約352万人、神奈川県では約67万人、その他の県と合わせて約515万人とする[245]。
東日本大震災では、新宿駅で9千人、渋谷駅で6千人が帰宅困難者となり、首都直下地震では新宿駅だけで9万人と想定されている。政府はは全国の主要駅周辺で、都市再生特別措置法の規制を緩和して対策を援助することにしている。
2012年4月の東京都による想定では、帰宅困難者517万(23区内379万、多摩地区92万人)としている。主要駅の滞留者予想は(1)新宿駅5万人(2)東京駅3. 4万人(3)上野駅2.2万人(4)池袋駅2.1万人(5)渋谷駅2万人(6)蒲田駅8千人(7)北千住駅7千人(8)品川駅6千人、などとした[246]。一時滞留者は92万人以上と言われるが、2012年11月現在で東京都が確保している収容能力は7万人分である[247]。
避難民の住民登録
避難民は現行の法制度上では長期旅行者と同じであり、法的地位がない。東日本大震災の時『原発被災者特例法[248]』を作り、住民票を移さずに教育・福祉サービスが受けられるようにしたが、原発事故被災者に限定されている。
被災者の住民登録は、自治体への納税、公民権(選挙権と被選挙権)、住民サービスとの3点セットになっており、単純に元の自治体と避難地の2重登録とするわけには行かない。それでも片山善博(元総務相)は二重登録のための法整備をすべきだという[249]。
この問題は原発被災に限らず、地震被災、火山被災(三宅島、1983年から4年5ヶ月。有珠山、2000年3月)など各種災害にあてはまるし、首都圏直下地震・南海トラフ広域地震・富士山噴火などでは通り過ぎることのできない問題になる。
帰宅避難民の避難所は法制上あいまい
例えば、東京の渋谷駅[250]の避難計画の問題点が明らかになった。鉄道事業者が災害時に最優先することは鉄道運行の確保であり、そのために乗客は速やかに構内から出てもらうことが重要である[251]。駅構内から出た乗客の行くところは渋谷区の避難所であるが、渋谷区役所の最優先は区民の安全確保であるため責任はない。東日本大震災の時に区民用の避難所に帰宅難民が押し寄せた。その時は住宅がほぼ無事だったため事なきを得たが、実際に区民の避難者が多数出た場合、行き先が曖昧になる。これはすべての場所のすべての帰宅難民についていえる[252][253][254][255]。
避難弱者・震災関連死
東日本大震災では、妊婦への特別なケアができなかったという。また避難所で泣く乳幼児に苦労したという。
ニート、引きこもり(ネットカフェ難民)も含め、住民登録などが機能しない住民が数百万人いる。自分の存在を証明できないので、避難所・物資配給から漏れるおそれがある。
震災時の弱者だけではなく、「震災関連死」の問題は大きい。
東日本大震災における福島第一原発から避難した9高齢者福祉施設の調査によると、2回以上または県境を越えて避難した場合には前年の2倍以上の入所者が死亡した。どちらの条件にもあてはまらない場合、変化はなかったという[256]。
エレベーター
東日本大震災ではエレベーターが使えなかった場合がある。15都道府県で210基のエレベーターで閉じこめがあった。たとえば新宿の工学院大学(28階建て)では非常用エレベーターが3週間利用不能であった[257][258][259]。マンション等で非常用発電機が設置されている場合でも、本当の非常事態(火事や病人など)のために燃料を残し運転を控えた。通常階段を使って日常生活ができるのは5階程度までである。
- 2012年の首都圏直下地震に対する東京都内の被害想定では、停止するエレベーターは7,473台という[260]。
- 国は2009年9月に建築基準法施行例を改正し、新設エレベーターに安全装置の設置を義務づけた[261]が、既設の約70万台に対する対策は進んでいないため、改修費を補助する[262]。
- 2005年7月23日の地震(東京で震度5)では、一都三県で6.4万基のエレベータが停止した。当時の東京湾北部地震の予測では30万基が停止し1.2万人が閉じこめられる。大震災時は数日間閉じこめられる可能性もあるという[263]。
通信
災害時に強い通信についていろいろな説があるが、様々な災害について当てはまるわけではない。特に通信経路は通常の通信量に若干の余裕を持たせているだけで(アナログ時代には「通信呼率」という用語と「アーラン」という通信路の余裕(使用効率を示す)単位があった)、災害などでは通信が急増し機械やソフトが対応できなくなる(「輻輳 ふくそう」という)[266]。
- インターネットは災害に強いという説がある。東日本大震災では、東北地方以外ではかなり有効であった。しかし実際の地震について常に当てはまるわけではない。東日本大震災で結局役に立ったのはラジオ、次にテレビという現実である[267]。
- インターネットを利用できない「情報弱者」は多数いる。それをカバーする手だては少ない。
- 東日本大震災のとき、インターネットによる情報収集や交換が困難だったことがあった。会社や学校におけるコンピュータには閲覧制限やフィルタリングがされて、非常時に即座に制限解除されないことがある。特に主に管理職が使う秘密情報を扱うコンピュータ・回線には厳しい制限がかけられている場合がある[281][282][283]。
- 電子メール(パケット通信の一種)は最近になって電話回線と分離され、つながりやすいとされた。しかし東日本大震災では午後3時前の地震の直後に発信されたメール(都区内から都区内宛)が午後10時頃配信されたという例が多く報告されている。NY同時多発テロでは多くの市内メールが半日以上遅れた。[284]
- 東日本大震災では新しい通信手段(スマートホンなど)がつながりやすかったと言われている。しかしその後いくつもの通信障害が発生している。通信量の飛躍的増大に比べて通信手段(周波数、機械、ソフトの対応など)が絶対的に不足しているので、次回はどうなるか不確実である[285][286]
- 携帯電話は電波を使うのでつながりやすいという説がある。しかし電波の量が不足しているので、災害時にはつながりにくい。また基地局は地上回線や地下回線で電話局とつながっており[287]、予備電源を持たないところもあり、あってもせいぜい3-24時間である。電話局もほとんどの通信を地上・架線・地中の有線(電線、光ケーブル)を使っており、災害に強いマイクロ波無線の通信容量は多くない[288][289]。
- 東日本大震災ではほとんどの携帯が使えなかったし、沿岸部では長期にわたって通信不能であった[290]
- 災害用伝言ダイヤルは、直接の被災者を対象として設計されている。
- 地震観測、情報、伝言ダイヤル、行政などはNTT回線に完全に頼っている。民営化後にリストラ、電話料収入の下落[291]のため、どこまでNTTが堅固な設備を整えているか不明である[292]
- 日本経済の中枢の一つである東証アローヘッドの夜間担当SEは一人である[293][294]。
情報の問題点
- プライバシー:安否情報のリストは人々のつながりを強化するが、そのリストを元に詐欺や売り込みなどが発生している[295][296]。
- デマ:東日本大震災では多くの流言・デマが広がった[297]。関東大震災では朝鮮人虐殺という悲劇が起こっている。
火災旋風
関東大震災では、陸軍本所被服廠跡[298]にいる避難民を襲った直径100m[299]の火災旋風[300]により推定3-4万人が死亡した。
- ある条件下で火事が起こり上昇気流が起こると周りを巻き込む形で竜巻のようなものができる。温度が高く風が強いので通った後を焼け野原にして進む。その経験があるにもかかわらず、地震被害想定には火災旋風が含まれていない。理由は起こる確率が不明(計算が可能なはず)であり、死者や被害額が今ある想定の10-100倍になる可能性があるにもかかわらず防災・減災対策がないからである。また幸いなことに関東大震災以来火災旋風で大きな被害を出した地震が存在していないことも理由である[301]。
密集住宅地
大都市には、「木密(もくみつ、木造密集住宅地の略)」と通称される密集住宅地がある。阪神淡路大震災での神戸市長田区のように1カ所からの火が燃え広がったり、地震のゆれにより多数の住宅が押しつぶされて被害が集中する。通常、不燃化された都心部と敷地に余裕のある郊外部の間に位置する場合と、古くからの風情ある下町低湿地(地盤が悪い)で構成される。被害が集中するだけでなく、仕事・買い物・学校などで都心部にいる多数の人たちが避難する妨げとなったり、火災旋風の発生源となり被害を大きく拡大する原因となったりする可能性が高い[302]。
救援と補給の能力
- 東日本大震災では、地震1年8ヶ月後の2012年11月現在で避難所生活者が32.5万人いる[310]。
- 警察は被災地での略奪行為に十分対応できなかったという。
介護・医療・保育
介護を必要とする人たちのケアは困難である[317]。震災時には職員が一人一人をおんぶしたりして運んでいる。その後はトイレの負担が極めて大きい。生活の激変から新たに介助が必要になる人が多い[318][319]。ところが介護職員は、給料も安く子育て世代のため子育てのしやすい被災地以外の場所に移住する場合が多く、不足する。21世紀中頃以降とされる[320]首都圏直下地震・東海東南海地震の時期には少子高齢化が進み、特に大都市圏では介護職員の不足と救援能力が不足していることとなる。広域災害では、物資支援・人的支援・代替介護施設・移動方法などの困難が予想される。この状況は、入院患者、手術待ち患者、慢性病患者などにとっても同様である。また人間ドックや通常の健康診断がほぼ不可能になり、気づかれないままの発病や悪化が懸念される。単なるひび・頭痛・腹痛等と診断されてしまうと、震災のかなり後でもトリアージにより初期医療がなされないため、予後が不良となる場合があり得る。このような災害弱者は「緑」タグが、急速に「黄色」や「赤」に変化しやすい[321]ため、トリアージは理論上良いが現場ではかなりの困難が予想される。
慢性病患者は糖尿病、精神病など数千万人になるが、必要な数量を必要な場所に運搬し、配送するのは困難である[322]。特に心臓病・腎臓病患者など医療・薬品・自宅の電気の不足が生死に直結する場合があり、挫滅症候群(ざめつしょうこうぐん、クラッシュシンドローム)などの場合で、トリアージでは重傷になるまで後回しになる。精神病などの場合危険薬品が処方されることも多いが、診察・本人確認・数量確認[323]も困難である。
トリアージに妊産婦を表すタグがないことも問題である(タグに大きく注記する場所はない)。先行事例として、東京都文京区は2012年8月に母子救護所の設置を決めた。また色覚異常(日本人の1%)の人間には赤と黒のタグの区別が難しい。緊急時には問題になると考えられている[324]。
2012年現在、一人暮らしの高齢者は480万人おり急増中である。個人情報保護法によるプライバシー保護のため、役所も情報を提供できず、本人たちもオレオレ詐欺や押し売りなどの被害があるため個人情報を提供したがらない。町内会、マンション管理組合、福祉団体には法律上の守秘義務がなく、仮にあったとしても情報漏洩源を突き止めるのはほぼ不可能である。また、被災状況では、町内会・管理組合・さらには交番でさえきちんと個人情報を管理する能力が残っているとは限らない[325]。
女性の社会進出に伴い、女性が子育てをしながら働いている場合が多いが、保育、学童保育施設が現在も不足している。田舎では(都会でも)老人介護が家族にゆだねられている場合が多い。災害時には、職員、施設ともにさらに不足し、施設に子供・老人を連れて行くことも困難である(特に保育園、デイケアセンターなど)。東日本大震災では住居・移動手段と介護の問題から求人と求職のミスマッチが起こっている。具体的には、多数の求人がある事業所があっても、求職者が集まらず(地域の失業率は高い)操業を生産能力の数分の一に落としている会社がある。
学校
学校は、児童生徒を保護する場・防災教育の場・普通教育の場・避難所として考えられているが、その機能を果たせるとは限らない[329][330]。
- 教員・管理職(校長・副校長・教頭・主幹教諭)は、教科・学級経営・生徒指導・部活動・地域連携やその他の教育・事務に追われており、防災についての意欲・知識・能力・時間も少ない場合がある[331]。その場合マニュアル、想定、一般常識、教育委員会[332]の判断などに頼ることがある。
- 典型が石巻市立大川小学校[333][334]であった。幾度も多数の犠牲者を出した津波常襲地帯にもかかわらず津波避難所を設定しておらず、教頭が在校していながら50分を低地の校庭で空費し、裏山(普段低学年児童も登っていた)に避難せず[335][336]、児童74人と教師10人が犠牲となった。有給休暇を取っていた校長は、津波後数日も登校しなかったという[337][338][339][340][341]。2012年11月、文部科学省は市が設置する第三者委員会の検証作業に国が責任を持つことを明らかにした[342][343]。2014年2月最終報告書がまとまり、3月1日に提出される[344]。
- 1983年(昭和58年)5月26日 日本海中部地震では、男鹿半島加茂青砂海岸で昼食中の秋田県北秋田郡合川町(現在の北秋田市)合川南小学校の児童43人が津波にのみこまれ14人が死亡した。目撃者が地震に驚いて外に飛び出した後、小学生がマイクロバス二台で到着し、引率教師2名が岩場に子供を連れて行き遊ばせ姶めるのが見え、10分後に津波にのみこまれたという[345][346]。
- 逆に極めて高い学校の防災意識が児童・生徒を救った例として釜石市立鵜住居小学校、釜石市立釜石東中学校[347]の取り組みがあげられる。学校が明治・昭和の両大津波の浸水区域や想定浸水区域の外にあるにもかかわらず、避難場所を3回変えて全員助かった[348][349][350]。
- 年に1-2回防災(火災・地震)避難訓練が行われる。そのとき地震避難訓練を同時に設定し、校庭避難で終了するのが普通である[356]。場合によっては、消防署員(大体司令補)や校長の講話・消火訓練・起震車体験・救助避難袋経験などを行う場合もある。東日本大震災後に引き渡し訓練も増えてきたが、引き渡すのが前提となっており、引き渡しの妥当性はあまり検討されていない。また時間設定(5分)をし[357]、集団行動の徹底の場として考えられており、「津波てんでんこ」の教訓はほとんど生かされていない[358]。
- 学校には、災害避難民に対する避難物資の備蓄(自校児童生徒教職員分も)がない場合が普通である。一部先進校でも大体自校1日分である[359]。
- 給食は給食センター方式が普通である。自校方式でもガスに頼っているし、朝7時過ぎから始めて4-5時間準備に、片付けに3-4時間かかる。食材は当日朝配達なので、ストックは存在しない。弁当やパンも運搬手段や製造のためのガス・水道・人員・輸送路が少ない可能性がある。
- 避難所になるということは、被災者・犠牲者の家族・友人でもある教職員が避難民やトラウマを背負った児童・生徒の世話に追われることであり、教育をする場[360]も時間も奪われることである[361]。首都圏直下地震や連動地震などの大規模災害では最低数か月~最長数年間その状態が続く。
- 学校施設が無事であるとは限らない[362]。東日本大震災では学校そのものが消滅したり、大きな被害を受けたりした。阪神淡路大震災では校庭の約半分が崩れ落ちた学校もあるが、学校での過去の地震被害例が報道されていないので「学校なら安心」という考えが今まで普通であった。耐震化工事は予算不足でできていないところも多数ある[363][364]。
- 東日本大震災では、紙、教科書、プリンタのインクも(被災地から離れた首都圏でも)不足した。
- 「在宅教育」「通信教育」という選択肢も考えられるが、放送・ネット・郵便・宅配便・印刷製本環境もかなり長い時間損傷していると考えられるので難しい。2011年現在は教材も揃っていない。
- 学校・公民館・地域センターなどは、集会・投票所・地域の大会などに使われるが、避難所や仮設住宅用地に使われると、それらの機能が使えない。代替施設も存在しない場合が多い。
- 避難所指定の公立学校で、自家発電装置設置は28%[365]だった。非常用通信装置整備率はは40%だった[366]。
- 東日本震災から2年たった2013年3月でも、復旧した校舎は多くない。原子力災害のなかった宮城県でも震災直後に使用不能な79校中元の校舎・園舎で再開したのは3校で間借りが43校、休園休校が24校である。特に石巻市では全小中高14校の内4校が2013年3月で閉校する。岩手県では43校中再開5、間借り36、休校2。福島県では153校中再開55、間借り60、休校38[367]。
- 2013年5月1日現在でも2万3693人の小中高生が避難中である。被災3県(宮城・福島・岩手)からが1万2803人、特に原発事故の被害が大きい福島県が1万2803人、宮城は1474人、岩手は343人だった[368]。
