コンテンツにスキップ

シアナミド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。NipponDaemon (会話 | 投稿記録) による 2015年9月5日 (土) 09:42個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎外部リンク)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

シアナミド
{{{画像alt1}}}
{{{画像alt2}}}
識別情報
CAS登録番号 420-04-2 チェック
PubChem 9864
ChemSpider 9480 チェック
UNII 21CP7826LC チェック
EC番号 206-992-3
国連/北米番号 2811
KEGG D00123 チェック
ChEMBL CHEMBL56279 チェック
RTECS番号 GS5950000
特性
化学式 CH2N2
モル質量 42.040g/mol
外観 無色針状結晶
密度 1.28g/cm3
融点

44 °C, 317 K, 111 °F

沸点

260 °C, 533 K, 500 °F (分解
6.7 Paで83 °C
2.5kPaで140°C)

への溶解度 77.5g/100ml(15°C)
85g/100ml(25°C)
有機溶媒への溶解度 可溶
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 0424
EU分類 Toxic(T
EU Index 615-013-00-2
NFPA 704
1
4
3
Rフレーズ R21 R25 R36/38 R43
Sフレーズ S1/2 S3 S22 S36/37 S45
引火点 141°C, 414K
関連する物質
関連物質 カルシウムシアナミド
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

シアナミド(Cyanamide)とは、化学式 H2N-CNで表されるアミド化合物である。化成品原料や肥料として利用される物質であり、医薬品としても使用される。

製法

カルシウムシアナミドを水と反応させ、二酸化炭素を溶液に通じるとシアナミド水溶液が得られる。硫酸で中和して炭酸カルシウムを沈殿させ、濃縮すると無色針状結晶として得られる。

CaCN2 + H2O + CO2 → CaCO3 + H2NCN

性質

シアナミドはカルボジイミド互変異性をもっている。アルカリ性溶液中で加熱すると、シアナミドとカルボジイミドとが反応したジシアンジアミドが生成する。ジシアンジアミドは土壌中の水分で徐々に分解して、尿素炭酸アンモニウムになる。ジシアンジアミド自身は植物に有害なので基肥として利用される。

シアナミドはアミンと反応してグアニジンとなるので、化成品原料として重要である。

シアナミド自身は刺激性を持ち、皮膚に触れると炎症を引き起こす。日本では毒物及び劇物取締法劇物に指定されている。

医薬品

シアナミドは日本薬局方一部収載品で、慢性アルコール中毒、過飲酒者に対して断酒、節酒目的で用いられる。商品名は、シアナマイド

作用機序

本剤はアルデヒドデヒドロゲナーゼを阻害するので肝臓におけるエタノール代謝を抑制し、悪酔いの原因となるアセトアルデヒドを体内に蓄積させる。このため少量の酒でも苦しい目に遭い、断酒、節酒の効果がもたらされる。

注意事項

本剤を服用時は、嗜好品である酒を飲まなくても、奈良漬のようなエタノールを含む食品や少量の薬用酒を摂取した程度でも悪酔いすることがある。「飲酒」とまで言わない程度のアルコール摂取にも注意が必要である。

関連項目

肥料、農薬。シアナミドを含むので施肥(散布)後に飲酒すると危険。施肥(散布)後、24時間くらいは飲酒を避けるべき

外部リンク