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社会保険審査会

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社会保険審査会は、健康保険船員保険厚生年金保険及び国民年金の給付等処分に関して、行政不服審査を行う厚生労働省に設置された国の機関である。

社会保険について、厚生労働大臣日本年金機構全国健康保険協会健康保険組合石炭鉱業年金基金国民年金基金連合会が行った一定の処分に関して不服のあるときは、社会保険審査官に審査請求することができ、社会保険審査官の決定に不服のあるときは、社会保険審査会に再審査請求することができる。また、一定の処分については社会保険審査会に直接審査請求することができる。

再審査請求することができる処分

  • 健康保険、船員保険、厚生年金保険
    • 被保険者資格、標準報酬、保険給付

健康保険、船員保険、厚生年金保険の保険料の賦課、徴収、督促、滞納処分については社会保険審査会に直接審査請求する。

  • 国民年金
    • 被保険者資格、保険給付、保険料その他の徴収金

脱退一時金については社会保険審査会に直接審査請求する。

構成

委員長、委員5名の計6名で構成される。委員長、委員は衆議院参議院両院の同意を経て、3年の任期をもって厚生労働大臣が任命する。

現在の委員の構成は、2名が元高裁判事、2名が元国立病院長、1名が元開業社会保険労務士、1名が元保険会社役員である。

審査は通常3人で行われ、元裁判官の委員が審査長となり、審査員は1名が医師の委員、1名がその他の委員で合議体を構成する。社会保険審査会が決定した場合は6名で合議体を構成することもできる。

また、社会保険審査会参与として厚生労働大臣から指名された、健康保険、船員保険、厚生年金保険の被保険者の利益を代表する者各2名計6名、それぞれの保険につき事業主の利益を代表する者各2名計6名、国民年金の被保険者及び受給権者の利益を代表するもの4名が置かれ、それぞれの審理に参加する。

委員長、委員は特別職国家公務員であり、委員長の俸給は月額105万5000円で厚生労働審議官労働保険審査会会長、東宮大夫大使2号俸、公使2号俸と同額、委員の俸給月額は93万1000円で労働保険審査会の常勤の委員、大使1号俸、公使1号俸と同額であり、内部部局局長の俸給月額をわずかに上回る。

審査請求、再審査請求の数と裁決

社会保険審査会に持ち込まれる審査請求の数は年々増加し、毎年約2000件程度あり、その内7割が障害関係の再審査請求である。

社会保険審査会が裁決した事件のうち、請求人の主張が容認される率は1割程度である。審査請求したものの請求人が取り下げた事件のうち、処分庁が原処分を変更して取り下げられた割合は7割程度である。

社会保険審査会の裁決に不服のある場合は、厚生労働大臣の処分に対しては国を被告として、その他の処分庁の処分に対してはその処分庁を被告として、地方裁判所に提訴できる。

外部リンク