- 2014年1月の教研集会[369]で、被災地の学級での問題行動やケンカやいじめなどの報告が相次いだ[370]
液状化
東日本大震災では世界最大の42km²が液状化した[371]。千葉県防災危機管理課は「震度5強でもほとんどゼロのはずだった。震度4で起きるという認識もなかった」という[372]。
- 千葉県1.9万棟(うち浦安市9千棟)、茨城県9,338棟(31市町村)、福島県1千棟ほか9都県80市区町村の合計2.7万棟が液状化被害を受けた。浦安市では上下水道は仮復旧が1ヶ月でできたが、本格復旧には被災後3年かかる予定である。また大規模半壊以上の1,400棟では国の補助があるが、半壊などの建物には少額の補助しかなく、地盤強化には一戸あたり500-3000万円かかる上に、数十戸単位で同じ工法で施工しないと効果がない。境界石がなくなったり、境界線がわからなくなったりして権利関係が複雑化して、住民同士のトラブルだけではなく、復旧工事の妨げになったりしている[373]。また水田に水を張ると液状化が進むので、水田と住宅地が混在している地域では利害関係が複雑で調整が難しい[374]。
- 東日本大震災では防災科学研究所の先名重樹客員研究員などによる2013年の全国調査で、国の発表(2011年9月、国交省、3332地点)の約3倍である9678地点で液状化が起こっていることが分かった。新たに判明したのは千葉、茨城、埼玉、宮城の各県などであり、震源地から440km離れた神奈川県平塚市の田んぼでも起こっていた。
- 関東地方では7都県、126市町村、9117地点で起こり、特に埋め立て地の23%で発生しており、海や川から遠い造成地でも発生していた[375]。
東京湾岸には羽田空港・発電所・東京湾横断道路など重要施設が密集しているし、東京ディズニーリゾート、八景島シーパラダイス、お台場など、子供などが集まる施設がある。大阪湾岸にはUSJや関西国際空港などがある。
建設業者
復興の実務を担うのは主として建設業者と建築業者である。ところが、最近の建設不況で対応能力が落ちている。たとえば2011年東日本大震災や2011-12年の豪雪では、建設資材用具の不足が顕在化した。
財源
日本の財政状況は、きわめて厳しいため、関東直下型地震や南海トラフの地震など大規模地震にどこまで対応できるか不明である[381][382]。また、大震災後には心理ストレスと収入減・資産減による消費意欲減退が起こり、逆に復興需要も発生するが復興のための資金・労働力・資材不足のための景気減速も予想される。
- 日本の借金総計は983兆2950億円[383][384]であり、GDPは約480兆円で対GDP比は先進国で抜群に高い236%に達する[385][386]。また地方債の残高も多く、債務総額は1130兆円で、国民経済計算による日本全体の資産と同額である。国債発行額は新規債44兆円と借換債110兆円の合計155兆円、歳入・歳出は106兆円であり、東日本大震災の復興予算は23兆円である。被害額想定6-18兆円でこの規模である。関東地震の112兆円(2005年の試算)[387]、南海トラフ連動地震の220兆円(2013年)に対応する財政措置が難しい。日本のGDPを生み出す主要地域の被災であるから、税収の大幅な減収も見込まれるし、仮に予算があってもそれに見合う生産ができない。生産ができないため、輸出による外貨収入が少なくなる。生産ができても国内復興需要やサプライチェーンの復旧などに使われる。また国債のほとんどを国内でファイナンス(消化、調達)する[388]から円の価値が高いのであって[389]、国内で国債を消化できる力がない場合は円の下落[390]のため輸入も難しくなる。国債の強制割り当て(銀行・生保・損保・郵貯・簡保・地域・職場ノルマも)、日銀引き受け、建設国債名目、外債発行、増税、減給、教育福祉削減などのどの方策も難しい[391]。「軍事ケインズ主義」も難しい。最大の地震対策は「減災」であるが、その予算の捻出も困難である[392][393]。
- 2012年度は国債発行に対する収入がなく、償還するための収入の目途さえない「交付国債」という制度が使われた[394]。年金交付国債は2.6兆円であり、震災財源を振り替えている。復旧・復興事業費を、国と地方の合計で10年間で23兆円としており、復興債は臨時増税10兆円でまかなう。
- 復興特別所得税は2013年1月から2037年末までの25年間に所得税額の2.1%と預金など利子利息に0.315%、他に住民税が10年間年間1,000円支払う。
- 小黒一正・一橋大准教授(公共経済学)らは、首都圏直下地震(66兆円被害の場合)により7割の確率で日本の財政が破綻するという研究を2012年にまとめた[395]。
被災者生活支援制度と財源
1998年被災者生活再建支援法による居住被災者に対する支援(全壊の場合最大300万円)がある。東日本大震災直前の積立金は552億円だったが、特例制度で支給は18.4万世帯に2,516億円であった[396]。ところが首都直下地震の場合の支援金総額は最大3兆円、南海トラフ地震の場合はそれ以上[397]と想定されているので、制度の財源確保の議論が必要とされる[398]。
生活保護
収入手段を失った被災者に対する生活保護も重要であるが、居住地により運用が異なる上に、財源が乏しく、地方自治体の財政・事務・生活環境などへの影響が大きい。雇用や商売の基盤が失われるので、負担は長期間にわたると考えられている。
石油製品
災害時にきわめて重要なものの一つとして石油製品(ガソリン、軽油、灯油、ホワイトガソリン[399]、エンジンオイル[400]、重油など)がある。ところが大規模災害時の石油確保には問題がある[401]。
- 必要性
- 問題点
- ①備蓄の中心となるガソリンスタンドが全国的に減少している[403]。過疎地域では給油のために10km以上走る必要がある[404]。災害対策もとられているが、老朽化も進み、次の災害に耐えられるかどうか不明である。
- ②ガソリンスタンドでの給油にはポンプを動かす電気が必要であるが、大規模災害時には停電が長期間続く。
- ③危険物であるので、輸送や取り扱いには専門資格が必要である。
- ④石油価格上昇と不況なので、節約志向で車のタンクには半分以上給油しない習慣が広がっている[405]。しかしながら、東日本大震災という比較的遠隔地の災害でも首都圏で1週間程度給油が困難であった。これ以上の規模の大規模災害では、日本全国での長期間にわたる給油難が予想される。
- ⑤石油精製所・石油備蓄設備・石油輸入可能港はすべて海岸にあり、想定される大規模災害時には石油精製能力の大幅な減少が見込まれる。特に石油精製所の多くは南海トラフで大きな被害が予想される地域にある。
- ⑥大規模災害時の輸送経路には多くの障害が予想される。さらに、少ない危険で多くの(金銭的だけではない)利益が見込まれることから、タンクローリーが襲撃される可能性もあるが、警備は事実上不可能である。
- ⑦原子力発電所の安全には、非常用燃料の確保がきわめて重要[406]であるが、備蓄は多くはなく[407]、災害時には早急に大量の燃料確保をしなければならない。しかし給油所から遠隔地にある原子力発電所への輸送路がしっかり確保できるかどうか不明である[408]。
サプライチェーン
日本経済と生活は、網の目に広がった補給系統に頼っている。また在庫を持たない「カンバン方式」が広まり、スーパーの深夜営業やコンビニの普及により、より新鮮なものを求めるためと狭さから家庭での備蓄も少ない。企業においても、部品の在庫は少なく、部品供給企業は限られている。
- 東日本大震災で明らかになったように、大手企業は2、3次サプライヤー(部品供給者)までは把握し、分散化を図っているが、分散したはずの2次、3次サプライヤーが実は同一の3,4次サプライヤーに頼っている場合が多数見つかった。
- 日本の生産品には世界を支えているものが多数ある。大震災で被害を受ければ世界経済に影響が出る。その上日本を含む世界中の企業は、調達の多様化および安全のために、日本から生産・調達を外国に移動したりして日本の産業が空洞化するおそれが高い[409]。
- 日本の生活と経済の大動脈の一つである天然ガスの備蓄はほとんどない。原子力発電の代わりとなる電力会社の発電所でも自家発電でも、天然ガスを用いる場合が多い。地震や津波だけではなく、中東地域・東南アジア・シベリアでの紛争[410]により日本の天然ガスの受給は直ちに影響を受ける。
- 2007年新潟県中越沖地震では、リケン・ピストンリング柏崎事業所が被災し、国内自動車工場すべてが操業を停止した。
- 2011年には、シリコンウェハ(ほとんどすべての半導体の基本材料)の世界シェア6割をもつ2工場、信越半導体白河工場(福島県西郷村)とSUMCO米沢事業所が操業停止した。
- 2011年には、マイコン[411]の世界シェア25%、自動車用では4割のシェアを持つルネサス茨城県・那珂工場(ひたちなか市)が3ヶ月完全停止した。自動車業界から1日最大2,500人が支援をした[412]。
- 2011年には国内建築ガラスの3割を生産する旭硝子鹿島工場が被災した上、専用港も破壊された。
- 2011年には、復旧に欠かせない日本の合板生産能力の3割が失われた[413]。
- 2012年9月の日本触媒姫路工場の火災事故では、紙おむつなどの原料となるSAP(高吸水性樹脂)とその原料のアクリル酸の生産が停止された。ここのSAP生産は世界シェアの2割、アクリル酸は日本シェアの7割を占める[414][415]。
生鮮食料品は、コールドチェーン[416]に頼っている。例えば牛乳は搾乳を電気によるミルカーに頼っており、消費者まで冷蔵状態を保たなければならない。また搾乳されない乳牛は乳房が張って炎症を起こす。大量の水と飼料の補給も機械化されている。貯蔵された肉や魚は停電により腐敗するが、その処理や消毒に手間がかかり、一旦腐敗した後から再開まで時間と手間がかかる。仮に一般商店に届いたとしても、消費者が買える状態(冷蔵庫、お金、運搬手段など)にあるかどうか不明確である。
重要な情報の保存
- 戸籍など公的証明・・東日本大震災では、岩手県陸前高田市と大槌町、宮城県南三陸町と女川町で、3.8万件の戸籍データが流出・散逸した。一番基本となる個人情報ではあるが、その後どうなったか不明である。法務局(大体各県に一つ)にコピーが残って再製しているが、コピーに時期のずれがあり1ヶ月ごとの保存を義務づけた戸籍法施行規則第15条の規定にもかかわらず2010年分の保存がされていないため、一部の再製ができない。また法務局自体の大きな被災に対しては対策がなされていない。[417][418][419]。不動産登記、公証人役場の公正証書原本、会社登記、弁護士事務所の遺言などバックアップ手段が少ないまたは全くない場合が多いとされる。
- 病院など・・東日本大震災では、多くの病院・診療所・介護施設で記録が失われた。例えば宮城県では163医療施設と200以上の介護施設で記録が失われた。個人情報が全く保護されていないばかりではなく、治療などにも支障が出ている[420]。また専門医、医療器具、医薬品などが不足する中で輸送・配置計画がしっかり立ってられないため、病状が悪化したり死亡の増加も憂慮される。ネットワーク化やクラウド化の試みも始まっているが、個人情報の個人保存による流出やハッキングなどによる流出、地域センターの被災など検討課題は多い[421]。
老朽化したインフラ
日本のインフラ(道路、水道など)には、老朽化し地震に耐えられないもの[422]がある。特に今後2020-2050年にかけて寿命を迎えるものが急増するが、更新・保守予算のめどはたたず、次の巨大地震は21世紀後半と予想されている[423][424][425][426][427][428]。
- 日本のインフラは1960年代の高度成長期から1990年代の景気刺激策まで、一貫して整備されている。しかしコンクリートなどの寿命は約40-50年とされており、2010-2050年に一斉に寿命を迎える。その更新費用は今後40年で600兆円になると試算されているし。別の試算では2010年からの50年で毎年8兆円必要とされた。この費用は更新に必要なものだけであり、新しく作る分は含まれていない。特に耐震補強工事費用が含まれていない。
- 問題は、南海トラフ地震や首都直下地震の予測が21世紀半ば以降とされていることである[429]。財政危機だけではなく、少子高齢化が加わり、何らかの大きな国家的決断が求められている。
- 例1. 堺市泉北ニュータウンにある特に耐久性の高いと言われる800mmダクタイル鋳鉄水道管(1976年)が完全に破裂した[430]。
- 例2. 首都高速道路301km中、2012年現在で、40年以上が90km、30年以上が49km。
- 例3. 15m以上の橋15.5万のうち、50年以上8%、40年以上18%、30年以上27%。
- 例4. 高速道路9,000km中30年以上4割、10年後には6割。トンネルは30年以上は2割の359カ所。
- 例5.全国の通行止めの橋は2012年現在約1,400カ所。
- 例6.トンネル全国8,534カ所、総延長2,926km中、50年以上が18%、2029年には46%[431][432]。
- 例7.東海道新幹線は、1964年完成でありもうすぐ50年となる。
- 例8. 東京メトロは戦前からの路線(銀座線など)さえあるが、改修工事が深夜の3時間しかできないので、工事が遅れている。新規路線建設には1kmあたり80-300億円かかるので、改修工事が欠かせない。
- 例9. 東京都の上水道の8割をまかなう4大浄水場は、金町浄水場が1926年建設であるなど老朽化が進んでいる[433][434]。
- 問題は、南海トラフ地震や首都直下地震の予測が21世紀半ば以降とされていることである[429]。財政危機だけではなく、少子高齢化が加わり、何らかの大きな国家的決断が求められている。
地震を抜きにしても、これから少子高齢化時代を迎え、限界集落[435]が増えていくが、居住地の援助も移住のための支援も難しい。年金生活者がマンションや戸建て住宅の更新をしていくのも難しい。
火葬・葬式・墓
大震災時は大量の死体が出るが、火葬についての見通しがつかない。霊柩車も不足し、斎場の手配もできないし、緊急時に使える公民館・市民センター・学校等は避難所になっていると予想される。電気や資材が不足し、冷凍保存やドライアイス[438]・防腐剤も供給不安がある。平常時の現在でも火葬場が不足し、場合によっては火葬まで1週間待ちという場合がある。これから高齢化が進むが、火葬場の新設・増設は住民の反対が強く進んでいない[439][440][441][442]。
- 日本では、遺体は火葬されるのがほとんどである(99.89%)。火葬場は1952年の26,089施設から2010年現在は4,899施設となっており、ここ15年で半減している。しかし高齢化が進み、厚生労働省と国立社会保障・人口問題研究所の死亡者推計によると、2009年の114万人、2011年126万人、2020年は143万人、2030年160万人、2040年にピークを迎え166万人になる。2012年現在でも葬式まで1週間待つ場合もある。
水道
南海トラフの巨大連動地震を想定した京都大学防災研究所の研究によれば、30日以上の断水を経験する地域住民が数百万人以上発生し、最大90-500日に達する場所もある。これは各自治体当たり20修理班が活動するという設定であり、広域超巨大地震で確保できるか疑問である。また給水車の確保も課題となる。
犯罪
- 阪神大震災や東日本大震災での犯罪は少なかったと言われる。しかし東日本大震災では空き家荒らしが横行し、駐車中の車からのガソリン抜き取りも多かったと言われる。警察は救助に手一杯であり、広域警備は不可能であった。多数の人手を必要とする犯罪捜査に手が回らなかった犯罪(「暗数(あんすう)」という)は数多くあると言われる[450]。
- 日本での検死(死因究明)制度は遅れている[451]。通常時でも多くの死亡事件は、通常の医師の死亡診断書か専門外の警察官の見かけによって決定され、検死官など病理・薬理・解剖・法医学の専門家に見られることが少ない。震災時にはとても手が回らないとされる(死体検案を待つ遺体を置いておく場所もない)。
下水道
下水道は、都市生活インフラの中で水道に続く重要性を持つ。人間は必ず排泄し、適切に処理できないに場合臭いに耐えられないだけではなく感染症流行の原因となる。さらに復旧工事が上水道より難しい場合が多い。また都会・郊外・田舎でもほとんど水洗化されているため上水道が必要であり、下水道が整備されていない地域では電気を必要とする合併型浄化槽を用いる場合が多い。仮に上水道が復旧した場合でも、下水道管または下水処理場が損傷している場合には汚水を流すことができず、通常のトイレが使えないので簡易型トイレを使用する。その場合下水道の普及している大都市部では、バキュームカーがほとんど存在しないため、特に広域災害ではくみ取り不能からトイレ使用不可能となる。簡易型トイレでは、足の不自由な人やくみ取り式になれていない子供にとって大変不自由する。トイレを我慢するのがつらい高齢者・膀胱過敏症・大腸過敏症などに対する配慮も難しい。寒い、暑い、雨、雪などの場合、屋外簡易トイレ前の行列が被災者の健康被害を生む。簡易トイレの整備も進んでおらず、良くても150人に1基、場所によっては1,000人に1基以下である[454]。またトイレの我慢と不衛生により膀胱炎、尿道炎患者も増加し、トイレを長時間使用せざるを得ない場合が増え、さらに不自由になるとされる。
- 2011年3月の東日本大震災では、1都10県の642kmの下水道、下水処理場120カ所が被災した。そのうち21カ所が稼働停止し、復旧に2~3年かかる[455]。被害は下水処理場が海岸部に集中しているため津波の被害を受けて起こっているため、南海トラフ地震などでの被害が心配される。
- 特に浦安市では液状化による被害が深刻であり、「トイレ難民」も多数生じた[456]。
- 2011年9月の国土交通省の調査結果によれば、重要下水道幹線5.6万km中耐震化済みは28%の1.6万kmであった。また河川上流にある15年以上の下水処理施設445カ所のうち、耐震化工事済みは約10%の47カ所であった。
- 大村達夫東北学院大学教授は、耐震化だけではなく簡易処理施設を避難拠点近くに分散設置することが大事であるという[466]。
- トイレ・下水道の設計では、ある程度の水と、配管の傾きが必要とされる。震災の場合、仮に下水道系統に何の故障がないとしても、上水道に故障があると住宅内部配管から下水本管まで流れる水量が少ないので、内部に汚物などがたまる可能性が高い。汚物はガスを発生し、流れを妨げる。そのため全体を考えて下水道の使用を自粛するよう要請される可能性があるが、病人、子供、老人、過活動膀胱、大腸過敏(過敏性腸症候群)、思春期の少女などトイレの使用がきわめて重要な人たちが仕方なく使用する場合が考えられるし、その他の健常人も大変困り、時間がたつにつれて詰まったりあふれたりする。そうでない場合でも早急な配水管・下水管洗浄が必要とされる。しかし高圧洗浄ポンプ車と技術者は需要に比べてはるかに少ない。
- 上水道の運用には大量の電力が必要であり、特にマンション・アパート・オフィスビルでは水をポンプで屋上の受水タンクまであげてから配水するため、各建物まで電気が通っていなければならない。
- 以上の論議は、配管・下水管に何の故障もなかった場合であり、家が傾けば必要な配管の勾配が得られず、配管系統の各所に故障があると予想されるが、漏れ場所を特定し、掘り起こし修理するのには時間・費用がかかると見込まれる。
- 東日本大震災では、下水処理施設が破壊されて簡易処理で河川に流しても、下流域への損害は比較的軽微であった。しかし関東直下型地震・南海トラフ地震の場合、流域面積が広く下流域の人口が多い、人口密集地で屋外処理・自然処理が難しい、河川が内湾に流入する場合が多いなどの理由で下水道の問題ははるかに解決困難である。
- トイレ・下水道の設計では、ある程度の水と、配管の傾きが必要とされる。震災の場合、仮に下水道系統に何の故障がないとしても、上水道に故障があると住宅内部配管から下水本管まで流れる水量が少ないので、内部に汚物などがたまる可能性が高い。汚物はガスを発生し、流れを妨げる。そのため全体を考えて下水道の使用を自粛するよう要請される可能性があるが、病人、子供、老人、過活動膀胱、大腸過敏(過敏性腸症候群)、思春期の少女などトイレの使用がきわめて重要な人たちが仕方なく使用する場合が考えられるし、その他の健常人も大変困り、時間がたつにつれて詰まったりあふれたりする。そうでない場合でも早急な配水管・下水管洗浄が必要とされる。しかし高圧洗浄ポンプ車と技術者は需要に比べてはるかに少ない。
電気
- 発電所・変電所は沿岸部にある場合が多く、地震や津波の影響を受けやすい[467]。各電力会社はそれらをループ接続し一つの系統ではなく、複数の系統から供給する体制を整えている。しかし計画停電により一般国民にも明らかになったように、発電・送電能力が落ちたり給電能力を超える電気の需要が発生すると、ほぼ全地域が停電する。日本の東西で(富士川を境に)周波数が違うので、また各電力会社に供給余力がなくなってきたので、電力会社相互の助け合いが困難である。
- 中部電力は全発電所が津波危険地帯にあり、供給地域が広く、弱い地盤である名古屋市西部や大きな河川地帯を通るので心配されている。
がれき処理
がれきは復興の大きな妨げになるだけではなく、異臭・はえなどの害虫・伝染病(感染症)・有害ガス・海洋汚染・河川湖沼(上水道の源)汚染などの発生源となり、たきぎと同じように火事の原因にもなるため、迅速な処理が求められている。特にダイオキシン、PCB、アスベスト[468]、塩素、水銀、有機リン、放射性物質などきわめて有害な物質が混入していたり飛散する可能性もあり、慎重な処理も求められている。
東日本大震災では、通常時にくらべて宮城県19年分、岩手県11年分など岩手・宮城・福島3県に約2500万トンのがれきがある。東京都は東京湾埋め立て地に50万tの受け入れを表明しているが、放射能汚染のおそれがあって処理は全く進んでいない[470][471]。
千葉県には約340件の旭市の全壊家屋があるが、処分場が一切ない。柏市・松戸市など「ホットスポット」と呼ばれる地域では、高濃度の放射性物質を含む焼却灰の処理に困っている。東日本大震災のがれきの多くは他の地域に比べて人口がまばらな地域の沿岸部で発生しており、首都圏の地震や南海トラフ地震などでははるかに多くなると見込まれている。
南関東直下型地震の被害想定では最大1億トンのがれきが発生すると予想され、南海トラフ連動地震ではさらに大量の2.5億tのがれきが発生する[472]と考えられているが、移動・運搬・処理・埋め立てがどのようにできるか分かっていない。また「がれき」の中には土砂崩れ・崖崩れなどの土砂は入っていないため、運搬する総量ははるかに多くなる。
- 東日本大震災から約1年たった2012年2月現在処理済みは153万トンだけである。有名な豊島 (香川県)#豊島事件(産業廃棄物問題)は56万tであった。東京23区が50年かかって埋め立てた廃棄物が約1億t、現在は年間約100万tである。
- 2012年11月現在、被災3県(福島、宮城、岩手)のがれき総量2,760万t[473]中、処理済みは490万tである。
- 2013年1月現在、被災3県(福島、宮城、岩手)のがれきのうち、処理済みは岩手県24%、宮城県31%、福島県12%である[474][475][476][477]。
- 岩手、宮城、福島の3県で1,628万tと推計されるがれきのうち、1月末時点で465%754万tを処理した。宮城51%(563万t)、岩手39%(142万t)、福島31%(49万t)[478]。
太平洋上に流れ出したがれきも問題である[479][480]。 2,500万tのうち、約1割の300万tが太平洋今日に流れ出したと言われ、2012年には一部が北米に流れついたが、大部分は2014年3月には北米太平洋岸に漂着し、数年以内に太平洋各地に漂着する[481]。この費用は国際法上漂着国の負担とされている。しかし、21世紀全般と予想される南海トラフ地震や第2次関東大震災のことを考慮した場合、がれき総量1億tの5%と仮定した場合、500万tものがれきが各国に漂着することになり、大きな国際問題になりうる[482]。
- 先進工業国の沿岸から大量のがれきが流れ出した前例が東日本大震災以外存在しないため、技術的・法律的・国際関係上などの諸問題は解決が難しい。
- さらに、日本国内の太平洋岸の広範囲の海岸や港湾(特に重要な伊勢湾・東京湾・大阪湾など)、さらには河川の出口などをがれきで塞ぐ可能性もあり、救援・環境問題・漁業問題・社会問題・物流問題・エネルギー問題[483]など影響は幅広いと考えられている。
- 500-1,000万tのがれきのうちどの程度の量が日本に漂着するかは明らかではないが、日本の沿岸全体のゴミの総量が最大15万t程度と推定されていることから見ても、問題は大きい[484][485]。
二次被害
最近数十年の地震[486]では、救援活動中に被害が発生し救援者が被害を受ける例がほとんどなかった[487]。そのため、二次被害の経験が蓄積されていない。
離島・山間僻地
現在の居住可能地域(エクメーネ)は、膨大なインフラに支えられている。橋・トラック・電気・水道などである。しかし離島・山間僻地では、災害による社会的インフラからの隔絶がそのまま生命の危機に直結する。東日本大震災では大都市近郊の小島に救援が届かなかった例がいくつかある。また土砂崩れで交通が途絶し、自衛隊のヘリコプターで救出した例がいくつもある。
- 例えば2012年の台風21号などで奄美地方の離島では欠航が続き生鮮食料品がなくなった。台風常習地帯であるので普通の食糧の備蓄が2週間程度あるが、2週間を超すと厳しい。郵便・燃料(電気)・医療・医薬品なども届かなくなる。地震や津波が襲った場合は、通信・放送などを利用した外部世界との連絡も長期間途絶えるおそれがある[488]。日本で離島が大きな地震災害にあった例が最近数十年なく(山間僻地は経験があるが、比較的小規模被害でありある程度の救援が可能であった。)、自給自足体制が崩れているので懸念されている。
地盤
見かけ上強固な台地でも、地盤が弱い場合があるが(表層地盤増幅率)、地震対策では後回しにされがちである。他の土地で、人口の少ない時代に被害が少ないとされていても、単に人家がなかったり報告されなかったのが理由である場合があり、この次の地震での被害が懸念されている。
- 2012年の防災科学技術研究所の研究によれば、表層地盤増幅率が2.0以上(特に揺れやすい)である地域に約2,200万人、1.6~2.0(揺れやすい)の地域に約1,700万人が居住している。また「30年以内に26%以上の確率で震度6弱以上の揺れに襲われる地域」に5,300万人が生活している[489]。
- 東京の山の手は強固な地盤だと思われているが、そうではない。新しい火山灰が3-8mつもる関東ローム層[490]の上にある。その後の浸食による段丘崖やその下の河川跡に市街地が密集している。道路や鉄道は段丘崖で寸断されるという[491]。
- 東京の高層ビルを支える地盤の多くは、砂岩や泥岩である三浦層群(上総層群)の上に「東京礫層[492]」と呼ばれる厚さ5m以下(一部20m以上)の主に締まった砂礫からできている地層がのっている。東京礫層はN値50以上という固い地盤であるが、関東全体を揺さぶる大きな地震に対してどうなるかははっきりしていない[493][494]。
- 2011年東日本大震災では、特に仙台市のひな段造成地で、土砂崩れ・地盤崩壊の被害が多かった。ひな段ではない東北大学でも大きな被害が出た。ここは2008年(平成20年)岩手・宮城内陸地震の被災地でもあり、栗駒山の数千万年前からの火山灰の堆積地である。
- 日本全国に分布する四万十帯は斜面崩壊や地すべりが多く、構造的に脆弱な地質である[495]。1889年(明治22年)十津川大災害や1953年(昭和28年)紀州大水害(有田川災害)、2007年(平成19年)の国道169号岩盤崩壊や2004、2008、2011年には国道168号の地すべりによる災害を起こしている[496]。
- 津波被害を避けるために裏山に避難することができるが、裏山が安全であるとは限らない。東日本大震災では、石巻市立大川小学校の小学生が土砂崩れのおそれのため裏山に避難できず、74名が津波で死亡した。また福島第1原子力発電所事故では、裏山にある「免震」重要棟のドアが地震で外れ放射能が内部に侵入した[497]。
- 深層崩壊という大規模な地滑りが近年知られるようになった[498][499]。2009年8月9日台湾南部の小林里で、台風が引き起こした深層崩壊で、約500人が犠牲になったことで世界中に知られるようになった。地震は、その引き金になるのではないかと言われている[500][501]。
- 阪神淡路大震災による神戸の被災の中心地は「表層地盤増幅率」という地盤の堅さを表す数字から見ると、安全なように見える。しかし、六甲山側の大きな断層により地震波が跳ね返り共振し、帯状に被害が起こった。地盤の強さだけでは、地震に対して安全かどうかははっきりとはわからない[502]。
木造住宅の耐震性
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)が耐震診断した約2,000軒の全国の木造住宅のうち、1981年以前の旧耐震基準建物の98%、1981年以後の新耐震基準建物の85%が「耐震性に問題あり」という結果だった。特に「倒壊する可能性が高い」建物は、旧耐震基準の建築では86%、新耐震基準の建築でも経年変化による劣化などにより61%あった[503][504][505]
マンションの損壊判定基準
マンションの損壊判定基準がいくつもの基準といくつもの機関によって行われていることが、円滑な復興を妨げている。
- 2011年東日本大震災で仙台のマンションには「倒壊0棟」と「全壊100棟」という2つの評価が共存している。その理由は日本建築学会の被災度判定基準に従ったものである「高層住宅管理業協会調査」と、仙台市が罹災証明書を交付するための「内閣府が定める災害に係る住家の被害認定基準調査」に大きな隔たりがあるからである。また調査が何種類もあることが混乱を生んでいる。それには罹災証明発行のための調査、応急危険度判定のための調査、被災度区分判定のための調査の3種の他に、建築学会、土木学会、高層住宅管理業協会など行う調査がある他に、地震保険の調査がある[506]。
超高層ビル
- 日本建築学会小委員会によれば、M8.7 での計算で首都圏でも周期2~6秒の「長周期地震動」が南海トラフの連動地震でも卓越し、告示波(模擬波より弱い)での規定より大きい毎秒50-100cm(カイン)の振動により通常の超高層ビルでも損傷の可能性があるという。[507]連動地震ではM9が予想されるので、さらに被害が大きくなる可能性がある[508]。
長周期地震動
超高層建築物の設計思想は、短周期振動には建物の強さ[509]で対抗し、長周期振動には柔構造による振動でエネルギーを吸収しつつ、固有周期を長くとることにより地震波との共振を避けるということである。また詳しい構造設計と厳しい建築監理によりきちんとした建築をすることである。ここには巨大地震や連動地震によるさらに長い時間の長周期地震との共振と建物内部の物体の移動による被害と恐怖心は考慮になかったし、1000-4000ガル、100カイン以上もの強い地震動は全く考慮外であった[510]。
- 日本初の超高層ビル[511]である霞が関ビルは1965年起工である。その後想定の周期、地震速度、地震加速度、地表変位を超える地震が続発している[512]。
- 長周期地震動の周期は一般的には数秒程度と考えられている。それでも高層建築や大きな橋などとの共振が予想できる。しかし東日本大震災では石巻や陸前高田でもっと長い40~50秒の地動位変位長周期のパルス2波が見られ、その振幅は50-100cm、加速度600-900ガルとなった[516]。国土地理院は周期100-500秒の成分から3分以内に巨大地震かどうかを判定するシステムを開発している[517]。
- 一般に構造設計に使われている地震波は元の地震波からフィルターをかけて長周期成分を取り除いている。特に周期7秒付近と25秒以上を取り除いている。数年前の東京都による元禄地震の想定では、周期10秒までを計算し、特に大田区全域で大きな地震が予想されている[518][519]。7-8秒周期成分が削除された理由は、「観測値が大きいことは不合理である」ということである。
- 石橋克彦は1994年に「東京湾域の盆地状の地下構造[520]が、周期七~八秒の地震動を強く生ずる特性がある。」としている。また関東大震災の時の本郷の地震計記録では周期13秒の卓越周期を持つ地震動があり、最大振幅は1mであったという[521]。
- 堀川晴央は「巨大地震による長周期地震動」 で「揺れの卓越周期は、同じ平野内でも場所ごとに異なる」とし、「現行の特性化震源では、長周期地震動予測で重要な周波数帯域が過小評価となる可能性がある」ので、長周期地震に対する強度に不確実性があるという。
- 2011年の調査[522]によれば3連動地震で、濃尾平野東部で3秒、大阪平野は5-9秒、関東平野西部では8秒前後の周期が大きくなることがわかった。特に関東平野では6-10秒周期で、大阪平野では4-12秒で告示波を上回ることが予想される。建物の揺れやすさを知る目安は固有周期の10倍の階数とされる(例えば8秒ならば80階、約250m)[523]。
- 東日本大震災の時、大阪平野では周期6秒前後の地震波が周辺の地盤より30倍増幅された。また周辺の地盤でも周期6秒の波が多く、濃尾平野で増幅されたためであることがわかった。他の地震でも他地域の堆積層により増幅されるおそれがある[524][525]。
- 東日本大震災において、仙台駅付近の高架橋で試運転中の新幹線が脱線した事故では、高架橋の1.8Hz付近の共振が原因だとされた。余震の観測では地表(基盤面)では9Hzの周期の地震であった[526]。
- 改正気象庁震度階[527]では、長周期の地震動の影響を小さくしており、例えば均一な周期の振動が数秒間継続した場合、震度6強に対する加速度は周期1秒では約300ガルなのに対し周期8秒では約10,000ガル(重力の10倍・世界中の地震計の記録には今まで存在しない[528])必要である。気象庁がそのように決定したのは、今までの地震計観測地震で周期1秒前後のキラーパルスによる被害が大きいという経験則にあわせたためである。現在大型建造物は意識的に固有周期が長周期になるように設計されており、震度が比較的小さくても大きな被害がある場合が考えられる。
- 巨大地震が連動した場合、マグニチュードの大きさだけではなく、長周期地震が20分以上続き超高層ビルに深刻な損傷を与える場合があることがある[530]。
- 超高層ビルの内部の揺れは、激しい。特に巨大地震で起きる長周期震動に弱い。
- 初めて観測されたのが2003年十勝沖地震[534]なので、対策が弱い。
- 兵庫のE-ディフェンスで行われた「長周期地震動による超高層建物の大振幅に備える実験」[535][536]によると、28階相当の住宅でベビーベッドが動き衝突したために破損し、テレビは宙を飛んだ。27階相当のオフィスでは、固定した家具は無事だったが、コピー機が動き回り壁などを破壊した。
- 2004年新潟県中越地震では、約200kmの六本木ヒルズ森タワーで、震度が4以下にもかかわらず、エレベーター6基が停止した[537]。
- 工学院大学の久田嘉章教授が南海トラフ地震による新宿の超高層ビルである工学院大学での影響を調べると、揺れ幅が2.88mに達し揺れの継続時間が20分以上になりました。その結果柱と梁の接合部が大きくゆがみ、壁や天井が崩れることが予想されるということです[538][539]。
- 東京湾岸にある石油コンビナートから、南海トラフ地震の長周期地震動により大量の石油が出るおそれがある。浜田政則早大教授によれば、東京湾岸にある約1,500基のタンクのうち503基が地震の長周期震動による「スロッシング」による流出と発火のおそれがある「浮き屋根式」であり、うち115基から12万Klの石油が流れ出す可能性があるという[540][541]。
脚注・引用
- ^ 2009年6月13日付読売新聞
- ^ それ以前は自治体などが注意を喚起していたが、科学的な検証に基づくものはなかった。
- ^ 地震防災研究を踏まえた 退避行動等に関する作業部会 報告書 (案) 文部科学省、2010年5月25日。
- ^ 河北新報 コルネット 特集/3.11大震災
- ^ 内陸大地震の謎を探る ~長町-利府断層を舞台に~「なゐふる」第16号(1999年11月)『長町-利府断層は仙台の中心部を横切る活断層で、活動間隔は4千5百年から5千年である。これはM8を起こさないと考えられている。
- ^ 「地震学の今を問う(日本地震学会東北地方太平洋沖地震対応臨時委員会報告)2012年5月
- ^ 今村明恒博士が南海トラフの連動性を指摘して昭和南海地震を予知した故事や、数年前から東北地方の大津波の痕が発見されていたことも軽視されていた。
- ^ 2013年に立川断層が従来考えられていた逆断層ではなく、横ずれ断層であることが大規模なトレンチ調査で判明した。
- ^ 最近海溝部の深層ボーリング調査が行われている。
- ^ 平成15年に実施した柏崎刈羽原子力発電所海域活断層の再評価に関する調査結果について東京電力 平成19年12月21日
- ^ 「原発と活断層 立地の総点検迫られる」中国新聞2012年4月26日社説『日本原電は2004年に3, 4号機増設を申請した際も「浦底断層は活断層ではない」としていた。しかし、今年3月、この断層の地震エネルギーが想定の2倍以上と分かり、加えて基礎データを05年には得ていたことが明るみに出た。』
- ^ 『再稼働の大飯、断層調査へ 志賀原発も 専門家から要望続出 原子力安全・保安院』共同通信2012/07/17 18:23石川県の北陸電力志賀(しか)原発1号機原子炉建屋直下を走る「S―1断層」は、活断層専門の今泉俊文東北大教授が「典型的な活断層だ。あきれてものが言えない」などと述べた。
- ^ 耐震バックチェックにおける北陸電力(株)志賀原子力発電所S-1破砕帯の取り扱いに関する調査結果報告原子力安全保安院平成24年9月14日p4『そもそも「バックチェックルール」の中で破砕帯の扱いが不明確』
- ^ 「・D-14 破砕帯を対象としたトレンチ調査((5))トレンチ調査計画位置(当初計画位置)で実施したボーリング調査でD-14 破砕帯 を確認できなかった」(添付資料1 敦賀発電所 敷地内破砕帯の活動性評価に係る追加調査の工程見直しについて敦賀発電所 敷地内破砕帯の活動性評価に係る追加調査および敷地周辺活断層の連動性評価に係る追加の地形・地質調査の工程見直しについて日本原子力発電2012年11月16日)
- ^ 考えられる最大の地震はM10。東北大の松澤暢教授が3,000kmの断層が60mずれるとして想定した。「最大地震はM10と推定」 地震学者、予知連で報告朝日新聞2012年11月22日11時38分
- ^ M9級巨大地震 政府調査委、想定見直し 北海道や中部、危険性指摘する声 :日本経済新聞 2012/3/10 7:00
- ^ 都司 嘉宣「小笠原諸島の津波史」歴史地震21号
- ^ チリ地震津波やカスケード地震津波の例などにもあるように、遠隔地津波の研究は進んでいない。太平洋と周辺のほぼ全域から日本に津波が来る可能性を考えると、津波の来襲頻度は低くなく、いままで「ゆっくり地震」津波とされてきた中にも遠隔地津波があると考えられている。
- ^ 約7,000年前鹿児島県薩摩硫黄島付近の海底火山の爆発で大量の降灰と大津波があったとみられている。1883年のインドネシアのスンダ海峡クラカタウ山の巨大噴火では、大津波で約4万人が死亡した
- ^ 「地震なくても津波起きる? 海底噴火、監視難しく」ナゾ謎かがく」2012年12月23日 日本経済新聞
- ^ 伊豆大島南方の大室ダシにおける浅海海底熱水域の活動状況の調査について2012年10月11日 独立行政法人海洋研究開発機構 プレスリリース
- ^ 3.11 の2年前に出た「福島市役所における今後30年以内に震度6弱以上の揺れの確率を0.9%、仙台市4%、盛岡市0.7%(地震調査委員会、2010,12頁)」という公式予測に基づく。
- ^ 確率を計算した静岡県庁は、静岡県内では特に地盤が固いところであり、例えば2km北の中央高校付近では確率ははるかに高いと推測される。
- ^ 横浜71、甲府55、大阪63、奈良70、高知66、徳島64、名古屋46、大分50。根室65、那覇25%、東京23%。
- ^ 東京都は新宿区西新宿にある都庁舎が淀橋台・東京礫層という固い地盤に載っているため揺れにくく23%であるが、新宿区内でも遙かに高いところがあるし、下町0m地帯などでははるかに揺れると考えられる。他の地域も道府県庁の地盤に左右される。また表示は小数2位まであるが、有効数字はせいぜい2桁であると公式に注記され、2010年の予測が2011年3月に示されたようにどこまで正しいか不明であり、あくまでも目安である。
- ^ 震度6弱以上 地域の確率は 12月21日 23時10分
- ^ 都道府県庁所在地の市役所(東京は都庁)及び北海道の総合振興局・振興局庁舎付近(庁舎位置を含むメッシュの中心位置)において、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率(平均ケース)今後の地震動ハザード評価に関する検討 ~2011年・2012年における検討結果~ 参考資料、平成24年12月21日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会
- ^ プレートの位置を知ることは、技術的には可能である。活断層でも、大阪の中心部を通る上町断層や東京西部の立川断層などは、露出しているのでわかる。
- ^ 阪神淡路大震災で被害が集中した地域は軟弱地盤ではない(地盤増幅率は比較的低い)。六甲山との境が1000mほどの崖になっており、そこからの反射波が干渉して集中したという説がある。
- ^ 諏訪盆地や東京の下町などには、対策の重点が置かれている。大阪中心部の上町(うえまち)断層などの対策はほとんど進んでいない。
- ^ 2012年の会計検査院の指摘によれば、津波防災宅に予算が使われてしまい、他の防災対策ができない自治体が多いという。国の予算配分があると地方負担分が生じる。
- ^ 伊豆沖2キロに活断層 神奈川県温地研が分析日本経済新聞 2013年5月4日 21:24
- ^ 伊豆沖に100キロ超の活断層 短時間で津波到達も中国新聞 2013年5月5日。
- ^ 伊豆半島沖2キロに活断層か 短時間で津波到達の恐れも2013/05/04 17:18【共同通信】
- ^ 2012年、農水省は2週間程度自給するための備蓄を推奨するように指針を改訂する。
- ^ 農水省、食糧備蓄の指針作成へ 家庭対象、災害を想定朝日新聞2012年8月28日03:02
- ^ 不測時の食料安全保障マニュアル家庭での備蓄についての記載はない。全体としても地震・火山・津波・国内での気象災害などの想定がない。
- ^ 「スーパー広域災害」の応急期における課題の特徴と災害対応のあり方阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター
- ^ 南海トラフの巨大地震に関する津波高、想定浸水域、被害想定の公表について内閣府中央防災会議作業部会と内閣府の検討会、2012年8月29日
- ^ これは、3地域の内2連動を最大として想定し、3連動や4連動を想定していないし、地震後の各種被害による2次的被害(例えば要救助者を救助できない場合など)は入っていないため、実際の被害はさらに大きくなる可能性を持つ。逆に最大被害想定は各項目ごとに発表されており、すべての最大値が同時に起こると想定されているわけではないので、実施の被害は少なくなるとしている。
- ^ 経済被害220兆円=建物倒壊、企業生産低下で―南海トラフ巨大地震・内閣府推計 時事通信(2013年3月18日)
- ^ 南海トラフ地震:被害想定220兆円 避難者950万人 毎日新聞(2013年3月18日)
- ^ 南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)のポイント ~施設等の被害及び経済的な被害~内閣府 2013年3月18日
- ^ 南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)について平成25年3月18日発表 内閣府防災情報のページ
- ^ 中央防災会議の首都直下地震の新しい想定が2013年春に出るとされていたが、9月現在公表されておらず、埼玉県は独自想定を国に先駆けて策定した。
- ^ ふるもと むねよし。1951年3月生まれ。名古屋大学博士。2005年から名古屋大学教授。
- ^ 東海から琉球にかけての超巨大地震の可能性
- ^ Newton2011年6月号 p92-3
- ^ 「3.11後」、見直される超巨大地震の痕跡地震に備える!特集2011 - Yahoo! JAPAN/Newton 2011年9月号
- ^ 684年白鳳地震、1099年康和地震、1707年宝永地震による堆積物の厚みが5-10cm程度に対し、紀元0年頃の津波では50cmの堆積物があるので、もっと震源が近いかM9を超える地震が起きた可能性がある。
- ^ 周期から考えて、今日起こっても、300年後に起こっても不思議ではない。
- ^ 『南海トラフ巨大地震対策について(中間報告)』平成24年7月19日中央防災会議 防災対策推進検討会議 首都圏直下地震対策検討ワーキンググループ
- ^ 2003年に「(軽減策の推進は)我が国の存亡に関わる喫緊の根幹的課題」と言われている( 2. 検討の視点と対象エリアについて中央防災会議・首都直下地震対策専門調査会報告p4・2003年7月)。
- ^ 『週刊文春』によれば、京都大学教授・第2次安倍政権の内閣官房参与の藤井聡(国土強靱化計画のブレーン)は2013年1月に「首都直下型地震は八年以内に間違いなく起きるだろうと思っています。」と語っている(「首都圏直下型地震は8年以内に100%起きる!」週刊文春2013年第6号p148-149より)。
- ^ 2012年4月の東京都の想定。死者9,600人、負傷者14.7万人、家屋損失30万棟。東京湾北部のM7.3の地震では23区の70%の444平方kmが震度6強以上で20.1万棟が焼失。
- ^ [www.bousai.go.jp/syuto_higaisoutei/pdf/higai_gaiyou.pdf 首都直下地震の被害想定 (概要)2005年5月]
- ^ Newton2011年6月号 p92-3
- ^ 「社会問題としての首都直下地震 国力衰退の危機認識が必要」2012年10月16日関西大学社会安全学部第3回東京シンポジウム・2012年11月27日日本経済新聞朝刊44面
- ^ 税制・財政についての虚と実参議院予算委員会公聴会藤井聡公述人資料 平成24年3月22日(木)p22
- ^ 安政東海地震、安政南海地震、安政江戸地震、安政江戸暴風雨
- ^ 「社会問題としての首都直下地震」関西大学社会安全学部 第3回東京シンポジウム 日本経済新聞2012年11月27日44面全面広告
- ^ 相模トラフ沿い、M7.9。冬の平日午後5時頃風速5mと、秋の土曜日正午頃風速10mの2ケースの結果はほぼ同じであった。
- ^ 10位カナダ(160兆円)、11位ロシア、12位スペイン、13位オーストラリア、14位メキシコ、15位韓国、16位インドネシア
- ^ 34位ポーランド、35位アルジェリア、36位カナダ
- ^ 関東大震災では6mのひずみで地震が起こった。9mという数字は一般に考えられている地殻が耐えられる歪み量をはるかに超えている。
- ^ Newton2011年9月号 p94-95
- ^ 「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成16年4月2日法律第27号)」が制定されている。
- ^ さんがわ あきら、産業技術総合研究所招聘研究員。東北大理学博士、地質調査所員。地震考古学の提唱者。
- ^ 地震の日本史仙台放送
- ^ 「千年に一度の巨大地震の世紀」 東海・東南海・南海3連動と首都圏直下型地震も 平安時代に匹敵と地震考古学の研究者産経ニュース2011.8.3 00:59
- ^ 安倍晋三総裁、石破茂幹事長。
- ^ 防災対策とは限らない。
- ^ 日本を取り戻すJ-ファイル2012 自民党総合政策集p.4
- ^ 具体的な政策の内容(PDFp11、ページはp20)で、869年貞観地震、1611年慶長三陸地震、1896年明治三陸地震、1933年昭和三陸地震それぞれの2-10年後に首都圏地震、5-18年後に南海トラフ巨大地震が起こっていることを指摘している。
- ^ 200兆円は「真水」(国家予算の直接投入分)ではなく、総事業費。
- ^ 『地震の発生確率や被害想定 防災意識向上つながらず 高校・大学生140人 東大地震研調査 「映像などで疑似体験必要」』日本経済新聞 2012年10月19日 東大地震研大木聖子助教の研究
- ^ 東日本大震災から約1年半。防災意識・備えは昨年と比べてやや低くマイナビニュース2012/09/04
- ^ 阪神・淡路大震災から10年、新潟県中越地震から10ヶ月、福岡県西方沖地震 から5ヶ月
- ^ YomiuriWeekly 2005.9.11 p.18
- ^ 第一生命経済研究所「ライフデザイン白書臨時調査」。「地域の災害 伝承で防ぐ・・東日本大震災2年(下)身近な変化」日本経済新聞2013年3月5日夕刊9面。
- ^ 「防災 自分の目線で着実に」日本経済新聞2013年3月19日朝刊1面。東大地震研の大木聖子助教等の調査。
- ^ 身動きがとれない津波の高さは50cm程度であり、30cmの高さで外開きのドアが誰にも開けられなくなるし、階段の昇降は全くできなくなる。
- ^ 東日本大震災後の防災計画の見直しで、救援までに一週間を見込むように各種マニュアルが改訂されつつある。
- ^ 震災後の水分補給・ストックに関する調査 vol.4 約半数の家庭で水の備蓄ゼロ 3日分以上備蓄している家庭は1割に満たず 南海トラフ断水被害が大きいエリアの備蓄意識は高まるキリンビバレッジ株式会社 2013年8月19日
- ^ 震災後の水分補給・ストックに関する調査 vol.4:プレスリリースキリンビバレッジ株式会社 2013年8月19日
- ^ 質問が「2リットルのペットボトルの備蓄」であり、水の宅配便(10リットル)や500ミリリットルの備蓄は含まれていない。
- ^ [http://diamond.jp/articles/-/44249?page=3 大川小検証委で柳田邦男さんが根拠の欠如を指摘 遺族が「戦慄を覚えた」有識者ヒアリング]ダイヤモンド・オンライン『大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~』【第29回】 2013年11月10日
- ^ シリーズ東日本大震災 震災遺構 ~悲劇の教訓をどう伝えるか~NHKスペシャル 初回放送 2013年11月29日(金)
- ^ 復元保存には国の補助金が出ない。
- ^ 「遺稿の行方」読売新聞2014年1月 5回連載。
- ^ 「子どもの心 授業でケア 大震災後のトラウマ反応」読売新聞 2013年1月24日夕刊
- ^ 「スタンフォードの自分を変える教室」ケリー・マグゴニガル著、2012年大和書房。ISBN-13: 978-4479793632
- ^ 「Nippon甦れ 私の処方箋」読売新聞2013年1月3日21面 「防災から減災へ」は御厨貴氏の、「安心から安全へ」は北岡伸一氏の発言。
- ^ 「核心 コンクリートで固めても」土谷英夫 日本経済新聞 2013年3月11日。2013年2月18日 日本記者クラブ・シリーズ企画「3.11大震災」「東北学」
- ^ 「核心 コンクリートで固めても」土谷英夫 日本経済新聞 2013年3月11日
- ^ 巨大地震「4年以内70%」だとなぜ怖いのか-認知的な歪み:東京女子大学名誉教授 広瀬弘忠(ひろせ・ひろただ)プレジデント2012年10月21日(日)13時0分
- ^ 巨大地震「4年以内70%」だとなぜ怖いのか-認知的な歪みプレジデント 2012年10月21日(日)13時0分
- ^ 「旅館・病院 耐震二の足」読売新聞2013年11月25日朝刊7面
- ^ 『海岸堤防の6割、15都道府県で耐震性未確認 検査院調査 省庁庁舎や国立病院など955棟、震度6強で倒壊も』日本経済新聞2012年10月18日朝刊
- ^ 耐震基準クリア:庁舎などで56% 国や独立行政法人管理毎日新聞 2012年10月17日 22時32分
- ^ 公立学校施設の耐震化の推進:文部科学省
- ^ 「中小病院 耐震化遅れ 中越地震から8年」日本経済新聞2012年10月23日夕刊14面
- ^ 三重県の未改修195kmなどが含まれるかどうか不明である。
- ^ 正式には、1m近くによっての目視、ハンマーによる打診、赤外線などのカメラ、ボーリングによる抜き取り検査などを行う。
- ^ >「1500陸橋 耐震不足 高速道路上 600カ所点検もせず」読売新聞2013年10月1日
- ^ 「大地震で危ない災害拠点病院 全国49病院の病棟別耐震度、津波対策、復旧・防災力一覧」AERA 2012年12月3日号(11月26日発売)
- ^ 読売新聞の調査では、津波被害のおそれに静岡県の病院は0、和歌山県1、三重県3、愛知県3、愛媛県0。また東北・北海道地方や日本海岸などは調査対象外である。
- ^ 23病院が新設、改修工事、移転中。
- ^ 『拠点病院 津波備え急務』解説スペシャル 2013年1月15日読売新聞朝刊14面
- ^ 熊本県53%、高知54%、大阪55%、福岡55%、和歌山55%、岩手56%、山口56%、長野57%、徳島57%
- ^ 病院の耐震改修状況調査の結果2013年3月 厚生労働省
- ^ 「12空港 耐震性に問題」読売新聞2012年10月27日朝刊37面
- ^ 昭和56年・1981年6月1日以前に建築確認を受けたもの。想定震度5強。建物の重さの2割が建物の上部に静かにかけられても大丈夫なように設定されていた。それは1948年福井地震から1972年八丈島東方沖地震まで震度6が観測されていなかったからでもあり、終戦後日本に経済的余裕がなかったからでもある。
- ^ 例えば東京都武蔵野市吉祥寺の前進座劇場は耐震改修費用がかさむため存続を断念し2013年1月閉鎖された。前進座劇場:30年余の歴史に幕 最終公演、9日千秋楽 /東京(毎日新聞 2013年01月07日 地方版)
- ^ 国が耐震診断義務化へ 補助率引き上げもNHK 2013年1月13日 18時44分
- ^ 「イタリア地震「安全宣言」で学者実刑 災害リスク説明不足」日本経済新聞2012/11/11朝刊
- ^ ラクイラ地震に関する地震研究者に対する有罪判決について(会長声明) 日本地震学会2012年10月29日
- ^ 1974年多摩川水害。1992年に多摩川を管理する国の損害賠償を認める判決(東京高裁平成04年12月17日)が確定した。
- ^ 関東大震災直前に今村明恒東京帝国大学助教授が雑誌「太陽」に関東地震発生の警告記事を載せ、大森房吉教授が政府の要望に応じる形で全否定をした故事を思い起こさせる。
- ^ 政府との癒着を厳しく指弾 伊地震学者への有罪判決理由朝日新聞 2013年1月19日13時33分
- ^ 「東京圏直下大地震が迫る」p.163-167。力武常次著、 講談社、1991年11月。ISBN-13: 978-4062056359
- ^ その後ペルーでは2001年6月にM8.4、死者138人の、2007年8月にM8.0、死者540人の大地震が起こっている。
- ^ 地震2分後、津波到達/国の検討会試算:朝日新聞デジタル> マイタウン> 静岡>2012年04月01日
- ^ 津波とらえるレーダー運用開始 ウェザーニューズ2012年3月5日18時48分
- ^ 釜石港における津波による被災過程を検証:平成23年4月1日:国土交通省港湾局,独立行政法人港湾空港技術研究所
- ^ 東京湾まで最低20kmある。
- ^ 東京都は元禄型地震、「水門閉鎖時」を想定
- ^ 「千葉県の新予測 東京湾津波 最大3メートルも」2012年4月26日 東京新聞朝刊
- ^ 「津波浸水予測図(平成23年度)」平成24年4月25日千葉県防災危機管理部
- ^ [1]大阪府最終想定、2013年8月公表
- ^ 日本経済新聞2013年8月6日夕刊文化
- ^ 南海トラフ地震:繁華街キタに深刻な津波被害 大阪府想定毎日新聞 2013年08月08日
- ^ まるで迷路 大阪地下街の魅力とは?The Page 2013/8/2 20:41
- ^ 津波到達時間は1.5-2時間。2012年8月の内閣府推定では3,050ha。
- ^ 『水門自動化の手引き 国交省 津波対策 自治体に改修促す』日本経済新聞2013年1月15日夕刊14面
- ^ 立地上地盤が弱い場合が多く、地盤沈下などで歪んだりする。
- ^ 河川事務所からの通信手段が堤防地下に埋め込まれた国交省専用光ケーブルだけという場合があり、地震などで損傷を受けることがある。
- ^ 日本一といわれた田老町の堤防。特に7mの堤防とかさ上げした3mの部分をつなぐ鉄筋が全くない。ブロックごとの横の連結鉄筋もほとんどない。
- ^ 例えば道路のガードレールは一つ一つは弱いが、数十m全体がつながって衝突力を受け止める構造になっている。特に防潮堤の場合、津波が来た場合には1カ所が崩れただけで他の部分が無力化する(内側から基礎がえぐられるため。また1カ所崩れた場合にそこに力(流れ)が集中するので、まわりが順番に倒れる。)。
- ^ 『防災計画「受援」も重要 災害時 応援受け入れ態勢』読売新聞2014年1月14日解説スペシャル
- ^ 「”ブーム”が去ったあと 阪神大震災とボランティア」早瀬昇「被災地を支援する市民の会」の母体である大阪ボランティア協会の事務局長
- ^ 『希望のボランティア 阪神大震災、育んだ絆』「日曜に考える 熱風の日本史 第21回」日本経済新聞2014年1月19日13面
- ^ 『台風・噴火同時も警戒-巨大地震 「死者32万人」回避への道』日本経済新聞2012年9月3日34面
- ^ 最悪の事態は火災を起こした化学物質やガス満載の船が制御不能で湾の奥に突入する事態。化学工場の爆発(インドとイタリアで死者多数の事故あり)
- ^ 偽の身元を作り長期潜入者を入国させるか育てるのには、混乱した社会が最適である。
- ^ 首都圏大地震で”巨大ガス田”炎上の危機「死者は100万人」女性自身 週刊FLASH 2012年4月17日号
- ^ 濱嶌良吉・元埼玉大学、前橋工科大学教授による警告
- ^ 発展途上国の地震では常に憂慮される。最近インフルエンザの流行期間が長く、弱者の死亡例が目立つ。新型インフルエンザも懸念される。溶連菌、サルモネラ菌、はしか、エキノコックス、クリプトストリジウム、ヤマビル、肺炎球菌、O-157など病原性大腸菌なども衛生状態の悪化とともに流行するおそれがある。
- ^ 広域の長期停電はきわめて深刻な事態を引き起こす。
- ^ 阪神大震災では自動販売機の硬貨・紙幣判別機が大量に盗まれて解析されたと言われる。
- ^ 化学物質や病原体の流出、住宅やホームへの衝突、列車同士の衝突、地上への落下
- ^ 首相など重要閣僚数人が執務不能、首相官邸・防衛省・警視庁・NHK・放送アンテナ/設備・気象庁・気象業務センター・国土地理院・東大地震研・山口地上局・NTT中継回線・海底ケーブルなどの大きな損害
- ^ 重要施設のほとんどは飛行機の衝突に耐えられない。
- ^ BCR兵器でなくても爆弾と燃料満載の爆撃機が突入すれば、どんな原子力発電所・シェルターも無事では済まない。また「バンカーバスター」という種類の兵器にも耐えられない。
- ^ 世界中で起こった過去6回のM9以上の地震のうち、数年以内に周辺地域で複数の火山の爆発がなかったのは、2011年東北地方太平洋沖地震だけである。特に心配されているのが1707年には宝永大地震の49日後に富士山の宝永大噴火が起こっていることである。
- ^ 震災で富士山に圧力 専門家「噴火しなかったのはたまたま」産経ニュース2012.9.13 10:04
- ^ 大地震と連動警戒 富士・御岳・焼岳、監視続く 東海朝日新聞 2012年12月2日0時9分
- ^ Haiti cholera outbreak: UN will not compensate victimsGlobalPost February 21, 2013 15:16
- ^ 2013年6月のエール大学の報告では国連の責任だが、7月のジョンズホプキンス大学の研究では違う可能性も指摘された。理由はエールでは1種類のネパールの菌だが、もう一つではネパールだけではなくもう1種類の現地の菌があるという。
- ^ [http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2013_1007.html 大地震でも“見えない”活断層 ]NHK WEB特集2013年10月7日(TVニュースでも放送)
- ^ 「直下地震被害想定 中部・近畿も見直し」読売新聞2014年1月1日朝刊2面
- ^ 政府は平成26年から被害想定を見直す
- ^ 京大防災研究所の岩田知孝教授を中心とする研究グループによる。「暮らす、断層に立つこの街 大阪・上町断層帯」朝日新聞2012年9月1日1時18分
- ^ 地表面の活断層が震源断層に直結しているので、活断層上の建造物の被害の規模が大きいと推測されている。また大阪平野付近は堆積層(沖積層)に主要部分が覆われているので、その中心部における地震動は大きな被害をもたらすとされている。
- ^ 名古屋城北部から名古屋駅の東を通り熱田神宮まで
- ^ 尼ヶ坂駅から南へ
- ^ 「名古屋中心部に活断層」日本経済新聞2012年11月6日朝刊39面
- ^ 千葉市緑区大金沢における活断層
- ^ 千葉市緑区で「巨大断層」を確認
- ^ 千葉市緑区本金沢の本千葉カントリーゴルフ場の北側。根尾谷断層の6mを上回る9mの断層である。2万年前の1回の活動でできたと考えられる。東京湾の基盤断層の表れではないかとも考えられ、ここまたは他の地域での活動も考えられる。
- ^ 2006年、産総研・活断層評価チーム 近藤久雄研究員
- ^ 3人以上の標準で65平方メートル
- ^ 岩手5,600、宮城15,000、福島2,800
- ^ 『復興「足踏み状態」 住宅再建が難航』読売新聞2013年3月6日31面「東日本大震災2年 被災地42首長アンケート」
- ^ 「避難者いまだ31万人、不明者捜索続く 11日に追悼式」産経新聞2013.3.11 00:16
- ^ 読売新聞2013年9月10日「集団移転予定地 造成進まず」では「計画325カ所(15,999戸)、着工予定175カ所(7,678戸)、着工済み117カ所(5,308戸)。例えば石巻市二子の集団移転地区の造成完成は2017年度以降になる。自力再建の場合は住宅ローンの利子補給はない。
- ^ 「復興を前に 東日本大震災から2年半」日本経済新聞2013年9月11日29面
- ^ 『内藤廣さんに聞く 近代システムの劣化 私権と公共 怠った整合 真の自治取り戻せ』日本経済新聞2013年1月26日
- ^ 「復興庁の指導力強化急げ」増田寛也前岩手県知事、元総務相、旧建設省出身。日本経済新聞2013年3月6日33面「経済教室」
- ^ 「大災害時の迅速対応へ新法 被災地業務、国が代行 南海トラフ地震など念頭」日本経済新聞 2013年3月10日朝刊1面トップ
- ^ 『震災復興「阪神」と比較』日本経済新聞2013年1月15日夕刊15面
- ^ 新刊『東日本大震災 復興の正義と倫理-検証と提言50-』出版のお知らせとお願い2012年12月 兵庫県震災復興研究センター(ISBN-13: 978-4863421035)
- ^ 阿部秀保東松島市長の発言「環境未来都市創造で実現する日本再生」日本経済新聞2013年1月24日28面
- ^ 「災害復興 日本の教訓 雇用維持策 世界の先例」読売新聞 2013年3月5日朝刊13面「論点」
- ^ 小山淑子(こやましゅくこ)ILOアジア太平洋総局危機対応専門家、雇用労働教訓発信プロジェクト総責任者
- ^ 東京都では、会社待機がきちんと行われ、自宅がすべて無事でも、交通路・小売・娯楽などで被災する市民のための避難所が不足している。
- ^ 東京都の被害想定では、千代田区内に危険箇所はなく、日比谷公園も液状化危険地帯になっていない。それゆえ広域避難場所は千代田区内にないが、東京駅・オフィスビルなど膨大な昼間人口の避難場所になりうる。
- ^ 「日比谷谷」という埋没谷の上にある。
- ^ 内堀通りが皇居側で崩れている写真が残っている。
- ^ 「都指定の避難場所189カ所、津波・液状化を調査」日本経済新聞2013年1月31日
- ^ 「小中学校の建て替え、体育館を校舎の2階に 江戸川区、水害時の避難所想定」日本経済新聞2013年1月31日
- ^ 『大阪 帰宅難民「収容足りぬ」』読売新聞 2013年3月19日39面
- ^ [http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130227ddlk07040242000c.html 『Re−福島:東日本大震災 第2章・誰のための県?/2 「仮の町」阻む納税対立 /福島』]毎日新聞 2013年02月27日 地方版
- ^ 「避難食料 自治体0.77日分 16都府県 家庭備蓄重要に」読売新聞2013年9月1日1面トップ
- ^ 首都圏1都3県で助け合っても、537万人に1.58日分の食料と0.25日分の水しかない。
- ^ 流通業者と提携し、優先的に物資を提供してもらうこと。東日本大震災では、輸送手段がなく効果的ではなかった。
- ^ 読売の記事によれば、1週間一人あたり、水21㍑、アルファ米7食、乾パン7食、ビスケット7食、缶詰21食、カセットボンベ3本など。
- ^ 震災時には必ずプロの保線作業員が行う。保線区に機材とともに常駐しているため、移動手段の確保が難しい。また深夜交代勤務のため災害の発生時刻次第では人数不足もある。トンネル部分ではハンマーによる壁の検査が必要だが、不可能に近く実行されるとは限らない。また橋脚が破損していないか目視検査が必要である。
- ^ 将棋倒しで死亡事故が出た1954年二重橋事件や2001年明石花火大会歩道橋事故をおそれる。鉄道の大規模な交通止めやストライキなどで、混乱への対処経験を積んでいる。
- ^ “グリッドロック:「超」渋滞現象、震災で初確認”. 毎日新聞. (2012年10月3日) 2012年10月8日閲覧。
- ^ 首都高速都心環状線は老朽化が激しいので、2012年段階で廃止・地下化・改修などの複数案を検討中である。
- ^ 「津波避難 渋滞40キロ」日本経済新聞2013年3月6日42面
- ^ 東京では、大体環状6号線(山手通り)と環状7号線(環七)の間とされるが、もう少し環八通り外側に広がる。2012年の新しい東京都による被害想定では特に東京西部での火災が強調された。
- ^ 東京都帰宅困難者対策条例・東京都条例第17号
- ^ 都内で旧耐震基準の建築物は約5,000棟以上と見られる。耐震改修には8割の補助が出るが、既存不適格の場合が多く、建て替えが困難である。
- ^ 「震度6強で崩落する橋」AERA2012.10.1、p27-32
- ^ 阪神大震災では地下鉄の崩落が道路交通を妨げ、浦安市では地盤沈下した道路上につきでたマンホールが交通を妨げた。
- ^ 田老町では避難のためにきれいに整備された道路が逆に被害を拡大した。
- ^ 全部の鉄道会社ではないし、備蓄量も少ない。JR東日本は3万人分、東京メトロは10万人分という。大都市の駅でさえ駅員はかなり少ない。
- ^ 大阪駅には3,000人分を備蓄する。想定帰宅困難者数は新幹線で1,000人、在来線で3,000人としている。
- ^ JR西日本 地震想定し駅に食料や水備蓄NHKNewsWeb 2013年1月28日 12時17分
- ^ JR東日本 帰宅困難者に200駅開放産経ニュース2013.3.18 11:08
- ^ 大規模地震に対する取り組みについてJR東日本 2013年3月5日
- ^ (社)日本技術士会/防災支援委員会 防災Q&A
- ^ 九州新幹線地震防災システムの構築
- ^ 鉄道の地震警報システムにおける緊急地震速報の活用
- ^ 海洋プレート型地震でも特に相模トラフの場合は震源が内陸部にかかる場合があり、また震源が海洋部であっても人口密集地が近いため、効果が少ないと考えられている。
- ^ 2012年12月の首都圏(東北地方が震源、首都圏震度3、緊急地震速報の警報なし)では、平行する私鉄が列車を停止している横をJRの列車が時速80kmで走行する場面があった。
- ^ 管轄が厚生労働省であるため。
- ^ 受信端末設置へ寄付募る−−神戸のNPO/兵庫」毎日新聞 2012年04月24日 地方版
- ^ 東京モノレール羽田空港線、1964年開業、跨座式・日立アルウェーグ製
- ^ 2007年3月25日にクレーン車と接触し天王洲アイル駅手前で立ち往生したが脱出できず、対向車両に鉄板の橋を架けて脱出できた。2011年2月4日モノレール品川変電所火災事故では、2時間立ち往生したが、隣接発電所との接続で復旧した。2011年3月11日東日本大震災では津波警報のため長時間ストップした。耐震補強など安全対策の進行状況は安全報告書からもはっきりしない。
- ^ [www.tokyo-monorail.co.jp/csr/pdf/safety2011.pdf 安全報告書2011 - 東京モノレール]
- ^ 新幹線以外がたった一点に集中する箇所が2つもある。新幹線のトンネル出入り口まで200-400mしかない。
- ^ たとえばブルドーザー、架橋戦車、鉄板、ダンプ,ショベルカーなどを集中し、住宅や田畑をつぶし橋を架けて道路を造るということができない場所である。
- ^ 1996年(平成8年)8月27日の大型トレーラー事故では、1台で国道1号と東名の両方をふさぎ大渋滞を起こした。
- ^ 1日あたり平均通行量は、中央高速の大月-勝沼間の4.7万台。静岡県内の東名、新東名高速合計7.8万台。笹子トンネル事故 東・名・阪の物流に影響も 物流各社、代替ルートの選定急ぐ産経ニュース 2012.12.2 19:13
- ^ 東名高速と新東名高速は数km北の浜名湖北部を通っている。
- ^ 『日本史の謎は「地形」で解ける』竹村公太郎(元国土交通省河川局長) 2013年
- ^ 『「開かずの踏切」改良探る 国交省が協議会』日本経済新聞2012年9月3日夕刊12面
- ^ 東北3県で停電しても消えない信号機を数百箇所設置し、増強中である。震災後に開発された4時間程度のリチウム電池と24時間程度のディーゼル発電機を電源とする。(『「消えない信号機」増設 停電でも交通マヒ回避』読売新聞2012年10月27日朝刊34面
- ^ 新幹線の総合指令室、さいたま市に移転へ 読売新聞 11月25日(日)10時13分配信
- ^ 仙台、羽田、中部国際、関西国際、高知、宮崎
- ^ 「津波後 3日で復旧を 羽田など6空港で計画」東京新聞 2012年5月13日 朝刊
- ^ 南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)のポイント ~施設等の被害及び経済的な被害~ p9内閣府 2013年3月18日
- ^ 東日本大震災では、「ガスタンク火災による有毒ガスの発生と拡散」というデマが首都圏に(小学生まで)広まった。
- ^ 港湾内のがれき、国が処分 大地震発生時に支援物資の航路確保msn産経ニュース 2013.2.8 14:25
- ^ 足立5.6万人、太田4.9、墨田4.6、練馬4.4、目黒2.4、文京2、世田谷1.2、荒川1.2、渋谷0.5、中野0.5、新宿0.3
- ^ 中央防災会議の推計では首都圏で650
- ^ 近隣の小学校は収容能力が小さい。少子化で住民数に比べて子供の数が少ない上に私立小学校に通学する児童の割合が大きい。また古い学校は統廃合で存在しない。
- ^ 東京都中央区勝どき6-3-2「THE TOKYO TOWERS」、2008年建築、58階建て2棟、8,000人。
- ^ 『行政機能持たない「街」 災害時、頼りは自助・共助』日本経済新聞2012年11月15日朝刊35面・首都圏経済・マンション誰のものか・第3部 超高層の虚実(2)
- ^ 首都直下地震、130万人避難先なし…被害想定 :読売新聞 2012年2月2日14時32分
- ^ 詳細:東日本大震災における首都圏の帰宅困難状況を踏まえた今後の帰宅困難者対策のあり方:三菱総合研究所:2011.6.13
- ^ asahi.com2011年11月23日18時37分
- ^ 2012年4月20日夕刊フジでは(1)東京駅47万人(2)新宿駅36.5万人(3)渋谷駅18万人
- ^ 「帰宅困難者対策 備蓄品購入企業に補助 保管場所確保 固定資産税減免へ」読売新聞2012年11月15日首都圏版
- ^ 「東日本大震災における原子力発電所の事故による災害に対処するための避難住民に係る事務処理の特例及び住所移転者に係る措置に関する法律」(平成23年法律第98号)
- ^ 『原発避難者の支援 「二重の住民登録」検討を』読売新聞 2013年3月7日11面「編集委員が迫る東日本大震災2年(上)」青山彰久記者
- ^ 初心者は必ず迷子になるきわめて複雑な地下構造であり、地盤は谷地であり、地下の暗渠には渋谷川が流れている。
- ^ 東日本大震災の時、JR新宿駅から乗客を退去させ新宿駅を閉めた事例がある。
- ^ 渋谷駅・地下迷宮の責任者は誰? 東急電鉄を直撃取材!渡辺実のぶらり防災・危機管理、日経ビジネス2013年10月23日(水)
- ^ 大迷宮となる新・渋谷で災害が起きたらどうなる?渡辺実のぶらり防災・危機管理、日経ビジネス2013年10月9日
- ^ 渋谷駅の防災は? “鬼”が渋谷区に乗り込んだ!渡辺実のぶらり防災・危機管理、日経ビジネス2013年11月6日
- ^ 渋谷駅にいる時に地震が起きたら、どうするよ?All About News Dig 中川寛子 2013年10月25日
- ^ 「避難弱者: あの日、福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか?」 相川祐里奈著、東洋経済新報社2013年
- ^ 「大深度地下」耐震に利点」:読売新聞2012年1月20日
- ^ 東日本大震災では都内だけで84件以上の閉じこめがあった。
- ^ 久田嘉章:建築雑誌2011年5月号:日本建築学会
- ^ 比較的脆弱な家庭用エレベーター被害に対応できるか不安視されている。
- ^ 「エレベーターの安全に係る技術基準の見直しについて」国土交通省
- ^ 2012年4月22日日本経済新聞
- ^ YomiuriWeekly2005.9.11 p13
- ^ 内容は飲料水、乾パン、簡易トイレ、トイレットペーパーなど
- ^ 「エレベーター 水や食糧備蓄 震災寺閉じこめに備え」日本経済新聞 2013年2月18日夕刊13面
- ^ 「今震災ならパニック スマートフォン急増で体制整備に1年」AERA2012.4.2 p17-19 井上和典、野村昌二記者
- ^ 「災害に備える情報社会」日本経済新聞2013年3月3日読書1面
- ^ 「3.11被災地の証言」情報支援プロボノ・プラットフォーム編著、インプレスジャパン2012年
- ^ 首都圏のある重要な大規模交換所は湾岸・河口・標高2mにあり、津波が「想定外」である。ここに電力を供給する変電所は、同じく湾岸・河口の地下にあり、津波は「想定外」である。ここから出入りする電力線・通信線は軟弱地盤の地下を通る。
- ^ 「災害に備える情報社会」日本経済新聞2013年3月3日読書1面
- ^ 災害に対してケータイやスマホができること小寺信良「ケータイの力学」:ITmedia:2011年10月11日 20時30分 更新:第11回「情報セキュリティワークショップ」車座会議座長として内容をまとめた。
- ^ PHS相互の通信料は無料である
- ^ 「千葉県船橋市、避難所にPHSを導入 災害時対策で」日本経済新聞 2013/2/25 23:42
- ^ 95%以上。在日米軍の多くの通信を含む。残りは日本海ケーブル、KDDIの山口地上局(山口市)など(KDDI茨城地上局は2007年廃止)。
- ^ 多くをKDDIのケーブル敷設船2隻(KDDIオーシャンリンク(KOL)およびKDDIパシフィックリンク(KPL))に頼っているため、損傷したり出航できなかったり、ケーブルや中継器がない場合などは、相当時間がかかる。
- ^ 30年くらい昔に大西洋横断同軸ケーブルが1,000km以上にわたって10本以上切れたことがある。
- ^ 歴史上山口市付近での大きな地震被害が見あたらないのが選定理由の一つだが、歴史地震の調査は300年程度にとどまっている(最古は1793年の長門・周防の地震(M6.5前後、防府で被害)。
- ^ 地震調査研究推進本部>中国・四国地方>山口県
- ^ 横浜に主局、群馬と茨城に副局がある
- ^ 北海道美唄市に普段は無人のバックアップ施設がある。定期訓練や災害対策運用訓練の状況は不明である)が設置されている。
- ^ 平日午後3時だったが、その他の時間帯では解除できる担当者が勤務していない場合が多い。
- ^ 「<東日本大震災>」船橋市の被害状況および一連の対応に関する記録」(本文編)
- ^ 「業務用パソコンは接続制限が設けられているため、インターネットがあまり利用できなかった。・・船橋市」読売新聞2012年4月13日地方版
- ^ ある状況下では電子メールなどインターネット通信の一部が自動的に破棄されることがあるが、ほとんど知られていない。
- ^ 2012年1月25日NTTドコモで5時間にわたって252万人に影響する大規模な通信障害が発生した。設定の2倍の接続要求(端末が基地局に対して「これから通信を始める準備をしてください」というメッセージを送ること。短いメッセージなので通常の場合では交換機に付加があまりかからないと思われていた。通常でもある間隔で端末の場所情報を基地局経由でセンターに送っている)に対するパケット交換機の能力不足であった。大きな理由の一つは山手線の50分間の不通だった。世界最高水準にあるといわれるドコモのインフラでさえスマホの一時的な限定された地域の通信量爆発に耐えられなかった。原因はシステム設計で、接続要求がソフト側で自由にできるようにしたことである。
- ^ 阪神淡路大震災では先発のドコモに通信が集中し、後発の(インフラの割には端末が少ない)IDOがつながりやすかったという。
- ^ 火災、地層のずれ、地震動による伸縮、液状化などの影響を受ける。
- NTT北原安定副総裁時代(1984年)の「世田谷局ケーブル火災事故」で明らかになったように、地下トンネルも火災に弱い場合がある。
- ^ 電話局の電源も限りがある。電話局は自家発電に頼っており、災害時には給油が必要であるが、交通規制や交通困難、給油システムの障害などにより発電能力が制限され、通信も制限される場合がある。衛星通信車を配備する場合も同様である。
- ^ 阪神淡路大震災では、兵庫県庁屋上の衛星通信システムが使えなかったため、初動が遅れた。
- ^ 対策としてビルの高いところに高電力の広域基地局を多数作る動きがある。通信可能な量が急増する通信料に比べとても少なく一般人の利用は規制されると思われるが、重要通信は確保できそうである。
- ^ 競争、インターネット、携帯電話、IP電話、スカイプなど
- ^ ユニバーサルサービス付加料金に災害対策は入っていない。阪神淡路大震災ではNTT回線の不通がそのまま地震対策の遅れにつながった。KDDIやYAHOO!などを利用している場合でも、「ラストワンマイル」と呼ばれる電話局と家庭・無線中継局を結ぶ通信経路の多くはNTTが所有・保守している。
- ^ 2012年2月2日の事件。担当の富士通SEはトラブル内容を携帯画面で確認したという。つまり携帯がつながらない災害時には対応できないかもしれない。・・『システムが止まる日~トップの無関心が招く危機』日経ビジネス2012年4月16日号 no.1637
- ^ 東証アローヘッドのセンターは東京湾岸の低地の液状化危険地帯にある。それに電力を供給する変電所は地下にある。電力線も通信線も軟弱地盤の液状化危険地帯を数十km通っている。センターも変電所も「大きな津波は想定外」(想定は50cm未満)である。
- ^ 災害に備える情報社会」坂村健、日本経済新聞2013年3月3日読書1面
- ^ 災害時には「個人情報保護法」は超法規的に無視されている。
- ^ 「検証 東日本大震災の流言・デマ」荻上キチ著、光文社新書2011年
- ^ 現在その場所(墨田区横網町公園)に東京都慰霊堂がある。
- ^ 「火災はどう燃え広がる?」<ナゾ謎科学<サイエンス<2012年5月6日日本経済新聞
- ^ 陸軍本所被服廠跡地惨事
- ^ 火災旋風は1943年ハンブルク空襲、1944-45年東京大空襲、1945年ドレスデン爆撃、1755年リスボン地震などの発生例がある。特にリスボン地震は、世界帝国ポルトガルの衰退を招いたとされている。
- ^ 『経済教室木造住宅密集の解消を 不燃化・耐震化が急務』日本経済新聞「経済教室 2020東京の課題(下)2013年10月4日 山崎福寿 日本大学教授
- ^ 別紙4:大阪府の「地震時等に著しく危険な密集市街地」の区域図
- ^ 別紙3:東京都の「地震時等に著しく危険な密集市街地」の区域図
- ^ 山崎によれば、総面積1.6万haであり、23区の1/4に及ぶ。また政府は「地震時等に著しく危険な密集市街地」に6,000haを指定している。
- ^ 「木密地域不燃化10年プロジェクト」実施方針東京都 平成24年1月
- ^ 危険な密集市街地、最大は大阪府の2248ha2012年10月13日00時04分 読売新聞
- ^ 「地震時等に著しく危険な密集市街地」について国土交通省報道発表資料 2012年10月12日
- ^ 別紙1:「地震時等に著しく危険な密集市街地」の地区数・面積一覧国土交通省 2012年10月12日
- ^ 助けあいジャパン復興庁(福島県9.9万人、宮城県11.4万人、岩手県4.2万人)
- ^ (創論)巨大地震にどう備えるか2段階想定、官民で知恵 東大名誉教授 阿部勝征氏 日本経済新聞2012/5/13
- ^ 軍隊が遠隔地で自立して作戦する日数は大体3日間とされる。そのために、国内では戦時のための備蓄を用意しているが、非常に少なく地域も偏っている。米海兵隊は1週間-1か月激戦できるだけの備蓄を地域で持つが、遠隔地への派遣の場合には補給が必要であるため、戦時には民間航空機を徴発することができる。
- ^ 東日本大震災への対応に関する教訓事項(最終とりまとめ)平成24年11月防衛省
- ^ 通常の戦時、交代予備兵力は実戦配備兵力の数倍必要とされる。災害は戦時ではないが、自衛隊員にかかる負担は非常に大きい。現在全自衛隊で現役24万(うち陸上14万)、予備自衛官(予備役、後備役)は6万人。また自衛隊の備蓄は多くない(昔の川柳に「偶に打つ球がないのが玉にきず」)ので、民間の需要と競合する。
- ^ 供給戸数約85万戸
- ^ 「京葉ガス 液状化の土砂、本格復旧阻む 供給網の耐震化、急務に」日本経済新聞2011年4月29日31面『大震災 どう乗り越える 13』
- ^ 「被災地の介護職不足 雇用誘導へ投資必要」読売新聞2012年10月2日
- ^ 南相馬市や石巻市では、震災後の1年間で要介護高齢者が1.4倍に増加した。
- ^ 南相馬市の特別養護老人ホーム「福寿園」では2011年9月現在定員80人に対し入所待ちが4000人いる。
- ^ 政府は地震予知ができなかった教訓から、新しい地震予測では時期を書かない予定である。
- ^ 国立保健医療科学院 古田穂波主任研究官
- ^ カルテや処方箋が残っていない場合もある。遠隔地へ避難している場合、病院、医院、薬局との連絡も困難が予想される。
- ^ 例えば慢性病の糖尿病で、SU剤の継続使用は膵臓を痛め、薬の切り替えでSUとDPPを併用すると低血糖で死亡する危険があるため、単純に処方できない。
- ^ <「災害時のトリアージ 妊産婦ら識別体制 必要」読売新聞2013年12月6日13面
- ^ 町内会、管理組合役員は持ち回り制が多く、災害時は不特定多数が出入りし、都会では顔見知りでない場合が多い。通常は簡単なてこで破れるロッカーに保存している。施錠が不完全な場合もある。
- ^ 2012年4月現在作成済みは64%
- ^ 「災害弱者の名簿開示可能」読売新聞2012年11月14日夕刊1面トップ
- ^ 停電が全面復旧・・・登別など2012年12月1日 読売新聞 北海道発
- ^ 「東日本大震災を受けた防災教育・防災管理等に関する有識者会議」最終報告平成24年7月25日 文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課
- ^ 大津波の悲劇
- ^ 学校において「命を守ること」の大切さが強調されているが、教育基本法、学校教育法における教育者の第一の義務としてあげられているわけではない。
- ^ 教育委員会といっても、少数の事務員と教員からなる事務局が運営する。防災意識・知識が高いとは限らないし、県の教育委員会でさえ不足している場合がある。教育委員会より校長会の方が強い決定権を持つ場合も多いという。地方の小規模校は教員数人で運営しているので、有給休暇や防災研修の時間的余裕も少ない。
- ^ 石巻市釜谷山根1
- ^ 【試験公開】標高がわかるWeb地図では標高0.8-2.7m、北上川河口まで約4km。川から学校まで170m。
- ^ 大川小の遺族と市教委が初の共同現地調査『学校を出て約1分後に津波に襲われた。校舎裏の山には40~50秒で着くことができた。」朝日新聞2012年8月21日21時3分
- ^ 「空白の50分」を明らかにせよ―大川小検証委への意見文BLOGOS 中妻穣太 2013年11月15日
- ^ 『大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~』ダイヤモンドオンライン連載 2012年6月~
- ^ 「なぜ大川小学校だけが大惨事となったのか」中央公論2011年8月号掲載・2011年7月20日UP
- ^ 大川小学校を襲った津波の悲劇・石巻河北新報・特集「大津波の証言」の「大津波の悲劇」
- ^ 大川小学校事故検証委員会
- ^ 巨大津波が小学校を襲った~石巻・大川小学校の6か月~NHKクローズアップ現代2011年9月14日(水)放送
- ^ 大川小の避難検証で国が説明会NHK NEWSWEB2012年11月4日7時0分
- ^ 「大川小学校事故検証中間取りまとめ(案)」大川小学校事故検証委員会、2013年7月
- ^ 大川小学校事故検証報告書平成26年2月、大川小学校事故検証委員会
- ^ 読売新聞 昭和58年5月27日朝刊
- ^ マイクロバスに乗車しているとき。震度3-4程度の地震では地震の発生に気がつかないことがある。
- ^ 『ぼうさい甲子園』の優秀賞を平成21、22年と2年連続受賞
- ^ 学校と最初の設定避難場所は津波にのみこまれた。鵜住居小学校では最初校舎3階に避難したが、その後中学生の避難を見て、避難場所を変えた。
- ^ 釜石東中学校の生徒が、津波襲来前までに行ってきたEASTレスキューの活動と結果:群馬大学広域首都圏防災研究センター
- ^ 広報ぼうさい 平成23年度秋号(第64号)特集 東日本大震災から学ぶ~いかに生き延びたか~:内閣府
- ^ 小学校施設整備指針 平成21年3月
- ^ 中学校施設整備指針 平成21年3月
- ^ 高等学校施設整備指針 平成21年3月
- ^ 学校の高台移転や高層化促進へ 津波対策で文科省産経ニュース 2014.2.28 00:48
- ^ 学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議 > 災害に強い学校施設づくり検討部会
- ^ 最近は9月1日(防災の日)の始業式後に地震訓練を行い、火災訓練は別に行う場合が多くなった。
- ^ 消防法で決まっているが、学校ごとに綿密に計算されていない場合がある。
- ^ 『「おはし(押さない、駆けない、しゃべらない。「おはし」、または「戻らない」を付け加えて「おかしも」』という避難訓練の基本ルール違反になる。また「てんでんこ」は安全確認点呼の妨げとなる。「一人足りなかった」は関係者の大きな失点となり、訴訟または行政処分の対象となり、特に「生徒の命を守る学校」という地域からの信頼の核心を損なう。
- ^ 先進私立学校では3日分の備蓄がある。
- ^ 広域災害や人口集中地帯での災害では、避難して生活する場所や授業を受ける場所(仮校舎)が不足する可能性が高い。
- ^ 教職員の大事な仕事にトイレ掃除、給油、見回りなどがある。3.11では学校運営委員を委嘱し、地域のボランティアに頼った場所があるが、これは多くの場合に期待できない。学校にいない生徒の家庭訪問も必要である。ほとんどの学校で養護教諭(保健の先生)が0-1人であるため、過重な負担がかかる。養護教諭に投薬・注射・診断・治療の知識・技術・訓練・資格がないにもかかわらず、唯一の専門家として頼られる。
- ^ 「避難場所」に指定されているため安心感が生まれるが、防災庁舎や病院と同様に油断も生まれる。耐震診断、耐震工事がされていない場合も多い。地域最大の鉄筋コンクリート建物・防災訓練実施場所・大卒公務員の集まっている場所という安心感が地域からあり、逆に隙もできる。
- ^ 平成23年度小中学校耐震化率80%、耐震性がないもの2.3万校。公立学校施設の耐震改修状況調査の結果について:【概要】調査結果の概要:文部科学省:平成23年8月24日
- ^ 今後少子化・予算不足により私立学校でも工事の遅れが出て来るとされる。
- ^ 愛媛0.6、宮崎1、沖縄1.5。神奈川78、静岡74、東京66。
- ^ 「災害時、公立校の自家発電設備27%どまり 地域差大きく」2013/1/12 0:40 日本経済新聞 電子版・34面
- ^ 「東日本大震災2年 教育 校舎復旧3割以下」読売新聞 2013年3月10日33面
- ^ 被災の小中高校生ら受け入れ、全国になお2万人超産経ニュース2013.8.6 21:21
- ^ 日教組第63次教育研究集会第9分科会「保健体育」
- ^ 「被災地の学級 問題行動も」読売2014年1月25日37面
- ^ 習志野市15.3、浦安市9.1(市域の86%)、千葉市5.7、船橋市5.6、市川市3.2、江東区1.6、江戸川区0.6、神奈川県1。震度5強が10秒、震度4が130秒続いた。第2位はクライストチャーチ
- ^ 「港湾の液状化 新予測基準 「揺れ時間:加算 被害範囲2割増:2012年1月25日夕刊読売新聞
- ^ 「浦安液状化 遠い再建 住宅街に爪痕 地盤改良にも時間」読売新聞2012年10月17日35面復興掲示板
- ^ 「古里 液状化に負けない 茨城・神栖」読売新聞2013年3月19日35面
- ^ 「震災液状化9700地点 国発表の3倍 関東が9割超」読売新聞2014年2月6日朝刊1面トップ
- ^ 千葉県:液状化しやすさマップ、揺れやすさマップ(平成23年度)
- ^ 千葉県液状化しやすさマップ:巨大地震:震度5強:平成23年度
- ^ 特に千葉街道(国道14号線)の東京湾側、浦安市全域、木更津市は小櫃川・木更津駅・木更津駐屯地付近、松戸市の常磐線の江戸川より、九十九里海岸の総武本線の太平洋岸、特に横芝光町など
- ^ 「コンビナート耐震強化」読売新聞2013年1月4日1面トップ
- ^ 臨海コンビナートの耐震強化へ調査費 経産省2013年1月4日18:50 日本経済新聞 電子版
- ^ 以下の計算には年金、老人医療費などの将来の増大、または経済成長などは加味されていない。またおのおのの数字や重要性については各種議論がある(例えば復興需要資金を海外から円で回収するため一時的な円高の可能性もある。東日本大震災では円高に振れなかった。)が、きわめて経済上の問題が大きいことに変化はない。
- ^ “巨大地震連発で被害総額100兆円超”に耐えられる?財政破綻しかねない「スケール感なき防災対策」の罠――目黒公郎・東京大学教授インタビュー ダイヤモンドオンライン 次世代に引き継ぐ大震災の教訓【第15回】 2012年3月21日
- ^ 平成12年9月末。国債全体が803兆7428億円。借入金54兆1853億円、政府短期証券125兆3669億円。2011年度末は960兆円、2010年度末924兆円、2009年度末883兆円、2008年度末846兆円。
- ^ 国の借金、過去最大の959兆円 復興債増加で:2012/05/10 17:17【共同通信】
- ^ 2013年度の基礎的収支(国・地方合計)は33.9兆円でGDP比6.9%。12年8月の試算では25.4兆円、5.2%。
- ^ 2012年末。ギリシャは170%、債務大国アメリカは約100%。2008年末の日本は191%(日本経済新聞2012年11月21日「衆院選'12 データで見る論点(2)
- ^ 河田恵昭は首都直下地震の被害額を200-300兆円としている。「社会問題としての首都直下地震 国力衰退の危機認識が必要」2012年10月16日関西大学社会安全学部第3回東京シンポジウム・2012年11月27日日本経済新聞朝刊44面
- ^ 2011年末の対外純資産は253兆円(対外資産582兆円、対外負債329兆円)、年間10-25兆円の経常収支黒字=国内貯蓄超過コラム:日本はアルゼンチンと同じ道をたどるのか=斉藤洋二氏ロイター 2012年 11月 29日 18:13 JST
- ^ 2012年9月末現在、国債発行残高948兆円、うち日銀保有が105兆円(11.1%)、海外が86兆円(9.1%)。家計の金融資産は1,510兆円、家計の純金融資産は1,155兆円、一般政府の負債残高は1,133兆円。([http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE8BK01I20121221 9月末の国債保有は海外が過去最高に、日銀は初めて100兆円突破 ]ロイター 2012年12月21日 11:41 JST)
- ^ 2013年初頭、円は1$90円前後まで下落しているが、石油の輸入価格上昇と原子力発電所休止に伴う輸入量増のため経常赤字が続いている。2013年3月の為替レートは約95円。2012年11月には80円であった。
- ^ 東日本大震災では、政府保証による借金(つまり政府の簿外債務)という形で被災地の中小企業支援が進みつつある
- ^ 学校の耐震強化費用は1校0.5-3億円である。毛布、暖房器具、発電機、非常用品のコストは膨大である。
- ^ 2012年、自由民主党総裁の安倍晋三が日銀による建設国債の公開市場操作について言及したことが、東日本大震災を受けて同党が掲げた、10年間で200兆円を投じるとする「国土強靭化計画」を受けたものだと報道されている(毎日新聞 2012年11月17日、時事通信 2012年11月17日)。
- ^ 安住財務相の答弁では2014年度から消費税を8%に増税しまかなうという。
- ^ 首都直下地震試算:日本の財政、5年後7割の確率で破綻 毎日新聞 2012年04月20日 10時13分直下地震がない場合は約3割。
- ^ 2位は2004年新潟県中越地震の5207世帯、74億円。3位は2007年新潟県中越沖地震の3000世帯、66億円。
- ^ 概算で10兆円程度
- ^ 「被災者の生活再建支援 巨大災害 財源どう確保」読売新聞2013年1月16日11面
- ^ キャンプ用品で使われる。
- ^ [2]
- ^ 「車こまめに給油 習慣に 災害時輸送の備え」小嶌正稔東洋大学教授、読売新聞2013年8月15日朝刊11面「論点」
- ^ 他に重要インフラで電力、燃料が必要なものは浄水場、下水処理場、ゴミ処理、役所、学校、警察、刑務所、穀物備蓄、消防、ガスタンク、都市ガス供給、放送局、新聞社などもある。
- ^ 2012年末は1994年末の半分の3.7万カ所である。また法律の改正で2013年1,2月にさらに多数が廃業したと考えられている。
- ^ 福島県檜枝岐村では、村の補助を受けている唯一の給油所が消滅すると、30km先まで行かなければならない。
- ^ 燃料計ゼロでも数十km走れるという経験則から、ゼロになってから給油する人も多い。
- ^ 災害時には原子力発電所が停止する可能性が高いが、冷却水循環による燃料冷却の必要性が残る。冷却できない場合、原子炉または炉外部貯蔵の燃料や高濃度放射性物質が爆発し、放射能を周囲にまき散らす。もしそこまで行った場合、それ以上の事故の発展を止める手段は全くなく、人類全体の危機にまで発展する可能性が高い。
- ^ 燃料タンクやパイプの損傷も考えられる。
- ^ 日本の国家存続の危機であるのでヘリコプター輸送も考えられるが、大きな困難が見込まれる。
- ^ 最近では中国が世界を独占するレアアースを禁輸したための対策として、世界中が代替材料・代替資源の開発を急加速させたため、中国資源の重要性が低くなった例がある。
- ^ 2012年初頭で、イラン核開発、ガザ紛争、尖閣諸島、フィリピン対中国など南シナ海、テロ、インドネシア政治不安、ソマリア付近の海賊、マラッカ海峡付近の海賊、インドネシア地域での地震・津波・火山、中国での原子力事故、などの紛争や可能性
- ^ マイクロコントローラー。高級車では1台に100個使うこともある。昔使われた「マイクロコンピュータ」の略ではない。
- ^ 東日本大震災は半導体再編を招くか、ルネサス、エルピーダの葛藤東洋経済ONLINE 2011年05月19日
- ^ 「AKG50」あすへの話題 双日会長 加瀬豊日本経済新聞2012年12月17日夕刊
- ^ P&G(パンパース)はSAPのほぼ全量、最大手ユニ・チャーム(ムーニーパンツ)はSAPを主に住友精化から調達するが住友精化はアクリル酸を日本触媒から調達している。工場再開には4-12ヶ月かかると見込まれている。
- ^ 日本触媒の事故、紙おむつ供給網に打撃 価格上昇は必至日本経済新聞2012/10/2 0:59
- ^ 冷蔵状態で生産者から消費者まで届ける仕組み。電気、道路、冷蔵トラック、燃料などが必要。
- ^ 法務省の通信はすべて首都圏の拠点を通るため、2013年中に代替通信拠点を作る。バックアップ保存がされているか不明である。
- ^ 法務省通信拠点を分散化 直下型地震対策で首都圏集中見直し日本経済新聞2012/10/13 11:50
- ^ 今回は住民同士の結びつきが強く、人口が比較的少ない地域の被災であったが、大都会では自分がそこに住んでいた証明さえ困難な場合が多数になると思われる。
- ^ 通常体質、病歴、アレルギー、併用薬、検査結果などを考慮して、投薬が決定されている。医療知識が乏しく、記憶力が減退し、医療機関を信頼する高齢患者は、自分の医療について十分な記憶を持たない場合がある。
- ^ 「カルテ電子化 災害に強く」読売新聞2012年10月6日夕刊
- ^ 「既存不適格」という。それを新しい基準に合わせることを「バックフィット」という。木造住宅の問題は遙かに重大であるが。
- ^ 次の巨大地震の時期は東日本大震災後早まったとされるが、時期は不明である。
- ^ 「日本のインフラが危ない(上)」ダイヤモンド特別リポート【第266回】 2012年5月11日
- ^ [http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0331/ 「シリーズ日本新生 橋が道路が壊れていく・・・インフラ危機を乗り越えろ」NHKスペシャル2012年3月31日]
- ^ [http://diamond.jp/articles/-/26538 道路が陥没し、首都高や地下鉄は危険地帯に!? 老朽化したインフラが“モンスター”になる日 ]ダイヤモンドオンライン 人口減少 ニッポンの未来【第3回】 2012年10月19日
- ^ 「朽ち始めたインフラ」週刊ダイヤモンド2012年41号p.114~
- ^ 社会資本の維持管理及び更新に関する行政評価・監視結果に基づく勧告平成24年2月 総務省
- ^ この時期についての確実性は高くない。2012年でも2100年でもあり得る。
- ^ 大昔海だったため。
- ^ 。中央道事故は氷山の一角日経ビジネス・時事深層 2012年12月10日
- ^ 2012年12月2日の中央道[[笹子トンネル (中央自動車道)|]]の天井板崩落事故では、開通後35年で130mにわたる大規模崩落が起こった。
- ^ 金町1926年、東村山1960年、朝霞1966年、三郷1985年。他に玉川1918年、砧下1923年、境1924年、砧1928年、杉並1932年など。
- ^ 「都の浄水場、進む老朽化」日本経済新聞2013年2月1日朝刊31面
- ^ 都会では「限界団地」などがある。都会の真ん中に住む高齢者が、坂のため孤立することもある。住宅街のスーパーやコンビニがなくなって、買い物が不便になって行く場合も多くなった。
- ^ コンクリートが危ない(岩波新書)小林 一輔(著) ISBN-10:4004306167,ISBN-13: 978-4004306160 発売日: 1999/5/20
- ^ 小林教授は全般的なコンクリート寿命の劣化について警告しているが、コンクリート製造法の変化によるアルカリ骨材反応と異なる早期劣化要因を心配していた。
- ^ ドライアイスを使わない場合が増え、例えばある大都市近郊の50万都市でドライアイスを売っているのは、小さい店一つだけである。
- ^ 055 遺体処理
- ^ 特命調査班 ~マル調~「火葬場が足りない!その現状とは」 毎日放送2012/11/14
- ^ 「お葬式が出せない どうする“葬送の場”」NHKクローズアップ現代No.3282 2012年12月3日(月)放送
- ^ 大規模災害時における遺体の処置・埋火葬に関する研究自然災害科学 J. JSNDS 24-4 447-471(2006)舩木伸江・河田恵昭ほか
- ^ 阪神・淡路大震災では被害地域が比較的狭く、特に神戸市の広い部分の損害が少ない上に隣接の大阪府が無事であったという特徴がある。関東地震、南海トラフなどの広域地震では、広域処理ができるかどうか不明である。
- ^ 東日本大震災 上下水道シンポジウム 水道施設被害の状況2012年4月、厚生労働省水道課 熊谷和哉
- ^ 茨城県では80万戸(断水率80%)、宮城県64万戸(71%)、福島県42万戸(64%)、千葉県30万戸(14%)、岩手県20万戸(43%)、秋田県6万戸(17%)など。他に東京都2万戸など。遠くは岐阜県、静岡県、北海道など(0.3%)。
- ^ 「震災影響で断水、19都道県256万戸 厚労省が調査」日本経済新聞 2012年12月5日
- ^ 東日本大震災水道施設被害状況調査の概要厚生労働省2012年12月
- ^ 4月8日には震度6強の最大余震があり、78万戸に増加している。
- ^ 4月8日には震度6強の最大余震があり、78万戸に増加している。
- ^ 阪神大震災では、自動販売機の通貨判別機器を入手するために、多数の犯罪者やアマチュアがボランティアを装って侵入したと言われる。
- ^ 政府の「死因究明等推進会議」の初会合が開かれたのは、2012年10月であった。
- ^ 災害時のトイレ機能の確保に関する調査報告書2011年8月、災害トイレ情報ネットワーク、日本トイレ研究所
- ^ 地震時におけるトイレ機能確保のための調査研究災害トイレ情報ネットワーク、日本トイレ研究所
- ^ 日中被災した場合には避難所自体が不足し(約29万人が利用する名古屋駅から避難する避難所の収容能力は1万人である(『大阪 帰宅難民「収容足りぬ」』読売新聞2013年3月19日朝刊39面。))。そこに避難民が集中しトイレを利用する。
- ^ 福島第一原発の近隣の10カ所は原発事故の影響で調査ができていない。『下水道復旧は数年かかる見通し 沿岸部に集中、被害深刻』asahi.com
- ^ 「浦安のまち」ドキュメント東日本大震災-液状化の記録-、p16、20、39、平成24年8月、ぎょうせい、ISBN978-4-324-09555-3
- ^ 「浦安のまち」ドキュメント東日本大震災-液状化の記録-平成24年8月、ぎょうせい、ISBN978-4-324-09555-3
- ^ 1964年の新潟地震を29歳で、2004年の新潟中越大地震を70歳で経験した内科医。
- ^ YomiuriWeekly2005.9.11 p14
- ^ 『「震度7」を生き抜く―被災地医師が得た教訓』2005年2月、祥伝社新書。ISBN-13: 978-4396110031
- ^ ただし彼は非常食の備蓄が少なくて良い理由を「48時間経てば必ず全国から支援が来る」からとしている。
- ^ 資料2-2 南海トラフ巨大地震の被害想定について(第二次報告) ~施設等の被害 【定量的な被害量】~ p21内閣府・南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)について 2013年3月18日
- ^ 「地震に対する10の備え」(東京消防庁)では、トイレの備えの記述は全くない。
- ^ 非常準備品・大阪市市民防災マニュアルでもトイレ用品の記載はなく、非常持ち出し品として一人1枚以上の簡易トイレがあるだけである。「救援物資が届くまでの3日間程度」の備えであるが。
- ^ 東京都葛飾福祉工場定番といえる避難キットの最上級セット(76,650円)にもトイレはない。帰宅困難者対策セット(12,600円)にはある。
- ^ 「重要下水道」耐震進まず:読売新聞2012年2月15日夕刊10面
- ^ ある変電所は東京湾沿岸にあり、標高ゼロメートル地帯に近い場所の地下にある。そこは都心部に電力を供給する重要な拠点であるのも関わらず、津波被害は「想定外」である。この変電所は他にも重要な機能を持つ。
- ^ 9.11同時多発テロでは、飛散したアスベストのため多数の被害者が出ている。
- ^ 「がれき処理で中皮腫 労災」読売新聞夕刊:2012年8月24日
- ^ 東日本大震災から約1年たった2012年2月現在処理済みは153万tだけである。
- ^ 有名な豊島 (香川県)」#豊島事件(産業廃棄物問題)は56万tであった。東京23区が50年かかって埋め立てた廃棄物が約1億t、現在は年間約100万t
- ^ 「巨大地震想定しがれき対応指針 環境省、年度内に策定」日本経済新聞2013年10月7日38面
- ^ 津波堆積物を含まない。
- ^ がれき総量(「災害廃棄物」と「津波堆積物」の合計)は、岩手525万t、宮城873万t
- ^ 目標は2013年3月で52%、2014年3月完了予定である。
- ^ 阪神大震災では1年10ヶ月後に処理率が9割を超えた。
- ^ 「がれき処理1~3割」読売新聞2013年1月11日1面
- ^ 避難者いまだ31万人、不明者捜索続く 11日に追悼式2013.3.11 00:16 (3/3ページ)産経2013.3.11 00:16
- ^ 「太平洋に広がる津波がれき」 生態系に打撃、環境汚染の恐れ石弘之、日経ビジネスONLINE> 環境・エネルギー > 「地球危機」発 人類の未来
- ^ “震災漂流物”154万トンの衝撃NHKクローズアップ現代No.3286 2012年12月11日(火)放送
- ^ 半分水没した板や漁船などのがれきの総量は推計で約133万t。2013年6月に3.3万tが北米大陸西岸に到着。漂流がれき、来月にも北米へ 環境省が予測修正日本経済新聞2012年11月10日朝刊
- ^ 漂着国は主にアメリカ(アラスカ、ワシントン、オレゴン、カリフォルニア、ハワイ州)、カナダという環境保護先進国・州であることも問題解決を難しくする。
- ^ 火力・原子力発電所の多くは海水による冷却が必要である。広範囲に渡って河川・海岸が機能しない場合、複数基と推定される原子力発電所・貯蔵施設の冷却問題が即刻浮上する可能性がある。
- ^ [漂流・漂着ごみ]
- ^ 海洋ごみ問題の現状と 今後の取り組みについて(東京海洋大学 兼広春之)p5、2003年現在、全国海浜等清掃活動実施状況調査((社)海と渚環境美化推進機構)調査
- ^ 大きく報道された外国の地震も含む。
- ^ 東日本大震災の海岸の救援活動では、津波警報で避難することが比較的行われていた。しかし救助員が消防団員や警察官など比較的統制がとれた。
- ^ この状況は新型インフルエンザなどによるパンデミックでも懸念されている。
- ^ 軟弱地盤に3800万人居住 防災科研、分析結果発表へ朝日新聞デジタル2012年10月6日20時44分
- ^ 「早川由紀夫の火山ブログ」によると「関東ロームは富士山の噴火堆積物ではない。ロームはホコリが積もってできた」という。
- ^ 東京「山の手」の地盤 「地震でも安全」過信は危険:読売新聞2008年10月16日11面「論点」:高橋学立命館大学教授
- ^ とうきょうれきそう。古多摩川が運んだ小石が東京周辺にたまったもの。「礫」は小石のうち、直径2mm以上。東京礫層は直径1-3cmのものが多い。
- ^ 層が薄いこと、礫同士が完全に固着しているわけではないこと、固ければ固いほど揺れに弱く割れやすいことから地盤の安全性を疑問視する声もある。また固い地層では「サンドイッチ地盤」(1975年大分県中部地震での湯布院にある九重レークサイドホテル崩壊などの例)による揺れの増幅の可能性もある。
- ^ 東京礫層の存在しないところでは、埋没段丘堆積礫層や七号地層中砂(N値90)を支持基盤にしている場合が多い。
- ^ 地盤' 宮崎県の地質・地盤概説-平成21年度第5回宮崎県技術研鑽セミナー資料-平成22年1月23日
- ^ 関西地質調査業協会現地見学会「四万十帯における地形の発達、山体の変形」
- ^ ガラス窓は放射能防護がされていなかった。
- ^ 「深層崩壊が日本を襲う」2010年6月27日(日)午後9時00分~9時49分:NHK総合テレビ NHKスペシャル
- ^ 深層崩壊 迫り来る巨大災害NHKサイエンスZERO:2010年10月9日放送
- ^ 危険地帯のトップ3は長野県、高知県、宮崎県だが、過去の深層崩壊は日本の広い地域で起こっている。
- ^ 別紙1深層崩壊推定頻度マップ平成22年8月11日 国土交通省
- ^ 「地盤が弱ければ地震に弱い」といえる。
- ^ 耐震診断基本データ(東京都)」および「都道府県別 耐震診断評点詳細」(いずれも期間は平成18年4月~23年11月)2012年4月19日
- ^ 「震度6強で倒壊恐れ9割 木造住宅、東京も低い耐震性」2012/04/19 18:49 【共同通信】
- ^ 「木造住宅、震度6強なら倒壊の恐れ9割 業界団体」2012/4/20 12:08 日本経済新聞
- ^ 仙台市マンション被害の「重い現実」――「倒壊0棟」から「全壊100棟」へと評価が大逆転:SAFETY JAPAN 2012年 1月12日
- ^ “超高層の揺れ、「東日本」の2倍…3連動地震”. 読売新聞. (2012年4月7日) 2012年4月9日閲覧。
- ^ 読売新聞 4月7日(土)紙面
- ^ 100m以上の鉄とコンクリートの重さに耐えるには強い建物が必要である。免震構造は建物の強さ・コストを減らすことができるが、想定外の地震に対する余裕が減る。コンピュータ解析が発達したため、設計の地震動に対する余裕が減少した。
- ^ それ以前の建築基準は建物上部に重さの0.2倍の力が静的に(ゆっくりと)かかる場合に壊れなければ良かったので、格段の進歩ではあった。
- ^ 超高層ビルの規制緩和からは9番目。1番目はホテル・ニューオータニ。
- ^ 「既存超高層建築の長周期・長時間地震動対策の技術開発とその実施」(大成建設の4人) 2010年日本建築学会賞(技術)受賞理由
- ^ K-NET MYG004 北緯38.7263東経141.0252。K-NET MYG012 塩竈 2,018.90ガル、64.22カイン。1,000ガル以上は合計10カ所。
- ^ 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(M9.0)の強震動について
- ^ 「既存超高層建築の長周期・長時間地震動対策の技術開発とその実施」(大成建設の4人) 2010年日本建築学会賞(技術)受賞理由
- ^ 石巻と陸前高田での地動加速度と地動変位<全国高密度強震計地震計(K-NET/KiK-net)が記録した揺れの広がり(3月16日古村他)<2011年3月 東北地方太平洋沖地震<広報アウトリーチ室<東京大学地震研究所
- ^ 「巨大地震の規模 地盤の動きで推計」NHK:2012年5月4日 19時11分
- ^ p5「新宿で観測された周期7秒程度の波群→ 長周期パルス→ 高層建物に影響」第37回地盤震動シンポジウムまとめ
- ^ 5.3 東京101 の強震記録<超高層ビルとやや長周期地震動
- ^ 地下3-4kmの基盤岩まで堆積地層が覆っているため、盆地内部で地震動が屈折したり増幅されたりする。また地震動が長時間継続する。盆地の大きさと形が卓越周期を決定している(定在波、固有周期)。
- ^ 「大地動乱の時代」p205 、石橋克彦著、1994年、岩波新書(新赤版)350。ISBN4-00-430350-4054
- ^ [www.aij.or.jp/jpn/databox/2011/20110309-1.pdf 長周期地震動対策に関する日本建築学会の取り組み]日本建築学会構造委員会 長周期建物地震対応WG・2011年3月4日(東日本大震災前)
- ^ 『3連動地震「長周期」ビル強震に地域差』2012年10月4日読売新聞夕刊・滝田恭子記者
- ^ 大阪平野の長周期地震動、濃尾平野の波も原因 震災時朝日新聞 2013年3月8日7時5分
- ^ 柔らかい堆積層がレンズのように、また固有周期の増幅器として働く。濃尾平野と大阪平野は比較的近距離にある。
- ^ 東日本旅客鉄道株式会社 東北新幹線 仙台駅構内 列車脱線事故(平成23年3月11日発生)事故調査報告 説明資料 運輸安全委員会 平成25年2月
- ^ ホーム > 気象統計情報 > 地震・津波 > 強震観測 > 震度と加速度、図3
- ^ 1995年気象庁95型震度計は最大2048galまで、K-NET95型強震計は最大2000galまで、2002年K-NET02型強震計は最大4000galまで計測可能である。それ以上の4022galという数字があるのは3方向(上下、東西、南北)の加速度成分をベクトル合成したためである。現在使われていない1953年SMAC型強震計と1987年気象庁87型強震計は最大980gal(=1G、重力)までしか測れなかった。4,000ガルが計測されたと言うことは、これ以上もあり得るが「想定外」であり計測できない。
- ^ 長周期地震動:揺れの強さ4段階で表示…気象庁、来春から毎日新聞 2012年12月12日 20時36分
- ^ 「長周期地震動 20分以上続く予測も」NHK 2012年4月30日 17時32分東大古村孝志教授ほか
- ^ さきしまちょうしゃ。大阪市住之江区南港北一丁目。1995年の竣工、総事業費1,200億円。日建設計ほか。地下3階・地上55階建て・高さ256m。大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)として、1995年に竣工。2010年府が大阪市第三セクターから80億円で購入。通称コスモタワー。想定(数回の)最大地震動25カイン、最大(建物寿命中1回)限界50カイン。
- ^ 「咲洲庁舎の安全性等についての検証結果」大阪府 総務部 平成23年5月
- ^ 30基中25基がP波管制運転で停止したが、ロープが絡まったため救助に時間がかかった。
- ^ 200km以上離れた苫小牧でスロッシングによる石油タンクの火災が起こった。
- ^ 2008年1月24日
- ^ 「大地震を受ける超高層建物内部の被害様相と防災啓発」「建築防災」2009 年8 月号
- ^ 「超高層ビルが遭遇する『悪夢』の長周期地震動」SAFETY JAPAN 2008年3月25日
- ^ “南海トラフ巨大地震 超高層ビルの対策を”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年5月1日). オリジナルの2013年5月5日時点におけるアーカイブ。 2013年5月5日閲覧。
- ^ 1989年に落成した新宿キャンパスは、地上29階、地下5階、高さ143m。建築主:工学院大学、第一生命、日本生命。設計者:日本設計。施工者:清水建設、大林組、鹿島建設、大成建設、竹中工務店、戸田建設JV。隣のエステック情報タワーとツインになっている。
- ^ 東京湾岸、長周期地震で石油流出の恐れ 早大研究室調査朝日新聞 2013年2月2日7時20分
- ^ 判定方法は航空写真であり、実地調査ではかなり減ったり増えたりする可能性がある。他の港湾でもスロッシングの可能性がある。液状化などによる被害予測は含まれていない。各タンクには流出防止用の塀がある場合があるが、これの効果にも記事はふれていない。
関連項目
外部リンク
地震
- 気象庁
- 気象庁 気象統計情報 地震・津波 - 地震・津波に関する最新情報および資料等
- 気象庁 気象等の知識 地震・津波 - 地震や津波に関するメカニズム・観測・情報+過去の地震災害+東海地震などの解説
- 中央防災会議 - 内閣総理大臣や閣僚、指定公共機関の代表者、学識経験者らで構成
- 地震調査研究推進本部 - 文部科学省の特別の機関
- 地震予知連絡会 - 省庁の代表者や学識経験者で構成
- 独立行政法人 防災科学技術研究所
- 独立行政法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
- 独立行政法人 産業技術総合研究所 活断層研究センター
- 活断層データベース - 日本の主な活断層の平均変位速度などのパラメータ+それらの算出根拠の調査データ
- 日本地震学会
- 東京大学地震研究所
- 地震予知総合研究振興会
防災
- 内閣府防災情報
- 「地盤のゆれやすさ全国マップ」 - PDF
- 「わが国の災害対策」 - PDF
- 特定非営利活動法人リアルタイム地震情報利用協議会 - 緊急地震速報に関する研究調査や普及活動